「従業員」と「社員」という言葉の表現に、明確な違いはありません。違いをつけるとすれば、「社員」は通称なのでその解釈は人により異なりますが、会社に雇用されている正規社員を指すことが多いです。一方、「従業員」も通称であり、正規社員を含めた、会社から給料をもらって働く人すべてを指すのが一般的でしょう。
正規社員について、公的文書においては「社員」という言葉は用いられない
「社員」という言葉は本来の法律用語では、社団の構成員や株式会社の株主である出資者を指します。一般的には、会社に雇用されている正規社員を指しますが、公的文書においては「社員」という言葉は用いられず、「労働者」「被用者」「被雇用者」「商業使用人」などと使われます。
「従業員」は会社および個人事業主と雇用契約を交わし、給料をもらっている人の総称です。会社と委託契約書を交わして役員報酬をもらう、社長や専務といった役員にあたる人については、従業員に含まれません。
一般論としての従業員と社員の違い
従業員と社員の違い、となると「同義のように感じられる」からこその疑問かと思いますので、あくまで一般論として具体例を挙げます。
- 社員・・・会社に雇用されている正規社員
- 従業員・・・正規社員、契約社員、派遣社員、アルバイト、パートなど
「社員」は正規社員のみを指し、「従業員」はその「社員」を含む業務に従事する人全般を指す、と区分することができます。
特に使い分けをする必要はない
とはいえ、「従業員」と「社員」という言葉に、明確に分ける定義はありませんので、特に使い分けをする必要はありません。
強いていえば、就業規則等に両者の用語が使われているといった場合には、運用上その範囲を定めておく必要があるでしょう。