2017年1月、厚生労働省は「36協定」について論点整理案を示しました。この「36協定」は労使協定の1種で、よく話題に上がるものです。
そもそも労使協定とは何なのか、そしてどのような種類があるのでしょうか。詳細をみていきます。
36協定とは? 残業時間の上限、特別条項などわかりやすく解説
36協定とは、従業員に時間外労働・休日労働をさせる際に締結しなければならない取り決めのこと。締結したからと無制限に時間外労働・休日労働させていいわけではなく、残業時間の上限や違反した際の罰則など、押さ...
労使協定とは?
労使協定とは、雇用主と従業員の間で結ぶ特定の合意内容を指します。雇用主は労働組合が存在する場合は労働組合と、ない場合は、従業員の過半数を代表する者と労使協定を締結します。
例えば、企業が時間外労働や休日出勤を従業員に行わせたいときには、労働基準法以外の事柄を労働者に求めている状況といえます。
そこで労使協定を結び、労働基準法以外の事柄を可能にするのです。基本は、届け出が必要なものばかりですが、なかには、届け出せずともよいものもあります。また、労使協定は、書面で締結することと定められています。
労働基準法とは? 難しい法律の要点をわかりやすく解説
労働基準法とは、労働条件について最低基準を定めた法律のこと。本記事では、労働基準法の概要や目的、対象とならないケースなどについて解説します。
1.労働基準法とは?
労働基準法とは、1947年に制定さ...
労使協定の種類と内容は豊富
労使協定の種類は豊富で、内容には、一定の費用を給与から控除するもの、労働時間に関するもの、労働のスタイルに関するものなどがあります。
時間外・休日労働
- 労働基準法第36条
- 届け出:必要
残業とは? 定義、働き方改革、種類、36協定、残業時間
残業とは、標準労働時間を超えて行われる労働のこと。働き方改革でメスが入ったこともあり、残業について見直しを図っている企業も多いのではないでしょうか。
残業について、
残業とは何か
36協定
働き方改...
変形労働時間制
- 労働基準法第32条
- 届け出:要(条件によっては不要)
変形労働時間制とは? メリット、導入方法、残業代は?
一般的に企業では就業時間が固定されています。それに対して労働時間を繁忙期や閑散期に合わせて調整できる勤務体系を「変形労働時間制」と呼ぶのです。
ここでは、労働者と企業、共にメリットがある制度として注目...
フレックスタイム制
- 労働基準法第32条
- 届け出:不要(フレックスタイム制のみの場合)
フレックスタイム制とは?【どんな制度?】ずるい?
フレックスタイム制とは、従業員が始業・終業時刻などの労働時間を自ら決められる勤務体系のことです。
目的、導入率、メリット・デメリット、働き方改革関連法による新フレックスタイム制、導入方法などについて紹...
法定控除以外のものを給与から控除する
- 労働基準法第24条
- 届け出:不要
従業員の給与一部を管理
- 労働基準法第18条
- 届け出:要
休憩の一斉付与の例外
- 労働基準法第34条
- 届け出:不要
休憩とは?【トラブルにならないために知っておくこと】
休憩とは、仕事や運動などを行っている途中に少しのあいだ休むことです。ここでは、法律で定められている休憩時間や休憩に関するトラブル、休憩に関する疑問などについて解説します。
1.休憩とは?
休憩時間と...
休憩時間は何分?【労働時間6時間・8時間の場合】労働基準法
休憩時間は労働基準法にも定められているものであり、労働時間に応じて全ての従業員が付与されるものです。付与すべき休憩時間や休憩時間の取り方は労働基準法によって定められているため、違反した場合は罰則の対象...
裁量労働制(専門業務と企画業務に分かれる)
- 労働基準法第38条
- 届け出:要
裁量労働制とは?【専門・企画業務型】残業代をわかりやすく
昨今話題になっている裁量労働制。会社員の働き方に関する非常に重要なキーワードですが、実際どういったものなのでしょうか?
ここでは、
裁量労働制の意味
裁量労働制と他の制度との違い
裁量労働制の制度詳...
労働基準監督署について
労働基準監督署は、各都道府県にいくつか置かれ、労働者を守るために労働条件の監視や企業への指導、労災保険の給付などを行います。
労働環境によっては、残業時間が長い、割増賃金が支払われないなど、問題が発生する場合もあるでしょう。こうしたときに相談に乗り、場合によっては該当企業の監視や指導を行うのが労働基準監督署です。また、就業規則や解雇予告の除外認定などの届け出を行う場所でもあります。
労働基準監督署とは? 役割、相談したらできること、流れ
労働基準監督署は、労働法規に基づき企業を指導、監督する公的機関です。ここでは、労働基準監督署について詳しく解説します。
1.労働基準監督署とは?
労働基準監督署とは、労働者を保護する労働法規にもとづ...
労働基準監督署への相談で注意する点
もし、労働基準監督署へ相談する場合、2つほどの注意する点があります。
一つめは、相談内容が労働基準法に基づいたものかどうか。労働基準監督署での基準は労働基準法ですから、基づいていない場合、返答をもらうことが困難になります。
二つめは、はっきりとした証拠があるか。証拠がなくても相談は可能です。自社が指導されないよう、労働基準法を遵守しましょう。