トラブルになった事例はあります。人事評価が原因でトラブルに発展し訴訟につながるのは、主に以下の2つのような場合です。
- 社員が人事考課の結果を受け入れない
- 会社がリストラを意図したパワハラまがいの人事評価を行った
人事考課の結果を受け入れられずトラブルとなる場合
- 大きなミスや成果の下落がないにもかかわらず、これまでよりも著しく低い評価をした
- 営業成績が目標に到達しないことを理由に最低の評価をした
このような人事評価を行った場合、社員は人事考課の結果を受け入れられずトラブルへと発展することがあります。
上記のような評価を行ってしまう原因は、目標の設定の仕方にあります。よって、目標を設定する時点で、注意を払うことによってトラブルを未然に防ぐことができます。
また、社員がいわゆる「モンスター社員」であった場合は、定期的な面談を実施して、じっくりと主張を聞くなどといった対応策を練る必要があります。
組織ぐるみで社員を低評価する場合
会社が人事評価において、組織的に社員を低評価するような事例も発生しています。
- 意図的に低い評価をする
- 評価の権限のある上司が感情的な嫌がらせのため低い評価をする
- 事前に研修や目標設定を行い、「成果が見られない」と低評価してリストラに追い込む
「組織ぐるみで社員を低評価する」といった事例の解決は困難を極めます。このようなケースは、理不尽な評価をストレートに指摘することによって徐々に効果があらわれることがわかっています。
法理的な基準を構築し、トラブルを防ぐ
雇用条件とパフォーマンスの乖離によるマイナス査定や降格は、社員にとっても受け入れがたい評価となります。トラブルの発生を未然に防ぐため、
- 評価項目や評価基準は明確か
- 評価基準は合理的か
- 評価方法は適切か
- 評価者によるばらつきや、評価結果の偏りはないか
などをチェックし、法理的な基準を構築することが大切です。