出戻り社員とは?【メリットとデメリットを比較】

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一度退職して、再び元の会社に雇用される社員を出戻り社員といいます。一昔前なら、一度辞めた人を再雇用するのはタブー視されていましたが、近年は好意的に迎えられる傾向にあるのです。

  • 出戻り社員と再雇用の実情、実態
  • 出戻り社員に対する本音
  • 出戻り社員を採用するメリット、デメリット
  • 再雇用する際の工夫

などから、出戻り社員について深く掘り下げます。

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1.出戻り社員とは?

出戻り社員とは、一度退職して、他の企業で働いていたり独立したりした後、元の会社に戻って再雇用される社員のこと。また育児や介護などの理由で退職して、他の企業で働くことなく戻ってくる社員も存在します。

ただし、定年退職後に再雇用されるケースは、この出戻り社員には該当しません。一度、会社と契約が切れて再度雇用契約を結ぶため、会社から離れた期間が短い、または全く空けずに再雇用されているため、出戻り社員には含まれないのです。

一度辞めた会社に再雇用されて戻ってくる社員を出戻り社員と呼びます。たとえば、他社に転職した人、育児や介護などで退職して転職せずに戻ってくる人などです

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2.出戻り社員と再雇用の実情、実態

エン・ジャパンが2018年2~3月に調査したところ、出戻り社員を再雇用したことがあると回答した企業は72%でした。2016年時は67%だったので5ポイント増加しています。

再雇用した理由は、「即戦力を求めていた」72%、「人となりが分かっていて安心」67%。再雇用のきっかけは、「本人の応募」59%、「上司の紹介」31%、「同僚の紹介」25%となりました。

また、出戻り社員に対する職場の反応は良好、と回答した企業は約8割。具体的な回答は、下記の通りです。

  • もともと人徳のある人だったので復帰を歓迎した
  • 研修時間が少なくて済んだ
  • 在職時よりマネージメント力がスキルアップしていた

出戻り社員の再雇用の実績がある企業は2年前に比べて増加しています。出戻り社員に対して職場の反応も良好です

状況によっては新規採用するよりも、出戻り社員にアプローチした方が採用コストやミスマッチ軽減の面で大きなメリットがあります。
戦略的に出戻り社員を採用したい場合は、上司や同僚の紹介といった人脈が有効な手段です。

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3.出戻り社員を採用するメリット

出戻り社員を再雇用するメリットとは何でしょうか。

より良い働きが見込める

出戻り社員は他の企業で働いた経験があり、また外の環境を知ったことで得た知識やスキルを持っている人も多いです。退社後に身に付けたスキルや技術、知識、ノウハウを活用し、会社の業績アップに貢献してくれるでしょう。

また出戻り社員のうち自分の都合で会社を辞めた人は、それについて負い目を感じていることも。会社が再雇用してくれた、という感謝する気持ちにより、以前より良い働きが見込めるでしょう。

即戦力となる

会社の内部を知っている人材のため、多少の研修などは必要だとしても会社のルールや教育などを教える必要がないため、通常採用よりも遙かに短い期間で即戦力となります。

出戻り社員の多くは、以前と同じ部署や以前担当していた同じ業務を担当します。そのため業務の進め方などを把握しており、再雇用した日から即戦力となる場合も多いのです。

コスト削減

企業が人材を募集して採用するまでには大きなコストがかかります。新卒者採用よりも転職者の募集のほうが費用は高く、人材紹介会社などを利用した場合、採用した人材の年収の20~30%ほど採用コストがかかるともいわれているのです。

中には1人を採用するのに100万円以上の費用が発生することになるケースも。それを考えると、出戻り社員の再雇用は、人格や特性、働き方が分かっており、採用プロセスも短く、教育コストもかかりません。つまり時間や費用のコストが少なくなるのです。

周りの手本となる

転職はしたものの、自分の甘さを実感して出戻り社員となった場合、その経験をもとに社内のメンターとなる場合があります。

他の会社で得た知識やノウハウ、技術を持つ出戻り社員が、他の社員にアドバイスや指導をすれば、個々のスキルやチームの業績が向上するでしょう。

また仕事上の悩みやキャリアアップなどをサポートできるメンターとなれば、社員一人ひとりに安心感が生まれ社内の雰囲気も活性化します。

出戻り社員の豊富な経験と知識とスキルは会社の即戦力となります。また、他の社員のメンターとなるなど、そのほかのメリットも多いです

出戻り社員採用のメリットを得るには、その社員の過去の情報を参考に採用を検討することがポイントです。

カオナビなら、クラウド型のデータベースで過去の社員情報も一元管理することが可能!過去のデータから社員のスキル情報などを参考に「良い働きが見込めるか」「即戦力となるか」といった点を見極めましょう。

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4.出戻り社員を採用するデメリット

出戻り社員を再雇用するデメリットはあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

過去にこだわる可能性

出戻り社員が、役職や給与面など以前と同じ待遇や条件を求めてきた場合、トラブルが生じる可能性は高いです。そうした出戻り社員の反発によって、他の社員のモチベーションが下がり社内の雰囲気が悪くなってしまうでしょう。

また長期間、会社から離れていた人やある程度の年齢の人を再雇用した場合、現在の業務の進め方に順応できない、変化に対応できないなどの理由から、以前のやり方を押し通してしまうことも。

既存社員の不平不満

出戻り社員に対して、「一度は会社を辞めたのに戻ってくるなんてあり得ない」などと快く思っていない社員も存在するでしょう。

「どうせまた辞めるのではないか」「どうして戻ってきたんだろう」などと既存社員から不平不満が上がる可能性は否定できません。既存社員の気持ちへの配慮が求められます。

また出戻り社員の再雇用により、既存社員が「辞めても戻れるんだ」という意識を持ってしまう場合も。安易に退職する社員が増えてしまう可能性は高いです。

バランスが取れない

過去の実績をそのまま用いて出戻り社員を管理職で迎え入れると、既存社員とのバランスが取れなくなります。

新入社員であれば特別なスキルがない限り給与は既存社員より低いと予測がつきます、しかし出戻り社員は、社外での経験によって給与面で既存社員とのバランスが取りにくいのです。

それにより、既存社員たちから不平不満が発生してトラブルへと発展する可能性があります。

給与や待遇など、出戻り社員と既存の社員のバランスがうまく取れないと社内で不平不満が生じ、社員のモチベーションが下がってしまいます

出戻り社員の採用は魅力的なメリットがある一方で、以上のようなデメリットも存在します。
デメリットを抑えて出戻り社員を採用する場合にも、カオナビを活用して過去の社員情報を精査することが重要です。

給与や仕事のパフォーマンス、スキルや既存社員との関係性
など、一元管理された情報を活用して多角的に分析・検討しましょう。

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5.出戻り社員を採用する際の工夫

出戻り社員を再雇用する際に必要な体制や仕組みづくりなどを説明します。

再雇用制度の構築

出戻り社員を再雇用するメリットは多く、実際に一度辞めた人を再雇用する企業は年々増加しています。しかし再雇用そのものに関する制度が確立していないため、出戻り社員に対する待遇の判断基準は定まっていません。

そのため既存社員から不平不満が生じ、モチベーションが下がるなどの問題が生じてしまうのです。出戻り社員のメリットをうまく活用するには再雇用の制度を構築し、出戻り社員の待遇を明確にすることが必要でしょう。

再雇用後の待遇

出戻り社員を再雇用する際は給与といった待遇、ポジション、昇格などさまざまな点からバランスを取れるような仕組みづくりが必要です。たとえば、下記を評価基準として役職や給与などの処遇を明確にするとよいでしょう。

  • 出戻り社員の社歴
  • 会社を辞めてから何年までなら出戻りができるか
  • 退職の理由(妊活、出産、育児、介護、病気、配偶者の転勤、自己都合退職、独立など)
  • 辞めている間に身に付けたスキル、取得した資格

アルムナイ制度の活用

アルムナイ制度とは、一度会社を退職しても、社内の状況が分かるようなサイトやSNSといったネットワークやイベントを通じて、退職者が会社や同じように離職した人たちと情報交換や交流を行うこと

ネットワーク内のメンバーに求人やイベントの招待、仕事のアイデア共有などが提供されており、こうしたネットワークから、出戻り社員の再雇用につながるケースも多々あります。

アルムナイ制度はもともと外資系企業で盛んに使用されていたもので、近年になって日本でも浸透してきているのです。

再雇用の制度をしっかりと確立し、再雇用後の給与や昇給などの待遇を明確にすることがポイントです。アルムナイ制度の活用も注目されています

こうした制度を確立することは、出戻り社員を採用するデメリットを抑えるために有効です。

戦略的かつリスクを抑えて出戻り社員を採用したい場合に、カオナビを活用しませんか?過去の社員情報を引き出すことで即戦力となるか今自社に必要な人物像にマッチしているかが分析できます。

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6.出戻り社員とコミュニケーションを取る企業の事例、取り組み

さまざまな形で出戻り社員を受け入れる体制をつくり、実際の現場で活用している企業を紹介します。

アクセンチュア

アクセンチュアは「アクセンチュア・アルムナイ・ネットワーク」と呼ばれるサイトを設け、アルムナイ同士がつながりを持てるようにしています。25万人のアルムナイが在籍する巨大なネットワークで、50カ国以上年間150以上のイベントが開催されているのです。

アクセンチュアは再入社を歓迎しており、再就職に関する情報が掲載されるなど出戻り社員の再雇用の体制が整っています。実際にプロジェクト現場へ復帰して、以前よりも大活躍している社員が多数存在するのです。

ベーシック

ベーシックでは、退職したエンジニアとLT(Lightning Talks ライトニングトーク)イベントを実施し、退職者と会話をして共有された知識を社内に役立てています。

ライトニングトークとは、もともとカンファレンスやフォーラムなどで行われる短いプレゼンテーションのこと。

さまざまな形式があり、勉強会や技術的なカンファレンスなどで広く用いられており、プレゼンテーションの持ち時間は約5分間、1~2分間などと短いのが特徴です。限られた時間の中で、退職したエンジニアが知識やノウハウを発表します。

サイボウズ

ソフトウェア開発のサイボウズでは毎月、エンジニアと交流できるイベント「Cybozu Meetup」を開催しています。その中のひとつに、サイボウズを退職したエンジニアを集めた「Cybozu 辞めたエンジニア Meetup」があるのです。

サイボウズのことも、他社のこともよく知るエンジニアたちが、サイボウズの長所短所を正直にパネルディスカッション方式で語るミーティングです。またサイボウズでは35歳以下の社員を対象に、退職して最長6年経っても復帰できる制度を導入しています。

パナソニック

パナソニックでは、特定の条件に適用する人を対象にした再就職制度を行っています。

出産、育児、介護、配偶者転勤などのやむを得ない事情で退職した人、転職や留学などのキャリアアップで退職した人などと退職理由にかかわらず、中途退職した人を積極的に採用しているのです。

またパナソニックでは、社内外で培った知識やスキルが活用できることをメリットとしています。採用された場合、3カ月の試用期間を経た後に正社員に復帰できますが、制度の利用は1人1回までとなっています。

自己都合で退職した社員も、他社で身に付けた知識や経験、スキルやノウハウが高く評価されれば出戻り社員として再雇用されるチャンスがあります

【過去の社員情報を分析して戦略的な出戻り社員の採用を!】

企業事例にもあるように、出戻り社員を採用するには企業ごとに仕組みを構築することが重要です。あわせて、メリットを得るためにも出戻り社員が即戦力となるか、良い働きをしてくれるかを過去の情報から見極める必要があります。

\カオナビができること/
・過去の社員情報まで一元管理
・戦略的に採用したい退職済みの優秀社員をピックアップ
・出戻り社員の情報を多角的に分析

社員情報を一元管理できるカオナビなら、戦略的に出戻り社員を採用することも可能!将来的に既存社員を出戻り社員として採用する可能性も視野に入れて、あらゆる情報をしっかりと管理しておきましょう。

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