ノマドワーカーとは、遊牧民のようなワークスタイルのことです。本記事では、ノマドワーカーについて解説します。
目次
1.ノマドワーカーとは?
ノマドワーカーとは、
- オフィスやデスクといった特定のワークスペースを持たない
- 企業の肩書を持たない
- インターネット環境を点々とする
ワークスタイルの人を言います。
ノマドワーカーの「Nomad(ノマド)」は、英語で「遊牧民」を意味します。遊牧民は、乾燥地帯を移動して牧畜業を行う人々です。ノマドワーカーはこの遊牧民のように、「特定の職場を持たず、移動しながら仕事をする人々」といった意味で広く用いられています。
テレワーク・リモートワークとの違い
ノマドワーカーに類似する言葉に、
- テレワーク
- リモートワーク
があります。ノマドワーカーとこれら類似語に大きな意味の違いはありません。ただし、テレワークやリモートワークは、会社員がオフィス以外で仕事をするワークスタイルを指す言葉です。一方、ノマドワーカーは、フリーランスが自由な場所で仕事をする人のことを言います。
リモートワークとは?【どういう意味?】種類、効果
近年、インターネット環境が普及し、自宅やカフェ、コワーキングスペース、レンタルオフィスなど、会社のオフィス以外で仕事できるようになりました。
政府が推進する働き方改革の影響もあり、個人に合わせた多様な...
フリーランスとの違い
ノマドワーカーに類似する言葉に、フリーランスがあります。フリーランスとは、特定の組織に所属せず業務を請け負う契約形式です。フリーランスの契約形式で仕事をしている人を、フリーランサーと呼びます。
- ノマドワーカーはワークスタイル
- フリーランスは契約形式
であり、ノマドワーカーとフリーランスは同意義ではありません。
2.ノマドワーカーに多い職種
ノマドワーカーに多く見られる職種があります。ここでは、7つの職種をあげてそれぞれの特徴を解説します。
ライター
ライターとは、記事を作成する職種です。Webや雑誌などに掲載する記事を作成します。ライターになるには学歴や資格、経験などは必要ありません。
- パソコンやスマホなどライティングに必要な道具を持っている
- 自分自身でライターと名乗っている
ことで、いつでもどこでもライターになれます。ただし単価の高い案件を獲得するためには、経験や実績が必要です。
プログラマー
プログラマーとは、システムエンジニアが設計したシステムを実装する仕事をする人です。フリーランスのプログラマーには、システム設計も含めたプログラミングを生業としているケースもあります。
- 設計
- 開発
- テスト
といったプログラミング全般の工程をひとりで完結するためには、進化するプログラミングの技術を常にブラッシュアップしていくことが求められます。
WEBデザイナー
Webデザイナーとは、クライアントから依頼されたWebサイトを作成する際のデザインを担当する職種です。クライアントのイメージするサイトを具現化するため
- レイアウトやデザインに関する知識やセンス
- デザインソフトを使いこなす力
- ヒアリング力
などをフルにいかして、フリーランスとして働く人が増えています。
アフィリエイター
アフィリエイターとは、自身が所有するWebサイトで広告収入を得る職種のことです。
アフィリエイターは
- Web広告代理店や企業から依頼を受けて自身のWebサイトに広告を掲載する
- サイト訪問者による広告のクリックや商品の購入に応じ報酬を得る
ことで生計を立てます。アフィリエイターは、フリーランスで活動することがほとんどです。
コンサルタント
コンサルタントとは、企業や団体などさまざまな組織が抱えている課題の解決に向けた支援を行う職種です。
コンサルタントは
- 戦略系
- 総合系
- 医療系
- 財務系
- 人事系
など自分が得意とする分野を持っており、その分野に関する支援を行うのが一般です。コンサルタント会社に所属する場合もありますが、フリーランスも多くいます。
バーチャルアシスタント
バーチャルアシスタントとは、テレワークによって企業の業務を支援する職種です。オンラインアシスタントとも呼ばれます。
一般的なバーチャルアシスタントが担う主な業務は、
- Web業務
- 秘書
- 経理業務
- 電話受付業務
- 人事業務
- 翻訳、通訳業務
といったバックオフィス業務です。
オンライン講師
オンライン講師とは、オンラインを使って受講生を指導する業務です。オンラインを活用することで、いつでもどこでも講師として授業ができます。
授業の内容は
- 資格取得
- 語学
- 趣味
- 実務関連
- 一般教養
など多岐にわたります。フリーランスとして、自分の特技や趣味を活かした活躍をすることも可能です。
3.ノマドワーカーになるには?
ノマドワーカーになるには、ふたつの方法があります。ここでは、
- 副業
- フリーランス
をキーワードとして解説します。
副業で仕事を始める
最初からノマドワーカーとしてだけで生計を立てることは収入面でリスクが伴うので、副業で仕事を始めるという方法があります。本業の仕事は持ちつつも、副業としてノマドワーカーを始めるのがよいでしょう。
複業とは?【副業・兼業との違い】意味、実態、メリデメ
「複業」とは本業として営む仕事を複数抱えている状態のこと。ここでは「複業の定義」や「副業や兼業との違い」「実態や形態」「広まる背景」「メリットやデメリット」などについて、事例を示しながら詳しくご紹介し...
フリーランスになる
ノマドワーカーは、いずれフリーランスになります。まず副業としてノマドワーカーを経験し、ある程度自信がついたら、フリーランスとして仕事を始めます。
- フリーランスは契約形式
- ノマドワーカーはワークスタイル
のことです。フリーランスで働き続けることに自信が持てれば、ノマドワーカーとしても活躍できるでしょう。
4.ノマドワーカーに必要なスキル
ノマドワーカーに必要なスキルがあります。ここではノマドワーカーに必要な3点のスキルをあげて、それぞれ解説します。
インターネット関連のスキル
ノマドワーカーに必要なスキルのひとつは、インターネット関連のスキルです。
- オンラインで仕事をする機会が多い
- ノマドワーカーの仕事にインターネット関連業務が多い
- オンラインで自身のスキルを向上する機会が持てる
といった理由から、ノマドワーカーにとってインターネット関連のスキルは必要不可欠であると言えます。
コミュニケーションスキル
ノマドワーカーに必要なふたつ目のスキルは、コミュニケーションスキルです。オンライン上でクライアントと打ち合わせなどを行う場合、
- 完結な文章を作成できる
- チャットツールを活用できる
- オンラインで提案できる
- リモートでも相手の空気を読める
などの細やかなコミュニケーションスキルがあれば、仕事がしやすくなります。
自己管理スキル
ノマドワーカーに必要な3番目のスキルは、自己管理スキルです。ノマドワーカーには、
- 自身の体調管理
- 仕事のスケジュール管理
といった自己管理スキルが求められます。自己管理スキルの高低は、仕事に直結します。会社員のように上司に管理されることがない半面、自分で自分をコントロールできる能力は不可欠です。
5.ノマドワーカーの主な持ち物
ノマドワーカーに必要な持ち物があります。基本的にはパソコンがあれば仕事ができますが、ここでは、5点の持ち物をあげて解説します。
ノートパソコン
ノマドワーカーの持ち物のひとつは、ノートパソコンです。ノマドワーカーに限らず、パソコンは仕事をする上で必須アイテムの筆頭にあげられます。ノマドワーカーとして働く場合でも、一番大切な持ち物です。使用頻度が高いため、
- 軽量タイプ
- 職種によってはハイスペックなもの
を選択すると使い勝手がよいでしょう。
マウス
ノマドワーカーに必要なもので次にあげられるのは、マウスです。パソコンを操作するためのマウスも、ノマドワーカーにとって必須アイテムです。仕事をする場所を選ばなくてすむよう、カフェのテーブルなど狭いスペースでも快適に仕事ができる
- 小型のマウス
- ワイヤレスマウス
などを選ぶことをおすすめします。
モバイルバッテリー
ノマドワーカーの3点目の主な持ち物は、モバイルバッテリーです。PCやスマートフォンを使用する際、もっとも困るのが充電切れです。
時と場所を選ばず仕事をするノマドワーカーにとって、出先で充電切れになった場合、仕事が完全にストップします。そうならないためにも、モバイルバッテリーを持ち物の中に入れておくことは必須です。
モバイルルーター(ポケットWi-Fi)
4点目は、モバイルルーター(ポケットWi-Fi)です。フリーWi-Fiが広まりをみせつつありますが、実際に使用すると
- 接続機器の品質
- 利用者数の影響
などを受けたことでスムーズに使用できないことがあります。そのような状況でも確実にWi-Fiへ接続できるよう、モバイルルーターを持っていると安心です。
USBメモリー
ノマドワーカーの5点目の主な持ち物は、USBメモリーです。ノマドワーカーが仕事をする場所は、
- カフェ
- レンタルスペース
- ベンチ
などさまざまで、そこに大量の資料を持参することは困難です。そんなとき、USBメモリーに必要なデータを入れ持ち歩いていれば、いつでも必要なときに必要なデータにアクセスできます。
6.ノマドワーカーにおすすめのカフェ紹介サイト
ノマドワーカーにおすすめのカフェ紹介サイトがあります。ここでは、
- DENGENCAFE
- ノマドカフェ
のふたつを紹介します。
DENGENCAFE
DENGENCAFEは、コンセントが使えるカフェを検索できるサイトです。PCやスマートフォンをを使っているノマドワーカーにとって、電源確保は重要な問題です。
DENGENCAFEでは、
- 電源の有無と口数
- WiーFi
- 禁煙喫煙
- 混雑具合
といった情報が検索できます。検索情報は、すべて現地調査済みなので安心です。
ノマドカフェ
ノマドカフェは、電源やWi-Fiが使えるカフェなどを検索できるサイトです。
- 首都圏を中心として全国5,000店舗以上を検索可能
- 地名、駅名、カテゴリー、地図上から簡単検索
- 現在地から近隣検索も可能
- ノマド関連記事コンテンツをブログで常時配信
といった使い勝手のよいサービスが人気です。
7.なぜノマドワーカーは「うざい」と言われるのか?
なぜか、ノマドワーカーが「うざい」といわれることがあります。ここでは、「うざい」と思われてしまう理由について解説します。
自分よがりな思考に陥りやすい
ノマドワーカーが「うざい」といわれる理由のひとつは、自分よがりな思考におちいりやすいことです。たとえば、カフェは本来コーヒーや軽食を楽しむための場所です。しかし、
- お茶代を支払っているから
- 店内に仕事禁止と書いていないから
といった自分勝手な解釈で場所を利用するノマドワーカーがいるため、「うざい」と思われがちです。
カフェを占領することがある
ノマドワーカーが「うざい」をいわれるもうひとつの理由は、カフェを占領することがあることです。
ノマドワーカーが仕事をするとき、その多くはパソコンや資料を広げます。この場所を確保するため、1人用席が空いているのにもかかわらず、複数人用席を占領するケースが見られます。このようなマナーの悪さも、ノマドワーカーが「うざい」と思われる一因です。
8.企業がノマドワーカーを雇うメリット
企業がノマドワーカーを雇うメリットがあります。ここでは、企業側のメリットをあげて、それぞれ簡単に解説します。
オフィススペースを削減できる
企業がノマドワーカーを雇うメリットのひとつは、オフィススペースを削減できることです。通常、社員を雇えばコストがさまざまなコストが発生します。しかし、オフィスに出勤しないノマドワーカーに対し
- 交通費
- 机
- スペース
といったコストはかかりません。コストを削減できるのは、企業にとって大きなメリットです。
従業員がプライベートと仕事を両立できる
企業がノマドワーカーを雇うふたつ目のメリットは、従業員がプライベートと仕事を両立できることです。ノマドワーカーは、自分の都合で仕事をする時間を調整できるため
- 家事
- 育児
- 介護
- 兼業
など、自分のプライベートと仕事を両立させやすい特徴があります。ノマドワーカーは、社員の多様な働き方をサポートできるワークスタイルのひとつです。
優秀な人材が集まる
企業がノマドワーカーを雇う3番目のメリットは、優秀な人材が集まることです。企業は、ノマドワーカーを雇えば、
- 優秀な人材に遠隔地から仕事をしてもらう
- 優秀な人材を退職させずにノマドワーカーとして働いてもらう
ことができます。