業務委託契約を結んでいる相手が法人の場合、源泉徴収はありません。個人の場合においては、源泉徴収するケースとしないケースがあります。個人と業務委託契約を結んでいる場合で、源泉徴収する必要があるのは「所得税法204条1~8項」に当てはまるときです。そこに該当しないときは源泉徴収は必要ありません。
源泉徴収の計算式
源泉徴収をする場合の計算ですが、支払う報酬が年間通じて100万円以下と100万円超の場合で異なります。
100万円以下の場合、源泉徴収額の計算式は「報酬額×10.21%」で求められます。100万円を超えるときは、100万円までは同じ計算式で、100万円を超える部分に対してのみ税率が20.42%になります。計算式にすると、「100万円×10.21%+(報酬額-100万円)×20.42%」となります。
源泉徴収の対象
報酬が金銭ではなく、物品である場合も同様に源泉徴収は行う必要があります。これは「謝礼」、「取材費」、「お車代」といったものも同様です。ただし、報酬の支払い者が交通費や宿泊費等を、交通機関やホテルなどに直接支払った場合に関しては、報酬という形にはならないため、源泉徴収は不要です。
また、報酬の中に消費税等の額がふくまれている場合に関しては、消費税等の額を含めた金額が源泉徴収の対象です。しかしながら、請求書で報酬と消費税等の額が区分されている場合はその限りではありません。源泉徴収の対象は報酬額のみで問題ないでしょう。
委託内容を確認し、間違った処理をしないように注意
業務委託契約を結んでいる個人は、委託している仕事によって源泉徴収が発生する場合があります。委託内容を確認し、間違った処理をしないように注意が必要です。
なお、通常雇用契約をしている個人に対して源泉徴収票を発行しているかとは思いますが、業務委託契約を結んでいる相手に対してはその義務はありませんので、相手に求められたときは会社判断で発行するかしないかを決めて問題ありません。