スーパーグローバルハイスクール(SGH)は、コミュニケーション能力や問題解決力に優れ、国際感覚を持ったグローバル・リーダーを高等学校教育の段階から育成する国の事業です。新卒採用で出身校が話題になることもある人事の皆さまに、SGHについて紹介します。
スーパーグローバルハイスクール(SGH)とは?多くの高校が応募するSGHの目的
スーパーグローバルハイスクール(SGH)は、文部科学省が2014年に始めたもので、将来世界で活躍できる国際感覚に優れた人材の教育に力を入れている高等学校をSGHに認定し、補助金を支給して支援していく制度です。
国際感覚とは語学力だけにとどまらず、世界で起きている問題への深い関心、コミュニケーション能力、そして問題解決力などを備えた人材の育成を目指しています。
SGHの指定は2014年から始まり、指定を受けると5年間、上限1,600万円の支援が毎年受けられ、教育課程にはない各校独自の課程を実施することが可能となります。初年度の2014年には、全国246校から応募があり、その中から国立4校,公立34校,私立18校の計56校が認定を受けました。
スーパーグローバルハイスクール(SGH)指定校と活動内容例
2016年現在、SGH事業は3年目を迎えています。2015年には190校から応募があり、国立7校,公立31校,私立18校の計56校が認定されました。
3年目の今年2016年は114校から応募があり、国立1校,公立8校,私立2校の計11校が認定を受け、初年度より3年間で国立12校,公立73校,私立38校の計123校がSGHとして活動しています。
その活動内容の一例を紹介すると、2014年SGH指定の宮城県立仙台二華中学校・高等学校では、「北上川,メコン川をフィールドとした世界の水問題解決への取組」という課題研究に取り組んでいます。
1年生は北上川(岩手・宮城)、2年生はメコン川、シンガポール・マレーシア、グアムなど海外の水質問題を研究。その一貫として、夏休みには生徒がタイ、カンボジアのメコン川で水質や生態系、流域で暮らす人々の生活の様子を調べています。その成果はSGH等の発表会、連携する海外の高校、大学や研究機関などで発表を目指しています。
SGH認定から漏れた学校から選定するSGHアソシエイトとは?
2016年9月30日には、初年度2014年指定のSGH56校についての中間評価が発表されました。「優れた取組状況であり研究開発のねらいの達成が見込まれ更なる発展が期待される」という最高評価は、渋谷教育学園渋谷高等学校、名城大学附属高等学校、島根県立出雲高等学校、広島女学院中学高等学校の4校でした。
続いて高評価から順に16校、19校、15校と続き、2校が「このままでは研究開発のねらいを達成することは難しいと思われ助言等に留意し当初計画の変更等の対応が必要」と判断されています。