組織開発を行う際に気をつけるべきポイントとは?

1.組織開発とは?

組織開発とは、組織をより良くしていく取り組みのことです。

社内の課題や問題点を明確にして、自分たちで解決策を考え実行することにより、組織全体を活性化しパフォーマンスの向上を目的としています。

似たような言葉として「人材開発」というものがありますが、こちらが「個人」を対象としているのに対して、「組織開発」は「組織全体」を対象としています。組織と人、グループとグループ、人と人などの「関係性」に重点を置いていることがポイントです。

< 具体的な施策例 >

  • ワークや評価制度への組み込みによる企業理念や行動指針の浸透
  • チームビルディング、1on1などによる従業員同士の関係性構築
  • コーチングによる個人の思考能力・課題解決力の向上

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2.組織開発をなぜやるのか? |成功したときのメリット

最近はタレントマネジメントや人材マネジメントといった言葉がよく聞かれますが、組織開発もヤフーなどの有名な企業が行ったことで一時期話題となりました。

しかし、組織開発の目指すところやメリットはどんなことにあり、実施するのに最適なタイミングはいつなのでしょうか。それらを知らないまま実行に移してしまうと、思わぬ結果を招いてしまうかも知れません……(経験談)

組織開発を行う理由は?

組織開発は「組織をより良くしていくため」に取り組むものです。
「より良い組織」すなわち、組織が健全に機能し、組織力が向上することを目的としています。

社長や上層部が語りかけても、何も響かない組織になっていませんか?
一から十まで説明をしなくても、言わんとしていることを理解し同じ方向を目指して進んでいくことのできる組織を目指す。打てば響く組織力の高い企業となるために組織開発を行う企業が多いようです。

組織開発を行うメリット

  • 人や組織が成長する
  • 売上が上がる
  • 働く環境やワークライフバランスが改善される
  • 市場状況や経営状態の変化に左右されなくなる

など、さまざまな効果が見込めるでしょう。

一般的に「組織状態を改善する=組織の課題が解決される」ことが広義な目的になるため、企業の抱える課題が解決されて組織活動が活性化するというメリットがあります。

組織開発を行うベストなタイミングは?

一般的に、「経営状態や売上の悪い状態のとき」がよいと言われています。それはなぜでしょうか。

◆経営状態が良いときに組織開発を行い、組織状態が改善した場合

経営状態が上向きになっているから改善しているだけなのに、「組織開発が成功した」と勘違いしてしまうからです。
その場合、経営状態や売上が悪化すると組織状態も悪化します。

経営状態が良いときに組織開発を行う際は、組織状態が良い理由や従業員の満足度が高い理由を把握することが大切です。

◆経営状態が悪いときに組織開発を行い、組織状態が改善した場合

売上要因ではなく、関係性や意識の改善による結果であるため、数字に引きずられることが少なくなります。

ただし、経営状態が悪いときに組織開発を行うことは、けっして容易なことではありません。
そもそも従業員のモチベーションが下がっていたり、経営層へ不信感を抱いていたりと、マイナスからのスタートになることがあるためです。

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3.組織開発で気をつけると良い6つのポイント

組織力の高い企業にしていくため、組織開発をしよう! となったとき、一体どんなことに気をつけて行ったらよいのでしょうか。

①明確な目的を定める

「業績を上げる」「離職率を下げる」といった経営的な目標や、「市場変化が起きても動じない組織」など状態目標など全従業員がイメージできるような具体的な目的を定めましょう。

あいまいな表現にしてしまうと、各々が違うイメージを描いてしまい、施策の軸がずれてしまう恐れがあります。
明確な目的を定めないまま実行し「なんのための施策なのか?」が伝わらず、従業員の共感・協力を得られず失敗してしまったという事例も多くみられます。

②社長や上層部などが積極的に関与する

よくある失敗例に「経営者や上層部が無関心だった」という理由があります。
管理部署に丸投げしているだけでは、上層部はやる気がないんだなと思われてしまうでしょう。

また、従業員に一方的に施策を押し付けていては、反発を生み逆効果となる恐れがあります。
自らが施策を実践し、本当に組織改善したいことを言葉と行動で示す。従業員が、上層部の本気度を、常に感じられることが重要です。

③ロジックだけではだめ。人の感情面を考慮する

組織開発に関する情報は、インターネット上にも多く存在しています。フレームワークがいくつか紹介されており、それに沿って行うことを推奨しています。フレームワークに則ることは大変重要ですが、それだけでは成功しません。

ロジックに沿って動かせばそのとおりの結果がすぐに得られるはずだ、と思いがちですが、組織開発とは「人と人などの関係性を改善していく取り組み」です。人の感情面をおろそかにしてしまうと取り返しのつかない事態になりかねません。

ひとつの施策による従業員の反応をよく観察し、感情に寄り添って施策の微調整を行う必要があります。

④現場に近いマネジメント層を巻き込む

上層部がきちんと関与し続け、管理部署が働きかけることは基本中の基本です。そこからさらに、現場での発言権をもつ層の協力を得ると成功率とスピード感が増します。

従業員が直接コミュニケーションをとっているのはプロジェクトリーダーや直属のマネージャーです。はじめのうちは特に彼らの言葉のほうが受け入れられやすく、従業員も質問や意見を伝えやすい状況になります。

現場のプロジェクトリーダーやマネージャー陣に協力を仰ぎ、施策を進行しましょう。

⑤長期的な視点で実施する

人を変えることは難しく、さらにその集合体である組織を変えることは容易ではありません。
短期間で人と人、チームやグループ同士、人と組織などの信頼関係を築いた上で課題に対し全社で取り組んでいくには、かなりの時間を要します。
システムなどのハード面は短期間で変えられますが、人に関わるソフト面は急に変えようとすると反発を生みやすくなり、失敗を招いてしまうでしょう。

じっくり腰を据えて、長いスパンで組織改善を行うことが成功への秘訣です。

⑥情報はできる限りオープンに

経営判断や組織変更など従業員に影響のある意思決定は、経緯もできる限りオープンにすることをオススメします。

決定事項のみ伝達されると「押し付けられている」と感じる場合もあるからです。どのような背景があってそのような決定がなされたのか、経営陣の考えや想いを伝えることで、「そういう考えがあるなら…」と従業員側の意識も変わります。

事情があり明かせない場合は、想いだけでも伝えて従業員との信頼関係を築きましょう。

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4.組織開発を行う際に気をつけるべきポイントまとめ

  • 経営状態が悪いときこそ組織改善の好機
  • 明確な目的を定める
  • 社長や上層部などが積極的に関与する(関連部署に丸投げしない)
  • 人の感情面を考慮する(ロジックどおりに実行すれば成功すると思わない)
  • 現場に近いマネジメント層を巻き込む
  • 長期的な視点で実施する(短期間で成果を求めない)
  • 経営判断や組織変更など従業員に影響のある意思決定はできる限りオープンにする