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よく「目標から逆算して考える」といいますが、目標の逆算とはどのようなことを意味しているのでしょうか。
- 目標達成のために知っておきたい2つの思考術
- 逆算思考と積み上げ思考
などから目標の逆算について説明します。
目次
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1.目標の逆算とは?
「逆算」というと、算数や数学で「答えから逆算して正誤を確かめる」といった使い方が一般的でしょう。この「逆算」という言葉を用いた逆算思考というものがあるのです。
逆算思考の流れは、
- ゴールを設定
- ゴールに到達するため必要なプロセスを計画
- 計画通りにアクションを起こすことで最短距離・最短時間で業務が遂行できる
設定したゴールに到達するための要素を、段階やステップ別に細かく設定するため、着実にゴールまでの道のりを導き出せるのです。逆算思考は、「ゴールから計画する」思考方法としてさまざまなビジネスシーンで活用されています。
積み上げ思考との違い
「逆算思考」と正反対の意味を持つ言葉に、「積み上げ思考」があります。「積み上げ思考」とは、ゴールにフォーカスする逆算思考と違い「今」にフォーカスを合わせるもの。
- 今日の仕事
- 今、抱えている問題点
- 現時点での状況
といった「今」の視点で、
- 自分にできることは何か
- 今、自分がやるべきことは何か
を考えることで、問題を一つ一つ解決していく思考方法です。
- 今、上司に指示された資料の訂正を行う
- 来客があったのでその対応をする
などをイメージするとよいでしょう。「逆算思考」は思考の起点が未来のゴールであるのに対し、「積み上げ思考」は思考の起点を「今」に設定しています。
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2.逆算思考による目標設定のメリット・デメリット
逆算思考による目標設定には、メリットとデメリットが存在します。
メリット
- ゴール、プロセス、スケジュールが明確になる
- 目標を短期間で達成できる
- 目標との距離感をつかむことができる
デメリット
- 適切なプロセスが分からないと設定しづらい
- 目標設定のための情報収集に時間を要する
- 計画の更新が度々必要になる
メリット
①ゴール、プロセス、スケジュールが明確になる
1つ目のメリットは、ゴール、プロセス、スケジュールのそれぞれを明確にできる点。
逆算思考では、「ゴールを達成するために自分が何をやるべきなのか」といった具体的なタスクレベルで計画の立案を可能にします。自分が取るべき行動を具体的に把握できるため、最初の一手に着手しやすくなるのです。
②目標を短期間で達成できる
2つ目のメリットは、目標を短期間で達成できる点。
現在からゴールまでの時間を予測できるため、短期間で勝負したい場合は、時間設定から逆算すればよいことになります。そのため、計画や行動を先延ばしにすることなく、最小限の工程で効率よく目標を達成できるのです。
③目標との距離感を掴むことができる
3つ目のメリットは、目標との距離感が掴みやすいという点。
現時点からゴールまでの道のりが明確なため、現時点とゴール、2つの距離感を意識したバランスのよい目標設定ができます。また、ゴール、プロセス、スケジュールの関係性も理解しやすいため、納得しながらの行動が可能です。
デメリット
①ゴールまでの適切なプロセスが分からないと逆算思考が機能しない
1つ目のデメリットは、ゴールまでの適切なプロセスが思い浮かばないと、逆算思考が機能しない点。
設定したゴールまでどの道をどのように歩いていけばよいのでしょう。それが分からない場合、ゴールにたどり着くことはできません。ゴールまでの課題をある程度把握して、初めて逆算思考は機能するのです。
②目標設定のための情報収集に時間を要する
2つ目のデメリットは、目標設定のための情報収集にかなりの時間を要するケースがあるという点。
最短、最速でゴールにたどり着く計画を立案するには、途中の道のりに関する情報を多く必要とします。さまざまな情報がインプットされていない場合、逆算思考はうまく機能しません。
③計画の更新が度々必要になる
3つ目のデメリットは、計画の更新頻度が高い点。逆算思考では、現時点で考え得るすべての情報を駆使し、未来のゴールとプロセスを設定します。
しかし途中で、
- 経済状況の変動
- 中途退職者の出現
- 予算の削減
といった環境の変化があった場合、逆算思考で立案した計画も将来にわたって機能しなくなる可能性があります。変化があるたび計画を変更する必要があるため、手間がかかってしまうのです。
目標は常に変化し続けます。部下の目標達成をサポートするには、日々変化する進捗や目標を把握することが重要です。
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3.逆算思考による目標設定の方法、具体的ステップ
逆算思考による目標設定の方法とは、どんなものでしょう。3つのステップがあります。
①理想的なゴールの設定
最初のステップは、理想的なゴールの設定です。今の自分、今の組織でできる範囲のゴールを設定するわけではありません。あくまで未来の自分の理想像、組織の理想像を描き、理想のゴールとして設定するのです。
もちろん、達成不可能な目標では意味がありません。とはいえ、ゴールの設定があまりに現実的では、何の成長も進歩もなく終わってしまいます。理想的なゴールを豊かな発想でイメージして、的確に設定しましょう。
②情報収集し、必要な要素を洗い出す
次のステップは、情報収集とプロセスやスケジュール作成に必要となる要素の洗い出しです。
現時点からゴールまでの距離や、そこに到達するまでにかかる時間と費用を算出します。道中で想定される困難な状況や、状況を好転させる可能性のある要素なども書き出しましょう。
これらをもとに、どのような方法で取り組めば実施できのかという要素を徹底的に洗い出すのです。丁寧な洗い出しは、逆算思考によるゴールをより確実なものとします。それを認識して、情報収集に当たってください。
③期限、スケジュールの設定
最後のステップは、期限やスケジュールの設定です。ステップ2で洗い出した実施可能な要素に優先順位をつけ、選別作業を行います。優先度の低いものや実施不可能な要素はここでしっかりと取り除きましょう。
最後に残った重要な要素は、優先順位度や時間軸を使って並べ替えます。時間軸を使うことで、期限の設定も可能です。期日管理を行えば、逆算思考によるアクションの精度を高められるでしょう。
目標設定の際には、部下の目標が組織やチームとズレていないか確認することも大切です。目標のギャップを埋めるためには、1on1ミーティングの実施が効果的です。
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目標設定は、経営目標達成や個人のレベルアップのために重要なもの。適切な目標設定ができないと、最終的なゴールが達成されないだけでなく、達成のためにやるべきことも洗い出せなくなってしまうでしょう。
今回は...
4.逆算思考による目標設定における注意点
逆算思考による目標設定には、注意点もあります。一体どんなことでしょうか?2つの注意点について説明します。
目標が大きい場合には、中間目標を立てる
ゴール自体が大きすぎたり、費用や時間がかかりすぎたりする場合、目標を小分けにして考えることが必要です。一度に最終ゴールを目指すのではなく、中間地点に小目標をいくつか設け、細かく目標管理を行うほうが効果的だからです。
たとえば、最終ゴールを1年後に設定した場合、
- 1カ月後や3カ月後に小目標
- 半年後に中目標
といった具合で、中間目標を設定します。それにより、小さな目標管理が積み重ねられ、大きな目標達成を生み出せるのです。
ゴールが遠すぎる場合には積み上げ思考を行う
逆算思考の際ゴールを遠すぎる位置に設定してしまったときは積み上げ思考を採用しましょう。
小さくとも今の自分から「見えている」目標に対しては、逆算思考は非常に有効です。しかし、あまりにも遠い目標の場合、積み上げ思考のほうが効果を発揮します。
10年後の自分、20年後の組織、30年後の企業といった遠くの未来すべてを逆算思考で処理しようとすると、机上の空論になってしまう可能性が高いです。
こういった場合は積み上げ思考に切り替え、長期的なスパンで「今、自分にできるところ」「今、組織として取り組むことができるところ」まで進めましょう。逆算思考と積み上げ思考の双方を効果的に用いることが重要です。
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