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「地頭がいい」とは、思考力と発想力を兼ね備えていると示す表現です。地頭がいい人の特徴、採用のメリット、鍛え方などを解説します。
目次
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1.地頭がいいとは?
「地頭がいい」とは、教育で得られる知識の多さやスキルの高さではなく、本来の頭のよさを指す言葉のこと。地頭がいいとその場に応じた適切な判断と的確な答えを出せるため、「頭の回転が早い」「対応力がある」などとも表されます。
明確な定義はありません。しかし地頭のよさについて、
- IQ(Intelligence Quotient:知能指数):発想力や思考力、論理的思考や理解力など
- EQ(Emotional intelligence Quotient:心の知能指数):他者とのコミュニケーション
を合わせた概念という説もあります。これらの能力を状況に応じて発揮できる人は、地頭がいい人ともいえるのです。
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2.地頭がいいと頭がいいの違いは?
一般的に「頭がいい」という際、知識が豊富だったり、過去の事例を参考にして最も問題の少ない解決方法を見出したりできる人を指します。一方「地頭がいい」は、まだ前例のない課題にも想像力を働かせて、多方面からアプローチできる人を指すのです。
いずれも論理的思考能力が高い人といえるでしょう。しかし頭がいい人は既存の回答に早くたどり着き、地頭がいい人は未知の世界も柔軟に想像力を駆使して乗り切っていけます。
地頭がいい従業員を見極め、適切な育成ができれば優秀人材へと成長し、将来的な幹部・後継者候補として活躍してくれる可能性があります。優秀人材を見極めるには、従業員一人ひとりの詳細なデータを把握・見える化できる環境が必要です。
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3.地頭がいい人の特徴10個
地頭がいい人には、さまざまな特徴があります。
- 卓越した理解力
- 相手に合わせたコミュニケーションが可能
- 理論的な思考が得意
- 自分の意見が明確
- 応用や改善が得意
- 想定外の事態でも冷静に対応
- 高い推察力
- 好奇心が旺盛
- 新しい価値を生む発想力
- 客観的な視点から思考する
①卓越した理解力
相手の説明や今起きていることを理解するスピードが速く、短時間で内容を把握できます。物事の本質を見抜く力や全体像をとらえる力が高いため、表面的あるいは断片的な情報からでも的確に判断するのが可能です。
さらに周りの状況から自分が今何をすべきかを考えられるため、ほかの人よりも早く必要な行動を起こせます。
②相手に合わせたコミュニケーションが可能
先入観にとらわれず高い理解力で相手の状況や状態を読み取り、その場において最適なコミュニケーションを行えます。
たとえば相手の年齢や体調、知識量や興味関心、理解力などを瞬時にとらえ、話す内容を調整できるのです。そのためビジネスコミュニケーションも得意とし、利益相反する顧客への説明やトップと現場の橋渡しのような任務も遂行できます。
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③理論的な思考が得意
理論的な思考を身につけており原因と結論、その間に生じる経過をわかりやすく説明できます。また話す際に勘や思い込みではなく明確に根拠を示すので、相手の納得と理解を得やすいのです。さらに思考が合理的なので、効率的かつ効果的な提案を行えます。
④自分の意見が明確
説明を受けたり情報を得たりすると、すぐに内容を分析して自分の意見や見解を明確にします。そのため不意に意見を求められたときも、即座に回答できるのです。また感情を交えず客観的に考えるため、意見がぶれるのもほとんどありません。
⑤応用や改善が得意
物事を本質から理解するうえに論理的思考ができるため、ほかへの応用や物事の改善が得意です。たとえば異なる業界の手法を自社の業務へ取り入れ、自社に合った方法で活用していけます。またトラブルが生じても原因を突き止めて再発防止策を考案できるのです。
⑥想定外の事態でも冷静に対応
瞬時に状況を理解できるため、想定外の事態が起きてもすぐに反応できます。また事態を冷静かつ客観的に分析し、根本的な原因の特定と的確な対策の考案も行えるのです。現状から得られる情報が少なくても、仮定を立てて全体像をとらえられます。
⑦高い推察力
推察力に長けており必要な情報がすべて出そろっていなくても、得られた情報から理論や根拠を組み立てて仮説や結論にたどりつけます。対人関係においても言動だけでなくその背景まで考察し、相手の本音を読み取れるのです。
⑧好奇心が旺盛
好奇心が旺盛で気になったことはすぐに調べ、興味を持ったことは実際にやってみます。知識を得るだけでなく自ら深く追求していくため、視野が広がり理解も深まるのです。
新しい知識を得るのも好きなので、自分の業務や業界以外の情報を収集する場合もあります。
⑨新しい価値を生む発想力
まったく何もない状態から生み出すよりすでにある物を組み合わせて新しい価値を創造するのが得意です。たとえば既存のサービスを組み合わせて新しいサービスを立ち上げるといったものです。新しい価値を生む発想力は、ビジネスの場面でも役立ちます。
⑩客観的な視点から思考する
感情に流されず一歩引いて全体を把握します。そのため自分自身を含めて客観的に観察できるため冷静な判断が可能で、自己中心的な言動もありません。思い込みで突き進む心配もないため、安心して仕事を任せられます。
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4.職場における地頭がいい人の特徴
地頭がいい人は理解力が高いだけでなく、豊かな発想力を持っています。職場では業務の本質を見抜き、的確な提案や報告をするのが特徴です。
- プラスアルファを提案
- 優先順位をすばやく判断
- 少しの説明で理解と実行が可能
- 情報の整理と分析が得意
- 簡潔な報連相が得意
①プラスアルファを提案
本質を見極められるため、顧客や上司などが求めている内容をくみ取り、価値をくわえて提案できます。たとえば営業であれば、顧客が欲しい商品をそのまま提供するだけではなく、顧客の課題を解決できる商品をあわせて提案できるのです。
②優先順位をすばやく判断
仕事の段取りや手順を素早くイメージし、頭の中で最も効率がよい方法を組み立てて、優先順位の高い仕事から片づけていきます。優先順位を考えながら動けるため効率が上がりますし、状況の変化にも柔軟に対応できるのです。
③少しの説明で理解と実行が可能
最終的な目標を把握すれば、かんたんに伝えただけで理解してスムーズに業務をこなします。情報が少なくても論理的思考で先を読んで準備をし、俯瞰的に優先順位を考えて動けるからです。また現在の業務から次に発生する業務を予測し、早めに着手していきます。
④情報の整理と分析が得意
収集した情報をわかりやすく整理し、多角的に分析します。そのため情報の整理や分析に必要となるビジネスフレームワークも使いこなすのです。また整理や分析された情報を、相手にとって最適な状態でアウトプットできます。
⑤簡潔な報連相が得意
報告すべき内容と相手の理解度を考慮して簡潔に報告します。報告内容を本質的な一言でまとめ、相手の求める情報を客観的な事実にもとづいてまとめられるからです。そのため自分も相手も報告にかける時間を節約できます。
地頭がいい人は優秀人材として組織の成長を牽引してくれるだけでなく、将来の幹部・後継者候補としても重要な存在です。
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5.地頭がいい人を採用するメリット
地頭のいい人材を採用すると、生産性の向上やイノベーションの創出、それらによる利益向上などが期待できます。
- 生産性の向上
- イノベーションの実現
①生産性の向上
地頭がいい人は自分の持っている知識を最大限に活用し、業務の生産性を高めます。必要と感じた情報をすぐに集めて業務の手順や手法、プロセスなどをつねにブラッシュアップしていけるのです。
トラブルが発生しても冷静に対応して再発防止策まで提案するため、本人だけでなくチームや部署、ひいては全体の生産性も上がるでしょう。
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②イノベーションの実現
地頭のいい人は、業界での「常識」を鵜吞みにせず、革新的な方法を編み出す可能性があります。先入観にとらわれず事実をベースに考え、物事の本質を構造的に把握できるからです。
たとえば人々の移動手段が馬だった時代に「顧客は馬が欲しいのではなく、早い乗り物が欲しいのだ」と気づいた技術者が蒸気機関車を発明しました。この例はまさに地頭のよい人によるイノベーションといえます。
地頭のいい人材の能力を伸ばし、優秀人材として活躍してもらうには採用後のアプローチも重要です。
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6.地頭がいい人を採用する際の注意点
地頭がいい人を採用したくても、応募書類や面接だけで見極めるのは難しいもの。募集や面接の際に工夫が必要です。また採用後にも注意すべき点があります。
- 望ましい能力や特徴を明確化
- 勉強しない可能性がある
①望ましい能力や特徴を明確化
地頭がいい人を採用する際は、求める能力や特徴を明確にしましょう。
能力や特徴を明確化する方法のひとつが、自社で活躍している地頭がいい人たちをモデル像にすること。共通する特徴や能力を挙げ、それらをまとめたチェック項目をつくると採用基準を統一できます。
また適性検査を実施すると、思考力や行動特性を見極めやすくなるのです。
見極めるための質問を用意
採用面接で応募者の地頭のよさを見極める方法に「質問」があります。「最近興味関心があること」といったかんたんな質問でかまいません。応募者の回答をとおして、客観的に理路整然と簡潔に話せるかどうか、観察します。
ただし面接官は、合間に応募者の話をより引き出す質問を行う必要があるため、それなりのコミュニケーションスキルが必要です。
②勉強しない可能性がある
地頭がいい人は自分が高い能力を持っていると把握しているため、なかには「努力しなくても生きていける」と考えている人もいます。このような人は自主的に勉強する習慣が身についていない可能性があるのです。入社後、思ったほど成長しないかもしれません。
過去の離職者の傾向から、離職する可能性が高い人物の特徴がわかる。
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7.地頭がいい人になるための鍛え方
地頭を鍛える方法は多数あります。たとえば「日常の出来事をよく観察して疑問を感じたら調べる」もそのひとつです。ここでは5つの方法を解説します。
- 本質を追求
- アウトプットの習慣化
- 事実から思考
- 多様な人々とのコミュニケーション
- 知識を蓄積
①本質を追求
表面上の情報に流されず、知り得た情報の本質を追求する習慣を身につけましょう。日々目にする物事に対して「なぜこうなのか」と理屈や仕組み、背景まで調べたり、直接当事者に聞いてみたりすると物事をより深く理解できます。
本質をとらえられるようになると幅広く応用でき、不測の事態が起きても臨機応変に対応できます。
②アウトプットの習慣化
自分の思考を定期的にアウトプットすると、情報を整理して相手に伝わるよう言語化できます。また第三者の視点で見直せるため、自分の思考の癖も再確認できるのです。ミーティングで発言する回数を増やすといった方法も挙げられます。
アウトプットしたあとに相手の反応や助言やフィードバックをもらい、次回のアウトプットに生かしましょう。
③事実から思考
事実のみを根拠に考えるトレーニングを行うと、論理的思考を身につけられます。自分の希望や感情を交えず根拠となるデータをもとに理屈や仮定を積み上げ、検証するサイクルを行なうと、シンプルで正しい答えにたどり着けるのです。
論理的思考に慣れるまでは演繹法や帰納法、ロジックツリーなどのフレームワークを使って情報を整理するとよいでしょう。
④多様な人々とのコミュニケーション
地頭を鍛えるには、幅広い年代や職業の人とのコミュニケーションも有効です。自分と異なる属性の人と接すると、自分にはない視点で物事をとらえられます。思考の幅が広がって多角的な分析が可能となり、本質を見抜く能力が鍛えられるのです。
またさまざまな人へわかりやすく話す必要があるため、アウトプットのトレーニングにもなります。
⑤知識を蓄積
思考のベースとなる知識を増やしていきましょう。知識の量が少ないと、いくら地頭がいい人でも思考を深められません。
たとえば興味をもった分野を深く調べたり、話を聞く際にもう一歩掘り下げて質問したりするなどです。また読書の習慣をつけ、専門外の本も読むのも効果的といえます。
【優秀人材を特定し、適切な育成・配置ができていますか?】
地頭の良さは優秀人材の特徴のひとつです。必ずしも生まれ持った素質とは限らず、上記のような方法によって鍛えることも可能です。
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