近年、新しい会議の方法として注目されているのが「オフサイトミーティング」です。このオフサイトミーティングについて解説します。
目次
1.オフサイトミーティングとは?
オフサイトミーティングとは、現場とは離れた場所で会議を行うこと。一般的な会議は会議室など社内で行う場合も多いですが、オフサイトミーティングは気楽に真面目な話をするために、社外といった離れた場所で行われます。
オフサイトミーティングの英語をそのまま訳すと、「off(離れる)」「site(場所)」「meeting(会議)」。つまり「離れた場所で会議を行う」という意味になります。スコラ・コンサルトという企業が提案した会議手法です。
オフサイトミーティングと一般的な会議との違い
普通の会議とオフサイトミーティングの違いは「目的」です。社内の会議では、話し合う議題を決めて決められた時間の中で意見を出し合い、最後に答えをまとめます。つまり目的は、時間内に一定の答えを出すことです。
一方オフサイトミーティングは、お互いの考えを共有し、互いの仲を深め、チーム力を強化するという目的になります。決められた議題について時間を掛けて話し合い、自身の考え方や相手が考えていることを出し尽くすというのが目的なのです。
2.オフサイトミーティングの目的
オフサイトミーティングの目的は、お互いの考えを共有して「チーム力を強化」すること。リラックスした場所で会議を行い、普段よりもオープンな雰囲気をつくります。
そのためオフサイトミーティングは、意見交換による社内コミュニケーションの活性化や、今までの考え方に捕らわれない前向きな意見なども期待できるのです。
企業の体質改革や企業活動の活性化などにもつながるため、企業のイノベーションを促進するというのも目的に含まれます。
3.オフサイトミーティングのメリット
普段の堅苦しい会議と違って、リラックスできる開放的な空間で会議を行うオフサイトミーティングは、いつもの会議とは違う効果やメリットを得られます。それぞれについて解説しましょう。
- 新しいアイディアの創造が期待できる
- 社内コミュニケーションが活発になる
- 心身をリフレッシュできる
①新しいアイディアの創造が期待できる
オフサイトミーティングは、リラックスできる空間で行われる会議なので、発言しにくいような雰囲気は感じません。
今までは会議の場の雰囲気に飲まれていたような社員も気軽に発言できるため、新しい意見が投下される可能性も高いです。多くの意見が出やすくなるので、行き詰まっていた問題のブレイクスルーとなるような解決策が講じられるかもしれません。
②社内コミュニケーションが活発になる
オフサイトミーティングの場では、参加者同士で自由に活発な意見の交換がなされます。
参加者には同じ部署の人間はもちろん、普段話しにくい上司や社内でもなかなか話す機会がないようなほか部署の人、あるいはほか支店の人などがいるかもしれません。このような多くの人と交流できるチャンスとなるのです。
③心身をリフレッシュできる
オフサイトミーティングを社員旅行やインセンティブ旅行と一緒に行うと、観光と一緒にたのしめます。
実際、旅行と合わせてオフサイトミーティングを実施している企業も多く見られるのです。社員のリフレッシュ効果を高められ、その後のミーティングにもよい影響を与えるでしょう。
4.オフサイトミーティングのデメリット
オフサイトミーティングは職場とは離れた場所で行うため、デメリットも存在します。ここではオフサイトミーティングの実施によって発生するデメリットを4つ解説しましょう。
- コストがかかる
- 意見の集約に時間がかかる
- 参加者同士の業務調整が必要になる
- 場所を変えただけで終わってしまう
①コストがかかる
デメリットのひとつは、移動の交通費や施設の利用宿泊費、ミーティング中の飲食費などの費用がかかること。また社員の日程調整や当日の移動時間など、目に見えないコストもかかるでしょう。
オフサイトミーティングを開くと通常の会議では発生しないようなコストがかかるので、事前の準備や業務調整などが必要となります。
②意見の集約に時間がかかる
発言がしやすくなり、さまざまな意見が飛び交うというメリットがあるオフサイトミーティング。しかし言い換えれば、意見がまとまりにくいというデメリットにもなり得るのです。
あくまでもミーティングなので、出されたテーマに関して意見を集約し、答えを出さなければなりません。オフサイトミーティングでは、意見の集約という点にどうしても時間がかかってしまいます。
③参加者同士の業務調整が必要になる
参加者は事前に業務調整しなくてはならない点もデメリットです。通常のミーティングと違ってオフサイトミーティングを行う場合、社員の移動や宿泊など多くの時間を必要とします。
オフサイトミーティングを急に開催しようとしても、日程が近すぎれば業務を調整できない人も多いでしょう。時間の確保や業務調整が行えるよう、ある程度前もって告知しておく必要があります。
④場所を変えただけで終わってしまう
場所を変えてリラックスできる雰囲気の中でミーティングを行うため、今までと違った意見が出ることもあるかもしれません。
しかしいくら場所が変わっても、進行や議題がいつもと同じような内容では、結果的にいつもと同じ会議になってしまうでしょう。これでは「参加者が立場にとらわれず率直な意見を出し合う」という本来の目的が達成できません。
5.失敗しないためのオフサイトミーティングのやり方
オフサイトミーティングを成功させる秘訣は何と言っても事前準備。アジェンダを作成する際はできる限り、詳細なものを準備するよう心掛けましょう。ここでは失敗しないオフサイトミーティングのやり方を説明します。
事前準備
オフサイトミーティングを開くにあたって、アジェンダ以外の重要な事前準備が2つあります。
参加者を選定し、オフサイトミーティングの目的を共有する
オフサイトミーティングの開催が決定したら、まずは目的とゴールを決めましょう。ただの会話で終わらせないためです。参加者にはあらかじめ、オフサイトミーティングの目的とゴールについて共有しておきましょう。
オフサイトミーティングは「自由な意見交換」が大きな目的になります。参加人数は多くても10人程度で抑えて少人数で行うのがおすすめです。
予算を決め、日時決定や会場の予約を行う
日程や予算についての事前準備も必要です。オフサイトミーティングの場所や参加人数によっては、決められた予算内に収まらないかもしれません。
収まらない場合は、オフサイトミーティングの必要性や重要性を説明して、予算が出るような説得も必要になります。日程が決まって参加者の予定が調整できたら、開催する会場を予約しましょう。
オフサイトミーティング当日の動き
オフサイトミーティングの当日は、ファシリテーターが司会進行を務めます。ファシリテーターとして注意すべき点を解説しましょう。
自由な意見交換を心掛ける
オフサイトミーティングの目的は、「参加者同士が自由に意見を交わす」こと。事前に決まっている議題やテーマはあるものの、あまりとらわれる必要はありません。
ミーティングの流れによっては、話を広げるために時間配分や議題を変更するといった柔軟さも大切です。
ファシリテーターは中立的かつ意見に合わせ柔軟な進行を行う
進行役であるファシリテーターは、先入観を持たず中立的な立場でいましょう。参加者が話しやすい雰囲気をつくるため、ファシリテーターはポジティブな言動を心掛けます。
またオフサイトミーティングは、参加者同士全員が立場を気にせずさまざまな意見を出しあうことが理想的です。あまり話していない人にはファシリテーターから質問するのも有効でしょう。
オフサイトミーティング後の作業
オフサイトミーティングは、その後のアクションも重要になります。
次回につなげるアクションプランを作成する
オフサイトミーティングミーティングで出た意見をまとめてアクションプランを作成します。オフサイトミーティングミーティングで決まった内容は必ず文章に書き起こして、参加者全員で共有しましょう。
共有できたら、現場で実際に行動を起こすためのアクションプランを立てるのです。アクションプランの作成が終わったら改めて共有します。
次回のために参加者からフィードバックを収集する
必ず参加者に次回に生かすためのアンケートを行いましょう。行ったオフサイトミーティングを単発のもので終わらせないためです。
アンケートでは参加者の満足度や会議の進め方、会場や食事、オフサイトミーティングの良かった点や改善すべき点などを質問しましょう。寄せられた回答は、次回以降のオフサイトミーティングの参考として活用できます。
6.事例から学ぶ、失敗しないオフサイトミーティング
ではどのようなオフサイトミーティングを開催すればよいのでしょう。実際に開催した企業事例を参考にすると、オフサイトミーティングが成功に近付くかもしれません。ここでは2つの成功事例をご紹介します。
スペースマーケット
スペースマーケットは、さまざまな「スペース」を法人だけでなく個人にも貸し出すサービスを提供している会社で、オフサイトミーティングをひんぱんに行っています。
たとえば都心のレンタルスペースで、ビジネスサイドやエンジニアなど各部門の責任者が集まる1日合宿や、四半期に一度行われるエンジニアチーム1泊2日の合宿など。これらのミーティングでは現状の課題や今後の戦略、開発方針などが議題に上げられています。
このエンジニアチームのオフサイトミーティングのセッティングは、新入社員が行うため、それを通じてチームの一員になっていく効果もあるようです。
Kaizen Platform
Kaizen Platformは、クラウドプラットフォームサービスや動画クリエイティブサービスなどを提供している会社です。
参加者のモチベーションをアップさせるため、古民家を会場に選んでオフサイトミーティングを行い、これまでの結果や次に向けた目標を共有し合う1日合宿を行いました。
普段の社内の会議とは違って、非日常的な雰囲気のなかリラックスしながら話し合えたため、参加者からも高評価を得られたそうです。
7.厳選!オフサイトミーティングに活用できる東京や関東の場所
ここからは関東近郊でオフサイトミーティングを行うのに適した、おすすめのレンタルスペースをご紹介します。日帰りできる場所や宿泊できる場所もあるので、オフサイトミーティングを開催する際にはぜひ、参考にしてみてください。
ザ・ミレニアルズ渋谷
「ザ・ミレニアルズ渋谷」は、渋谷の中心地にあるライフスタイルホテルです。ワークスペースやキッチン、そしてラウンジスペース、さらにはコーヒーマシンを24時間利用できます。
ワークスペースには最大で70名の収容が可能なので、さまざまな部署を交えた大人数でのオフサイトミーティングも開催できるでしょう。
フクラシア
「フクラシア」は、もともと日本一の稼働率を誇っていた研修特化型ホテルです。そのノウハウを投入し、新しいスタイルの貸し会議室を誕生させました。
まるでホテルマンのように心のこもったサービスを提供してくれるスタッフや、デザイナーが手掛けたオシャレなインテリアや空間が特徴です。東京周辺では丸の内や品川など全6か所で運営しており、広さや人数が異なるプランも多数用意されています。
オフサイトミーティングの規模に合わせやすいでしょう。
湘南OVA
「湘南OVA」は、神奈川県の湘南国際村にあるホテルで、まるで海外のリゾートホテルのような雰囲気を味わえます。周囲には自然しかないので、いつもとは違うリフレッシュした雰囲気で会議に臨めるでしょう。
会議用に大会議室や小会議室をレンタルできます。鎌倉や葉山、横須賀や三浦へのアクセスも抜群なので、観光も楽しめるオフサイトミーティングになるでしょう。
農園リゾートTHE FARM
「農園リゾートTHEFARM」は農園とつきますが、温泉やアクテビティ、BBQ会場やカフェなどを備えた農園グランピングリゾートです。都心からは車にて80分ほどで到着でき、高速バスや最寄駅からの送迎も行っているのでアクセスに困りません。
一面ガラス窓の外に畑が広がる会議室は、最大48名まで利用可能です。
TIME SHARING秋葉原
「TIMESHARING秋葉原」はJR秋葉原駅から徒歩2分という好立地の場所にあり、最大76名までの参加が可能です。プロジェクターとスクリーン、マイク付き司会台や音響設備などの備品も無料でレンタルできます。
会議室はコンクリート打ちっぱなしの床に白壁とシンプルなので、展示会といった内容にも使用できます。都心から離れずにいつもと違う雰囲気を出したいオフサイトミーティングにおすすめです。
いこいの村ヘリテイジ美の山
「いこいの村ヘリテイジ美の山」は、埼玉県秩父郡にあるホテルです。周りは山々に囲まれた自然豊かなエリアですが、車なら都心から2時間ほどでアクセスできます。会議室も大・中・小と3種類から選べ、最大で150名までの収容が可能です。
宿泊と会議室、さらに食事をセットにしたプランもあるので、合宿形式のオフサイトミーティングが開催しやすいでしょう。
8.オフサイトミーティングの場所探しに役立つサイトオフサイト
オフサイトミーティングの会場探しに悩んだら、どうすればよいのでしょう。実はオフサイトミーティングに適した会場探しや手配をサポートしているサイトがあるのです。ここではそのようなサイトのひとつとして「OFFSITE」をご紹介します。
OFFSITE
OFFSITEでは、ミーティングや研修用の合宿を一括手配しています。これまでにホテルや旅館などへの人材派遣を16年間続けてきた企業がもとになっており、その豊富な知識を生かした施設の斡旋が可能です。
各種施設との交渉や手配を一括で代行しているので、会場の選定や予約といった幹事の手間を減らせるでしょう。