現物給与とは?【わかりやすく解説】具体例、社宅

現物給与と聞くと、物品で給与を支払うというイメージがあると思いますが、実はそれだけではありません。その内容を見ていくと実にさまざまな形があります。今回は、現物給与の具体例と、人事で重要な現物給与価額について解説します。

現物給与とは

現物給与とは、金銭以外で提供される給与のことを指します。通常、給与は金銭で支払われることが一般的ですが、従業員は現物給与を知らないうちに、さまざまな形で受け取っていることもあります。

現物給与として国税庁が定めている内容は4種類あり、金銭以外の形式で従業員が会社から受け取るものはほとんど現物給与となります。現物給与の価額には定めがあり、食費や住宅費を現物給与で行う場合、1か月あたり1人に対して現物給与をいくら提供するかが、地域ごとに決まっています。

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現物給与の具体例とは|住宅手当や社宅の貸出

現物給与と聞くと、何か製品を受け取ることのようなニュアンスがありますが、それだけではありません。実際にはさまざまな形で行われており、多くの会社員にはなじみのあるものです。

まず代表的な具体例としては、住宅手当や社宅の貸出です。賃貸住宅を借りている社員の家賃の一部を補助したり、会社で社宅を設けて従業員に安い賃料で住まわせたりといった制度です。福利厚生1つと思っていた方も多いと思います。次に多いのは、保養所などの休暇施設を、無料または低料金で利用できる制度です。

こちらも、実は現物給与に当たります。現物給与は、実は健康保険・厚生年金保険の保険料に関係しています。保険料は「標準報酬月額」に保険料率をかけて算出しますが、標準報酬月額には、現物給与の額も含めることになっているからです。

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平成28年に現物給与価額表が改定

現物給与を行う場合に、1人・1か月あたりの価額をいくらにしなければならないかを定めているのが現物価額表です。都道府県別に、食事の場合の金額と住宅の場合の金額が決められています。

食事は朝食のみ・昼食のみ・夕食のみの場合も別途定められています。住宅の価額は畳一畳あたりの価額であるため、これに畳数をかけたものが住宅手当になります。物件情報が平米での表記のみとなっている場合には、一畳あたり1.65平米として取り扱って計算します。

また、現物給与額は居住用のスペースの分だけを計算するので、トイレ・浴室・台所・廊下などは計算に含んではいけません。この現物給与価額はしばしば変更されますが、平成28年にも改定されました。すべての都道府県で住宅の現物給与額が変更になっています。

また、東京都と京都府以外については、食事の給与額も変更されました。人事は健康保険・厚生年金保険の計算を行う際、現物給与の価額を新しい値に設定し直さなければならないことに、注意してください。