KPIは、IT分野を始めとしたビジネスのさまざまなシーンで用いられる単語です。単語の持つ意味や役割を正しく理解しておきましょう。
- KPIとは何か
- KPIとKGIとの違い
- 誰でもできるKPIの設定方法
- 今すぐ使えるKPI設定のフレームワーク
などKPIの基本を解説します。
目次
1.KPI(Key Performance Indicator/重要業績評価指標)とは?
KPIとは、最終的な目標である「KGI(Key Goal Indicator)」すなわち重要目標達成指標を達成するための過程を計測する中間指標となる「重要業績評価指標」のことで、「Key Performance Indicator」の頭文字を取ったものです。
KPIとKGIの違いは、定量的に測定、評価する点が異なります。
- KPIは目標へのプロセス
- KGIは最終目標の達成
IT用語としてのKPIの意味
KPIは、ITの専門用語として用いられることも。たとえば、ECサイトの運営を行う場合、サイトの最終目標は売上の向上になるため、重要目標達成指標であるKGIには、売上が設定されます。
そして、その中間指標であるKPIには、
- 検索エンジンからの流入数
- ディスプレイ広告からの流入数
- 検索エンジンからの訪問者のCV率
などが設定できるのです。
2.IT業界でよく使われるKPIに関連する単語の基本知識
IT業界でよく使われるKPIに関連する単語について、基本知識をまとめます。ビジネスシーンでこれらの単語が使用されていた際、戸惑うことのないよう、それぞれの単語が持つ意味や違いをしっかりと把握しておきましょう。
KGI(Key Goal Indicator/重要目標達成指標)とは?
KGIは、企業におけるビジネスの最終目標を定量的に測定、評価するための指標のことで、重要目標達成指標と訳されます。「Key Goal Indicator」の頭文字を取ってKGIと呼ばれているのです。
KSF(Key Success Factor/重要成功要因)とは?
KSFは、企業の経営戦略を達成するためには何が必要であるのか、事業を成功に導くための必要条件のことで、重要成功要因と訳されます。「Key Success Factor」の頭文字を取ってKSFと呼ばれているのです。
KGIとKPIの違い
KGIとKPIの違いは、下記の通りです。
- KGI:最終目標を数値で表した指標
- KPI:KGI達成のプロセスとなる業務ごとの目標数値の達成度合いを評価する指標
両者は、KGIが最終目的地、KPIがマイルストーンといった関係性にあります。
KPIツリーとは?
KPIツリーは、ビジネスの最終ゴールであるKGIを達成するために、どのようなKPIが有効であるかをツリー状に表現したものです。
KPIツリーを下位層にある具体的なKPIから考えていくと、どのような施策を実行すればKGIを達成できるのかなどが検証できます。
3.IT部門における一般的なKPIの設定方法
IT部門でKPIを設定する場合、KGIからブレイクダウンしてKPIを設定する方法が有効です。
仮にKGIを「売上を○○%伸ばす」と設定した場合、そのために何が必要なのかをブレイクダウンして考えますが、KPIには、訪問者数増加やCV率の改善、顧客単価のアップなどが設定できます。
4.今すぐ使えるKPI設定のフレームワーク3選
KPIを考えていく場合、ターゲットユーザーの設定やターゲットユーザーの行動シナリオの作成といったプロセスが必要です。ここでは、今すぐ使えるKPI設定のフレームワークを3つご紹介します。
- ユーザー行動ログ分析
- カスタマージャーニーマップ
- コンセプトダイヤグラム
①ユーザー行動ログ分析
ユーザー行動ログ分析は、アクセス解析ツールを使ってユーザーの行動を定量的に可視化する手法です。しかし単なるアクセス解析ツールを用いたログレポートではありません。
サイト内で、どんなユーザーがどんな行動を取りどのくらいのボリュームなのか。セグメント化されたユーザーの行動パターンを視覚的にファネル上に表現できるのです。
②カスタマージャーニーマップ
カスタマージャーニーマップには、ゴールまでの行動を複数のタッチポイントにまたがって自由に描く、ユーザーの思考、感情を表現する、ユーザーの行動をモデル化するといった特徴があります。
下記によって、KSFを導き出しKPIに落とし込むことも可能です。
- ジャーニーをタッチポイントとファネルに分解する
- 各マス目の行動を指標に落とし込む
③コンセプトダイヤグラム
コンセプトダイヤグラムは、ターゲットであるユーザーがゴールに向かうプロセスの中で、ユーザーの具体的な行動・感情・タッチポイントをモデル化したもの。
ワークショップ形式で作成を進めるもので、ゴールへ到着するまでの行動や感情を矢印でつなげながら工程を描くため、特別なスキルがなくても簡単に実践できます。