人員配置表とは? 目的、考え方、最適化の方法、人員配置表について

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人員配置表とは、戦略的人事異動である人員配置を管理する図表のことです。ここでは人員配置の目的や最適化の方法などについて解説します。

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1.人員配置表・人員配置図の作成とは?

適切な人員配置を行うには「人員配置表・人員配置図」の作成が有効です。人員配置表(図)はExcelを使って作る方法と、人事管理システムを活用して作る方法があります。

まずは人員配置表(図)をExcelで作成するメリット、人事管理システムで作成するメリットを比較してみましょう。

Excelで作成する場合

Excelで人員配置表(図)を作成するメリットは、なんといっても使い勝手のよさ。日常業務で使用する場合も多いExcelなら、多くの従業員が新しく使用方法を学ばずに作成・管理できます。

また「使い慣れたExcelだからこそ項目の追加や削除がしやすい」「一定の社員数を超えるまでは管理しやすい」という点も、Excelで人員配置表(図)を作成するメリットです。

人事管理システムで作成する場合

人事管理システムとは、従業員の配置状況を可視化して、生産性の高い組織を構築するマネジメントシステムのこと。人事管理システムを活用すると、格納場所がばらばらになりがちな従業員データを一元管理・把握できます。

人員配置表(図)を人事管理システムで作成すれば、現在の組織状態だけでなく、変更後の組織図も感覚的にシミュレーション可能です。ホワイトボードなどに書き出さず複雑なシミュレーションが実現できるため、より具体的に人員配置を検討できるでしょう。

Excelは手軽に人員配置表が作成できるものの、組織規模が大きい、または今後拡大していく場合に管理しにくくなる点がデメリットです。

そこでおすすめなのが、クラウド型のデータベースで人員配置表が作成できる人材管理システム「カオナビ」です。カオナビなら従業員情報を一元化&見える化し、人員配置表の作成に必要な情報をいつでも引き出せます。

さらに、現状の人員配置を把握しつつ、人件費やスキル値などを確認しながら配置シミュレーションが可能です。無料PDFのダウンロードは ⇒ こちらから


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2.人員配置とは?

人員配置とは、組織内の人員数や構成、業務適性や経験などの特性を十分踏まえたうえで配置状況を最適化し、生産性の高い組織を構築する人事マネジメントのこと。言い換えると、「組織に所属するすべての人的資源を各部門や各業務に再配分する」です。

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3.人員配置の目的とは?

人員配置とは、従業員を適材適所に配置して高いパフォーマンスを引き出し、経営目標を達成させるマネジメントのこと。ここでは人員配置の目的について見ていきましょう。人員配置の目的は、大きく分けて3つです。

  1. 事業計画を達成する
  2. 人材を育成する
  3. 優秀な人材の離職を防止する

①事業計画を達成する

人員配置を行う最大の目的は、事業計画の達成です。企業は自ら設定した事業計画を確実に達成するため、従業員の適性や経験などを踏まえて人員配置します。会社の社運をも左右する、非常に重要な人材マネジメントともいえるでしょう。

力を入れている事業に追加の人的リソースを投じたり、従業員のパフォーマンスや特性に応じた配置を行ったりして事業計画の達成を目指すのです。

②人材を育成する

限られた人材を戦略的に育成することも、人員配置を実施する目的のひとつです。終身雇用制度が事実上崩壊したため、新卒者や若い従業員の勤労意識は大きく変化しました。

  • プライベートを犠牲にしない職場環境を希望している
  • ストレスやプレッシャーの少ない生活を送りたい
  • 必要以上の努力や苦労による収入アップは望まない

こういった考えを持つ従業員に対して不満の少ない労働環境を提供し、適切な役割を与えることが、効果的な人材育成に繋がると考えられています。

③優秀な人材の離職を防止する

優秀な人材は、現状を見極める能力が高いといわれています。また他社でも十分に通用するスキル、経験を持っているため、自分と企業の相性が悪いと感じた際に見切りをつけるタイミングも秀逸です。

人材の流出や離職は企業力のマイナスにつながります。従業員一人ひとりの特性と業務がマッチする最適な人員配置を実施すると、人材の離職が防止できるのです。

人員配置で期待する効果を得るには、目的を明確にした上で最適な配置を実現することが重要です。また、企業の利益や目的だけで配置を決めるのではなく、従業員の希望も聞き入れた上で検討する必要があります。

人材管理システムを活用すれば、一元管理された人材情報をもとに適材適所な人員配置が検討可能です。データベースは人事・経営陣・現場で共有できるため、経営視点を取り入れて組織で一体的に人員配置に取り組めます。

さらに、アンケート機能を活用すれば、人員配置の検討に必要な従業員の声も取り入れることも可能です。人材管理システム「カオナビ」の導入効果が分かる資料の無料ダウンロードは ⇒ こちらから

4.人員配置の種類とは?

一言で人員配置といっても、その手法はさまざまです。ひとつの手法にこだわらず、性格の異なる複数の手法を組み合わせると、より効果的に人員配置が実現できるでしょう。ここでは人員配置の種類を5つ紹介します。

  1. 異動や配置替え
  2. 雇用形態の変更
  3. 昇格
  4. 新規採用
  5. リストラや契約解除

①異動や配置替え

人員配置のなかでも特に実施されるのが、所属部署や就業場所などの変化にともない、仕事内容や労働環境などが変わる「異動」と「配置換え」です。

ジョブローテーションとも呼ばれるこれらの方法には、新たな環境で従業員のステップアップを期待する目的があります。一般的に、従業員のスキルや知識、経験や勤務態度などを加味して行われるのです。

②雇用形態の変更

終身雇用は過去のものとなり現代は、多種多様な働き方・雇用形態が混在する時代となりました。「フルタイム勤務から時短勤務へ」「契約社員から正社員へ」のように、従業員の希望に合わせて雇用形態を変更するのも人員配置の一環です。

雇用形態の変更によって仕事の裁量や給与が変化するため、従業員のモチベーションにも影響を与えます。

③昇格

「昇進」や「昇格」は同じ人員配置のなかでもポジティブな手法として挙げられるものです。「一般職からマネージャー職へ」「主任から課長へ」昇進・昇格すると、従業員のモチベーションや責任感の向上が期待できます。

また1人の職位を上げると、元の職位が1人減ります。新たな人員配置のポジションが生まれるため、組織の硬直化防止にも効果的です。

④新規採用

新しく従業員を採用することも人員配置のひとつです。新卒採用には将来の幹部候補を育成できるメリットが、中途採用には経験豊富な即戦力を追加配置できるメリットがあります。

新卒・中途それぞれに異なるメリットがあり、どちらも欠員補充だけでなく組織の鮮度を保ち、存続させるために欠かせない手法です。

⑤リストラや契約解除

人員配置には、昇進や昇格のようにポジティブな施策もあれば、ネガティブな施策もあります。「リストラ」や「契約解除」、「雇止め」などです。

企業は業績悪化や事業縮小にともなって、やむを得ず従業員を退職させなければならない場合もあります。正当な理由があることを前提としますが、どのような理由にせよ本人のみならず周囲に影響を与えるため、十分なフォローが必要です。

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5.人員配置表の作成でおさえておきたい流れと4つの計画

効果的な人員配置表を作成するには、どうしたらよいのでしょうか。ここではおさえておきたい流れと4つの計画について解説します。

  1. 定員計画で大枠を決める
  2. 要員計画で人員配置を計画する
  3. 人員計画で具体的に落とし込む
  4. 代謝計画で差や不足を埋める

①定員計画で大枠を決める

はじめに、会社の年度目標などを達成するために必要な人員数を計画として取りまとめます。目標達成のため人員数を増やしたいのか、もしくは減らしたいのか、階級や役職などを含めて必要な人員数と人件費の見込みを立てる計画を「定員計画」と呼ぶのです。

合理的な人員配置の実現には、職務や課題の内容を明確にし、組織的な人員編成を行うことが肝要といえます。

②要員計画で人員配置を計画する

先に計画した定員計画から一段階掘り下げ、各部門や現場で実際に必要な人員を算出し、人員配置や採用活動を計画していく段階が「要員計画」です。

要員計画には、人員情報の見える化による効率的な人員管理の実現、現状の過不足や課題などを組織全体で共有できる、といったメリットがあります。また必要な人員数だけでなく、教育制度や現状の労働環境などの管理も要員計画に含まれるのです。

③人員計画で具体的に落とし込む

要員計画にもとづいて、より具体的な計画に落とし込む計画を「人員計画」といいます。要員計画と人員計画は非常に似た性質を持ちますが、要員計画は経営に近い計画、人員計画は現場の状況に近い計画として区別されているのです。

長期的な視点に立って、個人単位で異動や配置転換、昇進や雇用形態の変更などを計画する段階が人員計画といえます。

④代謝計画で差や不足を埋める

「代謝計画」は、先に立てた要員計画と人員計画との差を埋めるための計画です。どれだけ綿密に要員計画を立てても、人員が不足したり、追加採用や配置転換が必要になったりと、要員計画の段階では発覚しかった問題が生まれる可能性もあるでしょう。

そこで代謝計画にて、追加の部署異動を検討したり、新規採用を計画したりして柔軟に対応していくのです。

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6.最適な人員配置を行うためには?

最適な人員配置を行うためには、どのような点に注意すればよいのでしょうか。ここでは適材適所の人員配置に必要なポイントを4つ紹介します。

  1. 従業員データを正しく把握する
  2. 人事評価を実施する
  3. 配置前にヒアリングする
  4. 人員配置後に効果測定を行う

①従業員データを正しく把握する

まずは従業員一人ひとりのデータを社内で適切に管理・共有できているか、確認しましょう。人員配置の失敗として多いのが、従業員に関するデータを持っているのが現場の監督者や特定の人物だけだった、というケース。

これは適切な人員配置を妨げるだけでなく、不当な評価を招く原因にもなります。人員配置表や人員配置システムを活用して、実務内容や配置人員、雇用形態や採用時の面接情報などが一元管理・分析できる環境を整えましょう。

②人事評価を実施する

適切な人事評価を実施すると、従業員のパフォーマンスを改めて確認できます。最適な人員配置を実現するためにも、異動後の目標達成度合いを勘案し、適性を総合的に判断したいところです。

同時に、将来の人員配置や人事評価に活用するため、以下のデータを蓄積しておくとよいでしょう。

  • 採用時の面接情報
  • 評価面談や人事面談のログ
  • 異動や昇格の履歴
  • 研修受講履歴
  • 資格取得履歴

③配置前にヒアリングする

従業員や各部署でのヒアリングも欠かせません。

  • 現在の業務に対する疑問や不安はないか
  • 担当している業務以外に興味のある仕事はあるか
  • 仕事を通じてどのように成長したいと考えているか

これらをあらかじめ聞いたうえで、人員配置を実行します。ヒアリングを行う際は、圧迫感によって本音を話しにくい雰囲気にならないよう配慮しましょう。

④人員配置後に効果測定を行う

人員配置を実施した後は、施策に効果があったかどうかを確認します。以下にどのような変化があったかを分析し、効果が維持できているかを確認するのです。

  • 人員数と業務量のバランスは適切か
  • エラー率や作業効率に変化はあったか
  • 労働環境に対する不満や不安はないか
  • 従業員満足度に変化はないか

最適な人員配置を行うには、PDCAを回すことがポイントです。またPDCAの実施には施策前の状態と施策後の結果を見える化する必要があります。組織や人材情報が見える化できていない場合は、人材管理システム等の導入がおすすめです。

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7.人員配置における注意点とは?

忘れないでおきたいのが、「人員配置は収益性の改善を図り、事業計画を達成するための施策ではあるものの、実際に業務を担当するのは従業員」という点。不適切な人員配置により従業員が離れてしまっては本末転倒です。

最後に人員配置における注意点について、解説します。

ひんぱんに実施しない

ひんぱんに実施される人員配置は、従業員の成長を妨げます。従業員が新たな仕事を覚え、それを効率的にこなすにはある程度の時間が必要です。

スキルを習得し、効率を高める前に次の人員配置が実施されると、従業員のストレスが急増したり、仕事に対するモチベーションが低下したりする恐れがあります。人員配置の効果を見るには、ある程度の時間が必要だという点を念頭に置いておきましょう。

売り上げに直結しない

人員配置を行ったからといって必ずしも「業績がよくなる」「収益が増加する」とは言い切れません。

新規採用や部署異動を行った際、業務に慣れるまでの間に業務効率が低下してしまったり、リストラや人員削減を行った際の人手不足から業績効率が下がったりする場合も考えられます。

適切な人員配置には、「業務効率化」「人件費の削減」といったメリットがあるものの、それらが売上に直接影響を与えるわけではない点を理解しておきましょう。


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