SCMとは?【簡単にわかりやすく】業務領域、種類、ERP

SCMとはサプライチェーンそれぞれが保有する情報を共有し、最適化していく方法のこと。ここではSCMとERPの違い、背景や種類、メリットや成功例などを示しながら詳しく説明します。

1.SCMとは?

SCMとはサプライチェーンそれぞれにある情報を共有し、最適化を行っていく方法のこと。供給側から消費者への流れを統合的に見直して全行程における効率化を実現する経営管理手法です。

SCMは英語の「Supply Chain Management」の頭文字を取った略語で、1982年にブーズ・アレン・ハミルトンのK.R.オリバーとM.D.ウェバーがこの言葉を初めて用いたとされています。

SCM(サプライチェーン・マネジメント)とは、供給側から消費者へのプロセスを統合的に見直して全行程の効率化を実現する経営管理手法です

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2.SCMとERPの違い

混同されがちなSCMとERPの違いについて、詳しく見ていきましょう。

  • ERP:英語の「Enterprise Resources Planning」 の略語。企業経営のベースとなるヒト・モノ・カネ・情報という資源要素を的確に仕分けし、有効に活用する考え方
  • SCM:供給側から最終消費者へのプロセスを統合的に見直し、効率化を実現するための経営管理手法

ERPとは、企業が経営を行うにあたって基本的な資源要素を的確に分配し、有効に活用する考え方です

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3.サプライチェーンとは?

サプライチェーンの意味や定義について改めて見ていきましょう。

サプライチェーンとは、部品や原材料が調達された後に、商品が消費者に行き届くまでの生産や流通プロセスのこと。たとえば「部品・原材料の調達 → 生産 → 物流・流通 → 販売」という一連の流れの連鎖がそうです。

この生産や調達における体制を柔軟にすると、余剰在庫の削減などが狙えます。また合理的な生産体制を整えられるとも考えられているのです。

サプライチェーンとは、企業が生産した商品が消費者に行き届くまでの生産や流通プロセスです

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4.SCMが広まった背景

全世界においてSCMが広まった背景とは、何でしょうか。

代表的な背景といえるのが企業のグローバル化です。近年、日本の企業は本格的なグローバル化を積極的に推進しており、世界中に販売・生産拠点を設けて物流ネットワークを有しています。

このグローバル化が進むに伴って、企業は流通のプロセスを見直す必要に迫られました。従来、販売するモノは別個に流通していましたが、次第に統合されるようになっていったのです。また人手不足や在庫管理が困難な経営状態なども背景にあります。

SCMが広まった理由として挙げられるのは、企業のグローバル化や流通プロセスの見直しなどです

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5.SCMの種類

SCMにおけるマネジメント手法にはどのような種類があるのでしょうか。下記3つについてご紹介します。

  1. 予測・計画
  2. 実行・実施
  3. 評価・モニタリング

①予測・計画

予測・計画業務とは、どのような商品がどれくらい販売できるか考え、実行における手段を組み立てていくこと。具体的には、必要と考察される在庫を試算し、仕入や生産の計画を立案することが挙げられます。

欠品を生じさせず、一方で在庫過多になる状態を避けて、「必要な商品を必要な時期、必要な場所、必要な数のみを備え、供給先に届ける」ことが最大の目的と考えられているのです。

たとえば過去や直近の販売実績から最適な商品補充量を計算したり、倉庫が保有する在庫を計算したりする業務などが該当します。

②実行・実施

実行・実施業務とは、立てた計画を円滑に進めていくこと。この業務では、受けた指示に従って実際に効率的に商品を動かします。モノの流通に結び付くあらゆる業務がSCMと考えられており、この実行・実施業務は一連のプロセスでも特に重要といえるでしょう。

たとえばコンビニの仕事の場合、店舗が販売実績などのデータに基づいて発注した後、管轄するセンター倉庫からスピーディーにモノを運ぶ業務がこれに当たります。

③評価・モニタリング

最後に、実行・実施した計画がどのような効果を与えたかなどを評価・モニタリングします。たとえば、当初の計画通りに商品が販売できたか、あるいは在庫過多になっていないか、欠品が生じていないか、などをチェックするのです。

この評価・モニタリングはSCMにとって非常に重要なプロセスと位置付けられています。

SCMには、「予測・計画」「実行・実施」「評価・モニタリング」という、3つのマネジメントサイクルが求められます

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6.SCMのメリット

ここではSCMにおけるメリットをご紹介していきましょう。

コストカット

SCMを導入することで、モノの販売情報をリアルタイムで確認できるようになります。SCMによって配送業者は小売店舗の在庫状況に従って、適切なタイミングで必要な数量を運送することが可能になるのです。

さらに事業所や店舗の立地を把握した上で、1つのメーカーだけでなく複数のメーカーのモノを複数の小売店舗に対して同じ配送業者が運送することも可能。合理的なプロセスを構築し、コスト削減を目指すことが可能だと考えられているのです。

在庫の最適化

メーカーにとって商品の欠品や納期の遅れは、大きな機会の損失です。また計画した需要を大きく超えた供給も小売業者やメーカーにとっての無駄となり、同時にコストの拡大につながってしまいます。

SCMを導入すれば、適切な情報をスピーディーに伝達できるのです。よって需要と供給のアンバランスは引き起こすリスクを減らし、いつでも在庫を最適な形で保持できます。

人的資源の活用

SCMを導入すると、人員を投入すべきタイミングを把握できるため、人的資源を合理的に活用できます。さらにソリューションシステムを活用すると、情報を集約しやすくなるのです。

一元的に情報を管理することで、「どこに人的リソースを割くべきか」という課題の発見や解決へのプロセスを容易に進められるようになります。

SCMを導入すると、コストの削減や在庫の管理、人的資源の合理化を狙えるといったメリットが享受できます

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7.SCMの成功例

ここではSCMの成功例をご紹介しましょう。

コンピューターメーカーのデル社は、SCMの導入後、見込生産型を受注生産型に切り替えて在庫を最小限化し、処理能力を3倍に伸ばしたとされています。

情報技術を最大限に用いたサプライチェーンマネジメントによるデル社の新しいビジネスモデルや経営方針は、コンピューターメーカーだけでなく、多くの産業における在庫管理の概念に影響を与えたといわれているのです。

デル社の実例から、SCMによって在庫を大幅に減少し、合理的な生産体制を構築できることが分かります

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8.SCM導入の流れ、ステップ

ここではSCM導入における具体的な流れやそのステップについて詳しく見ていきます。

STEP.1
目的や解決したい課題などを洗い出す
まず、社内や組織のメンバー間でプロジェクトの本来の目的や、解決すべき課題などを的確に洗い出しましょう。さらにその目標を明確にし、現状への理解を深めます。

そしてプロジェクトのゴールをイメージし、業務のプロセスなどの具体的な方針や内容を検討し、最終的な決定を行うのです。

STEP.2
SCMの担当を決める
次に、SCMに関わる人員を決定します。その際、担当者という個別の人員だけでなく、部署やチームも明確に決める必要もあるでしょう。

さらに実際に決定した担当者や部署、チームに導入のためのアクションを確認し、役割の分担を可視化していきます。

STEP.3
サービスの比較・検討
そして、サービスの比較や検討を行います。上記で洗い出した明確な目標や課題に基づいて、業務がより円滑になるようなサービスをいくつかピックアップし、その中から最も的確なものを検討していくのです。

サービスの比較や検討を進めていく際は、現状業務の実態や問題点などを考慮しながら実行するとよいでしょう。

STEP.4
導入と効果の想定
最後に導入と効果の想定を行います。組織の問題点から考察された課題に対し、SCMの導入によって改善が期待できるかどうか、想定していくのです。

このとき、実施すべき項目を具体的にスケジュール化できるかどうか、経営目標に結び付けられるかどうか、コストや人員面で可能かどうかなどもチェックします。

SCMを導入する際は、「目的や課題を明確に見出す」「担当の人員を決定する」「サービスの比較・検討」「導入と効果の想定」が必要です

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9.SCMシステム、ソリューションサービスの事例

実際に提供されているSCMシステムや、ソリューションサービスの事例などをご紹介します。

日立

日立では、「SynapseSUITE」というSCMシステムを提供しています。

日立はSCMの中でも、サプライチェーンプランニングと呼ばれている計画系のソリューションを主要分野としており、需要予測や販売計画などの需給領域と、生産計画や生産スケジュールなどの供給領域のそれぞれ専門の商品を揃えているのです。

「SynapseSUITE」はこれらの製品群を称したもので、需要予測や在庫管理などさまざまな仕組みを有しています。

キヤノン

キヤノンでは企業やユーザーの目指す課題に応じて、ソリューションを提供しています。

  • 需要を予測するシステム「FOREMAST」
  • 生産管理や原価管理を行うシステム「mcframe」
  • 生産スケジュールに特化した「AvantStage」
  • 物流の効率化を支援する「RouteCreator」

いずれのシステムでも、在庫や物流などの情報を共有し、製品の需要変動に対応することが可能です。

NTTデータ

NTTデータではサプライチェーンの最適化を目指し、事業分野ごとに特化したSCMを用意しています。

  • サプライチェーンにおけるさまざまな課題解決を支援する「GlobalSCM」
  • 輸出航空貨物ハンドリングの効率化やコスト削減をサポートする「Cargo Method」
  • 拠点間や取引先との情報共有を支援する「情報共有ポータル」
  • 効率的なERP(SAP)導入を支援する「J-Model」

SCMシステムには、事業内容や企業の特色、活用する人のニーズに合わせたさまざまな製品があります