評価管理システムとは?【できることをわかりやすく解説】

評価管理システムとは、人材に関するデータを一元管理し効率化するシステムのこと。ここではその機能や比較ポイントについて、説明します

1.評価管理システムとは?

評価管理システムとは、社員の経歴や実績、給与など、人材に関係するすべてのデータを一元管理し効率化するシステムのこと。目標の進捗管理など、さまざまな方向で活用できます。

評価管理をサポートするシステム

評価管理システムは人材に関するデータを一元管理し、最適な組織体制の構築を目的に社員の評価を行います。評価管理をサポートするシステムともいえるでしょう。

人材データベースや人事異動シミュレーターといった機能を備えており、社員プロフィールをチェックできます。また「人事異動が組織にもたらす効果分析」など、さまざまな活用法があるのです。

評価管理システムのメリットについて

評価管理システムの導入によって従来、excelなどで行っていた作業や管理を省けるようになりました。また人事情報を経営層と共有すると、部下のモチベーション管理にも結び付けられるのです。

ここでは評価管理システム導入メリットのうち、3つについて解説します。

  1. 作業の効率化
  2. データの一元管理
  3. 公平な評価の実現

①作業の効率化

評価管理システムを活用すると、業務効率化が図れます。たとえば、「書類やExcelでの管理作業」「書類やExcelで行っていた目標管理シートをシステム上に再現する」などを可能にしたのです。

業務上で起こりうる人為的なミスやトラブルも減らせるので、管理作業もよりスムーズに進行できるようになるでしょう。

②データの一元管理

評価管理業務における工数を省けます。「採用者の選定や通知」「進捗管理」「回収」「集計」といった一連のワークフローをすべてシステム上で一元管理。過去の評価履歴や面談時のメモなども閲覧できます。

さらに評価の点数やランク、等級などをかんたんに一覧表示できるので、評価調整も円滑に進められるようになりました。

③公平な評価が実現

評価管理システムを導入すると、社員の評価項目を細かく設定できるようになるのです。これによってこれまで難しかった公正な評価を行えるようになりました。

また評価項目を詳細化して、スキルや活動履歴といった社員データを一元管理できるため、タレントマネジメントを効率的に行えます。

評価管理システムを導入すると、「作業の効率化」「データの一元管理」「公平な評価の実現」といったメリットが得られるのです

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2.評価管理システムでできること

これまで紙やExcelデータで手間をかけて行っていた評価管理業務も、評価管理システムを活用すると、大幅に効率化できます。ここでは評価管理システムでできることを、それぞれ見ていきましょう。

  1. 目標や業務進捗の管理
  2. MBO評価(業務目標評価)機能がある
  3. 360度評価(多面的評価)機能がある

①目標や業務進捗の管理

人事担当にとって、社員の評価業務の進捗管理は多大な労力が必要とされてきました。評価管理システムを活用すれば、社員の目標や評価の入力状況、面談状況などが一目瞭然になります。

評価管理を適切に行えれば、社員一人ひとりの課題も可視化されるため、社員自身が把握しやすくなるのです。スキルアップにもつながるでしょう。

②MBO評価(業務目標評価)機能がある

企業によって人事評価基準はさまざまでしょう。しかし目標に達成していれば評価が高くなり、未達成であれば評価は低くなるのが一般的です。

MBO機能があると、社員が「どのように組織に貢献しているか」が見えます。そのため成果主義企業などで多く活用される傾向にあるのです。

MBOとは?

MBOとはマネジメントで有名なピーター・ドラッカーが提唱して広まった、「部下と上司の間で定めた目標の達成度を評価する」制度です。目標管理制度とも称され、社員が会社にどう貢献したかを管理して、業績アップを狙います。

日本でもバブル経済崩壊後、「年功序列型」から「成果重視型」へと評価制度が変わるなかで徐々に浸透してきました。

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③360度評価(多面的評価)機能がある

360度評価機能が搭載されている点も、評価管理システムの優れたポイントです。直属の上司からの評価だけでなく、部下や同僚、ほか部門の担当者、取引先や顧客など多方面からの評価が集約されます。

社員にとっては、周囲からのアドバイスを受ける貴重な機会となるため、自身の短所や長所を把握できるきっかけになるでしょう。

360度評価とは?

360度評価とは、多方面からの評価を受け入れて客観的に振り返る機会を設け、スキルアップを狙うもの。同僚や取引先などからの評価によって、上司には観察しにくい社員の長所を発見できたり、人物評価の信頼性向上にもつながったりします。

また複数の評価者の意見を組み合わせるため、評価対象者の納得感も高まるのです。

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3.評価管理システムの選び方

先述したとおり、評価管理システムを導入すれば、手間やコストの削減が実現でき、人事担当の負担を大幅に減らせます。ここでは評価管理システムを選ぶ際に、チェックしておきたい項目について紹介しましょう。

  1. 料金プラン
  2. 自社に適した機能が搭載されているか
  3. かんたんな操作性
  4. 充実したサポート体制
  5. 安心のセキュリティ
  6. 利用者に合ったタイプ(型)か

①料金プラン

企業に適した料金プランになっているか、確認しましょう。評価管理システムには、社員数で料金プランが変動するサービスも。規模によっては対象人数が少ないため割高になる場合もあるので、気を付けたいところです。

またイニシャルコストとランニングコスト、バージョンアップなどで発生するオプション費用などについても事前に確認しておきましょう。

②自社に適した機能が搭載されているか

企業の導入目的に合った機能が基本装備されているか、確認します。評価管理システムで要となるのは、社員一人ひとりのプロフィールを人事担当者がしっかり共有できるかどうか。

社員プロフィールデータの表示内容や検索機能、さらにその性能や使い勝手についても、担当者目線からチェックしておくとよいでしょう。

③かんたんな操作性

高い操作性が備わっているか、確認しましょう。膨大なデータをスムーズに管理できる操作性も評価管理システムを活用するうえで重要なカギとなります。

また企業によっては、人事評価制度が定期更新される場合もあるでしょう。評価項目や評価基準を、要望によって柔軟に変更できるシステムを選ぶと便利です。

④充実したサポート体制

どんなシステムでも、トラブルは発生するもの。それゆえサポート体制がしっかりしているか、確認しましょう。運用する上でどのようなサポートを受けられるのか事前にチェックします。

システムによっては、一定以上のサポートからは有料になる場合もあるので注意しておきたいところ。また休日や深夜のサポートが対応可能かどうかについても調べておくとよいでしょう。

⑤安心のセキュリティ

セキュリティ対策が万全なものか、確認します。オンプレミス型は自社ごとのセキュリティポリシーに合わせたシステムを構築可能できますが、クラウド型サービスでは一般的に運営会社へセキュリティ対策を任せます。

機密情報や個人情報などを取り扱う場合も多いので、安全なセキュリティ対策がなされているか検討する必要があるでしょう。

⑥利用者に合ったタイプ(型)か

評価管理システムには、サーバーを自社に設置しない「クラウド型」と、サーバーを自社に置く「オンプレミス型」の2タイプがあります。どちらがよいか、自社の規模や形態に合わせて選びましょう。

クラウド型

クラウド型は、サーバーを自社に設置しません。サーバーはベンダーやベンダーが契約する企業の管理となるため、導入側でのメンテナンスは一切必要ないのです。

一方、社外にサーバーが設置されているため、サーバー停止による情報流出などのリスクを自社でコントロールできないといったデメリットがあります。

オンプレミス型

オンプレミス型は、自社に専用サーバーを置くサービスです。社内にサーバーを設置するため、情報流出などのリスクを防げるだけでなく、トラブルが生じた場合も迅速に対処できます。

一方、サーバーメンテナンスコストが発生したり、適宜メンテナンスを自社で行ったりする必要も生じてくるので、どれくらいコストがかかるのか事前に確認しておきましょう。

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評価管理システムを導入する前に、「機能」「操作性」「料金プラン」「セキュリティー」などを事前にチェックしておきましょう

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4.クラウド型の評価管理システムの特徴

クラウド型評価管理システムとは、インターネット上から人事評価業務ができるシステムのこと。ここ数年、働き方改革や労働生産性向上への取り組みとして、導入する企業が増加しています。それではクラウド型評価管理システムの特徴について解説しましょう。

インターネット経由で管理されている

インターネット経由で利用するため、インターネット環境がない空間や、サービスの提供企業とのネットワークに問題が発生した際は、活用できなくなります。

サービスのなかにはメンテナンスを行う間、一時的に利用不可となるものも。つまりネットワーク障害などに影響を受けやすいのです。

すべてクラウド上で作業を行う

サーバーを自社に設置せず、クラウド上で作業するため設備投資が不要になります。サーバーはベンダーやベンダーが契約している企業の管理となるため、導入企業でメンテナンスを行う必要もありません。

一方、社外にサーバーが置かれているため、情報流出のリスク対策などについて社内では調整できません。

自動バックアップ

クラウド型はシステム提供する企業が所有するサーバーを、インターネットを利用して活用するため、クラウド上にデータをバックアップできます。

これにより万が一自社の貴重なデータが失われても、対象データが復元可能です。またサーバーを導入する必要もないため、初期コストも抑えられるのです。

複数人とデータを共有できる

クラウド型はインターネット上で情報を管理するため、社員間でリアルタイムに評価を共有できます。すべての情報をお互い瞬時に把握できるので、タイムラグの解消にもつながるでしょう。

さらには目標の進捗状況、フィードバックも随時共有できます。これによって社員は目標達成に向けての業務改善に注力しやすくなるでしょう。

クラウド型の評価管理システムは、クラウド上ですべてのデータを管理するため、設備投資がいりません。初期費用を抑えられるのも魅力です

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5.オンプレミス型の評価管理システムの特徴

オンプレミス型評価管理システムとは、自社内でデータシステムを保有し運用するもの。昨今、外部サーバーを利用するクラウドサービスが一般化している背景から、自社運用を「オンプレミス(自社運用型)」と呼んでいます。

自社のサーバーを導入

オンプレミス型評価システムは、サーバーを自社に設置して運用します。そのため、ーバーの管理やメンテナンスなどを、自社で実施しなければなりません。

一方、自社にサーバーを設置しているため、情報流出のリスクを低減できるだけでなく、万が一トラブルがあっても迅速に対応できるのです。

クラウド型より高額

オンプレミス型は、サーバーを自社に設置してシステムを運用するため、クラウド型システムに比べて高額になります。なぜならシステムを設置するためには、サーバーだけでなくネットワーク機器やシステム構築など、すべて自社で用意する必要があるからです。

またサーバーのメンテナンスにコストが発生するケースも、珍しくありません。

カスタマイズが自由

オンプレミス型は、自由にカスタマイズできます。クラウド型システムは外部サーバーを利用するため自社用にカスタマイズするのは困難とされていますが、オンプレミス型では自社に必要な機能を追加可能です。

サービスにあった専門的な機能を求めている企業は、オンプレミス型を導入するとよいでしょう。

オンプレミス型評価管理システムは、クラウド型システムに比べて高額です。しかし自由にカスタマイズできるため、便利といえます