貴社の組織データを一元管理できていますか?
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目まぐるしく変化するビジネス市場にて、企業全体が足並みをそろえ、飛躍的に成長する要となるものは何でしょう?それは企業の経営資源の一元管理です。
- 一元管理とは何か
- メリット・デメリット
- 具体例
などについて解説します。
目次
1.一元管理とは?
一元管理の「一元」とはどのような意味でしょうか。一般的には、一元化や一元的などの言葉で使われるでしょう。一元化の場合、「いくつかに分かれている問題や機構・組織などを統一すること(出典:デジタル大辞泉)」を意味します。
そして、一元管理には下記のような意味があります。
- 担当部署または担当者がそれぞれバラバラに管理していた複数のデータを集約して統合
- 一つの仕組みの中だけで管理しない
- 最新の情報や過去の履歴、関連情報などを必要になった際リアルタイムで取り出せる状態で管理する方法
端的に言えば情報を1カ所に集めて管理・情報を効率的に活用できる状態にするという意味です。
一括管理、集中管理、同期との違い
一元管理とよく似たキーワードに、一括管理や集中管理があり、これらは、個々の部署・担当者が管理していたものを1カ所に集約して管理することを意味します。対して「一元管理」は前述の通り、管理方法も統一されているという特徴を持つのです。
また、関連用語に「同期」という言葉があります。同期は、スマートフォンとパソコンなど2つ以上の異なる端末同士でファイルやフォルダを同じ状態にできる機能という意味です。
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2.一元管理すべき経営資源とは?
企業が成長するには、十分な経営資源が必要でしょう。経営資源(リソース)とは、
- ヒト(人材)
- モノ(商品、サービス、設備など)
- カネ(お金)
- 情報(データ、ノウハウなど)
のこと。経営資源(リソース)を一元管理することで、企業は重要な経営判断や戦略を適宜選択できるのです。それぞれのリソースについて詳しく見ていきましょう。
①ヒト(人材)
経営資源における「ヒト」とは、企業を構成する人材のこと。ヒトは、モノ(商品・サービス)を開発し、カネ(利益)を生み出し、情報を適切に活用してビジネスを成長させる役割を果たします。つまり、ヒトはすべてのリソースと深く関係しているのです。
少子化やグローバル化に伴い、人的資本が不足している現代の日本企業にとって、ヒトを確保し、適材適所に配置することは大きな課題となっています。
こうした状況下で、組織運営や目標設定を通してヒトを管理するには、人材管理業務を最適化するツールの導入が必要でしょう。給与計算や勤怠管理といった表面的な労務管理にとどまらず、優秀な人材の採用・評価といった人材マネジメント業務を最適なツールで管理することが求められます。
②モノ(商品、サービス、設備など)
経営資源における「モノ」は、2種類に分かれます。
- 企業が顧客に提供する商品やサービス
- 企業経営に必要な設備などの資産
どちらにおいても、一元管理は重要です。適確なタイミングで、適切な量・質の製造や物資の仕入れや営業活動を行うには、
- 商品と在庫データの一元管理
- 複数部署にわたってリアルタイムに正確な在庫状況を把握
などが必要です。受注と在庫数量を引き当て、今後出荷される商品数量を踏まえて在庫数量を把握するのもよいでしょう。より効率的な製造計画につながります。
③カネ(お金)
経理に関する業務を一元管理すると、作業時間の短縮と複雑な業務を効率化が可能です。
たとえば、会計システムと販売管理システムを自動連携して一元管理すると、仕訳データ入力の手間を削減したり、入力ミスなどを防止したりできます。帳票発行の仕組みも含めて一元管理すれば、販売管理システムのデータを取り込むだけで請求書などの帳票が作成できるでしょう。
こうした「カネ」の一元管理は、業務の効率化と業務軽減によるコスト削減、双方の効果が見込めます。
④情報(データ、ノウハウなど)
顧客データや業務のノウハウといった「情報」の一元化は、経営の要でしょう。現代は、部署間、従業員間の連携が求められています。
情報を一元化すると、一人の顧客を営業担当者だけでなく、企業全体から管理できるため、問い合わせへの対応などもスムーズになります。結果、顧客に安心感や信頼感を与えられるでしょう。
また、販売部門と生産部門のデータを共有すれば、余剰や欠品を抑制できます。そのほか、現場の情報を経営陣が正確に把握することで的確な経営判断も可能です。このように多方面での利点が期待できるでしょう。
カオナビは、経営資源の1つ目である「ヒト(人材)」の一元管理に特化したシステムです。
クラウド型のデータベースで常に変化する人材情報も、鮮度と解像度を保って管理することが可能。
人事部門にとどまらず、経営陣や事業部門と組織全体に情報が見える化します。さらに、単に一元管理するだけでなく、人材情報を活用して経営目標を達成するための人材戦略や人材マネジメントをサポートします。
3.データを一元管理するメリット・デメリット
ヒト・モノ・カネ・情報のデータを一元化すると、さまざまなメリットが期待できます。しかし、デメリットは生じないのでしょうか?一元管理によるメリットとデメリットを、詳細に解説します。
メリット
- 作業効率の向上
- コスト削減
- コミュニケーションの促進
- 適材適所に配置
①作業効率の向上
1つ目は、「作業効率の向上」です。効率・生産性の向上を目指して、すべての企業活動を首尾一貫したかたちに再統合・最適化することをBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)といいます。
1990年代にBPRを提唱したマサチューセッツ工科大学のマイケル・ハマー教授は、「地理的に分散している資源であっても、集中管理すれば、分権化がもたらす柔軟性を維持しながらも規模の恩恵を得ることができる」と結論付けました。
どの経営資源においても一元管理によってデータの重複や不一致がなくなり、労力や時間が節約されるとあらゆる企業活動の効率が上がるのです。
②コスト削減
情報を一元化すると、別々の場所で運営・管理する場合にかかる維持管理費、たとえば電気代や、運用・人件費などのコストを削減できます。しかし各システムがバラバラだと、分散しているデータの統合や、それぞれの設定、バージョンの一致に手間がかかるでしょう。
一元管理の専門システムを導入すれば、手間とコストの削減が可能です。
③コミュニケーションの促進
情報の一元化とは、一つのシステムを通じて、組織で1つの情報を共有すること。従業員自身が取り扱うデータは、他の部署や担当者も扱います。そのため、営業部門と開発部門、あるいは経営層と現場などに存在するタテとヨコの壁を取り払うことができるのです。
これにより、部署間・担当者間のコミュニケーションは活発化し、組織全体の意思決定も的確で迅速なものになるでしょう。
④適材適所に配置
市場が目まぐるしく変化する昨今、企業全体を飛躍させるには、適切なポジションに適切な人材を登用することが不可欠です。それには、人事担当者が全部署の人材を把握する必要があります。
また、人事担当者は総合的な判断力も求められます。たとえば、部署Aで実績をあげている人材を部署Bに配置転換する場合、部署Aに悪影響が及ばないように配慮するなど。
全人材の情報を一元管理すると、組織をさまざまな切り口から俯瞰でき、適材適所への配置が可能になります。
デメリット
- システムの複雑化
- 意識改革の必要性
- 導入コスト
①システムの複雑化
一元管理はメリットも多いです。しかしすべてを一元化することでシステム自体が複雑化してしまう場合もあります。たとえば、
- 操作方法が複雑になる
- それによりシステムを使う人が減る
- かえって情報が錯綜する
など。むしろ逆効果になる場合も考えられるのです。複雑化を避けるには何を一元管理し、何を個別管理にしておくか、これらをきちんと見極め、必要な部分に絞るとよいでしょう。
②意識改革の必要性
従業員全員が一元化されたあらゆるデータを扱う、これはつまり、従業員一人ひとりが、管理に対する責任や手間を負うという意味でもあります。一人ひとりが、その責任の意味や手間について意識を整えなければ、システム本来の機能は発揮できないでしょう。
また、従来と異なる方法に抵抗を感じる人がいるかもしれません。従業員の意識がバラバラな状態で一元管理を強行しても混乱を招く可能性が高いのです。
まずは従業員の意識を整理し、そのうえで必要な経営資源に狙いを定めて一つずつ一元化していきましょう。
③導入コスト
一元管理システムであるERPは、扱う業務範囲が広いため、比較的高価なものが多いです。
- ライセンス
- サーバー
- 導入トレーニング
- サポート費用
なども合わせると、最低でも数百万円程度の初期費用がかかると想定されます。その点、個別の管理システムは比較的安価に導入できるものが多いです。一元管理システムを検討する際社内に一元管理を要する経営資源はいくつあるか見極めるとよいでしょう。
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データの一元管理で発揮されるメリットは、結果的に企業価値・利益の増大につながるものです。一元管理ができている企業とそうでない企業とでは、競争優位性の面で大きな差が開きます。
しかし、導入のデメリットを考えると一元管理になかなか踏み込めないという企業も多いでしょう。
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