メンタルヘルスを含めた体調不良で欠勤の多い社員がいる場合、一般的に人事評価はしない方向で進めます。
そもそも、
- 休んで出社していない
- 仕事をしていない
ため、人事評価はできません。体調不良など正当な欠勤理由の際、人事評価を下げることはできないのです。また、「ノーワークノーペイ」の原則に基づくため、賃金を支払う必要もなくなります。
公正査定義務違反の恐れも
体調不良などを原因に人事評価を下げると、「公正査定義務」違反になる可能性があります。公正査定義務とは人事考課における信義則の一つで、2つの公正さを保つ義務が要求されるのです。
- 人事考課制度そのものの公正性
- 人事考課制度運営における公正性
体調不良だけでマイナス評価をした場合、いずれかの公正性に欠けると判断されかねません。
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体調不良が原因の解雇
体調不良を原因として解雇するには、いくつかのハードルをクリアする必要があります。まずは就業規則上で設定している解雇事由に相当するかどうか。
しかし「体調不良で休んでいる」ことのみを理由に解雇するのは困難です。
そもそも、
- 産業医や保健師など専門家の健康管理における改善指導
- 配置転換や降格
など事前にできる行動をしなければなりません。会社としてできる限りのことを行って、それでもだめだった場合、初めて解雇という選択肢が現れるのです。
社員へのケアを
メンタルヘルスを含め体調不良で会社を休みがち。これだけで人事評価を下げるのは公正さに欠けます。違法に問われる可能性もありますし、マイナス評価によって賃金を減額した場合、その差額を請求される恐れも出るでしょう。
体調不良な社員がいた際には医療・メンタルと多面的なケアを行い、問題を解決に導くよう努力しましょう。