従業員に実施するOFF-JTには、人材開発支援助成金の制度を利用することができます。
これは、もともとキャリアアップ助成金や建設労働者確保育成助成金、障害者職業能力開発助成金などに分かれていた助成金制度を整理統合した制度で、OFF-JTが対象となるのが、特定訓練コースと、一般訓練コース、特別育成訓練コース(旧キャリアアップ助成金人材育成コース)です。
各コースの助成金
「特定訓練コース」
支給対象となる企業規模や種類の幅が広く、中小企業、大企業、事業主団体等なども対象となります(大企業の場合は、支給額が少なくなります)。
助成金が支給される訓練は、以下の通りです。
- 労働生産性の向上に直結する訓練
- 若年労働者への訓練
- 技能承継等の訓練
- グローバル人材育成の訓練
- 雇用型訓練
助成金額(1人あたり)
- 生産性の向上なし:760円/時
- 生産性の向上あり:960円/時
「一般訓練コース」
支給対象は、中小企業と大企業で、その他の訓練コース以外の訓練に支給される助成金です(大企業の場合は、支給額が少なくなります)。
助成金額(1人あたり)
- 生産性の向上なし:380円/時
- 生産性の向上あり:480円/時
「特別育成訓練コース(旧キャリアアップ助成金人材育成コース)」
支給対象は、中小企業と大企業で、以下の訓練に助成金が支給されます(大企業の場合は、支給額が少なくなります)。
- 一般職業訓練
- 有期実習型訓練
- 中小企業等担い手育成訓練
助成金額(1人あたり)
- 生産性の向上なし:760円/時
- 生産性の向上あり:960円/時
助成金の受給方法
助成金の受給には、訓練計画届の提出が必要です。OFF-JTを実施する1か月前までに、計画届を提出し管轄労働局長に確認を受ける必要があります。内容に不備がある場合は確認を受けることができなくなるので、注意が必要です。
訓練内容、期間、対象となる労働者など助成金を受ける要件を満たしているかを事前に確認するようにしましょう。
厚生労働省のホームページから申請書の様式をダウンロードできます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/youshiki_ichiran.html
実施したいOFF-JTの内容を検討し、助成金の対象となるのかを確認する
人材開発支援助成金の制度は、OFF-JTのみを対象とするものから、OFF-JTとOJTの両方が対象のもの、OFF-JTとOJTを組み合わせた訓練を対象とするものなど、訓練内容が異なります。
また、必ずしもすべてのOFF-JTが助成金の要件を満たすというわけではありません。まずは、実施したいOFF-JTの内容を検討し、助成金の対象となるのかを確認する必要があるでしょう。