安全衛生優良企業とは? 公表制度、認定基準、メリット

安全衛生優良企業は、安全衛生への取り組みが厚生労働省に認定された企業です。一体どういうものなのか、安全衛生優良企業について詳しく解説します。

1.安全衛生優良企業とは?

安全衛生優良企業とは、労働者の安全や健康確保のための対策に積極的に取り組み、高い安全衛生水準を維持、改善しているとして、厚生労働省から認定を受けた企業のこと。

具体的にいうと、働く人の健康を守るため、健康保持増進や安全管理、メンタルヘルス対策などに積極的な取り組み、それが評価された企業を指します。

安全衛生優良企業とは、働く人の健康を守るための積極的な取り組みが厚生労働省に認定された企業のことです

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.安全衛生優良企業マーク推進機構とは?

安全衛生優良企業マーク推進機構とは、厚生労働省の取り組みである安全衛生優良企業公表制度をきっかけとして2015年に開設された一般社団法人で、下記を目的として活動しています。

  • 安全衛生優良企業とそうでない企業とを判別して公表する
  • 安全で健康に働くための企業情報を広く提供する

安全衛生優良企業マーク推進機構は、安全衛生優良企業公表制度を社会に浸透させるとともに、社会問題化する労働環境問題の是正に取り組んでいます。

安全衛生優良企業マーク推進機構は、「安全衛生優良企業公表制度の浸透」「社会問題化している労働環境の是正」に取り組んでいます

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

3.安全衛生優良企業の目的

安全衛生優良企業の目的は、「働く人の安全と健康こそ企業の業績」をキャッチフレーズに、働く人と企業の双方が共に安心して健康に過ごせる職場環境を普及させること

また、今現在働く人だけでなく求職者も含めて、それぞれにベストな労働環境を創造することを目指して、安全衛生優良企業認定を実施しているのです。

安全衛生優良企業の目的は、働く人と求職者、企業が安心して健康に過ごせる職場環境の普及です

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

4.安全衛生優良企業認定「ホワイトマーク」とは?

安全衛生優良企業認定 ホワイトマークとは、厚生労働省から安全衛生優良企業として認定された企業を公表する制度のことで、認定や公表といったオープンな取り組みを通して、安全衛生に努める企業を増やしていくために設けられています。

ホワイトマークの認定を取得した企業は、ホワイト企業として広く社会に認知されます。

ホワイトマークとは、厚生労働省から安全衛生優良企業として認定された企業を公表する制度のことです

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

5.安全衛生優良企業にする理由

企業が安全衛生優良企業の認定を目指すのはなぜでしょうか。そこには2つの大きな理由があります。

さまざまな方向から注目される企業

安全衛生優良企業として認定されると、その企業の動向は各方面から注目を集めるため、取引先へのPRを始めとする企業イメージの向上に大きく貢献します。

反対にブラック企業となった場合、実態がSNSなどで暴露される、炎上といった問題に発展しかねないといったリスクを抱えてしまうので、注意が必要でしょう。

優秀な人材の獲得

安全衛生優良企業として認定されると、企業イメージが向上するため、求職者へのPRになり、優秀な人材を獲得しやすくなります。

「ブラック企業やホワイト企業といった言葉が社会でも広く認知されている」「売り手市場が到来している」といった時代背景もあり、安全衛生優良企業の認定は企業にとっても重要になっているのです。

安全衛生優良企業認定を目指す理由は、「多方面から注目される」「優秀な人材の確保が有利になる」の2つです

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

6.安全衛生優良企業のメリット

安全衛生優良企業のメリットは4つあります。ここでは、4つのメリットについて解説しましょう。

3年間、ホワイト企業だとアピールできる

安全衛生優良企業に認知された場合、下記のメリットがあります。

  • 厚生労働省の公式ホームページに認定期間の3年間、企業名が掲載される
  • 安全衛生優良企業認定 ホワイトマークを利用できる

自社が安全や健康に配慮しているホワイト企業であることを多方面に広くアピールするため、企業イメージのアップへとつながるのです。

職場環境の整備

安全衛生優良企業に認定されるためには、約80項目の基準を満たさなくてはなりません。その取り組みを真摯に行うことで、職場環境はどんどん整備され、より素晴らしい状態になっていくのです。

優遇措置

  • 厚生労働省主催のホワイトマーク取得企業限定の就活イベントなど、さまざまなイベントに参加できる
  • 金融機関や自治体などによる、金利優遇措置が受けられる
  • 総合評価落札方式や企画競争で公共調達を行う場合に加点措置が受けられる

などの優遇措置を受けられる点は、大きなメリットでしょう。

助成金の利用

ホワイトマークを取得するための過程にて利用できる助成金は、多いです。

  • 職場意識改善助成金
  • 職場定着支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 人材開発支援助成金
  • 両立支援等助成金
  • 障害者雇用安定助成金
  • 受動喫煙防止対策助成金

助成金でサポートを受けながら職場環境を整備できるのは大きなメリットでしょう。

安全衛生優良企業のメリットは、「3年間、ホワイト企業であることをアピール」「職場環境の整備」「優遇措置」「助成金の利用」があります

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

7.安全衛生優良企業のデメリット

安全衛生優良企業のデメリットとして考えられるのは、取得までの手間です。

安全衛生優良企業の認定基準は約80項目にも及び、それら認定基準のクリアを証明する資料を添付する必要があるため、手間が予想以上に負担となってしまうのです。この点は、安全衛生優良企業認定のデメリットといえるでしょう。

安全衛生優良企業のデメリットとして考えられるのは、取り組みから取得までにさまざまな手間がかかることです

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

8.安全衛生優良企業の事例

安全衛生優良企業の具体的事例として3つの企業の取り組みを紹介します。

トヨタ自動車

トヨタ自動車は、一人ひとりが安全な行動ができるようといった取り組みを行っています。

  • 過去の災害を風化させないためのルールの背景を伝える安全伝承館
  • 安全に関する技能を習得しているか定期的に評価、確認する安全道場

また、職場のコミュニケーションの活性化により安全マインドを向上させるため、

  • 全社安全現地現物活動
  • 職場ノートの活用といった双方向コミュニケーションの徹底

にも積極的に取り組んでいます。

アップコン

アップコンは建築設計や建設コンサルタントを行う企業で、バラエティに富んだ取り組みを実施しています。

  • 安全衛生活動を管理する組織による安全衛生管理計画の策定
  • 状況把握や分析を行うなど安全衛生等管理システムの確立
  • 厚生労働省発表のヒヤリハットの情報共有
  • 就業時間内での喫煙を禁止し、喫煙している社員に喫煙本数をヒアリングするなど社員禁煙宣言の徹底
  • 健康維持のためエレベーターでなく階段を使用した場合に付与される階段ポイント制の導入

朝日生命保険

朝日生命保険は、生命保険会社として培ってきた研究結果やノウハウを活かして、従業員の心身健康管理や過重労働防止に取り組んでいます。

  • 朝日生命成人病研究所と連携した医師や栄養士によるセミナーの開催
  • 乳がん撲滅に向けたピンクリボン運動の推進
  • 健康診断で有所見者への二次健診
  • メンタルヘルス・マネジメント検定試験の受験推進
  • 社内e-ラーニングによるメンタルヘルス教育

安全衛生優良企業は、働く人の安全と健康維持のために、自社に合った独自の取り組みを積極的に行っているのです

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは? 効果的に行うための1on1シート付き解説資料をプレゼント⇒こちらから

9.安全衛生優良企業の認定基準

安全衛生優良企業と認定されるには、約80項目に関する基準を満たす必要があります。

必要項目

認定基準には必要項目が設定されています。必要項目は、下記の2つです。

  • 企業の状況として満たす必要があるもの
  • 企業の取り組みとして満たす必要があるもの

企業の状況

企業の状況の必要項目は、下記項目で構成されており、優良企業にふさわしい企業の状況かどうか、確認されます。

  • 3年以内にコンプライアンス違反をしていないか、といった労働安全衛生法などの違反状況
  • 労働災害を起こしていないか、といった労働災害発生等の状況
  • その他優良企業としてふさわしくない事項があるかどうか

なお、制度の対象はすべての業種の企業で、会社法などに定められる法人、共同組合、個人商店なども含まれます。

企業の取り組み

企業の取り組み状況の必要項目は、下記項目で構成されており、優良企業にふさわしい基本的な取り組みができているかどうか、確認されます。

  • 健康や安全を取り仕切る部署や担当者は存在するかなど、安全衛生体制の状況
  • 安全衛生全般の取り組み

なお、安全衛生優良企業になるには、すべての事業場を含む企業全体で基準を満たす必要があります。1つの事業場のみの取り組みである場合、要件を満たしたとはいえません。

評価項目

企業の積極的な取り組みを評価する項目があります。これは、評価項目をすべて満たした場合の合計点と比較して、「各取り組み、対策ごとに6割以上」「全体として8割以上」の取得が要件となっています。たとえば下記のようなものです。

  • 安全衛生活動を推進するための取り組み
  • メンタルヘルス対策や過重労働防止対策など、健康で働きやすい職場環境の整備
  • 安全でリスクの少ない職場環境の整備

安全衛生優良企業と認定されるには、必要項目と評価項目について、それぞれの条件を満たす必要があります

Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

10.安全衛生優良企業の認定を得るための流れ、ステップ

安全衛生優良企業の認定を得るための流れについて、簡単に解説しましょう。

  1. 自己診断
  2. 基準を満たしていない場合、取り組みを進める
  3. 基準を満たしたら書類を用意
  4. 申請
  5. 審査

①自己診断

安全衛生優良企業の認定を得るには、まず自社が安全衛生に関してどのような状態にあるのかを知らなくてはなりません。厚生労働省の運営する「職場のあんぜんサイト」には、安全衛生優良企業公表制度について自己診断できるページがあります。

  • 対象となる業種か
  • 労働安全衛生法等の違反の状況
  • 労働災害発生などの状況

②基準を満たしていない場合、取り組みを進める

安全衛生優良企業の基準を満たしていないと診断された場合、安全衛生優良企業の必要項目や評価項目の基準を満たすべく新たに取り組みを始めます。

必要項目は、安全衛生優良企業と認定されるため、すべてを満たす必要があると定められているもの。企業の状況や取り組みの2つのほか、評価項目の合計点と比較して、「各取り組み、対策ごとに6割以上」「全体として8割以上」の取得が要件となっています。

③基準を満たしたら書類を用意

安全衛生優良企業の基準を満たしていると診断された場合とは、必要項目と評価項目の両方の条件を満たしている状況のこと。その場合、安全衛生優良企業認定に向けて、基準を満たしたことを証明する書類を作成しましょう。

申請のための様式類は厚生労働省のホームページからダウンロードできます。詳細は、都道府県労働局の健康安全主務課窓口に問い合わせてください。

④申請

書類が作成できたら、本社を管轄する都道府県労働局健康安全主務課宛に書類を提出します。申請方法は、郵送と窓口への持参どちらでも構いません。認定申請は企業単位なので、企業のすべての事業場にて基準を達成しているか、再確認してください。

⑤審査

安全衛生優良企業の申請が行われると、労働局にて提出書類をもとに審査が行われ、認定された場合は、安全衛生優良企業として厚生労働省の運営するサイトに企業名が掲載されます。また認定されると、下記のメリットを享受できるようになるのです。

  • 3年間のアピール
  • 職場環境の整備
  • 優遇措置
  • 助成金の利用

安全衛生優良企業の申請は、「自己診断」「申請書類の作成」「申請書類の提出・認定」というように順番に行われます