定量評価とは?【わかりやすく解説】定性評価との違い

定量・定性評価に必要な情報を見える化し、評価の効率と質を向上
人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決!
【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダウンロード

数値で計測可能なものの分析・評価に広く用いられている定量評価。ここでは、

  • 定量評価の意味や方法
  • メリット
  • 注意点
  • 人事評価における定量評価の使い方

などについて解説します。

時間が掛かる評価業務を効率化!
人事評価システムの選び方がわかる解説資料をプレゼント
資料の無料ダウンロードは ⇒ こちらから

1.定量評価とは?

定量評価とは、

  • 数字に基づいた評価
  • 数値で計測できるものを材料として評価を導く手法
  • 手法によって導き出された評価結果そのもの

などのこと。

  • マーケティング
  • 人事評価
  • 市場調査
  • 満足度調査
  • 統計調査

などあらゆる場面で広く用いられ、経営判断や学術研究において重要な役割を果たしています。

読み方と英語表記

「ていりょうひょうか」と読みます。英語表記では「Quantitative Evaluation」です。

定量とは

定量評価についてより詳しく知るには、前提知識として「定量」と「定性」という言葉を知っておく必要があります。

定量とは、物事を数値で表せる状態のこと、またはその数値のことです。例えば「たくさんの商談をする」という目標は定量的ではありませんが、「毎月100商談する」という目標は定量的といえます。
ビジネスにおける売上・顧客数・客単価などはいずれも定量で示せる指標になります。

定性とは

定性とは、定量とは逆で「数値で捉えられない要素・物事」のことです。定量が“量”にフォーカスしており、定性は“質”にフォーカスしているともいえます。
例を挙げると、「論理的思考ができるようになる」という目標は定性的な目標です。

人事評価制度とは? 必要な理由、種類と仕組み、作り方を解説
Excel、紙の評価シートを豊富なテンプレートで楽々クラウド化。 人事評価システム「カオナビ」で時間が掛かっていた人事業務を解決! ⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセス...

部下を育成し、目標を達成させる「1on1」とは?

・1on1の進め方がわかる
・部下と何を話せばいいのかわかる
・質の高いフィードバックのコツがわかる

効果的に行うための1on1シート付き解説資料をダウンロード⇒こちらから


【評価業務の「めんどうくさい」「時間がかかる」を一気に解決!】

評価システム「カオナビ」を使って評価業務の時間を1/10以下にした実績多数!!

●評価シートが自在につくれる
●相手によって見えてはいけないところは隠せる
●誰がどこまで進んだか一覧で見れる
●一度流れをつくれば半自動で運用できる
●全体のバランスを見て甘辛調整も可能

カオナビの資料を見てみたい

2.定量評価の使い方、事例

定量評価は、数値を用いて評価する際に使います。

「複数の輸送路線を持つ運送会社で、配達時間の遅延が問題として浮上。遅延によりどの路線からどの程度の損失が出ているかを把握するべく定量評価を使う」というケースを例に考えてみましょう。

まず配達が遅延した際に、顧客が実際に感じ取るインパクトはどの程度かを遅延時間ごとに把握するため、顧客アンケートを用いて数値化。同時に、各路線ごとに何分の遅延がどの程度の確率で発生しているかを計測し、集計します。

2つのデータを蓄積した後に両方のデータを統合すると、どの路線が(遅延により)どの程度のインパクトを生んでいるか数値で把握できます。

配達の遅延によるインパクトを数値で比較できれば、

  • どの路線に対策を講じるべきかの的確な判断
  • インパクトの小さい路線から人員を引き抜いてインパクトの大きい路線に異動

という判断ができるでしょう。

評価業務の時間が1/10以下になった実績多数! 人事評価システム「カオナビ」の資料ダウンロードは⇒ こちらから(無料)

3.定量評価と定性評価の違い

定性評価との違いは、数値で計測可能なものしか評価できない、ということ。定性評価は、数値で計測できないもの…たとえば、人間の感覚や情緒を評価できるため、表裏一体の関係ともいえます。

  • 定性評価:数字では表すことのできないものに対する評価、またその評価方法のこと
  • 定量評価:売上や獲得件数、クレーム対応件数、新規受注件数など数値で計測できる指標をもとに評価する方法

定性評価とは?【わかりやすく解説】定量評価との違い
質の高い定性評価は、メンバーの進捗や成長の見える化から! カオナビで評価を効率化し、従業員エンゲージメントアップしませんか? ⇒ 導入効果が分かるPDFのダウンロードはこちらから(無料) 人事評価にお...

2つの差と組み合わせ

定量評価と定性評価には、それぞれ強みと弱みがあります。

定量評価は、数値で評価が決まるため、誰が見ても同じ評価が導き出されることになり、分かりやすく客観性を保ちやすいですが、反面、数値化できる範囲に限界があり、すべてを評価できないのです。

一方、定性評価は、プロセスや方針など、数値で計測できないものを評価できますが、評価基準を数値化できないため、客観性を保ちにくくなります。

評価を行う際は定量評価と定性評価を組み合わせて、総合的に評価することが望ましいとされています。両方を組み合わせることで、より正確な評価が可能になるのです。

定量・定性を組み合わせるOKR

定量・定性の両方を取り入れた目標管理手法にOKRがあります。
OKRとはObjective(目標)とKey Results(成果指標)の頭文字をとった略称です。Objectiveで定性的な目標を定め、その進捗を図るための具体的な指標をKey Resultsとして設定します。
OKRのメリットには、従来の目標管理手法に比べて迅速な展開が可能、大胆な目標設定ができる、従業員エンゲージメント向上に役立つなどの点が挙げられます。

GoogleやFacebookなど、シリコンバレーの有名企業が取り入れていることで有名になり、最近では、日系企業でも導入されています。

OKRとは? 【Googleが使う目標管理ツール】KPI・MBOとの違い
Excel、紙の目標設定・評価シートを豊富なテンプレートでクラウド化。 人事評価システム「カオナビ」で、時間が掛かっていたOKR・MBOの問題を解決! ⇒ 【公式】https://www.kaonav...

カオナビなら定量評価・定性評価どちらにも対応。定性評価に欠かせない部下の日々の変化や面談内容といった定性評価の管理も簡単です。人事評価システム「カオナビ」の資料は⇒ こちらから

4.人事における定量評価と手法

人事評価における定量評価の手法と注意点について解説します。

人事ではどう使うか、人事における定量評価の手法

人事で定量評価を使う場合、結果や業績の評価及び業績考課への活用となります。設定した数値目標を達成したかどうかを定量的に測り、人事考課を行うのです。さらに、業務遂行のプロセスを評価する際にも、定量評価は有効となります。

プロセス評価では、目標を達成するために必要な職務遂行能力やコンピテンシーについて定量的に判断するのですが、人材育成の視点でも定量評価を活用できるのです。

組織が個人に期待する目標を定量的に示し、具体的な段階目標を設定し支援を行うことは、個人のスキルを高めることにもなるでしょう。このように長い目で見た際、業績向上に役立つのです。

定量評価のメリット

定量評価のメリットを見てみましょう。1つ目は評価内容に対してどの立場の人からも納得されやすいという点。数値で計測した指標をもとに評価するため、当然でしょう。

2つ目は部下の支援に役立てることができる点。たとえば、売上目標まであと一歩という部下に、自分の裁量で営業案件を振ったとします。すると、

  • 部下の評価を引き上げる
  • 仕事に対するモチベーションを上向きに誘導
  • 部下からの信頼を得る

ことができるかもしれません。使い方次第では、周囲を助けたりチームを支援したりする手段にもなるのです。

定量評価の注意点

人事評価で定量評価を用いる際には、事前に「基準となる目標数値と達成に要する期間は適正か」を分析した上で設定します。

  • 目標が曖昧
  • 到底達成できないような厳しすぎる目標が設定されている
  • あまりにも簡単にクリアできてしまうような目標が設定されている

上記のような場合、被評価者は評価そのものに意味を見出すことができず、モチベーションは低下し、組織としての生産性も落ちてしまう可能性が高くなるのです。

また、目標達成までのプロセスについても、一定の期間ごとに目標を定めて、遅延なくプロジェクトを進めることが大切です。最終目標だけを示して、途中のプロセスは丸投げというやり方では、目標達成が危ぶまれるだけでなく、部下との信頼関係も築くことはできないでしょう。

評価後はフィードバックを行う

定量評価に限らず評価時に重要なのが被評価者に評価理由などについて適切なフィードバックを行うことです。評価は給与や昇進だけにかかわるものではなく、従業員の成長を促すために行うもの。評価理由を示すことは部下を激励し育成する意味でもとても重要でしょう。

フィードバックは評価者自身の言葉で、面談のように直接かつゆっくり話せる場を設けて実施してください。その際、会社の基準を持ち出して「決まりだから仕方がない」という言い訳は、絶対にしないこと。

それを言われると、被評価者は納得できませんし、むしろ言い逃れだと受け取ります。たとえ評価は高くなかったとしても、被評価者が納得できる理由を示すことが、評価を下した人間の責務です。

フィードバックとは?【意味・やり方をわかりやすく解説】
フィードバックは、日々の業務において上司と部下の間などで頻繁に行われています。職場で何気なく行われているフィードバックにはどんな目的があるのでしょうか。 フィードバックを効果的に行うポイントや、フィー...

定量評価を利用する業績考課

業績考課は業務の成績に関する評価のこと。目標管理制度(MBO)を用いて、目標達成度と結果までのプロセスの両方を評価する手法です。

目標管理制度(MBO)とは、個人またはチームが自ら目標を策定し、達成度合いを評価する仕組みのことで、

  • 個人
  • チームやグループ
  • 部署

など幅広い単位における業績向上を目指します。上司から一方的に与えられる目標ではなく、組織の目標に向かって個々が果たすべき役割を考えて自ら目標を立てるため、より意欲的に取り組めるのです。

業績評価とは?【目標設定・書き方例】人事考課制度
目標管理・MBO運用の負担が大きく、通常業務が圧迫されていませんか? カオナビならMBOに欠かせない目標設定、面談管理、評価を一気に効率化! ⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp ...

目標管理制度とは? 意味や目的、メリット・デメリットを簡単に
マネジメントで有名な経営思想家ピーター・ドラッカーが提唱した、組織における目標管理制度(MBO)。この目標管理制度は、組織貢献と自己成長の両方が達成できる個人目標を設定させ、その達成度で評価を行う人事...

業績考課の注意点

業績考課では、次の3点に留意します。

①「目標がすべて」にならないように

目標を重視するあまりに、上司が目標重視の会話ばかりしてはいけません。個々が主体的に目標に取り組むことを妨げます。プロセスの重要性を意識して、達成までの過程で従業員が自主性を持って取り組めるよう支援することが大切なのです。

②能力に合わせた目標を策定

基本、個人やチームに目標の策定は任せますが、上司は目標が無理なくかつ少し頑張らないと難しい目標であるかを確認しなくてはなりません。

  • 軽く達成できてしまう目標
  • 難しすぎる目標

でないかを見定めるのです。

③中間目標(KPI)と最終目標(KGI)の両方を伴う目標を策定

業績考課ではプロセスも評価対象とします。中間目標(KPI)も策定させ、どのようなプロセスで最終目標(KGI)に到達するのかを明瞭にしておくことが大切です。

MBO・OKRを効率化するなら、目標管理も得意な人事評価システム「カオナビ」です。資料の無料ダウンロードは ⇒ こちらから

5.定量評価の数字とは何か?

定量評価の数字とは何か、どのように数字を使い、どのように評価を導くのかについて解説します。

定量評価に使われる数字

定量評価では、何らかの単位を付けててカウントできるものを評価対象とします。このとき、

  • 売上
  • 利益
  • 費用

など最終目標(KGI)となる数値の策定だけでなく、中間目標となるKPIも策定するのです。

KPIとは、目標を達成していく過程で、目標達成に大きく影響を与える指標のこと。たとえば、最終目標の売上を達成するためには、見込客の訪問件数や新規受注件数などをKPIとして明確にする必要があるのです。

カオナビなら従業員一人ひとりのKPIや評価情報など、さまざまな情報をデータベースに集約できます。蓄積したデータという根拠をもとに評価を行うことで、評価の効率や質が高まります。結果として、部下のエンゲージメント向上にも繋がります。

無料の紹介資料のダウンロードは ⇒ こちらから

6.定量評価の指標のつくり方

定量的な評価を行おうとしても、数値で計測できるようなものばかりではないことも多々。しかし、直接数値で計測できないからといって、絶対に定量評価ができないわけではありません。

直接、数値で計測できないことを定量的に計測できるよう指標をつくり、定量評価を実施する3つの方法を紹介します。

  1. 数える(回数や時間)
  2. アンケートやサーベイ
  3. 自分が関わった行動の率や数

①数える(回数や時間)

取り組みの回数や、それらにかけた時間を数えることで、定量的な指標とする方法です。

  • 研修を受けた回数
  • 作業にかけた時間
  • アイデアを発案した回数

など。新入社員のように経験の浅い従業員や、人事や総務など間接業務に携わる従業員の業績を定量的に評価したい場合に有効でしょう。たとえば、

  • 面接数
  • 研修実施数
  • 1人当たりの平均研修時間数
  • 採用ブログ公開記事数

②アンケートやサーベイ

アンケートやサーベイの結果を、定量的な指標とする方法です。ここでいうサーベイとは従業員サーベイのことで、従業員と組織の関係改善を目的として実施する従業員満足度などのアンケート調査を指します。たとえば、

  • 採用者本人の配属後満足度
  • 採用者の配属先マネージャーの満足度
  • 研修満足度
  • OJT満足度
  • 配属に関する従業員満足度
  • 配属に関するマネージャー満足度
  • 配置やOJT等の満足度

従業員満足度調査とは?【わかりやすく解説】質問項目例
Excel、紙の調査シートをテンプレートで楽々クラウド化。 カオナビで時間が掛かっていた従業員満足度調査を解決! ⇒ 【公式】https://www.kaonavi.jp にアクセスしてPDFを無料ダ...

③自分が関わった行動の率や数

何らかのかたちで、自分が間接的に関わった他者の行動の割合や回数を指標とする方法です。マネージャーなどの管理者を定量的に評価する際に、部下の行動率や部下が行動した回数などを指標とする場合がこれに当たります。たとえば、

  • 研修参加率
  • 資格/スキル保有者数
  • OJT計画実行率
  • 部門別目標/KPI達成率
  • 部門別残業時間数
  • 有給休暇取得率

【人事評価運用にかかる時間を90%削減!】

評価シートの作成、配布、集約、管理を全てシステム化。
OKR、MBO、360度評価などテンプレートも用意!

●作成:ドラッグ&ドロップ評価シートを手軽に作れる
●配布:システム上で配るので、配布ミスや漏れをなくせる
●集約:評価の提出、差戻はワンクリック。進捗も一覧でわかる
●管理:過去の結果も社員ごとにデータ化し、パッと検索できる

カオナビで人事評価を【システム化】することで、評価の“質”や“納得度”を上げるような時間の使い方ができます

人事評価システム「カオナビ」の詳細を見る(https://www.kaonavi.jp/)

定量評価のQ&A

数値化されたデータを材料とし客観的評価を行うことを「定量評価」といい、一方、数値では表現できない事象について主観的評価を下すことを「定性評価」と呼びます。 たとえば、売上高や生産数は、定量評価の対象です。他方、積極性や協調性など、数値化できない貢献は、定性評価の対象にあたります。
人事評価において定量的な判断をするには、業績評価が主体となります。目標に対する達成率や生産性といった具体的数値が評価対象とされます。 しかし、結果だけに着目する評価では、従業員の不平不満が出やすくなります。本質的な意味で、客観的で公平な評価を行うには、プロセスに対する評価も必要です。そこで定性評価が役立ち、結果に至るまでの具体的な努力もあわせて評価します。
定量評価と定性評価の割合は、部署や役職ごとに適切なバランスがあります。たとえば総務部に対して、定量評価を100%実行するのは難しいでしょう。同様に、営業部に定性評価100%では、評価が乱れます。 五分五分にすれば解決するわけでもなく、部署の性質ごとに、必要な評価要素とその割合を考えなくてはなりません。 なお、組織規模や社風によっても差異はあります。結果重視のベンチャー企業もあれば、プロセス重視のゆるやかな組織もあるでしょう。自社に合ったベストバランスを見つける姿勢が重要です。