「法定休日」に勤務した場合の割増賃金は、基礎賃金の1.35倍以上、「法定外休日」に勤務した場合は1.25倍の手当となります。この場合の割増賃金は、1時間あたりの賃金をもとに算出します。ただし、会社の雇用契約や就業規則により、休日勤務をした場合にも手当が不要なケースがあります。
法定休日、所定休日に勤務した場合の手当
「法定休日」とは、週1日、あるいは4週4日与えなければならない、法律上の最低限度の休日を指します。一方、「法定外休日」は、法定休日以外に、法定休日に加えて会社が付加的に与える休日です。これを「所定休日」と言います。
法定休日に勤務すると、手当として支払う賃金は1.35倍以上となります。所定休日に勤務した場合、その一週間(日曜~土曜)で働いた時間が40時間を超えている場合に限り、「時間外労働」を行った手当として、1.25倍の賃金を支払う必要があります。
手当を出す必要がないケース
たとえば、週休二日制をとっている会社が、日曜日が法定休日、土曜日が所定休日、と就業規則で決めているとします。その場合、法定休日である日曜日に勤務すると手当は1.35倍以上です。所定休日に勤務した場合ですと、その週において40時間を超えた部分においては、時間外労働手当として1.25倍の手当を支給します。
一方で、手当を出す必要がないのは以下の3つのケースです。
①振替休日を取得させる場合
前もって会社が「日曜日に出勤する代わりに、月曜日を休みとする」など、振替休日を取るよう指示している場合です。このケースは会社が休みを移動させていますので、休日出勤手当を支給する必要はありません。ただし前述の通り、週単位で労働時間が40時間を超えている部分においては、1.25倍の手当を支払う義務があります。
②基本給の中に休日出勤手当を含んでいる場合
「基本給○万。ただし、うち5万円は固定払いの割増賃金とする」などと雇用契約書に記載している場合は、休日出勤および時間外労働によって発生する賃金が5万円を超えない限り、手当を支給する必要はありません。
③管理監督者と認定されている場合
いわゆる「管理職」にあたる人においては、労働基準法の時間外労働や休日労働に関する条項の適用除外です。
細かい部分は就業規則を確認すること
休日勤務の指す「休日」が、会社の法定休日なのか所定休日なのか、というところが1つのポイントです。
また、以上は基本的なケースであり、会社によっては手当の割合が時間帯によって変わったり、時間外労働の時間が一定時間を超えると追加手当がついたりと、それぞれに異なります。細かい部分に関しては、就業規則を確認することをおすすめします。