責任感とは? ビジネスで必要な理由、責任感が強い人の特徴

責任感は、周囲との信頼関係や仕事の成果にかかわる重要な要素です。今回は、責任感の定義からその重要性、強い責任感を持つ人の特徴、そして責任感の強め方などについて紹介します。

目次

1.責任感とは?

責任感とは、仕事で与えられた任務を最後まで全うしようとする気持ちのこと。元々、責任感には「立場上、当然負わなければならない任務や義務」の意味があります。

つまり責任感が強い人は、仕事における自身の責任を理解し、途中でトラブルや困難があっても最後までやり遂げようと最善を尽くす人です。そのうえで、仕事で求められる責任感は、以下の3つに分類できます。

自責の責任感

自責の責任感とは、なにか問題が起きた際に、自分自身に責任があったととらえる思考です。この責任感を持っている人は、たとえば仕事でトラブルが発生した場合に、「原因はあの人だ」と誰かを責めることなく「自分に足りないところがあった」と内省します。

組織においては、ほかの誰かに原因があったと考える他責思考よりも、自分に至らない点があったと考える自責思考で改善につなげる姿勢のほうが、高く評価されるのが一般的です。

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物事を完遂させる責任感

物事を完遂させる責任感は、自分が受け持った仕事を最後までやり遂げるための責任感です。ビジネスでは、計画やプロジェクトを推し進め、完遂することでその対価として収益を得られます。そのため、あらゆる職場において「完遂させる力」は高く評価されるもの。

一人ひとりが最後までやり遂げる責任感を持つと、チームの統率力も高まります。

当事者としての責任感

企業で問題が発生したときに、他人事ではなく自分の問題としてとらえるのが当事者としての責任感です。自身が直接かかわった問題ではなくても、企業の一員として、自分はどのように対応すべきか思慮すできます。

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2.責任感を持つことがビジネスで重要な理由

責任感を持つことが、ビジネスで重要であると感じる人は多いでしょう。ここでは、なぜ重要であるか具体的な理由を解説します。

成果を出すため

企業で成果を出すために、強い責任感が求められます。多くの場合、企業が求める成果は、ひとりだけの力では創出できません。

組織・チームが一致団結して良い結果を導こうとするとき、組織のひとりひとりが自身の役割を理解し、その役割を果たそうとする責任感が非常に重要になります。

商品やサービスの質を高めるため

商品やサービスの質を高めるためには、責任感が欠かせません。企業がビジネスを継続するためには、企業は顧客に価値を提供し続ける必要があります。

顧客への価値提供において、商品やサービスの品質維持は最低限の任務であり、そのうえで品質を高めていくには、「さらに良いものを提供しよう」とする責任感が必要です。そのため、責任感の有無が商品・サービスの良し悪しに影響します。

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3.責任感が強い人の特徴

責任感が強い人の特徴を紹介します。

時間や約束を守る

責任感が強い人は、時間や約束を守ります。基本的な出勤時間やミーティングの開始時間・納期の厳守、また依頼されたことをやり遂げる確実さは、信頼関係の構築に不可欠な要素のひとつです。

とくに責任感がある人は、ささいな口約束も守ろうと意識して仕事に向き合います。もし時間や約束を守らなければ、相手の期待を裏切り、仕事相手・仕事仲間としての信用を失いかねません。また、守れない期日などを安請け合いしないのも、責任感のひとつと言えます。

自分のミスを認める誠実さがある

責任感の強い人ほど、自分のミスを認める誠実さがあります。ミスが起きた際に他責ではなく自責で考えるため、自分の非を認められるのです。

なぜミスが発生したのか考え、自分の言動や状況を振り返り、次のミスを防ぐために対策を講じます。このように、責任感が強い人は自分の非を認める勇気や覚悟を持っているとも言え、途中で投げ出すことも無いため、周囲からの信頼につながりやすくなります。

ルールを守る

責任感が強い人には、ルールを守る意識があります。一般的な社会のルールや会社の就業規則、またチーム内の取り決めなど、大小様々なルールを遵守する自律の精神を持ち合わせているためです。

言われたから守るのではなく、ルールの背景や意義まで理解し、社会・組織の一員として責任を果たそうとします。

妥協しない

責任感が強い人は、「このくらいでいいか」といった妥協をしません。たとえば資料作成などの業務も、質が伴わなければ責任を果たしていないのと同様と考えるためです。

ひとりで仕上げるのが難しい場合は周囲の人に意見を聞くなど、柔軟に対応して質の担保に責任を持ちます。また多くの場合、なるべく完璧に近づけようと尽力するため、完璧主義の一面があるともいえるでしょう。

苦手なことでも努力する

責任感が強い人は、苦手だからという理由で途中で諦めず、努力して成し遂げようとします。なぜなら自分が受け持った仕事をやり遂げるまでが、自分の果たすべき責任であると念頭に置いているからです。

このようにして、責任感がある人は苦手を克服する過程で新しいことを学び、多くのスキルを身につけて成長してゆきます。

途中で投げ出さない

責任感がある人は、仕事を途中で投げ出しません。自分が望む仕事であっても、そうでなくても、やると決めたら最後までやり遂げる粘り強さを持っています。途中でトラブルが起きても、周りの協力を得ながら問題解決に向けて行動するでしょう。

また、自分のモチベーションを保つように工夫し、長期勝負の仕事などは、オンとオフを上手く切り替えながら最後までやり遂げようと努めます。

リーダーシップを発揮する

責任感の強い人は、率先してリーダーシップを発揮します。チームの目標達成や、より良い成果の創出を目指しているため、自身の役職の有無にかかわらず、チームが一致団結しなければならないときにはまわりを動かせるのです。

チームメンバーを勇気づけて牽引したり、チームの成果を自分ごとととらえる責任感は、リーダーに必要な資質ともいえます。

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4.責任感がない人の特徴

責任感がないと思われる人の特徴は、以下のとおりです。

言い訳をしやすい

責任感がない場合、ミスやトラブルに対して言い訳をしやすい特徴があります。成果の創出に対して、自分が責任を負う意識が少ないからだと言えるでしょう。

結果として自分の評価を下げたくない思いが強くなり、内省することなく他責になってしまったり、事情を説明しようとするため、周囲からすると言い訳がましい印象を受ける場合があります。

ミスを人のせいにすることがある

責任感が弱い場合の特徴として、自分のミスを素直に認められず、人のせいにしてしまうことがあります。たとえば「会議の準備が間に合わなかったのは、上司からの指示が遅かったせい」といった場合です。

一方責任感が強い人は自責思考で考えるため、自分の行動次第でより良い結果を出せたかもしれないと反省し、改善につなげます。

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約束や時間を守らない

他者との約束を守らない傾向がある場合、責任感がないと言えるかもしれません。たとえば「〇日までに仕上げてほしい」と言われた資料の締め切りを守れない場合です。期日を守るつもりで進めていても、ときには予定通りに進まないこともあるでしょう。

そのような場合は、早急に相談し、締め切りを再調整してもらうなどの適切な対応が求められます。約束ごとを守れなかった場合に相手からの信頼が薄れてしまうといった、その後の不都合を考慮することが重要です。

当事者意識が低い

責任感が弱い場合、「成果の創出を任されている」という当事者意識が低いといえます。言われたことは実行しても、その他のチームや社内の出来事に対して無関心で「自分とは関係ない」と考える傾向があるのも特徴です。

また周囲との関係性をあまり重くとらえないため、自分の仕事が周囲に与える影響に楽観的で、細かな「報連相」が不足することもしばしばあります。

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計画性がなく場当たり的

計画性がなく場当たり的であると、責任感が強いとはいえないでしょう。たとえば業務量をきちんと把握せず安請け合いしてしまったり、完了までの計画性が乏しかったりする場合です。期限内に、高い質で成し遂げる責任感があれば、余裕をもった綿密な計画が必要だと判断できます。

さらに、時間や気持ちに余裕を持たず仕事をこなすと、結果的に責任を果たせない状態になりかねません。

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5.責任感があることのメリット

責任感の強さは、ビジネスにおけるメリットが大きいものです。ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。

周りから信頼され評価される

責任感があると、上司や同僚、クライアントから信頼・評価を得られる点が一番のメリットです。ビジネスにおいて、周囲との信頼関係の構築は不可欠であり、仕事の円滑さや内容、そして自身の評価に影響します。

責任感がある人は、小さな約束でも守ろうと努めるため、日頃の実績が積み重なり「あの人なら期待に応えてくれる」という信頼を得られるのです。また、より良い形で仕事を完遂しようと努力する姿勢は、評価に良い影響を与えます。

成果を出しやすい

責任感があると、仕事で成果を出しやすくなります。その理由のひとつは、責任感があると仕事を途中で投げ出さず、必ず何らかの成果に辿り着くからです。

もうひとつは周りからの信頼が厚く、たとえ困難があってもサポートしてくれる人が増え良い成果を出しやすくなることです。たとえ思っていたような成果が上がらなかった場合も、真摯に向き合い学びに繋げます。

スキルアップする

責任感があると、仕事に取り組むなかで知識や経験が増え、スキルアップしていく点がメリットです。経験をとおして学ぶだけでなく、業務外でも自分に足りない知識やスキルを補おうとする向上心があり、自己成長のための努力を惜しみません。

一方、責任感が弱いと「周りがなんとかしてくれる」といった姿勢になりやすく、自己成長に費やす時間や労力が相対的に少なくなります。

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6.責任感が強すぎるデメリット

責任感が強すぎるとデメリットになるともいえます。以下で、3つのデメリットを紹介します。

自分を責めて落ち込むことがある

責任感が強すぎると、自責思考や当事者意識が強くなるため、自分の責任を感じやすくなります。普段責任感を持って仕事に向き合っているだけに、失敗があったときとくに落ち込むことも多く、自分を必要以上に責めてしまうもの。

そのような場合は気持ちをうまく切り替える工夫も必要になるでしょう。

人に頼りづらい

「自分に任せられた仕事だ」「自分が成し遂げなければいけない」という責任感が強すぎると、困ったことがあっても人に頼りづらくなるデメリットがあります。自分が果たすべき任務であると認識している分、きちんとやり遂げようという意識が強くなるためです。

このように、責任感が強すぎると一人で抱え込む部分が増え、精神面の負担にもつながります。

他者に厳しくなりやすい

責任感が強いと、「他者に厳しい」という印象を与える場合があります。やり遂げようとする気持ちが強く、まわりにも同じ責任感を求めている可能性があるからです。

とくに部下や後輩からすると、上司や先輩の言動からは厳しさやプレッシャーを強く感じやすいため、指導の仕方などには注意を払うと良いでしょう。

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7.責任感がないことによるデメリット

次に、責任感がないことによるデメリットを解説します。

期待や信用を得づらい

責任感がないと、仕事において周囲からの期待や信用を得づらくなります。責任感のなさが普段の言動や態度に表れ、「約束を守らないだろう」「最後までやり遂げられないだろう」と周囲が感じてしまうからです。

自身の信用を上げたいと思った場合は、小さな行動から見直していくと良いでしょう。

経験を積みづらい

責任感がないと、期待や信用を得づらいため、新しい仕事を任せてもらうチャンスが遠のき、経験を積みづらいこともデメリットです。着手したことをやり遂げる意識や、自分から挑戦する前向きさを持つと、自分の役割を全うする責任感が生まれるでしょう。

職場の人間関係を構築しづらい

責任感があると「ぜひあの人に相談したい」「任せたい」と思われますが、責任感がないとそのように頼られる関係性が生じにくくなります。

身近にいる責任感が強い人の行動を真似したり、目標達成に向けて自身にできることを洗い出すなどの前向きな行動が、関係性を再構築するポイントです。

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8.責任感の強め方

責任感は、本人の意識や行動で強められます。以下の方法を参考にしてください。

何があっても時間や約束を守る意識を持つ

まずは、何があっても時間や約束を守る意識を持つことです。責任感がない場合、「少し遅れても大丈夫」「小さな約束は守らなくても大丈夫」と無意識に考えている可能性が高いでしょう。

しかし、日頃の小さな積み重ねに責任感が表れ、信頼につながっています。もしすでに仕事が手一杯で余裕がない状況であれば、早めに上司に相談することも責任感のひとつです。

やり遂げることを目標にする

やり遂げることを目標にすると、おのずと責任感を強められます。ゴールが明確になり、良い緊張感が生まれるためです。反対に、「完遂できなくても良い」と感じている状態では、先延ばしにつながります。

責任を回避するより、まずはやり遂げることにフォーカスすることが重要です。

自分を客観的に評価する

自分を客観的に評価するのも、責任感を強めるひとつの方法です。たとえば上司の視点に立って自分の仕事ぶりを評価する、同僚の視点に立って自分に仕事を任せたいか評価する、などの方法があります。

もし自分が責任感のある行動をとっていないのだとしたら、危機感を持ち、改善策を取れるでしょう。

他人の意見を受け止める

人からのアドバイスや指摘を素直に受け止める意識を持つと、責任感を強められます。そもそも責任感とは、自分の役割を果たすこと。周囲の声を聞くと、自分が周囲から期待されている役割の理解につながります。

指摘されたことで自分自身を責めたり、アドバイスに反発したりする気持ちを一度抑えて、周囲の意見を理解しようとする心がけが必要です。

言動を一致させる

責任感を強めるには、言動を一致させることも効果的です。たとえば「会議資料は◯日までに共有します」など、言ったことを実行することは約束を守ることにつながるため、責任感が強い人としての行動が身につきます。

おのずと「言ったのだからやらなければ」という意識が強まり、安請け合いしづらくなる効果もあるため、周りからの信頼も高まります。

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9.責任感を高めるうえでの注意点

責任感を高める上での注意点は、以下のとおりです。

自分・他者に厳しくなりすぎない

責任感が強くなりすぎると、すべて自分の責任と考えてしまうことがあります。また、他者にも厳しくなり、不必要に口を出しやすくなるもの。人間関係の悪化や、自分もしくは相手の心身を消耗させる可能性もあるため、厳しくなりすぎない意識を持つとよいでしょう。

仕事を抱え込まない

仕事を完遂させようとする責任感により、残業や休日出勤をいとわない傾向があります。また他者を頼ったり、頼まれた仕事を断ったりしづらい状況にも注意が必要です。適宜上司に相談するなどの対策が必要になります。

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10.責任感のない人に向いている仕事

どの仕事においても多少の責任感は必要ですが、従業員の適正に合った仕事を選択することで、負担を減らすことは可能です。

顧客とのかかわりが少ない仕事

顧客との直接的なかかわりが少ない仕事なら、強い責任感を求められる場面も比較的少なく、周囲がサポートに入りやすいといえます。ひとりで黙々と進める作業やバックオフィス系の業務が候補になるものの、チームのサポート体制を考慮した慎重な采配が必要です。

どうしても営業職などで顧客とのかかわりがある場合、リスクの少ない小さな権限を与え、当事者意識を養ってもらいながら、育成する観点を持つと良いでしょう。

納期に追われない仕事

そもそも納期がない仕事であれば、時間や計画性に関する責任感は比較的必要ないといえます。納品やスピードを司るポジションではなく、適性を見定めつつ、クオリティを高める方向性の業務を任せるなどがひとつの方法です。

その場合も一定の時間で区切りをつけることは必要ですので、事前に終了日を決めた上で計画を作成し、適宜サポートしましょう。

マニュアルが用意されている仕事

マニュアルが用意されている仕事は、自分で判断するシーンを減らせるため、責任やリスクは比較的少なく済みます。オフィスワークであれば、事務系の業務はマニュアルが用意されている場合が多いのではないでしょうか。

しかしマニュアル通りに進められることが前提ですので、初めは丁寧なオンボーディングや研修を実施して、業務への定着をサポートしましょう。