内定とは?【採用や内々定との違いを簡単に】承諾、辞退理由

内定は、就職活動や昇進などの場面で用いられる言葉です。

  • 内定とは
  • 内定の目的
  • 内々定との違い
  • 内定通知書や内定式
  • 内定辞退や取り消し

などについて解説します。

1.内定とは?

内定とは、「労働契約の成立」「役職への就任」などに関して、それらを公に発表する前段階でありながら、採用や昇進が内々で決まること。就職活動においては、解約権留保付労働契約が成立していることになり、昇進といった場面では、人事が正式に発表する前に昇進が確実になった状態を意味します。

内定とは、公になる前に採用や昇進などが内々で決まること、またはそれらを決めることを意味する言葉です

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2.内定の目的

目的は、内定した内容を当該人物に事前に通知することによる「採用や昇進が予定されている人物と企業との間で内定した内容の確認」「採用や昇進が予定されている人物が事前準備するための期間の確保」です。

内定は、採用・人事が公になる前の内容確認や準備期間のための仕組み、と理解するとよいでしょう。

内定の目的は、採用や昇進が予定されている人と企業の間の内定内容の確認や準備期間を設けることです

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3.内定と内々定の違い

内定とは、公になる前に採用や昇進などが内々で決まること、またはそれらを決めることを意味する言葉です。一方内々定とは、内定よりもさらに前の段階の採用通知や昇進通知を意味する言葉になります。

内々定には、書面で内定の通知を行う前に、口頭で内定の内容を当該人物に伝達することで、人材を確保したり準備をしてもらったりするという目的があるのです。

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4.内定通知書とは?

内定通知書とは、労働契約の成立や役職への就任などといった採用や昇進に関する内定を当該人物に伝達する書類のこと

採用では、選考の結果、社員として採用することを通知するものです。採用が決まった人物に明示する書類として労働条件通知書がありますが、内定通知書は採用側である企業の意向のみを明示する書類になっています。

内定通知書への対応

内定通知書が明示された人物は、内定通知書の通知方法によって、異なる対応が求められます。ここでは、メールによる通知と電話による通知について見ていきましょう。

内定通知書がメールで届いた場合、内容の確認後、できるだけ早くメールで返信します。もし、何らかの事情で回答を待ってもらいたい場合は、いつまでに検討して連絡をするのかといった期限を設定して企業側に伝達しましょう。

内定通知書が電話できた場合は、電話がくると予告されている日時に、確実に出られるように待機して、電話で内定の内容を聞きます。

内定承諾、内定受諾の方法

内定は内定通知書で通知されます。内定者は内定通知書により内容を確認し、受ける場合には、内定承諾書や内定受諾書などと呼ばれる書類を企業に提出するのです。必要事項を記載して捺印したら、指定された期日までに可能な限り早く返送してください。

その際、「添え状を添付する」「内定承諾書や受諾書を折れないようにクリアファイルに収納する」といった配慮も必要です。

内定が決まったら、企業は内定者に内定通知書を送付します。内定者は、内定通知書を受け取ったら、内定承諾書を速やかに返送します

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5.内定式とは?

内定式とは、内定したことを該当者に改めて正式に伝える式典のことで、主に、新卒社員を採用した際に開催されます。

内定式の内容

新卒内定の場合、内定解禁日以降に内定者を集めて内定式を行います。内定式で執り行われる内容として挙げられるのは、「採用内定書の授与」「社長の訓話」「先輩社員との懇親」「同期内定者との交流」など。

ただし、内定式に執り行うべき内容に決まりはありませんので、企業ごとの趣向を凝らした内容を盛り込むことも可能です。

開催する側の準備

内定式は、企業と内定者が採用活動後に再会し、入社の意思を双方が確認する重要な式典です。内定式は企業側と内定者、共に重要な節目となるため、企業は式典に向けてしっかりと準備をしておく必要があります。

内定式を開催する企業側の準備として挙げられるのは、スケジューリング、会場の確保や設置、内定者への通知など。当日、失敗のないよう打ち合わせを綿密に行うと同時に、リハーサルも実施しておきましょう。

参加する側の準備

内定式は、内定者としても非常に意味のある式典です。長い就職活動の末、自らの手でつかんだ就職先から式典への出席を求められたわけですから、ある程度社会人としての自覚を持って出席する必要があります。

  • 内定式へ持参するよう定められた持ち物を忘れない
  • スーツなど清潔感のある装いで出席する
  • 自己紹介や入社後の抱負などを考えておく

など最低限のマナーを守り準備をしておきましょう。また、集合時間や集合場所に遅れることのないよう、余裕を持って移動します。

内定式とは、内定したことを正式に伝えるために開催する式典です。主に新卒社員を採用した際に、行われます

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6.内定辞退とは?

内定辞退とは、企業からの採用や昇進などの内定を受け取った内定者が、「内定を断る」「内定を辞退する」こと

内定辞退率とデータの販売

就職みらい研究所の調査「2017年10月1日時点内定状況」によると、2017年10月1日時点での内定辞退率は64.6%でした。また2019年には、リクナビが内定辞退率データを販売したことが問題となったのです。

これらから、「内定辞退率が高い」「企業が内定辞退に関して敏感になっている」ことが分かります。

内定辞退が起こる理由

内定辞退が発生する理由は、いくつか考えられます。

  • 待遇など内定の条件について、労使双方で合意に至らない
  • 内定者側に何らかの事情が発生することで、内定を承諾することが難しくなってしまう

内定者側に発生する理由の中には、

  • 他社の選考に通過した
  • 他社で内定が決まった
  • 人事担当者の対応が悪かったことで、企業の印象そのものが悪くなった

といったさまざまな理由があるようです。

内定辞退を防ぐ方法

内定辞退を防ぐには、発生する理由ごとに対策を講じる必要があります。

  • 待遇などの内定条件が合意に至らない場合、労使間で協議を行い、労働条件を再度すり合わせる
  • 他社で選考が決まりそうな内定者は、こまめにフォローして不安を取り除き、既存社員との懇親会を開催して実際の仕事をイメージできる機会を設ける
  • 新卒採用は面接日に採用結果を通知し、企業側の熱意を伝える

内定辞退の理由はさまざまです。内定辞退を防ぐためにも、内定辞退が発生する理由ごとに対策をしましょう

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7.内定取り消しとは?

内定取り消しとは、企業が内定を出したにもかかわらず、何らかの事情によってその内定が取り消されること。理由はさまざまですが、大きく「企業側の事情」「内定者側の事情」の2つに大別できます。

内定を取り消すには理由が必要

内定取り消しは、企業だけでなく、内定者にとっても大きなダメージとなる可能性があります。

そのため、内定を取り消す場合、「内定を取り消すに値するだけの合理的な理由が必要」「客観的に見て不合理な理由であれば、内定取り消しは認められない」ということになっているのです。

内定は、自由に取り消しができるものではないと理解しておきましょう。

内定取り消しが認められる理由の例

内定取り消しが認められる理由について、内定者側と企業側の2つの視点から事例を交えて解説します。

内定者側

内定者側の内定取り消しが認められる理由として挙げられるのは、内定者本人に何らかの問題があるというものです。

  • 内定者が病気になったりケガをしたりして就業できなくなった
  • 内定者が罪を犯した
  • 内定者が企業に提出した書類に虚偽記載をしていた
  • 採用面接で虚偽の申告をした
  • SNSなどに社会的な問題行為をアップした
  • 単位不足で卒業できなくなった

企業側

企業側の内定取り消しが認められる理由として挙げられるのは、「災害や経済情勢の悪化などが原因となって、内定を出した後急激に業績が悪化した」のような、いわゆる会社都合で内定を取り消すケースです。

しかし企業側の都合で勝手に内定を取り消すことは、労働者保護の観点から禁止されています。人事担当者は、内定取り消しは解雇と同等と見なされる、という基本ルールを理解しておきましょう。

内定取り消しと整理解雇

企業が内定を出した後で取り消すことは、解雇と同等に見なされます。そのため企業が内定を取り消す場合には、下記に挙げる整理解雇の4要件を満たすことが必要となるのです。

  1. 人員整理の客観的な必要性
  2. 配置転換や出向、希望退職の募集といった解雇回避努力義務の履行
  3. 解雇すべき人員の客観的な基準に基づく公正で合理性のある選定
  4. 労働組合や該当者に対する誠意を持った協議と交渉を行うなど手続きの妥当性

内定取り消しが認められるためには、取り消すに値するだけの合理的な理由が必要です。そのためには、整理解雇の4要件を満たす必要があります

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