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アメリカで話題となっている「ノーレイティング」という評価制度は、日本企業でも注目されつつあります。no ratingは直訳すると「無評価」という意味です。導入事例はGEやアクセンチュア、デロイト、ゴールドマン・サックスなど多岐にわたります。
今までの評価制度とまったく違った発想からなるこの制度は、今後の人事体制にどのような変化を与えるのでしょうか。ここでは、ノーレイティングとレイティングの違いや考え方、事例などについて解説します。
目次
人事評価とノーレイティングを両立。カオナビなら従業員の目標・評価管理が簡単です。評価業務効率化のための機能も充実しています。
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1.ノーレイティング(no rating)とは?
ノーレイティングとは、一言でいうと「ランク付けをしない人事評価」です。no ratingは直訳すると「評価なし」という意味です。
企業の評価制度の多くは、毎年年度末に1年間の働きを評価し、A、B、Cなどのランク付けを行い、それに伴って給与や賞与、役職などが決まる形式になっています。
これに対し、ノーレイティングでは、年度単位での評価はせず、ランクも付けません。リアルタイムで目標設定を行い、その目標に対して上司と対話します。上司からフィードバックをもらうことにより、その都度評価が下される仕組みです。
パフォーマンスマネジメント変革の全体像
参考 『人事評価はもういらない(松丘啓司著)』Amazon年次評価(レイティング)とは?
レイティングとは、業績によって従業員をランク付けすることです。日本では20年ほど前に普及し、今日まで一般的な評価方法として多くの企業に取り入れられてきました。
レイティングは、通常年度ごとに行われ、このランクが給与や賞与と連動します。もともとはアメリカの企業が行っていた制度で、成果主義の評価体制が日本に広まった際、アメリカの企業に倣ってこの方法が取り入れられた、という経緯があります。
ノーレイティングに関する誤解
ノーレイティングのことを「人事評価をしないこと」と認識している人がいますが、これは誤解です。評価をしないというわけではなく、「社員のランク付け」であるレイティングをやめる、また、年次の評価をしない、というのが正しい解釈です。
レイティングは、画一的な規定に従って評価対象者をランク付けする仕組みなので、評価対象者の性格や特性を踏まえた評価や、細かな要素に対する評価を、給与や賞与、役職などに反映しにくいという問題があります。加えて、評価対象の期間や所属部署などによって評価が左右されるため、実際には正当なランク付けになっていないこともあります。
ノーレイティングは、こうしたレイティングの問題点をクリアにする人事評価制度、と位置づけることができるのです。
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2.ノーレイティング制度導入のメリット・デメリット
ノーレイティングを取り入れた企業の中には、良い結果が出ていない企業もあります。CEB(米国の調査およびアドバイザリー会社)の調査では、レイティングをやめた企業のうち10%が従業員生産性、6%が従業員エンゲージメントが低下した、という報告も出されています。
ノーレイティングの評価システムがしっかりとつくり込まれていなかったり、評価されないという認識から従業員のモチベーションが低下したりすることが原因となっているようです。
ノーレイティングの導入を検討する際には、まず十分な仕組みづくりや従業員への説明が重要となります。
ノーレイティングのメリット
ノーレイティング制度を導入することはメリットがあります。
①外部環境の変化に対応できる
ノーレイティング制度のもとでは定期的な1on1を行います。そのため、外部環境の変化に応じて、柔軟かつ速やかに目標の見直しや修正できます。
急激に変化する政治や経済環境、社会、テクノロジーの動きにもタイムリーに対応可能です。
サッポロビールが人事制度を刷新した際にも、背景にあった課題として次のように語っていました。
課題はいろいろありましたが、一番大きかったのは、世の中の変化への対応力の強化が待ったなしだ、ということでした。従業員の意識調査や多面観察の結果から、サッポロビールは、新しいことにチャレンジする姿勢や、変化への対応のスピードなどに大きな課題があることがわかっていました。[……]変化に積極的に対応していける組織を作っていくためには、人事制度そのものを変える必要がありました。
引用元:https://www.jinzai-soshiki.com/interviews/2021/01/4320.html
めまぐるしい世の中の変化に臨機応変に対応していくことは、今後必要不可欠な姿勢でしょう。
②人材の確保や育成に活きる
ノーレイティングは人材の確保や育成にも活きます。従来の人事評価制度では、年に1〜2回のフィードバックで「よかった」「わるかった」という結果だけを伝えて終わることがしばしばありました。また、上司から部下へ一方的に評価を伝えるだけだったので、上司からの評価と部下自身の自己評価が大きくずれてしまうケースもあったのです。
しかし、ノーレイティングでは定期的な1on1でこまめにフィードバックを行うため、上司と部下の認識のズレを解消できます。すると納得感が高まり、モチベーション向上にもつながります。
モチベーションが高い優秀な人材が集まると、企業の生産性向上につながり、さらに優秀な人材が集まる好循環が生まれます。
ノーレイティングのデメリット
ノーレイティングにはメリットもありますが、さまざまなデメリットもあります。現在、主なデメリットは次の2点です。
- 管理職側の負担が増加する
- 管理職側に高度なマネジメント能力が必要
①管理職側の負担が増加する
ノーレイティングの問題点としてまず挙げられるのは、こまめにミーティングを行う必要があるため、管理職側の負担が増えてしまうという点です。
レイティング評価のように決められた項目やランクがあるわけではないので、毎回のミーティングでしっかりと部下の話を聞いていくことが求められます。リアルタイムのフィードバックも必要となるため、レイティング評価と比べ何倍もの時間と手間がかかります。
②管理職側に高度なマネジメント能力が必要
決められた評価項目がないため、必然的に管理職側の判断にゆだねられる領域が多くなります。管理職の人間にマネジメント能力がない場合、不適切な評価を与えてしまったり、部下が評価内容に不満や疑問を持ったりすることも考えられます。
このような問題を防ぐために、公平な評価を行えるようなシステムをしっかりとつくっておく必要があります。
ノーレイティングには確かにメリットがありますが、通常の評価業務で忙しい管理職の負担を増やすというデメリットも存在します。この問題解決するには、目標管理や評価業務を同時に効率化できるシステムの導入がおすすめです。
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3.ノーレイティング制度における給与の決め方
従来の人事制度では、上司が部下のランクを決め、ランクに応じた給与が決定されてきました。
これに対して、ノーレイティング制度ではそもそもランクがないので、上司の裁量により給与が決定されます。人件費の予算から分配して、部下の給与を設定する必要があるのです。そのためノーレイティング制度の導入をためらう日本企業も少なくありません。
しかし、上司が給与を決定することは必ずしも悪いことというわけではありません。
評価対象者の性格や特性、評価対象期間、所属部署など、細かな要素を考慮できるので、通常の評価制度と比較すると納得感が高い給与設定が可能です。
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4.1on1から始めるノーレイティング
欧米では導入が進められているノーレイティングですが、いきなり日本の企業で導入すると混乱をきたす恐れがあります。これまで長く行われてきたレイティングをやめてしまうと、「どうやって評価するのか?」と従業員も戸惑ってしまうでしょう。
そこでノーレイティングをいきなり全面的に導入するのではなく、一旦年次評価を切り離してみましょう。すなわちフィードバックにおける対話を頻繁に行いましょう。
しかし中には上司と部下の1on1で話をする機会がなかなか確保できないというケースもあるでしょう。1on1で面と向かって話ができなくても、モバイル端末を使ってコミュニケーションを取ることは可能です。
そのほかにも活動ログを蓄積して、それを上司がチェックするなど、さまざまなコミュニケーションの取り方を模索してみましょう。
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5.レイティング評価をやめたGEの評価システム
ノーレイティングは評価しないわけではないと前述しましたが、評価をする際にはどのような方法で行うのでしょうか。
ここで、実際にノーレイティングを取り入れた、アメリカの企業ゼネラル・エレクトリック(GE)で行われた評価制度を紹介しましょう。
GEは歴史に名を残したあのトーマス・エジソンが創業した企業です。家電のみならず、医療機器や飛行機のエンジンから、石油やガスなどの原料まで、幅広いビジネスを行っています。
GEが採用してきたこれまでの評価システム
GEは、120年もの歴史がある企業で、これまでのマネジメント手法はさまざまな変遷を遂げてきました。アメリカの評価制度そのものともいえるGEの仕組みは、国を問わず多くの企業から参考にされています。
まず、ノーレイティングを導入する前のGEで、どのような評価システムが使われてきたのかを年代別にまとめました。
■1980年~1990年代
部門ごとのマネージャーが社員に対して評価を行い、その後、全社員を並べて順位を付けていました。そのうち下位10%は退職を言い渡されるという厳しいシステムです。
この評価は年度ごとに行われるため、従業員は常に下位10%に入らないよう気を抜かずに職務に取り組んでいたということです。
■2000年~2010年代
社員の働きがGEという企業の価値と見合っているかどうかを評価対象とし、年度ごとに評価するというスタイルをとっていました。
5ポイントスケール(または9ブロック)と呼ばれる評価制度で、評価した従業員を3×3のマス目に当てはめ、ラベルを付けるというユニークな方法でした。
PD@GE -Performance Development at GE-
GEは、2014年頃からレイティング評価を終了し、新たにPD@GE(Performance Development at GE)というシステムの試運転を行っています。
このシステムは、アプリを使用して上司からの業務評価を受けながら能力開発を行うというものです。ノーレイティングの実践的な評価制度として注目を集めていました。
具体的な方法
PD@GEでは、従業員一人ひとりがモバイルアプリを使用します。アプリを通じて、現在自分が抱えている職務に優先順位を付け、それに対して上司や同僚からフィードバックを受ける、というものです。
このフィードバックはインサイトと呼ばれ、「Continue(継続)」と「Consider(再考)」どちらかのタグが付けられます。
- 働きが認められた場合は「Continue(継続)」
- うまくいかなかったり、認められなかったりした場合は「Consider(再考)」
のタグがつけられるため、従業員は仕事の進み具合を常に客観的に評価してもらうことができるのです。
このインサイトによって、仕事を進めていくためにどのような方法が必要なのかを自ら考えるようになり、能力向上につながる、という仕組みです。
PD@GEの効果
PD@GEが始動した現在、その効果は少しずつ現れているそうです。以前よりも従業員の仕事にユニークな取り組みが見られたり、個人個人の働きに対する印象がクリアになったため、評価の際に行う面談内容の質が上がったといいます。
レイティングを行わなくても、以前のような従業員の昇給や昇格に影響はなく、従業員側からも「モチベーションが以前より上がった」などの声が上がっているとのことです。
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6.ノーレイティングの導入事例
ノーレイティングは日本では広く知られた用語ではないかもしれません。しかし世界ではすでに導入している企業も増えてきています。アメリカでは「フォーチュン500」という総収入の上位500社を毎年発表しています。このフォーチュン500に入っている企業の中で、ノーレイティングを取り入れているところは2015年の段階で10%を占めています。
これが2017年までには50%くらいにまで広がるのではないかと見られています。この2年間で実に5倍も増加していることから見ても、急激に注目を集めていることがお分かりでしょう。
アメリカの人事制度というと厳格に個人の成果を測定して報酬に連動させる能力主義・実績主義というイメージがありませんか?しかしノーレイティングという全く逆の動きが広がっているのは興味深いところです。
ノーレイティングのほうがむしろパフォーマンスの向上には効果が期待できるとして、導入が進められているのです。アメリカのトレンドは数年のブランクを経て日本でも取り入れられることが多いので、注目の評価制度になるでしょう。
GEを追随する他社(アクセンチュア、デロイト、ゴールドマン・サックス、アドビ、IBM、マイクロソフト、GAPなど)
GEのノーレイティングに続き、いくつもの企業が同様の制度を取り入れ始めています。大手企業でいえば、たとえば、アクセンチュア、デロイト、ゴールドマン・サックス、アドビ、IBM、マイクロソフト、GAPなどがあります。時代の流れはノーレイティングに傾きつつある、といえるかもしれません。
2015年に実施された、デロイトによる3300の企業を対象とした調査では、レイティングによる評価方法によって、従業員の企業に対する愛着心や自己肯定が損なわれているという結果が出ています。
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日本企業ではサッポロビールやカルビーがノーレイティングを導入
先ほど、ノーレイティング制度の導入をためらう日本企業も少なくないと書きましたが、それでも近年はいくつかの日本企業がノーレイティング制度を導入しています。
サッポロビールは2020年1月から、20年ぶりに刷新された人事制度を開始。ノーレイティング制度を導入しました。ノーレイティング導入の意図や目的について次のように語っています。
考課ランクを廃止することで、評価のフィードバックのあり方を変えるという意図もありました。これまでのフィードバックは前年の考課ランクを伝えることが主になっていて、結果が良かった、悪かったというシンプルな評価で終わってしまうケースが少なくありませんでした。また、考課ランクが、昇格判断など様々な制度に紐づいているために、バイアスがかかる可能性があるという懸念もありました。ランクを廃止することで、それぞれの強みや弱みについてより具体的に話し合って、今後の成長への見通しを立てることができるようになると考えました。
引用元:https://www.jinzai-soshiki.com/interviews/2021/01/4320.html
また、カルビーでもノーレイティングが導入されています。部下とのミーティングで使っているのがCommitment & Accountability(C&A)とよばれる独自のツールを使い、企業と社員の間で契約が行われます。話し合いで決めた目標の達成度合いによって、賞与や昇進に影響する仕組みです。
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7.アメリカと日本における評価システムの歴史と現状
歴史的には、日本企業の人事評価の仕組みの多くはアメリカから取り入れられてきました。
戦後、日本独自の人事評価も登場するようになりましたが、基本的なトレンドは今でもアメリカに追随することが多いです。アメリカでワークスタイルや労働環境が変わり、評価制度に変化が現れると、日本企業にも同様の変化が起きる、といった具合です。
ここからは、日米それぞれの評価制度の移り変わりを、時代を追って解説していきます。
アメリカの評価システムの変遷
アメリカでは100年以上前から人事評価についての研究が行われてきました。研究の進歩と時代の移り変わりによって、人事評価の考え方は常に変化してきました。
これらの変化は、大きく以下の4つの時期に分けられます。
- 1910年頃に始まる評価制度の研究開始の時代
- 1950年以降の成果主義による人事評価の時代
- 1990年以降の能力や行動による評価の時代
- 2000年以降の与えられた業務以外の活動を評価に含めるようになる時代
1910年~(評価制度の研究開始)
アメリカで人事評価の研究が開始されたのは、1910年頃でした。ここで人事評価の基本となる「相対評価」と「絶対評価」の考え方が誕生し、それ以降いくつもの新たな評価方法が開発されました。
研究が進む中で求められたのは、科学的な根拠に基づいて評価を数値化すること。社員の勤続年数のほか、知識や教養、人格などの特性を客観的に評価し、数値化するという方法が確立されました。
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1950年~(職務評価の時代)
1950年代に入ると、評価の対象は業務の成果や行動へとシフトします。職務遂行に当たってどのような行動を取ったか、また、その成果はどういったものであったかを評価することで、どの社員が高い利益を生み出しているかをはっきりさせるという考え方です。
成果や行動の評価は、上司と部下との面談で決めた数値化できる目標に対し、期末に達成度を測定する「目標管理制度(MBO)」によって行われるようになりました。これは、日本企業の評価制度にも大きな影響を与えています。
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1990年~(人物寄りの評価へ)
1990年以降、社員が任される職務内容は、それ以前と大きく変化していきます。それに伴って、人事評価にも変化が起きました。成果や行動への評価は変わりませんでしたが、そこに人物に対する評価が加わったのです。
決められた職務内容に対する評価以外に、成果を出すためにどのような方法を取ったのか、人物重視の視点で考える「コンピテンシー評価」が導入され、アメリカ企業のスタンダードになりました。
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2000年~(役割外行動も評価対象に)
2000年代に入り、人物重視の流れがさらに強まります。
コンピテンシー評価に加え、職務外の活動も評価に組み込まれるようになったのです。職場環境を良くするため、自分の仕事以外に行動する「コンテクスト業務」と呼ばれるものが、新たに評価対象に加わりました。
加えて、上司以外からも評価を受ける「360度評価」が導入されるようになり、コンテクスト評価の幅がさらに広がりました。
360度評価とは? 目的やメリット・デメリットをわかりやすく
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日本の評価システムの変遷
日本の人事評価の歴史は、アメリカ企業で行われていた人事評価制度を導入したことから始まります。初めはアメリカの制度をそのまま輸入していましたが、徐々に日本独自の形態へと変化していきました。
たとえば、1950年代から1990年代に多くの企業で取り入れられていた「人事考課」は、アメリカ企業の成果を上げた人間を評価するという思考とは少し異なり、個人のリーダーとしての資質や仕事へ取り組む姿勢などが評価対象となっていました。
現在も、アメリカで注目されている最新の評価制度を取り入れながら、独自のスタイルへと発展を遂げていく流れが続いています。
1910年~(アメリカの知見を輸入)
日本の人事評価は、アメリカと同じく1910年頃に端を発します。1930年頃までは、アメリカで誕生した人事評価制度をそっくりそのまま輸入し、評価の基礎である相対評価と絶対評価の考えが根付いていきました。
戦後、アメリカの評価制度が反映されることは次第に少なくなっていきます。
1950年~(人事考課の完成)
1950年以降、日本独自の評価方法が徐々に確立されていきます。
1969年、経団連が定めた「能力主義管理」によって、後にほとんどの日本企業が取り入れることになる「人事考課」の基礎が完成しました。能力主義管理は、成績考課、能力考課、情意(態度)考課の3方向から構成された、日本的な評価制度でした。
職務内容に縛られずに個人を評価できる仕組みであることから、日本企業の間では広く普及しました。
1990年~(目標管理制度の導入)
1990年代に入ると、成果主義の考え方が強くなります。アメリカで目標管理制度(MBO)が開発され広まったことから、日本企業もその考え方を取り入れるようになったのです。
それまで人事考課が主流だった日本企業にとって、「職務に対する評価」という視点は目新しかったため、その指針とすべくMBOを導入する企業が急増しました。
しかし、結果的に、日本におけるMBOは、アメリカのそれとは違うものとして定着しました。アメリカでは、マネジメントのためのツールとして取り入れられるのですが、日本では人事評価のための基準として使われるようになっています。
2000年~(マイナーチェンジの時代)
2000年以降、アメリカ企業の人事評価制度をそのまま取り入れる動きが再び見られるようになります。
MBOは引き続き多くの企業が導入していますが、それに加え
- コンピテンシー評価
- 360度評価
など、アメリカでトレンドとなった制度が取り入れられるようになりました。面白い傾向として、日本では現在もMBOが人事評価の主軸であるのに対して、アメリカではかつての日本のような人物重視の評価方法へと移行しつつあるようです。
日米の評価制度の違いとは?
日米の評価制度の違いとしては、もともとアメリカの人事評価は、会社に利益を与えた人間を特定し評価する、というものであったのに対し、日本の人事評価は、仕事への姿勢や成果の他に将来の期待値なども加味した人物全体に対する評価であった、という点がありました。
ところが、1990年以降になると、アメリカは人物重視の評価へと変化していき、日本では成果主義とMBOを組み合わせた人事評価に変化したのです。日本においては、MBOはあらゆる職種の人間をまとめて評価することができる仕組みだったため、日本企業と相性が良かったのかもしれません。
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●配布:システム上で配るので、配布ミスや漏れをなくせる
●集約:評価の提出、差戻はワンクリック。進捗も一覧でわかる
●管理:過去の結果も社員ごとにデータ化し、パッと検索できる
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