人事評価でのバイアスを防ぐ方法は、2つあります。
- 評価者の変更
- 複数による評価
しかし、人が人を評価するためバイアスを減らすことはできても、完全に無くすことは難しいと思ったほうがよいでしょう。
心理学におけるバイアスの分類パターン
バイアスは、「先入観・偏見」といった意味合いで使われることが多い言葉です。
人事評価制度を運用する上で、重要なポイントとなる「公平」「納得」「適正」な評価を実現するには、このバイアスを防ぐ必要があります。
心理学ではバイアスをいくつかのパターンに分類して定義づけています。
認知バイアス
認知バイアスは、思い込みや先入観によって判断に差が生じることをいいます。
確証バイアス
確証バイアスは認知バイアスの一種です。確証バイアスが働くと、自分自身に都合の良い情報だけを集めたり、切り取ったりしてしまいます。
後知恵バイアス
発生した物事を、「事前に予測可能だった」と考えることを「後知恵バイアス」といいます。
バイアスが働くことで発生する人事評価のエラー
評価者にバイアスが働くと人事評価において以下のようなエラーが発生します。
ハロー効果
特定の優れた点(劣った点)があると他も優れている(劣っている)と評価すること。
寛大化傾向
評価が全体的に甘くなること。
中心化傾向
評価結果が中央に集まりやすくなる傾向のこと。
極端化(分散化)傾向
極端に差の大きな評価をしてしまうこと。
論理的誤差
似たようなことを関連付けて考えてしまい、推論で判断してしまうこと。
対比誤差
評価者の能力や価値観と比較して過大・過小な評価をしてしまうこと。
イメージ考課
イメージや先入観で評価してしまうこと。
バイアスを防ぐ方法
バイアスを防ぐ方法は2つあります。
評価者の変更 |
|
複数による評価 |
|
このような方法でよりバイアスの少ない人事評価を目指しましょう。評価を受けた側の不満も少なくなります。
なぜバイアスがなくならないのか?
人の持つ意識によりエラーが起こり、バイアスは生じます。たとえば、
- 優れた点を1つ見ると他もすべて優れていると感じる
- これまでの様子から得たイメージをもとに判断してしまう
など。しかしどれだけ気をつけていても多少の誤差は起きてしまうもの。それを加味してできるだけ減らすことができる方法をとるとよいでしょう。
バイアスを無くすことはできないが減らすことはできる
人事評価バイアスを防ぐ方法には、
- 評価者の変更
- 複数による評価
がありますが、人には意識があるため、完全にバイアスを無くすことは難しいでしょう。しかし方法を講じれば少しでも減らすことは可能です。