状況によってはどちらも可能です。具体的には次のような場合に業務命令として研修への参加を命じることができ、従わない場合は懲戒処分の対象とすることもできます。
- 研修の内容が業務に関連する
- 研修が通常の勤務時間内
- 就業規則に研修への参加を義務付ける旨が記載されている
反対に、下記のような場合には参加を強制することができません。
- 対象者の業務内容と関連性がない
- 人格権を侵害するような研修内容である場合
雇用主は業務上不可欠な研修参加を業務命令にできる権利がある
雇用契約を結んだことで、雇用者は従業員の能力向上や業務上必要な知識や技術を身に着けるための研修参加を業務命令にできる権利が発生しています。
特に就業規則に明記されていた場合、その内容を命じることは何の問題もなく、従業員はそれを拒否することは職務放棄とみなされます。
そのため、職務放棄を理由に懲戒処分を下すことは可能です。
ただし、参加意思があってもなんらかの事情があって参加できない場合もあります。そのような場合は懲戒処分は厳しすぎるため、軽いペナルティなどで対応するのが妥当かと思います。
業務時間内の研修は業務命令として強制できるとは限らない
また、研修は通常業務の関係上、業務時間内に行われることもあります。そのような場合は業務命令として強制することができるとは限りません。
研修が業務時間外に行われた場合、雇用契約の際に時間外労働についての契約を結び、必ず時間外手当を支給する必要があるので注意しましょう。
研修が自由参加の場合は、参加を強制できないかわりに研修時間に対しての給与を支払う必要はありません。
研修の重要性を従業員に主旨よく説明することも大切
業務に関係する内容の研修を行う場合、業務命令として参加させることは可能です。
また、従業員が特別な理由もなく研修参加を拒否した場合、職務放棄により懲戒処分とすることも可能です。
研修は業務ではないと考える従業員も中にはいるようですが、研修は間違いなく業務のひとつと言えます。研修の重要性を理解してもらえるよう、従業員に主旨をよく説明することも大切です。