社員が持つタレントやスキルなどを把握し、そのパフォーマンスを最大化するために人材配置などを行うタレントマネジメント。現在、タレントマネジメントの市場規模は拡大し続けています。
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ここでは、
- 市場規模が拡大し続ける理由
- 国内の市場規模
- グローバル市場規模
などのテーマでタレントマネジメントの市場規模を掘り下げ、現状からわかる予測を解説していきます。
目次
1.タレントマネジメントの市場規模が拡大し続けている理由
景気回復による雇用環境の改善、人材の流動性の向上、ワークライフバランスの実現を目指す企業の増加、人事制度の変革などによりタレントマネジメントの市場規模は拡大し続けています。
景気回復による雇用環境の改善(働き方改革)
少子高齢化社会が進み、生産年齢人口の減少が続く中、アベノミクスによる景気回復により雇用環境が改善しました。大企業だけでなく、中小企業においても働き方改革が重要課題とされ、推進された結果といえます。
転職市場のオープン化による人材の流動性の向上
日本の企業は年功序列・終身雇用制度の採用により、世界的に見ても人材の流動性が低いといわれていました。しかし、従来の年功序列・終身雇用制度が改められ、転職市場がオープン化したことで、人材の流動性が高まったのです。
ワークライフバランスの実現を目指す企業の増加
海外に市場を求められる大企業と違い、中小企業において深刻さを増す人手不足。慢性的な人手不足を念頭に、働き方改革が推進された結果、生産性の向上、ワークライフバランスの実現などを目指す企業が増加しました。
人事制度の変革時代への突入
昨今のグローバル化や人材不足、HRテックやジェンダーギャップなどから人事制度の変革が急務とされました。
その結果、社員のスキルを正しく把握し、一人ひとりに合わせた教育プログラムを提供してポテンシャルを引き出し、能力に見合ったポジションと報酬を与える必要性が高まったのです。
2.タレントマネジメントの市場規模について
では、タレントマネジメント(人材管理)の国内の市場規模について、「ITR Market View:人事・人材管理市場2018」の市場調査レポートに基づくデータと見解を解説します。
2018年度の国内市場規模は約70億円
レポートによると、2018年度の国内市場規模(売上金額)は70億円程度。近年企業の取り組むべき重要課題とされている働き方改革は、人事評価の変革を促す大きな原動力となっており、市場に高成長をもたらしているのです。
2019年度は80億円超を予測
2019年度の国内市場規模(売上金額)は80億円を超えて、前年度比約15%増が見込まれていました。提供形態別で比較すると、拡大を牽引しているのはSaaS型で、2019年度は前年度比18%の伸びが見込まれていたのです。
また、カオナビやサイダスなどの従来の人材管理とは一線を画した製品・サービスが急速な伸びを示しており、市場の伸びに大きく貢献しています。
タレントマネジメントの市場拡大ペースは、今後緩やかになる見込み
2020年度以降も、前年度比10%前後の拡大が続くものの、伸びは徐々に緩やかになると予測されています。今後、タレントマネジメントは個々の人材の能力に応じて最適な配置・育成をしていくという、新しい人材管理方法へのクラウド化が進むでしょう。
3.タレントマネジメントシステムの市場規模について
コンサルティングサービスなどを含まない、純粋にツールのみに絞ったタレントマネジメントシステムの市場規模について見ていきましょう。
2018年度の国内市場規模は40億円程度
「ITR Market View:人事・人材管理市場2018」の市場調査レポートによると、2018年度のタレントマネジメントシステムの国内市場規模は40億円程度。クラウド型ツールが市場を牽引しており、成長傾向が続いています。
2019年度は57億円に達する見込み
レポートによると、2019年度の国内市場規模は57億円、前年度比約40%増の大幅拡大が見込まれており、提供形態別で比較すると、パッケージ(オンプレミス)型はほぼ横ばい傾向が続いているのに対して、SaaS型は58%増の大幅拡大になると予測されています。
また、成長が著しいSaaSセグメントの主要プレイヤーとして、カオナビやあしたのチーム、サイダスなどの新興産業が挙げられているのです。
市場拡大のピークは2019年度と予測
今後も市場拡大が続くと予測されていますが、拡大ペースは徐々に緩やかになるという見通し。2019年度をピークに、2022年度以降は前年度比10%程度の拡大にまで落ち着くと考えられています。
また、従来の単純な人事データベースの域を超えて、報酬制度設計、評価、組織設計など複雑な機能が求められる市場です。今後も変化していくと考えられるでしょう。
4.タレントマネジメントのグローバル市場規模について
タレントマネジメントのグローバル市場規模は、2019年から2025年にかけて平均11%の成長が見込まれており、2025年には301億米ドル(約3.3兆円)に達すると予測されています。
拡大する労働力のマネジメントの必要性と、人材管理のプラットフォームの進化によって、従来のシステムに取って代わるシステムの需要の高まりが成長を促しています。
タレントマネジメント市場の成長理由
2018年度は大企業が市場を牽引しており、この傾向は2024年頃まで続く見込みです。また、ビッグデータ分析や機械学習、AI、IoTなどの普及も市場拡大を後押ししました。
現在もさまざまな人材管理を提供する企業が、組織的なパフォーマンスを向上させる人事管理システムの次世代技術を統合する、画期的なソリューションを開発しているのです。
5.タレントマネジメントシステムのグローバル市場規模について
タレントマネジメントシステムのグローバル市場規模は、2019年から2025年にかけて、タレントマネジメント市場を上回る平均13.5%の成長が予測されています。
そして、その市場規模は2025年には138.8億米ドル(約1.5兆円)に達するという目算。2018年以降、大企業が市場をリードしますが、あと6年間は続くと予測されています。