人事評価をアンケートで改善する方法【項目・やり方・効果】

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職場環境や社員のモチベーションを上げるために役立つのが、人事評価に関するアンケートです。アンケート調査の実施や作成の流れを解説しましょう。

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1.人事評価に関するアンケート結果

カオナビの研究機関「カオナビHRテクノロジー総研」が2018年12月に実施し、2019年10月に結果と分析を公表した「人事評価」に関するアンケートによると、人事評価に満足していると答えた人は19.0%、つまり満足している人の割合は5人に1人未満だったのです。

人事評価は、会社の成長だけでなく社員の生産性や幸福感にもつながる重要なテーマといえます。

アンケート結果では、「人事評価に満足していない」や「人事評価に納得できない」と回答した人が大多数を占めていました。このことからも人事評価制度の見直しは、会社の急務といえるでしょう。ここからは、このアンケートの詳細について解説します。

人事評価制度とは? 必要な理由、種類と仕組み、作り方を解説
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参考 知っておきたい、人事評価の3つの現実カオナビHRテクノロジー総研

調査の概要

調査の対象は、20代から60代の一般社員(正社員)から取締役クラスまでの男女600人。部下を持つ人と持たない人はそれぞれ300名ずつに調整しています。

調査方法は、Web上で職場についての質問項目を配信して選択式、あるいは記述式で回答する方式です。集計した回答結果の分析では、「平均値の検定」とも呼ばれるt検定により、有意差があるといえるかどうかを分析します。

調査結果

人事評価に関するアンケート調査から見えてきたのは、「人事評価の満足度」と「職場満足度」関連です。項目別にポイントを解説します。

人事評価に満足している人は 20%以下

「人事評価について満足しているか」という問いに対する回答は以下の割合となりました。

  • 満足していると答えた人:19.0%
  • 満足していないと答えた人:41.3%
  • どちらともいえないと答えた人:39.7%

満足している人の割合は5人に1人未満で、5人のうち2人以上は不満を持っているとわかったのです。つまり人事評価にて積極的な意味を見出している人は少数派になります。

人事評価に満足している人は、職場満足度が高い傾向

「職場に満足しているか」という質問で、職場満足度と人事評価満足度を調査。結果は次のとおりです。

  • 「人事評価に満足している人」のうち「職場に満足している人」:85.1%
  • 「人事評価に満足していない人」のうち「職場に満足している人」:17.4%

両者の職場満足度は大きく異なり、5倍近くの開きが見られたのです。人事評価満足度の高さと職場満足度の高さには関連があると考えられるでしょう。

不満点は多岐にわたる

「人事評価結果に不満な点」への回答で突出して多い項目は見られませんでした。結果は次のとおりです。

  • 評価結果に納得感が無い:55.9%
  • 評価者が信用できない:39.7%
  • 評価理由に納得感が無い:38.9%
  • 評価項目や目標設定が不適切:36.4%

また「期中での状況変化が考慮されていない」と回答した人は16.6%。状況変化による目標設定のズレを不満の原因としている人は多くありませんでした。

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2.人事評価に関するアンケートを行う意義

人事評価に関するアンケートを行うと、社員の本音を聞き出せます。回答を活用すると課題解決や業績の向上に役立つでしょう。

  1. 社内課題の早期発見
  2. オーナーシップ意識の向上
  3. 業績の向上

①社内課題の早期発見

アンケートを通じて人事評価にたいする不満や希望などが表層化すると、課題の早期発見につながります。社員個々の視点から各現場のリアルな状況を把握できるからです。

大きな課題に発展する前に対処できれば、社員の意欲や健康を損なわず生産性も維持または向上するでしょう。アンケート結果を詳しく分析すれば、人事評価制度だけでなく、業務内容や雇用条件に関する課題が発見されるかもしれません。

②オーナーシップ意識の向上

アンケートを実施して、社員の満足度を改善しようとする姿勢は、社員のオーナーシップ(当事者意識)を高めます。

アンケートで提起した課題が改善されると、会社の運営に社員自身が参画しているという意識を持てます。このようなオーナーシップの向上は仕事へのモチベーションにも波及するので、業務の積極性や意欲も高まりやすいのです。

③業績の向上

アンケートを活用して社員の満足度が高い職場になっていくと、社員のパフォーマンスが上がり、業績も向上しやすくなります。なお職場満足度の高い企業に見られる傾向は次のとおりです。

  • 正当な評価がされている
  • 人間関係がよい
  • 透明性が高く働きやすい環境である
  • 業務内容に社会的意義を感じる
  • 自分が会社の役に立っていると感じる
  • 会社を信頼している
  • 会社理念に共感できる

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3.人事評価に関するアンケート実施の流れ

社内アンケートを実施する際、どのような手順で進めていけばよいのでしょう。社内アンケートの具体的な流れを解説します。

STEP.1
調査目的を明確にする
「何のために社内アンケートを実施するのか」といった調査の目的を明確にしましょう。アンケートの目的によって、アンケートを行う時期やタイミング、項目などが変わるからです。

また人事評価での課題が明確になっている場合と、潜在的な課題の有無を調査したいという場合では、アンケートの回答形式や対象者も変わるでしょう。

STEP.2
事前準備を行う
具体的な計画を策定し、アンケートの事前準備を進める段階です。ここでは対象者とアンケート内容、配布や集計などの方法、スケジュールなどを決めます。

アンケート終了後に集計するだけで終わらせてしまわないよう、結果を生かす分析方法についても事前に検討しておきましょう。Web上でアンケートを行うなら、フォームの作成も進めます。

STEP.3
設問項目を設計する
調査目的に沿って、具体的な質問項目を設定します。主要な項目をさらに深めるための設問も合わせて設置すると、より深い分析が行えるでしょう。

ただし設問数が多くなりすぎないよう注意が必要です。調査対象者によっては繁忙期かもしれず、「回収率が下がる」「解答が適当になってしまう」といった恐れもあるからです。

回収率を上げるなら意見を書きやすい「無記名方式」や、記述と回収が手軽な「Webアンケート」がよいでしょう。さらに回答の精度を上げるなら「選択式8割、記述式2割」などといった調整をおすすめします。

STEP.4
アンケートを実施する
社内アンケートを実施する段階になったら、実施前の周知だけでなく実施中や実施後も段階的に社員へ働きかけましょう。

まず実施前にアンケートの必要性や目的を周知し、期間や対象者、解答方法などを共有するのです。アンケートを実施している期間中は、対象者からの問い合わせに対応したり回答状況をチェックしたりし、未提出者にはアンケートへの回答を催促します。

STEP.5
調査結果を集計・分析する
アンケートの回答を集計したら、詳しい分析を行って結果を可視化します。結果は、グラフや表を活用して見やすくまとめましょう。

まずは単純集計で、回答数や比率など速報を社員と共有。そののち年齢や社歴、性別、部署や役職といった属性別に集計し、詳しく分析します。

このような属性と「人事評価の満足度」や「職場満足度」などの回答結果を組み合わせると、傾向や潜在的課題を発見しやすくなるのです。

STEP.6
解決策を検討・立案・実行する
アンケートの集計や分析から課題が抽出されたら、対策を検討します。具体的な解決策を立案し、改善計画を実行するのです。

課題の内容によっては人事評価制度だけでなく、ほかの制度や組織体制の改革が必要になる可能性も考えられます。改善計画の立案では経営者や人事担当者だけでなく、現場の社員からも意見を集めましょう。

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4.人事評価に関するアンケート作成時のポイント

人事評価に関するアンケートを課題改善に役立てるためには、何に気をつければよいのでしょう。下記3つから解説します。

  1. アンケート自体を目的にしない
  2. 設問の数を適切なものにする
  3. バイアスに注意する

①アンケート自体を目的にしない

目的を明確にせず社内アンケートをしても意味がありません。たとえば「アンケートをしなければならない」など、アンケートを行うこと自体が“目的”になっているケースが見られるからです。

アンケートを効果的に活用するためにも、「社内のどの層からどのような課題があると把握したいのか」「どのような成果につなげたいのか」という目的をふまえて、時期や対象、内容を設定しましょう。

②設問の数を適切なものにする

設問が多すぎると回答者の集中力が低下するため、回答の精度が下がる恐れもあります。しかし設問が少なすぎれば、課題を明確にするために必要なデータが十分に得られません。

シンプルかつ必要最低限の設問を取り入れたアンケートを作成して、社員が負担なく回答できる内容や回答方法を設計しましょう。

③バイアスに注意する

設問に誘導的な解説を含めてしまうと、社員にバイアス(思い込み)が発生し、本音と異なる回答をしてしまいます。

たとえば記名方式で「人事評価に満足していますか?」と質問した場合、社員は「否定的な回答をしたら評価が下がるかもしれない」と考えて、当たり障りのない回答をしてしまうかもしれません。

バイアスを防ぐ質問の文章や回答方法、回収方法などを工夫し、人事評価を行う直属の上司の目に触れないようにするといった配慮が必要です。

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5.人事評価に関するアンケート項目のつくりかた

人事評価に関するアンケート項目をつくる際に役立つ「二要因理論」と、具体的な設問例について解説します。

「二要因理論」の応用

二要因理論とは、仕事において「満足」と「不満足」を引き起こす要因は、それぞれ別であるという理論のこと。

なお満足度につながるのは「動機づけ要因」、不満足につながるのは「衛生要因」であり、いずれも良好な状態であればモチベーションが上がるとされているのです。

この理論と2つの要因を理解すると、より適切な人事評価に関するアンケート項目を作成できるようになります。

動機付け要因(モチベーター)

仕事に対する満足度につながる要因のこと。たとえば「仕事の達成」「周囲からの承認」「責任を伴う昇格や昇進」などです。これらは仕事そのもののやりがいやおもしろさなどに直結します。

よって動機づけ要因が満たされるとモチベーションやパフォーマンスが高まり、仕事に積極的に取り組むようになるのです。

衛生要因(ハイジーンファクター)

仕事に対する不満を引き起こしやすい要因のこと。たとえば「職場の人的環境や物理的環境」「給与などの就労条件」「マネジメントの方針」「会社の経営状況」などです。

衛生要因は離職を引き起こすうえ、改善しても大きくモチベーションを向上する効果は期待できません。つまり衛生要因対策と動機付け要因対策を同時に進める必要があるのです。

「動機付け」の項目

動機付け要因を知るには、やりがいや意欲、達成感などに関する項目を設置しましょう。具体的な設問の例を解説します。

仕事内容

仕事へのやりがいや達成感、承認についての項目を設置するとよいでしょう。たとえば次のような設問が考えられます。

  • 今の仕事にやりがいや価値を感じている
  • 今の仕事に興味をもっている
  • 今の業務内容は自分の適性に合っている
  • 仕事で適切な評価を受け、認められている
  • 自分の仕事は、社会的貢献や顧客のためになっている
  • 自分の考えを仕事に反映できている

育成状況

業務を通じて得られる知識やスキル、成長実感をはかる項目などがおすすめです。たとえば次のような設問が考えられます。

  • 仕事で自分の適性や得意なことを活用できている
  • スキルや知識が身につけられる仕事である
  • 今の仕事で成長できていると感じる
  • 今後も仕事によって成長できると思える

仕事の継続

「今後も働き続けたい」という気持ちや、働いている組織への愛着を問う項目が適しています。たとえば次のような設問です。

  • 今の業務もしくは、今後新たな業務において達成したい目標がある
  • 目標の実現に対して、前向きに行動している
  • 今の仕事が、将来の夢につながっていると感じる
  • 自分の将来でモデルにしたい人物がいる
  • 5年後や10年後の具体的なキャリアビジョンがある

「衛生要因」の項目

制度や体制、人間関係などに関する項目がよいでしょう。具体的な設問の例を解説します。

職場

快適な環境で仕事に打ち込める職場であるかを問う項目を設置しましょう。たとえば次のような設問が考えられます。

  • 仕事に取り組むための環境や設備が整っている
  • リフレッシュできる環境や仕組みがある
  • 仕事上の人間関係が良好である
  • チームのコミュニケーションが円滑である
  • 自分の意見が言いやすい環境である

上司

上司との関係性や信頼感、さらに指導方法や育成方法などに関する項目は欠かせません。たとえば次のような設問が考えられます。

  • 上司との相性がよい
  • 上司は困ったときに頼れる存在だ
  • 上司の指示や指導は適切である
  • 上司は成長につながる助言やフィードバックをしてくれる
  • 上司と必要なコミュニケーションが適宜できている
  • 上司の評価は公平性が高く納得できる

組織風土

組織風土は社員の定着率に影響するため、働きやすい風土であるかを問う質問も有効です。たとえば次のような設問が考えられます。

  • 会社では、社員の自主性が尊重されている
  • 会社では、自由にアイデアや意見を言える
  • 会社には、挑戦や改善提案に対して前向きな雰囲気がある
  • 会社には、誰でも安心して相談できる雰囲気がある
  • 課題や悩みを抱えている人をしっかりフォローする体制がある

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