人事評価に関するトラブルが訴訟につながるケースは増えており、人事評価の内容が違法となるケースもあります。
特に、人事評価の結果は、従業員にとって不利益な措置(降格や降給など)を取った場合司法審査が厳しく行われる傾向にあります。
強行規定
人事評価の規定が、以下の強行規定に反していた場合、人事評価の内容は違法となります。
- 均等待遇(労働基準法3条)
- 男女同一賃金(労働基準法4条)
- 昇進等についての男女差別的取扱い禁止(男女雇用機会均等法6条)
- 不利益取扱いの禁止(男女雇用機会均等法9条、育児・介護休業法10条等)
- 不当労働行為(労働組合法7条) 等
損害賠償請求を認めた裁判例
人事考課制度が整備されていても、適用の仕方によっては違法と判断されることがあります。違法として損害賠償請求を認めた裁判例は以下の通りです。
マナック事件
就業規則に定められた評定期間外の事由を昇格・賞与査定の対象とした
コナミデジタルエンタテインメント事件
育児休業期間が含まれる年度の成果報酬を機会的にゼロと査定した
住友生命保険事件
所定の評価要素以外の要素(結婚しているか否かという要素)によって、女性従業員を一律に低く評価した
人事評価が公正かどうか確認すべき点
人事評価をめぐる紛争リスクを軽減するため「人事評価が労働基準法3条等の強行規定に違反していないか」また「人事評価が公正か」を確認しましょう。
人事評価が公正かどうか確認すべき点は以下の3点です。
- 公正で客観的な評価制度が整備されているか
- 公正な評価が実施されているか
- 評価結果をオープンにし、それについて説明をしているか