【Q&A】社員研修の予算(費用)の相場はどれくらい?

社員研修の平均予算を調査などから読み取ると、1人当たり4万円前後としている企業が多いようです。

実はこの数字は、バブル期からほとんど変化していません。2000年以降も1人4万円前後が平均となっており、研修を経費削減対象にしている企業はあまり存在しないことがうかがえます。

研修は人材育成の投資の一環ですから、それなりの予算を割く企業が多いということでしょう。

1人当たり4万円前後が一般的な金額

日本生涯学習総合研究所が199社を対象に行った「企業における人材育成」に関する実態調査では、社員教育にかける年間費用総額については100万~500万円という企業が21%ともっとも多くなりました。また、1人当たりの金額は25,000円~50,000円が19.6%で最多に。この金額は、産労総合研究所が行った教育研修費用の実態調査でも、1人当たりの平均が2014年は36,877円、2015年は47,170円となっていることからも、4万円前後が一般的な金額と言えそうです。

また、日本生涯学習総合研究所の調査では、新入社員研修以外では中堅社員や中堅管理者に多くの研修費をかけている企業が多いこともわかっています。

参照:日本生涯学習総合研究所
http://www.shogai-soken.or.jp/htmltop/toppage.files/kigyo-chosa_2015.pdf

参照:産労総合研究所
http://www.e-sanro.net/research/research_jinji/kyoiku/kyoikukenshu/pr_1510.html

年間の研修計画をつくり、予算を精査する

研修予算で大きな割合を占めるのが、講師の依頼料と会場費です。

特に講師料はバラつきがあり、有名講師になれば100万円以上ということもあります。ただ参加者が多ければ、当然ながら1人当たりの費用は小さく済むので、必ずしも100万円が高いとは言い切れないでしょう。

まずは、年間の研修計画をつくり、必要な研修の内容や回数、対象となる階層や人数、期待される費用対効果など、研修予算の総額を出してみましょう。その中で、社内講師で足りるものや自社会議室で開催できる研修がないか検討し、予算を精査してみると良いでしょう。

研修の目的を明確にし、予算の根拠に自信をもつ

1人4万円ほどの研修費を、高いと感じるかどうかは企業規模や経営状況によっても異なると思います。限られた予算でのやりくりは簡単ではないでしょう。まず、研修の目的を明確にすることで、研修そのものの必要性を見極めることができ、予算の根拠に自信がもてるのではないでしょうか。