報告書とは? 書き方の手順・ポイント、種類をわかりやすく

報告書とは、特定の事柄を伝えるために作る書類のことです。報告書の種類や書き方、日報との違いなどを詳しく解説します。

1.報告書とは?

報告書とは、特定の事柄を伝えるために作る書類のこと。ビジネスシーンでは、上司や先輩から指示された案件を実施した際に、その結果を報告するために作成します。

業務や出張、調査や研究の結果、クレームがあった際の報告書などさまざまな場面で用いられ、ビジネスマナーの3要素、ホウレンソウ(報告・連絡・相談)のひとつもなっている重要な書類です。

特定の事柄を伝える報告書は、業務や出張、調査や研究の結果、クレームなどさまざまな場面で用いられています

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2.報告書の目的

報告書の目的は、何があったか、どうなったかを共有して、今後に活用するため。そのためにも報告書は、誰が読むのかを意識して、読む人にとって必要な情報を分かりやすく書く必要があります。

ビジネスシーンにおける報告書の場合、上司や先輩の指示で業務を行った際に、業務の結果について要点を押さえ、簡潔に伝えることが重要となるのです。

報告書は、相手の必要とする情報を簡潔にまとめ、新しい業務や気付き、重要な情報などを共有して今後に活用するために作成します

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3.報告書と日報との違い

日報とは、その日の事柄を報告する書類で報告書のひとつ。日々の業務記録を報告するだけでなく、日報を読むことで社員それぞれがどのような業務をしているのかを把握・共有し、その内容をもとに業務改善や効率化につなげていくのです。

報告書は、特定の事柄を伝えるためのもので、さまざまな場面で用いられています。

日報はその日の事柄を報告する書類で、報告書はさまざまな場面で用いられている特定の事柄を伝えるための書類です

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4.報告書の種類

報告書はさまざまな場面で用いられ、多種多様な種類があります。その中からビジネスシーンで用いられている報告書を紹介しましょう。

営業に関する報告書

営業に関する報告書は、日・週・月などある特定の期間ごとに作成します。報告するポイントは、行動内容、業務の進捗状況、実績など。さらに半期、四半期の報告書には、今後の展開や計画の見通しなどの内容を書きます。

業務に関する報告書

業務に関する報告書はさまざまな種類があります。たとえば、部署ごとに業務内容や改善点を報告する事業報告書をはじめ、事業実績報告書、決算報告書、有価証券報告書、CSR報告書、監査報告書など。これらは社外の関係者に伝えるために作成します。

会計・経理に関する報告書

会計、経理に関する報告書は、会社の資金をしっかりと管理するための重要な書類です。年間でいくらの収入があり、どのような活動にいくら支払ったか、利益はどのくらい出たかなどに関する収支会計報告書や支払い報告書などがあります。

リスクに関する報告書

リスクに関する報告書には、どこでどんな事故やヒヤリハットが起こったか、どのような内容のクレームを受けたのかなどを記載します。また苦情や改善してほしい内容など、クレームを受けた際の対処法なども報告書として文書にしておくのです。

研修・セミナーに関する報告書

会社員は、年に数回の社内研修や社外でのセミナーを受けることがあります。受講後には研修、セミナー報告書を提出しますが、その際、どんな研修・セミナーを受講したのか、講師、研修内容、習得したもの、所感などを報告書としてまとめるのです。

企画に関する報告書

企画に関する報告書とは、新規の企画やアイデアの提案などをまとめて、会社やクライアントに提出するというもの。ただ企画を説明する書類ではなく、実現した際の成果がイメージできるよう、読む人の心を動かす内容にするのがポイントです。

取引先に関する報告書

取引先に関する報告書は、さまざまな種類があります。代表的なのは、取引先との価格交渉や打ち合わせでの重要事項をまとめた報告書、新規取引先の信用調査報告書、取引先とトラブルが生じた際の報告書、取引先が倒産した際の報告書など。

調査・アンケートに関する報告書

実施した調査・アンケートの集計結果をまとめた報告書は、調査結果の数字だけではなく、調査概要も含めて記載します。

たとえば、調査目的、実施日時、調査対象者、調査方法、回収状況、集計結果など。集計したデータは社内で活用するだけでなく外部に公開する場合もあります。

報告書は、定期的に作成する営業報告書や、調査報告書や研修報告書など不定期に作成するものなど、さまざまです

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5.報告書の書き方、作り方、手順、ステップ

報告書は情報を提供する重要な文書ですので、内容を分かりやすく正確かつ簡潔にまとめなくてはなりません。そんな報告書の書き方を説明します。

  1. 書くための素材を集める
  2. 報告書の目的を明確にする
  3. 構成を作る
  4. 報告書を書く

①書くための素材を集める

まずは、報告書を作成するための素材を集めます。報告書は現場にいなかった人に、その時の状況や重要な情報を伝える大切な書類です。重要なのは、相手にとって必要な事項をしっかりとまとめて書くこと。

そのために、「書く内容に関するメモを作る」「何があったかを箇条書きにする」「本やインターネットなどから資料や情報を集める」など、ありとあらゆる素材を集めます。

自分の曖昧な記憶やひらめきなどに頼るのではなく、確かな情報と資料をもとに書き進めましょう。

②報告書の目的を明確にする

誰に、何のために提出するのか、報告書の目的を定めます。このポイントをしっかり押さえておくことで、読み手の期待に応える有意義な報告書になるのです。

提出する相手がトップや役員である場合、報告内容やメリットやデメリットを簡潔に明確にするなど、判断がしやすいような構成にします。

上司や先輩など部内に提出する報告書:上司が求める内容について報告することを第一に構成

顧客向けの報告書:丁寧に書く、迅速に対応するなど失礼のないようにする

③構成を作る

報告書を書くにあたって、全体の構成を考えます。

その際、三角形の頂点から、

  • 標題
  • 打ち合わせの内容
  • 詳細内容

と3層に分けて検討していきます。実際に書く際は、一番下の詳細内容から進めるとスムーズです。

詳細内容も3層に分けて考えます。見出し、小見出し、説明文として、大まかでよいので、仮の見出しや仮の内容、仮の文字数などを設定した構成を作ってみましょう。ここでも下の層から書き出すとスムーズです。

④報告書を書く

大まかな構成が決まったら、実際に報告書を書きます。報告書は正確な情報を明確かつ簡潔に書くことが重要です。時間のないトップや役員に提出する際は、長文ではなく図や表を入れるなど一目で理解できる工夫も必要となります。

本文から書く

報告書は、タイトルや標題から書き始めたくなるもの。しかしそうすると意外と難しく、なかなか先に進めません。本文から書き始めるとスムーズにまとめられるので試してみてください。

本文は報告する必要事項に漏れがないよう注意します。実際に書く際は、5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜそうなるのか、どのように)を意識して文章を作りましょう。

重要な部分には太字や下線などを入れて強調するなど、視覚的に分かりやすくすることも必要です。日時や数字などは具体的に明記しましょう。

また、専門用語などはできるだけ使用せず、分かりやすい言葉で書くようにします。

内容に合わせて見出しを付ける

本文に沿った見出しを付けて、本文の内容を端的に示します。本文は、見出し、小見出し、詳細な説明文3つの構成に分けると分かりやすいでしょう。

まず見出しは、小見出しの要約と考えます。文字数は10~15文字程度がよいでしょう。小見出しは、本文の要約と考え、文字数は15~20文字程度に収めます。

要件によっては長文になったり、複数枚の報告書になったりすることも。その際は、適宜見出しを入れると、内容が把握しやすくなり、文章も作りやすくなります。

結論をまとめ、標題として書く

標題は本文の内容が、読み手に一目で分かるよう具体的に記します。

たとえば、出張報告、研究結果報告書などよりも、「●●本社への実演販売に関する出張報告書」などのように、標題を読んだだけで大まかな流れが理解できるようなものがよいです。文字数は15~20文字程度がよいでしょう。

フォントを選ぶ際には見やすさを重視してください。一般的に報告書の標題や見出しはゴシック体、文章は明朝体とされています。文字サイズは11~12ポイントが見やすいといわれています。

報告書は標題から書くと難しいので、まずは本文から書き始めましょう。見出しや標題は、一目で内容が分かるよう具体的にしてください

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6.報告書を作るときの注意点、推敲のポイント

報告書は提出する相手やどんな目的で報告するかを想定しておくことが大切です。報告書を作る際に、気を付けたい点や推敲のポイントを紹介します。

文量を意識する

全体的な文字量はどうか、多すぎて読みにくくないかなどをチェックします。一般的な報告書は、要旨と詳細内容の構成でA4用紙2~3枚が適正でしょう。忙しいトップや役員などに提出する報告書は、約1分程度で読めるよう、簡潔に約200文字でまとめます。

情報は正確か

報告書は正確な情報を簡潔に伝える必要があります。日付や内容、施設や取引先の名称などの情報が間違っていないかは必ずチェックしましょう。特に顧客に提出する報告書は、自社向けの報告書以上に細心の注意を払ってください。

  • 株式会社を(株)と略さない
  • 名前の旧字体などの使用
  • 役職の間違い

記載ミスによって、顧客とのトラブルに発展する場合もあります。

一文は長くなっていないか

一文が句読点での区切りがないまま100文字以上になると、文章が読みにくくなります。
読みやすい文章は、一文当たり句読点を入れて40~50文字以内といわれており、それ以上に短いものはさらに読みやすい要点を端的に説明している上手な文章です。

長くなればなるほど、読み手は報告書の内容を理解しにくくなるでしょう。

5W1Hは含まれているか

伝わりやすい要素として必要な5W1Hが入っているかをチェックします。「誰が、いつ、どこで、何を、どのような目的で、どのように行ったのか」を使って文章が組み立てられているか、確認してください。

そのほか、報告書の内容によっては、「Whom(誰に対して)」「How many(どれだけの数量)」「 How much(金額)」を加えると、情報の漏れがない充実した報告書になります。

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重複した部分はないか

同じ内容が繰り返されていないか何度も読み直してチェックしましょう。重要な情報が漏れないよう強調することに気を配り過ぎて、同じ言葉が重なっていたり、1つの文章に同じ言葉が繰り返し使われていたりすると、内容の理解度が低下してしまいます。

重複しないよう表現を工夫する、なくても伝わる表現は削るようにしましょう。

読み上げて違和感はないか

報告書が完成したら、実際に読み上げて違和感がないかをチェックします。報告書を提出する際に、口頭で報告書の読み上げを求められたり、内容を説明をするよう言われたりすることも。

そのためにも、報告書が適度な時間に収まる文章量か、報告書の内容がきちんとまとまっているかなどについてしっかり確認しておきましょう。

漏れた部分はないか

報告書では正確に情報を伝えなくてはなりません。情報に漏れがあると、矛盾などの原因になる場合も。顧客への報告書であれば、今後の取引に影響し、トラブルに発展してしまうことがあるかもしれません。チェックしておく主な内容は、下記の通りです。

  • 日時や数量、金額などの数字と単位
  • 商品名や施設名、名前などの固有名詞
  • 購入する、購入しない、意見に賛成など相手の意思
  • 納期

所感が感想文になっていないか

報告書は感想文ではありません。「~だと思いました」で終わるような自分の感想を述べる文になっていないか、確認しましょう。

所感には、自分の意見や、相手に伝えておきたい事項を簡潔にまとめて記入します。「~だと思ったので、次回からは~を意識することにしました」など、次につながる学びや気付きを入れるようにしましょう。

報告書の理想型は、正確で短い文章が読みやすくまとまっているもの。情報に漏れがないよう作成するのも重要です

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7.報告書の作成を上達させる方法

上手な報告書は一度目を通しただけで理解できるといいます。報告書の作成を上達させる方法を見ていきましょう。

構成をしっかり作る

報告しなければいけない事項をすべて盛り込んだが、文章構成がうまくできていないために、「まとまりがなく分かりづらい」「読み返してもすんなりと頭に入ってこない」場合があります。

構成という文章の設計図があることで、何をどこに書くか理解でき、それによって読み手にも適切に真意を伝えられるのです。

報告書の構成は、伝えるべき事項をグループ分けして、それぞれのグループを接続詞でつないでいきます。短い文章でも長い文章でもこの方法は有効です。

書く回数を増やす

回数をこなすことも重要です。ノウハウを身に付けても、書く回数が少なければ上達できません。

報告書は「習うより慣れろ」。書いていくうちに身に付いていく部分も多いので、上司や先輩に頼まれる前に、積極的に自ら書く機会を増やしてみましょう。

「会議の議事録を作る」「自分の仕事を振り返るための日報を作る」といったトレーニングを積み重ねていけば、実力が付いていくでしょう。

書き始める前に文章構成を決めておく、積極的に書く回数を増やしていく、これらを意識すると、より人に伝わる報告書が書けるようになります