HRテックの導入事例まとめ

HRテックを導入している企業が増えています。導入事例を紹介しながら、HRテックについて解説しましょう。

１．導入事例が増加しているHRテックとは？

HRテックとは、人工知能・クラウド・ビックデータ解析などの最先端テクノロジーを、人事業務に活用すること。Human Resourceの頭文字をとった「HR」と「テクノロジー」の2つを組み合わせた造語です。

HRとは何か？

HRとは、Human Resourceの頭文字を取った言葉で、直訳すると「人的資源」という言葉になります。

日本でHRという場合、人事部・人事担当・人事課といった意味で用いられるのです。この場合、人材の採用・配置・教育・評価といった、企業における人材に関わる業務を行う部署という解釈になります。

HRが注目されている理由とは？

HRが注目されている理由は、何でしょうか。収集した人事データを活用すると、社員一人ひとりに最適な管理ができるからです。

HRテックを利用すると、これまでの社員情報管理と異なり、一括管理したデータを活用できるようになります。こうした適材適所の配置や能力開発の実現により、生産性向上が達成されるのです。

２．【企業別】HRテックの導入事例：人事評価

HRテックを人事評価に導入した企業事例から、採用や育成、評価や配置といった人事業務をどのように効率化し、業務の質を向上させていったかを解説します。

アビリティーセンター

アビリティーセンターは、四国4県を地盤として総合人材サービスを展開しています。人事業務全般に対応できる総合人材企業を目指すため、カオナビを導入しました。

目的は営業担当者のスキル向上。「人事情報を一元管理するためのデータベース構築」「MBO（目標管理制度）の効率化」を図るために、SMART REVIEWを導入しました。

SMARTREVIEWの活用

SMART REVIEWには、多機能な評価制度に対応できる評価ワークフロー機能があり、下記が可能になります。そのため評価業務の手間を10分の1に軽減できるのです。

• 最新版の目標管理シートへの簡単なアクセス
• スムーズな社員間の画面切り替え
• 自由なフロー設計で申請や承認といった手続きの自動化

結果、管理コストの問題を劇的に解消できました。

やる気スイッチグループ

やる気スイッチグループは、個別指導塾「スクールIE」など、全国1,700以上の教室を展開する総合教育グループです。正社員のみだった評価対象を、契約社員も含めた制度に改編する流れからカオナビを導入しました。

SMART REVIEWで効率的な評価制度を達成し、現在は人材マトリクス機能のSHUFFLE FACEの活用を検討中です。

SHUFFLEFACEの活用

SHUFFLE FACEには、所属・役職・勤続年数といった項目の中から2つを選択し、マトリクス表示できる機能があります。

項目を組み合わせていけば、「人材の多角的な相関関係の分析」「評価情報をもとにした分析結果の戦略的な異動、配置への反映」「ハイパフォーマー傾向の洗い出し」などに活用できるのです。

ロクシタンジャポン

ロクシタンジャポンは、フランスに本社を置く化粧品のメーカーの日本法人で、全国に100店舗以上のショップを展開しています。ショップスタッフの適正な評価を目的に、評価制度評価運用の定着を目指してカオナビを導入しました。

タブレット端末にも対応しており、店舗で使用しやすいのも大きなメリットとなっています。

タブレット端末の活用

タブレットの端末を使用したHRテックの運用は、利便性の観点から非常に有効な手段です。カオナビが使用可能なOSは、iOS・Andoroid・Windows。ブラウザ版とスマートフォンアプリ版の両方で利用できます。

HRテックは、いつでもどこでもシステムにアクセスできると社員に好評です。

３．【企業別】HRテックの導入事例：タレントマネジメント

タレントマネジメントとは、社員の能力・資質・スキル・経験値の情報を一括管理して戦略的な人材配置・人材開発に生かすこと。ここでは、タレントマネジメント分野のHRテック活用例を3社ご紹介します。

日清食品ホールディングス

日清食品ホールディングスは、「時価総額1兆円を目指す」というグローバル戦略を掲げた大手食品メーカーです。「グローバル経営人材を200名育成する」という目標を立て、必要となる人材を計画的にプールするために、タレントマネジメントに取り組んでいます。

カオナビでは、SHUFFLE FACEを活用し、人材の可視化を実現しました。

SHUFFLEFACEの活用

SHUFFLE FACEは、経営戦略と人材戦略の紐付けに便利なシステムです。縦軸には年齢、横軸には等級や評価ランクを設定し、人材を可視化できるようになります。

ハイライト・絞り込み・ラベルによる情報の付加もかんたん操作で可能です。経営陣が社員の顔写真を見ながら人材プールについて協議を行う際、役立ちます。

デンソー

デンソーは、世界トップクラスを誇る自動車部品メーカーです。「人材の育成や配置」「エンゲージメント向上」など組織の活性化を目的に、安全性とカスタマイズ性が追求されたカオナビを導入しました。

PROFILE BOOK・PICKUP LIST・SHUFFLE FACEを駆使して、業務を効率的に行っています。

PICKUPLISTの活用

PICKUP LISTは、マウスで社員の顔写真を操作するシステムで、社員のリストアップ機能として、SHUFFLE FACEの有効活用に欠かせない機能です。

PICKUP LISTによって10件以上のリスト作成が10分足らずで完了できるため、リスト化といったルーティン業務が効率化できます。

武州製薬

武州製薬は、国内トップを誇る医薬品受託製造専門会社です。現場対応力の向上やコストパフォーマンスといった目的にタレントマネジメントの必要性を感じたため、カオナビを導入しました。

「顔写真付きの社員データベースの構築」「評価のオペレーションと進捗管理の効率化」などを実現しています。

PROFILE BOOKの活用

PROFILE BOOKは、社員同士が情報を見られる社員情報データベースです。基本情報である顔写真や所属部署のほか経験業務や保有スキルなどが、顔写真とともに分かりやすく表示されます。

これによって社員同士のコミュニケーションや社内の情報共有が促されるため、社内の貴重なデータベースとなっているのです。

４．【企業別】HRテックの導入事例：データの一元管理

データの一元管理とは、さまざまなデータの収集・管理・効率的活用を行うこと。ここではデータの一元管理に取り組んだ企業を3社、ご紹介します。

えがお

えがおは、インフォマーシャルや新聞チラシを媒体とした通販事業を展開している健康食品会社です。社員の目標管理・評価・育成状況を一元管理するためにカオナビを導入しました。

PROFILE BOOKを活用して、エクセルや紙媒体のデータ集約を実現。社員からの問い合わせ対応を効率化できました。

PROFILEBOOKの活用

PROFILE BOOKは、一覧表示された社員の顔写真をもとにデータベースを構築する機能で、条件やキーワードによる絞り込み検索や個別情報の閲覧ができます。

「現在の所属や役職、勤続年数などの基本情報」「異動履歴」「評価情報」「参加プロジェクト履歴」も登録できるため、使い勝手がよいと評判です。

デリカフーズホールディングス

デリカフーズホールディングスは、外食産業現場の作業効率化を背景とした、カット野菜を中心とする食品事業を展開しています。

急激な需要増加にあわせて増えた人材の管理に、カオナビを導入しました。エクセル管理情報・個別のファイルブック情報などを一元管理したため、情報の閲覧や更新も効率化が進んだのです。

PROFILEBOOKとSMARTREVIEWを活用

PROFILE BOOKは、顔写真と社員の基本情報をもとにした社員データベース機能で、SMART REVIEWは、評価のためのワークフロー機能です。

PROFILE BOOKで構築したデータベースをもとに、SMART REVIEWを使って評価の申告を社員全員に一括案内するなど、評価業務の効率を格段に向上しました。

松屋フーズ

松屋フーズは、牛丼でおなじみの大手外食産業です。離職防止策を練るうえで効率的な人事情報管理の必要性に迫られ、カオナビを導入しました。

PROFILE BOOKの活用によってデータが一元管理できるようになり、「エクセルでの分析作業の負担軽減」「膨大な人事情報データの効率的な収集」「入力ミスの低減」が実現したのです。

SYNAPSETREEの活用

SYNAPSE TREEとは、組織図の中に顔写真を並べて社員同士のマッチングをうまく進める機能のこと。

PROFILE BOOKの活用でデータの一元管理した後、データをもとにSYNAPSE TREEを利用。そして異動先の職場における社員同士のマッチングを試みれば、配置決定に役立てられます。

５．【企業別】HRテックの導入事例：基幹システムの改善

HRテックは、基幹システムの改善にも活用できるのです。ここでは、HRテックを基幹システムの改善に役立てた実績のある企業を3社見ていきます。

スタイル・エッジ

スタイル・エッジは、士業や師業に特化した総合コンサルティング事業を展開する企業です。社員数100名を超えて人事業務の効率化が不可避な状況になったため、カオナビを導入しました。

導入後は、「評価シートの準備や配信時間の大幅短縮」「CHART BOARDで集計した情報の自動グラフ化」により、業務効率化が進んだのです。

CHARTBOARDとは

CHART BOARDとは、登録されているさまざまな人事情報を集計し、グラフ化してデータを可視化するシステムのこと。

「性別、年齢、勤続年数などの人材の基本データ」「プロジェクトメンバー数の推移データ」「職種の割合に関するデータ」をもとに、男女比・年齢比率・誕生月の分布など必要な情報を抽出し、グラフ化できます。

小学館集英社プロダクション

小学館集英社プロダクションは、エデュケーションとエンタテインメントを融合させた「エデュテインメント」実現を掲げ、教育の機会を提供しています。

タレントマネジメントを導入するためにカオナビを導入し、「カスタマイズ可能な操作性」「サポート体制」「基幹システムからのスムーズなデータ移管」に成功しました。

スタディカフェの活用

スタディカフェとは、カオナビの設定を通して生じた疑問解消のために儲けられた個別相談会のこと。

カオナビのアドバイザーが常駐しているスタディカフェにパソコンを持参して訪問すれば、操作のアドバイスを直接もらいながらフォームが設計できます。予約制で、毎週木曜に開催。コーヒーなどの用意もあり、充実した環境となっています。

エムティーアイ

エムティーアイは、音楽、動画、書籍配信サービス「music.jp（R）」や女性の健康情報サービス「ルナルナ」といった、コンテンツ配信事業を展開する企業です。

従来使用していたシステムの動作性が悪かったため、新たにカオナビを導入しました。簡単にカスタマイズできる操作性に、非常に満足しているようです。

シンプルで軽いシステムが決め手に

シンプルで軽いシステムが、HRテック選択の決め手になるケースも多くあります。

エムティーアイの場合、「社員管理画面を、自社の操作性をもとにカスタマイズ」「カスタマイズしたシンプルな管理画面から、必要最小限の基本情報を入力」した結果、以前の10分の1の時間で作業が進むようになりました。

ビデオリサーチ

ビデオリサーチは、視聴率・広告統計データ・各種メディア接触データ・カスタマイズなどを調査・提供する企業です。オープンな人事情報の共有を実現するため、カオナビを導入しました。

クラウド型サービスのため、「低コストで導入」「人事部だけで導入から運用まで完結」というメリットを享受しながらも、効率化がさらに進んだそうです。

VoiceNoteの活用

VOICE NOTEとは、アンケートで異動希望・新規事業アイデアなど、社員の声を把握する機能のこと。調査票の作成・回答者の設定・アンケートの実施、集計、管理がかんたんにできます。

ビデオリサーチも、カオナビに蓄積したキャリア情報・評価履歴を管理しながら、キャリア形成のための自己申告アンケートを実施する予定です。