仕事ができない人とは、能力や技能が不足していて、求められた役割や任せられた仕事を果たせない人のこと。本記事では、仕事ができない人に共通する特徴や口癖、話し方などを解説します。
目次
1.仕事ができない人とは?
仕事ができない人とは、能力や技能が不足しているため、求められた役割や任せられた仕事を果たせない人のこと。たとえば、期限を守れない・同じ失敗を繰り返す・他の人に頼らないと仕事ができないなど、業務に支障をきたす状態の従業員です。
仕事ができない人がいると、周囲の社員の業務負担が増えたり気持ちよく働く意欲が削がれたりするため、職場に悪影響を与えることも少なくありません。
2.仕事ができない人に共通する特徴
周囲から仕事ができない人と思われやすい特徴を紹介します。
- やるべきことを先延ばし
- スケジュール管理が苦手
- タスク管理が不得手
- 報連相が不足
- 仕事への理解が不十分
- オンとオフの切り替えが苦手
- 主観的
- ネガティブ思考
- 消極的で指示待ち
- 完璧主義者
- 整理整頓が苦手
上記のうち、当てはまる項目が多い人は「仕事ができない人」という印象を持たれている可能性があるため、払拭するための改善策を考える必要があります。
①やるべきことを先延ばし
仕事ができない人はかんたんなタスクでもすぐに対応せず先延ばしして、タスクがどんどん積み上がってしまう状況に陥りやすい特徴があります。
タスク対応が遅れて先延ばしにしていると、期日が近づくにつれて心理的負担がどんどん大きくなっていくため、良いことはありません。
やるべきことを先延ばしする人は、メールや電話のレスポンスが遅い傾向にあり、社内外での信頼を損ねる恐れがあります。
②スケジュール管理が苦手
スケジュール管理能力が低く、いつもバタバタと慌てていて、余裕が感じられない様子もうかがえます。
慌てた結果、期日に間に合わなかったり連絡の漏れがあったりするミスが発生するリスクが高まります。期日に合わせたスケジュール管理が苦手だと、安心して仕事を任せられません。
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③タスク管理が不得手
仕事ができない人は、タスク管理が苦手です。タスク管理は、効率よく仕事を進めるためには必要不可欠です。しかし仕事ができない人はタスクの進捗状況が把握できていません。
タスク管理がきちんとできていないと、優先順位をつけられず、重要な書類が期日に間に合わない恐れもあります。タスク管理をうやむやにする小さな怠慢が大きなミスにつながることもあるため、気をつけなければいけません。
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④報連相が不足
報連相が遅くて、過不足なく情報を伝えられていないことが多いという特徴もあります。
報連相はビジネスの基本であり、伝えるべき情報が不足しているとミスやクレームにつながりかねません。仕事ができない人は、報連相の必要性を理解していない、または、報連相する時間が惜しい、上司に話しかけにくいなどの理由できちんとおこなえていないことが多いでしょう。
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⑤仕事への理解が不十分
仕事ができない人は、具体的な仕事内容を理解していない、もしくは、仕事の目的を理解していないため、求められている成果へたどり着けないことも少なくありません。
仕事の目的を理解していないと各タスクの優先順位が決められないため、やらなくてよいタスクから着手してしまうこともあるでしょう。仕事の目的を十分に理解していないと、時間がかかるうえに精度や成果の低い仕事内容となってしまいます。
⑥オンとオフの切り替えが苦手
仕事ができない人は、オンとオフの切り替えが苦手です。たとえば、プライベートを仕事に持ち込んだり、仕事を家に持ち帰ったりする行為が挙げられます。
オンとオフをきちんと切り替えないと、集中力やモチベーションが低下する一方、ストレスが増加するなどの悪影響が多く、生産性も下がりやすくなってしまいます。とくに、在宅ワークはオンとオフの切り替えが難しいため、強く意識しないといけません。
⑦主観的
自分の主観で物事を判断するため、指摘されても非を認めない特徴もあります。
たとえば、プライドが高く、自分がミスをするはずがないと思い込んでいます。そういう人は、そのときどきの環境や状況などを考慮せず、気のゆるみから同じミスを繰り返す傾向があります。
また自分のミスを認めず他人のせいにしたり、指摘されると感情的になったりすることもあるでしょう。
⑧ネガティブ思考
仕事ができない人のなかには、上記の主観的とは反対に、自己評価が著しく低く、自分に自信がないため、ネガティブな言動ばかりおこなう人もいます。
「失敗したら嫌だ」「ほかの人のほうが自分よりも仕事ができる」などとネガティブに考えがちで、モチベーションや向上心が上がりにくいです。こういった人は、愚痴や不満を言うことが多く、他者のモチベーションを低下させたり、スキルアップのチャンスを見逃したりすることも少なくありません。
⑨消極的で指示待ち
仕事ができない人の特徴のひとつとして、業務に積極的ではなく自分で仕事を見つけようとしないということが挙げられます。
「失敗したときに責任を負いたくない」という気持ちから、自身で決断することを避ける傾向があり、指示待ち人間になりがちです。仕事は積極的に取り組むことが求められるため、指示待ちだけでは周囲に迷惑をかけます。
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⑩完璧主義者
いっけん良いことのように思われやすいものの、こだわりが強すぎて柔軟性が低い完璧主義も周囲に悪い印象を与えかねません。
できないことを完璧にやろうとして、結果的に時間が余計にかかることもあります。仕事内容によってはスピード感が必要なときもあります。つねに完璧を求める姿勢が柔軟性を損ね、全体の進捗を遅らせてしまう恐れもあるでしょう。
また、完璧主義者は、他者へも完璧を求めてしまい、周囲にストレスを与えかねません。
⑪整理整頓が苦手
仕事ができない人は、身の回りの整理整頓ができず、思考や感情の整理も苦手です。タスクの不必要を判断できない・プライベートと仕事を混同する・物事を後回しにするなどの傾向が見られます。
散らかったデスクや情報の乱雑さはタスク遂行を妨げ、必要なデータを見つけるのに時間がかかります。整理整頓ができないと業務効率を下げ、仕事の品質にも悪影響をおよぼす可能性もあるでしょう。
3.仕事ができない人の口癖・話し方
仕事ができない人の多くが多用する口癖や話し方について紹介します。
- 「でも…」「だって…」
- 「忙しい」「後でやります」「いまやろうと思っていた」
- 「知りませんでした」「言われてません」
- 「〇〇さんが言っていた」「自分なりに考えた」「〇〇さんのせい」
- 「疲れた」「辞めたい」
- 「自分には難しい」「やったことがない」
①「でも…」「だって…」
仕事ができない人は、相手を否定したり自分ができないことを正当化したりする言動が目立ちます。「でも…」「だって…」といつも言い訳をします。
②「忙しい」「後でやります」「いまやろうと思っていた」
タスク管理ができず優先順位をつけられていないため、バタバタと慌ただしく、「忙しい」「後でやります」「いややろうと思っていた」という言葉を頻繁に使う傾向もあるでしょう。
こういった場合、期日間際まで仕事をしていたりタスクを先延ばししたりする特徴もあるため、周囲に迷惑をかけます。
③「知りませんでした」「言われてません」
仕事ができない人は「知りませんでした」「言われていません」という口癖も多いでしょう。これらは、仕事への意識や主体性の無さが垣間見える口癖です。指示待ち人間は、こういった口癖を頻繁に繰り返します。
④「〇〇さんが言っていた」「自分なりに考えた」「〇〇さんのせい」
仕事ができない人は、責任転嫁する言葉も使いがちです。自分のミスや失敗を他人や状況のせいにする傾向が見られます。
⑤「疲れた」「辞めたい」
「疲れた」「辞めたい」などの言葉は、やる気のない人が多く口にします。仕事を頑張る意欲が低くて無気力な仕事ができない人に多い口癖です。
⑥「自分には難しい」「やったことがない」
仕事ができない人は、「自分には難しい」「やったことがない」という発言も多い傾向があります。
消極的で自信が持てない人が多用する口癖です。自分のスキルやキャパを考慮して「無理」と断る場合は別として、口癖となっている場合は注意が必要です。
4.仕事ができない人がまわりに与える影響
職場に仕事ができない人がいると、まわりに以下のような影響を与えがちです。
- 生産性が低下
- 他社員への負担増加
- 社外からの信頼が低下
①生産性が低下
仕事ができない人がいる職場では、気持ちよく働けない人もいます。なぜなら仕事ができない人を見ると、自分のやる気が削がれ、頑張りが報われないと感じることもあるためです。
部署やチームのパフォーマンスが悪化すれば、生産性が低下して業績を落としかねません。
②他社員への負担増加
仕事ができない人の分だけ他社員への業務負担が増加します。業務負担が増加し続ける状況はストレスを引き起こし、嫌気が差した優秀な人が退職するリスクも考えられます。優秀な人材の流出は、会社の安定を危うくさせるかもしれません。
③社外からの信頼が低下
仕事ができない人が社外の人と接することで会社の信頼を低下させる恐れもあります。たとえば責任を逃れようとする・重要事項や変更などの報連相がなされない・自己中心的・納期を守らない・連絡が遅いといった言動が積み重なると、社外からの信頼を損ねるでしょう。
5.仕事ができない人になる原因
続いて、仕事ができない人だと見放されてしまうような原因について解説します。
- 自己認知の歪み
- 外発的動機付け
- 自身の能力と仕事がミスマッチ
- スキル不足
- 職場環境が劣悪
①自己認知の歪み
仕事ができない人として扱われてしまう原因としては、自己認知の歪みが挙げられます。仕事ができない人は、自身を客観視できないため、自分に甘くなってしまい、周囲からの評価にズレが生じてしまいがちです。自身を過大評価している人も少なくないでしょう。
②外発的動機付け
仕事ができない人は、外発的動機付けが弱い傾向にあります。外発的動機付けとは、給与や周囲の人からの評価などが外から与えられるモチベーションのことを指します。
そもそも仕事ができない人は、会社や周囲の人への興味が薄く、貢献意欲が少ないため、仕事へのモチベーションを上げられずにいます。
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③自身の能力と仕事がミスマッチ
仕事ができないと評価されるのは、任されている業務内容が自分の能力や技能とマッチしていないからかもしれません。
自身の強みや適性と合っていないと、努力しても結果につながりにくく、正当な評価が受けられません。ミスマッチが起きている場合、職場を変えることで評価が変わることも大いにあります。
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④スキル不足
仕事ができない原因として、スキル不足が挙げられます。
任された業務に対するスキル不足により、仕事ができない人として扱われてしまうこともあります。ただし未経験業務や新しい職場ではスキルが不足することは一般的で、順次必要なスキルを身につけていくと問題視されません。
教育や指導が不十分の可能性
スキル不足になっている原因として、教育や指導の不十分さが挙げられることもあります。
教育や指導が行き届いていないため、やり方や手順を間違えている可能性もあるでしょう。業務の重要なポイントを教えず教育を怠りミスを責めるだけの職場の場合、周囲の人にも問題があると言えます。
⑤職場環境が劣悪
仕事ができないと扱われている原因のひとつとして、劣悪な職場環境も挙げられます。長時間労働やパワハラが横行していたり、教育体制が整備されていなかったりすると、スムーズに仕事を覚えられる環境ではありません。
上司の見下すような態度から「自分は仕事ができない」と感じてしまうこともあるでしょう。
6.仕事ができる人になる方法
努力や環境次第で仕事ができるようになることもあります。仕事ができる人に近づくためのポイントについて紹介します。
- 1日の業務内容を可視化
- 期日を設定
- 報連相を徹底
- 疑問点は早期に解消
- コミュニケーションスキルの向上
- リフレクションの実施
- 知識とスキルを身につける
- 仕事ができる人を手本にする
①1日の業務内容を可視化
前日の退社前や出社した直後、1日でこなすべき業務内容を書き出して可視化し、優先順位を明確にすることをオススメします。
仕事ができない人は、そもそもスケジュール管理が苦手なことが多いため、専用のノートやメモを使って整理することで作業をスムーズに進められるようになります。
タスクの洗い出し
抱えるタスクの優先順位を設定し、効率よくこなすことを習慣づけましょう。
思いついたままに業務に取りかかるとほかのタスクの期日が迫っていることに気づかないことも起こり得るため、気をつけたいところ。かけられる時間や期日を整理し、明確な順番で取り組むことが大切です。
メモを習慣化
メモを習慣化するのもオススメです。メモを取れば、ミスやタスク漏れを防止できます。注意点や情報を整理することで、ミスの原因や再発防止策を考えやすくなり、仕事の効率と品質を向上できるでしょう。
②期日を設定
「できるだけ早く」「いい頃合いに」といった具合にタスク依頼されたときに明確な期日を伝えられなくても、自分で期日を設定し、後回しにしない癖を身に付けるとよいでしょう。
先延ばしにすると一時的に楽かもしれないものの、最終的には自分を追い込むことになり、他人にも迷惑をかけかねません。自分のなかで期日を設定し、作業時間を確保してしっかり完了させることを意識しましょう。
③報連相を徹底
仕事ができる人になるためには、報連相を徹底しましょう。
ビジネスの基本を着実に身につけることが信頼を得る一番の近道。ミスや問題を放置するとのちに大きなトラブルに発展する恐れもあるため、初期の報告や連絡を速やかにおこなうことが信頼性を高める鍵となります。
④疑問点は早期に解消
わからないことや疑問点は放置せず誰かに聞いて解決しておくことは重要です。プライドが邪魔して聞きにくいこともあるかもしれません。しかしわからないまま作業を続けるとミスが起きる可能性が高いでしょう。
わからないことを聞くことは決して恥ずかしいことではありません。素直に助言を求めて疑問を解決することが重要です。
⑤コミュニケーションスキルの向上
仕事ができる人は、コミュニケーションスキルに長けています。自分のペースにこだわりすぎず、意識的にコミュニケーションを取るようにしています。
チームメンバーとのかかわりや相互サポートは重要です。適切な声かけは、業務を円滑に進めるだけでなく、信頼関係を築くのにも役立ちます。
⑥リフレクションの実施
仕事ができるようになるには、リフレクション(自分自身への理解を深めるため、自身を客観視するトレーニングで、反省ではなく内省を行う手法)の実施も有効です。
事実や出来事とそのときの自身の行動をありのまま書き出していき、内省をおこないます。なお、この際、自身の感情は含めず、あくまでも客観的に事実や出来事を見つめ直しましょう。
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⑦知識とスキルを身につける
ビジネスの土台となる知識とスキルをコツコツと身につけることも大切です。仕事に必要な基盤を整えることでその後の成長につなげられます。知識やスキルの習得は短期間ではできないため、継続的な取り組みが必要です。
⑧仕事ができる人を手本にする
仕事ができる人を手本にして、仕事のこなし方や時間の使い方などを観察し、真似ることも有効です。仕事ができる人は、効率的な方法を選択して仕事を進めているはずです。良い点を観察し、取り入れたり自分流にアレンジしたりすることで、自分の仕事に役立てることができます。
仕事ができる人の特徴とは? 考え方、口癖、業務の進め方
仕事ができる人とは、一般的には周囲から高い評価を得ている人のこと。本記事では、仕事ができる人とできない人の違いや、仕事ができる人の特徴および口癖などを解説します。
1.仕事ができる人とは?
仕事がで...
7.仕事ができない人への対応の仕方・接し方
周囲に仕事ができない人がいて困っている人もいるかもしれません。仕事ができない人と同じチームで働く場合の対処法を解説します。
- 仕事量の振り分けや順番を改善
- 感情を抑えて対応
- 理解度を確認
- 報連相のルールを設定
- 仕事を押し付けられたら拒否
- 話しやすい雰囲気を醸成
①仕事量の振り分けや順番を改善
仕事ができない人はタスク管理が苦手なため、仕事量を調整して優先順位を決めてから具体的な指示を出して仕事を依頼するとよいでしょう。
具体的に指示を出すことで仕事の方向性を明確にし、内容を細かくわけて少しずつ進めるように促します。進捗を確認しながら柔軟な対応と調整を心がけると、なおよいでしょう。
②感情を抑えて対応
仕事ができない人を怯えさせたり不安を抱かせたりしてもよいことはありません。そのため、仕事を依頼したり指摘したりするときは、苛立ちや怒りなどの感情を表に出さないようにしましょう。
もし声を荒らげてしまうと、相手も「質問しよう」という気持ちにならず、仕事への意欲を損なう可能性があります。丁寧に説明すると良好な関係を築けるでしょう。
③理解度を確認
仕事ができない人は、わかったふりをすることもあるため、理解度を念入りに確認する必要があります。「わかりましたか」と聞くと相手は「わかりません」と言いづらくなるため相手に内容を復唱させるのもひとつの手です。
④報連相のルールを設定
仕事ができない人は、適切な報連相が苦手なため、あらかじめ報連相のルールを設定するとよいかもしれません。
ポイントは、報告の「タイミング」と「方法」を定めておくこと。タスク管理が苦手であっても報連相をおこなうことで自然に期日を守る意識が養われる効果があります。
⑤仕事を押し付けられたら拒否
ときには仕事ができない人から仕事を押し付けられることもあるかもしれません。余裕があるときは引き受けてもよいですが、度が過ぎたらきっぱりと断るべきです。周囲に自分の仕事を押し付けることで、誰かがやってくれるだろうという甘えを持つ恐れがあるためです。
また、実際に業務に取り組まないと、仕事ができない人の知識やスキルは高まりません。
⑥話しやすい雰囲気を醸造
話しやすい雰囲気を出して、気軽に相談できる人になっておくことは大切です。日頃から優しいコミュニケーションを心がけることで、ミスの報告でもしやすくなる傾向があります。
たとえば労いの言葉をかけて話しやすい雰囲気を作り、進捗や状況などをこまめに尋ねるとよいでしょう。ただし、プライベートの話を強要するのはよくないため、仕事の話題から始めるのがおすすめです。
8.仕事ができない人を解雇できる?
仕事ができない人を解雇したいと思うこともあるかもしれません。しかし、必ずしも解雇が有効な手段とは限りません。能力や技能がどのくらい足りていないか、改善するための機会はあったか、など総合的に考える必要があります。
即解雇ではなく、降格や減給などの処分が妥当なこともあるでしょう。執拗な退職勧奨は違法となるので注意が必要です。
解雇理由を判断する4つの条件
解雇が正当と認められるには以下の4つの条件を満たす必要があります。
- 著しい業績不良
- 評価の公平性
- 改善見込みの有無
- 業務への支障
①著しい業績不良
著しい業績不良がある場合、解雇が正当と認められます。しかし、「著しい」という基準を客観的に証明することは難しく、具体的な理由が要求されます。
一つひとつが重大ではなくても、総合的に見て能力不足と判断されることもあるものの、裁判で証拠とするのはかんたんではありません。
②評価の公平性
解雇には、客観的で合理的な理由が必要と労働契約法で定められています。そのため、「仕事ができない」という判断は、客観的な数値を用いて説明できるようにしなければいけません。
③改善見込みの有無
十分な教育や指導をおこなっても本人に改善意欲がなく効果が見込めない、または、配置転換できないといった場合に解雇が認められることもあります。
ただし無理な要求をしたり罵声を浴びせたりして、退職を促すだけの「指導」はパワハラとして扱われます。のちに解雇について争う裁判にて会社側に不利になることもあるため、気をつけましょう。
④業務への支障
仕事ができない人のミスが続いて業務上の支障が大きい場合のみ、正当な解雇と認められます。もし、そう判断できない場合は、不当解雇になる可能性が高いでしょう。
単なる成績不良だけでは解雇できず、会社の経営に大きな支障や損害が生じるほどの状況でなければ解雇できません。