フォローアップ研修とは?【プログラム例】目的、メリット

フォローアップ研修とは、研修から一定期間が経過したタイミングで再度行う研修のこと。研修の復習・振り返りによりさらなる学びを促すほか、新たな課題・目標の発見やモチベーション向上にもつながるのです。

今回はフォローアップ研修について、目的やメリット、研修のプログラム例や研修の進め方など詳しく解説します。

1.フォローアップ研修とは?

フォローアップ研修とは、研修後、一定期間が経過したタイミングでもう一度受講者を集めてさらなる学びを促すための研修です。研修の振り返りや定着度の確認、課題抽出や目標設定などを目的に実施されます。

新入社員研修をはじめ、企業ではさまざまな研修を実施するもの。研修は一度受講しただけでは学習内容が確実に定着するとは限らず、時間が経過して忘れてしまう部分も多いです。

研修内容の振り返りと定着、そして研修後に新たに発生した課題や目標に対応するために、フォローアップ研修が役立ちます。また、フォローアップ研修は研修の効果測定としても有効です。

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2.フォローアップ研修の目的

フォローアップとは、一度行った事柄をさらに強化し、効果を確認するためもう一度行って進展を調べること。一度学んだからとすぐに定着させるのは難しいため、更なる理解度の向上・定着を図り学びの効果を高めることがフォローアップ研修の主な目的です。

また、研修後に実務を行うと自分に不足するスキルや知識、課題や疑問が明確になるでしょう。そうしたタイミングでフォローアップ研修を行うことで、次への学びにつなげることも可能です。

さらに、前に行った研修の効果測定としてフォローアップ研修が役立ちます。研修内容のブラッシュアップや課題の発見に役立ち、今後さらに質の高い研修が実施できるようになるのです。

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3.フォローアップ研修の対象者と実施タイミング

ここでは、フォローアップ研修の対象者と実施タイミングを解説します。

フォローアップ研修の対象者

フォローアップ研修は新入社員向けに行われることが多いです。しかし若手や中堅、管理職に向けても実施できます。基本は新入社員研修とセットで実施され、ほかの年次の従業員にも実施するかは企業によってさまざまです。

とくに、新入社員研修は実務未経験で受講するため、体系的に学ぶだけで終わってしまいがちでしょう。実際に業務をこなすようになってからフォローアップ研修を行うと、新入社員研修以降の振り返りができ、さらなる成長へと生かせます。

フォローアップ研修の実施タイミング

一般的に多いのは最初の研修実施から「3か月後・半年後・1年後」です。どのような目的でフォローアップ研修を行うかによっても実施タイミングは異なります。たとえば、新入社員研修であれば、タイミングごとに以下のような目的が設定できるでしょう。

3か月後 ・復習と定着度の確認
・配属後の不安解消や業務の進め方の確認
半年後 ・課題や解決策を模索しながらスキル定着を図る
・モチベーションアップ
1年後 ・総復習
・学んだことを次の新人に伝えられるかの確認
・キャリアプランの検討

目的を明確にして、適切なタイミングで実施してこそフォローアップ研修の効果が高まります。

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4.フォローアップ研修実施のメリット

フォローアップ研修の実施により、以下のようなメリットに期待できます。

  1. 学んだことの定着率を高められる
  2. 成長や課題が発見できる
  3. 不安や悩みの解消につながる
  4. モチベーションを高められる

①学んだことの定着率を高められる

一度学んだだけでは十分な定着には期待できず、日々の業務に追われる中で学んだことが定着しているかを確認するのも難しいもの。

フォローアップ研修は初回の研修から数ヶ月後に実施されるため、研修後の変化や経験を踏まえたうえで、定着しているかどうかが確認できます。

復習・振り返りによって忘れてしまっていたこと、学んだことの更なる理解を促すことで、学習内容の定着率が高められるのです。

②成長や課題が発見できる

フォローアップ研修は、自分を見つめ直す機会としても有効です。日々の業務ではなかなか自分を客観的に把握できないもの。フォローアップ研修があると学んだことを生かせているか、どれだけ成長できたか、そのうえでどのような課題ができたかを確認できます。

こうした機会は次なるアクションへつなげるために重要であるため、フォローアップ研修でしっかりと自分自身と向き合うことが大切です。

③不安や悩みの解消につながる

とくに、新入社員は研修後に業務を経験するなかで、不安や悩みも増えるでしょう。不安や悩みをそのまま放置することは、早期離職の原因になりうるものです。

フォローアップ研修では同期が再集結するため、同じ境遇の仲間と不安や悩みをわかちあえます。また、業務の進め方について確認もするため、不安や悩みへダイレクトにアプローチでき、入社後の不安や悩みも解消できるでしょう。

④モチベーションを高められる

入社時、研修受講直後は高まっているモチベーションも、時間の経過とともに徐々に低下していきます。とくに、新入社員や若手社員は、慣れた時期こそ中弛みが発生しやすくなるもの。

そうしたタイミングでフォローアップ研修を行うと、自分の成長が自覚できたり、不安や悩みが解消できたりすることで、仕事への意欲が回復する効果が期待できます。

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5.フォローアップ研修のプログラム具体例

新入社員研修のフォローアップ研修を例に、プログラムの具体例をご紹介します。

前回の研修の復習

新入社員研修で学んだことをさらに定着させため、前回の研修内容を復習します。新入社員研修で学んだ内容は、時間が経って忘れてしまっていることも多いでしょう。

フォローアップ研修時は実務も経験した状態であるため、自分の能力も認識したうえで学びの再定着が図れます。このタイミングで自分が設定した目標も改めて確認することがポイントです。

振り返り内容のディスカッション

研修後にどのような成果を出せたか、研修内容をどのように生かせたかを振り返ります。振り返り内容はディスカッション形式で行うと、新たな気づきが得られやすくなるでしょう。

ディスカッションによって内容への理解がさらに深まり、第三者の意見やアドバイスから自分の成長のヒントが得られる場合もあるでしょう。

目標達成についても、なぜ達成できなかったか、今後どうすべきかを話し合うと、自分では得られなかった考えから有効な解決策の発見が期待できます。

成功体験の発表

新入社員研修以降、自分が成長したと思う点や成功体験をプレゼン形式で発表するのもプログラムのひとつ。プレゼンをとおしてアウトプットでき、研修内容の定着につながります。

ほかメンバーの成功体験は、自分の成長や実務に役立つ有益な情報です。そして、さまざまな部署で活躍する同期の成功体験を聞くと、「自分も頑張らなきゃ」とモチベーションも向上するでしょう。

士気が高まり、フォローアップ研修後より意欲的に仕事に取り組めるようになる効果が期待できます。

キャリアプランの作成

キャリアプランの作成もフォローアップ研修の代表的なプログラム例です。新入社員研修の時は業務内容もわからない状態であるため、キャリアについて考えるほどの材料がそろっていない段階です。

フォローアップ研修時は実務経験もあり、自分のキャリアについて考える余裕も生まれてくるでしょう。自分が今度どう活躍したいのか、どのように成長したいかを考えると、今後の目標を立てる際の指針が明確になります。

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6.フォローアップ研修の進め方

以下は、フォローアップ研修の基本的な進め方です。進め方に従って、フォローアップ研修を準備していきましょう。

  1. 実施目的を決める
  2. 実施タイミング・カリキュラムを決める
  3. 研修を実施する

①実施目的を決める

まずは、フォローアップ研修を行う目的を明確にします。大きな目的は前回の研修内容の復習や振り返りです。なかでもどこを軸にするかを明確にするとよいでしょう。

受講者に対して目的を明確に提示できれば、ただ参加するだけになってしまう状態を避けられます。目的は、「研修後どのようになってほしいか」を軸に考えてみてください。

②実施タイミング・カリキュラムを決める

フォローアップ研修の実施に決まったタイミングはないものの、一般的には3か月後・半年後・1年後がよくある例です。3か月後の実施は復習や知識の定着、半年後は学習内容が生かせているか課題や成果の確認、1年後は総合的な振り返りが主なテーマとなります。

ポイントは、実施のタイミングとテーマに応じた適切なカリキュラムを設定すること。カリキュラムは講義だけでなく、個人ワークやディスカッション、プレゼンテーションなどを組み合わせると効果が高まります。

③研修を実施する

研修は自社で実施、または外部の研修サービスで実施する2パターンがあります。実施方法に合わせて、実際に研修を実施しましょう。

研修では、まずは個人での振り返りを行い、その後グループでのディスカッションや自分の成功体験・好事例をプレゼンテーション形式で発表して、段階的に振り返りの場を設けます。

最後に目標の見直しや新たな目標設定ができると、受講者が意欲的に次へのアクションにつなげられるでしょう。

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7.フォローアップ研修成功のポイント

最後に、フォローアップ研修成功のポイントを解説します。

適切なタイミング・頻度で実施する

何となく時期が来たから、効果を高めるために高頻度で実施するといった無計画にフォローアップ研修を実施することは避けましょう。

フォローアップ研修は、明確な目的と意義を持って適切なタイミングで実施することで効果を高められます。

判断に迷った場合には、3ヶ月後・半年後・1年後のタイミングがオススメです。頻度は多すぎても少なすぎてもよくなく、現場の負担やスケジュールにも配慮しながら数か月に1回程度行えるとベストです。

参加者に当事者意識を持たせる

研修はただ聞いているだけ、参加しているだけの他人事になってしまうリスクがあります。こうした状態を防ぐためにも、ディスカッションやグループワーク、プレゼンテーションなどをプログラムに取り入れ、当事者意識をもてるよう工夫しましょう。

参加者が発言・思考できる場を用意し、当事者意識を持って参加できる状況を作ります。

また研修の最後で気づきや意識の変化を話し合うと、参加者同士でモチベーションを高め合えるでしょう。自分事化して研修に参加できれば、学んだことの定着率アップにも有効です。

フィードバック・効果測定を実施する

やって終わりになってしまっては、フォローアップの意味も薄れてしまいます。フォローアップ研修で学んだことの定着を図るためにも、実施後はフィードバックが必要です。

また、今後のフォローアップ研修をより効果的なものにしていくためにも、効果測定を実施しましょう。研修後のアンケートや研修を受けて得られたこと、変わったことなどを調査し、研修の効果を確かめてみてください。実施側もフィードバックや効果測定を行うことで、改善点や強化点が見つけられ、次の研修をよりよいものにできるはずです。

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