バーチャルオフィスとは? メリット・デメリット

バーチャルオフィスとは、仮想のオフィスのことです。ここでは、バーチャルオフィスについて、さまざまな角度から解説します。

1.バーチャルオフィスとは?

バーチャルオフィスとは、実在しない仮想のオフィスのことで、多くは、レンタルオフィス事業者がレンタルオフィス以外のサービスとして提供されています。バーチャルオフィスは、住所や電話番号などの基本情報だけを借りて開設できるのです。

バーチャルオフィスのサービス

バーチャルオフィスで見られる基本のサービスは、物理的な事務所などを借りずに住所を借りること。住所貸し以外にも各種サービスがあります。

オプションサービスも充実

オプションサービスには、下記のようなものがあります。

  • 書類や郵便の受取、保管、転送などの書類保管サービス
  • 固定電話の電話番号をレンタルする固定電話番号サービス
  • 電話を転送する電話転送サービス
  • 架電や受電を代行する電話代行サービス
  • オペレーターが対応する電話秘書サービス
  • 打ち合わせに利用できる会議室のレンタルサービス

バーチャルオフィスは、物理的に事務所を借りず、住所や電話番号を借りるだけで開設できる仮想事務所のことです

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2.バーチャルオフィスのメリット

バーチャルオフィスのメリットについて、7点から解説しましょう。

  1. 利用開始までがスピーディ
  2. コスト削減
  3. 必要な時だけ使える
  4. 都心の一等地にかまえられる
  5. 自宅住所の登録がいらない
  6. プライバシーの保護
  7. 打ち合わせ・会議などでの利用

①利用開始までがスピーディ

物理的なオフィスを借りる場合、現地で物件を内見し、複数の物件を比較検討して賃貸借契約を結びます。バーチャルオフィスではそれらステップを一気に飛び越し、スピーディにオフィスを開設できるのです。

②コスト削減

物理的にオフィスを借りようとすると、「敷金や礼金、保証金」「内装工事」「家具の購入」などで費用がかかります。しかしバーチャルオフィスの場合、下記の理由から、コストを大幅に削減できるのです。

  • 敷金礼金は不要
  • 入会金や保証金も比較的少額
  • 内装工事などの費用がかからない

③必要な時だけ使える

バーチャルオフィスは、最初に住所を借り、必要なときに必要なものを必要な分だけ利用するというシステムです。月1回会議を開催する場合、会議をするときだけ会議スペースをレンタルすれば、ランニングコストの削減や運転資金の活用が実現できるでしょう。

④都心の一等地にかまえられる

テレワークやリモートワークへの移行が進んでも、オフィスの場所はビジネスに影響を与えます。東京や大阪など日本を代表する大都市の中心部にオフィスを構えていれば、対外的な信頼を得やすく仕事もスムーズに進められるでしょう。

⑤自宅住所の登録がいらない

会社を設立する際、法人登記が必要です。しかし法人登記で自宅住所の使用に抵抗感があったり、マンション規約で住所を法人登記に使用できなかったりする場合もあるでしょう。バーチャルオフィスなら、自宅住所で法人登記をしなくて済みます。

⑥プライバシーの保護

バーチャルオフィスを利用すれば、法人登記に自宅の住所を用いずに済みます。住所検索で自宅の場所が分かれば、覗き見されるなどトラブルに巻き込まれる場合も。自宅の住所と仕事場の住所が分かれるため、プライバシーの保護につながります。

⑦打ち合わせ・会議などでの利用

物理的なオフィス空間が不要な業種や職種でも、会議や打ち合わせのために場所の確保が必要になる場合があります。バーチャルオフィスの多くは会議室のレンタルをサービスとして提供しているので、便利に利用できるのです。

バーチャルオフィスを利用すると、多くのメリットがもたらされます。オプション機能なども含め、有効活用しましょう

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3.バーチャルオフィスのデメリット

バーチャルオフィスには、デメリットもあります。ここでは、下記3つのデメリットについて解説します。

  1. 作業スペースの確保
  2. 安いイメージを持たれる
  3. 特定の許認可が必要な業種では開設できない

①作業スペースの確保

バーチャルオフィスでは、オフィスの住所が確保できます。しかし実務のための物理的な作業スペースは確保できません。作業スペースを別途自ら確保しなければならないため、広い作業スペースが必要な業種ほどスペース確保の負担が大きくなるでしょう。

②安いイメージを持たれる

バーチャルオフィスのメリットに、初期費用やランニングコストなどのコスト面が低減できる点にあります。しかしそれによって相手から「安いイメージを持たれる」可能性もあるのです。

③特定の許認可が必要な業種では開設できない

バーチャルオフィスは、すべての業種が自由に開設できるわけではありません。下記のように、特定の許認可が必要な業種の一部で開業できないケースがあるのです。

  • 弁護士
  • 税理士
  • 司法書士
  • 有料職業紹介業
  • 宅地建物取引業

バーチャルオフィスのデメリットは、「作業スペースの確保」「安いイメージを持たれる」「特定の許認可が必要な業種では開設できない」の3つです

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5.バーチャルオフィスの主なサービス

バーチャルオフィスは、さまざまなサービスを提供しています。ここではバーチャルオフィスのサービスについて、下記4つから解説します。

  1. 住所貸し
  2. 郵便物の転送サービス
  3. 電話番号の利用
  4. 会議室の貸し出し

①住所貸し

バーチャルオフィスが提供するサービスの基本となるのは、住所貸しです。住所貸しとは、物理的なオフィスや店舗ではない住所を貸すこと。

住所貸しが広まった背景にあるのは、テレワークなどクラウドサービスを活用した新たな働き方が浸透しつつある点です。ただし住所貸しサービスを利用する際は、当該住所の犯罪使用歴やイメージの検討が必須となります。

②郵便物の転送サービス

郵便物の転送サービスも利用される場合が多いサービスです。多くのバーチャルオフィスでは、郵便の転送サービスはオプションサービスのひとつとして提供されています。別途申し込みが必要な場合もありますが、郵便物を取りにいく必要がないため便利です。

③電話番号の利用が可能

バーチャルオフィスが提供するサービスの中には、電話番号の利用があります。携帯電話の普及により、ビジネスで生じるやり取りを携帯電話で済ませる場合も多いため、郵便物転送サービスほど利用が高いわけではありません。

しかし固定電話やFAX番号は相手に安心感を与える場合も多いですし、携帯電話の番号を公開したくない場合もあるでしょう。その際に便利なサービスといえます。

④会議室の貸し出し

バーチャルオフィスが提供するサービスで利用が多いのが、会議室の貸し出しです。顧客との打ち合わせで会議室を利用したいバーチャルオフィス利用者のために、多くのバーチャルオフィスでは住所先に会議室を備えています。

会議室を使いたいときだけレンタルできるため便利です。バーチャルオフィス利用の際は、会議室の住所を事前に確認しておきましょう。

バーチャルオフィスのサービスは、基本となる住所貸しのほか、「郵便物の転送サービス」「電話番号の利用」「会議室の貸し出し」などがあります

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6.バーチャルオフィスのその他のサービス

バーチャルオフィスでは、「あったら便利」「使ってみたい」と思うようなサービスも提供しているのです。ここでは、バーチャルオフィスが提供するさらに便利なサービスと内容について、5つ解説します。

  1. 法人登記の代行
  2. 会社の経理を担うサービス
  3. 補助金や助成金、融資の支援
  4. WEB制作支援
  5. メンター制度

①法人登記の代行

バーチャルオフィスでは、法人登記の代行サービスを行うところがあります。

法人登記とは、会社に関する重要事項を法務局に登録することで、登記にかかる面倒な手続きを代行してくれるのです。オフィス開設と法人登記の両方が同時にできる人気のサービスといえるでしょう。

②会社の経理を担うサービス

バーチャルオフィスでは、会社の経理を担うサービスが提供されている場合も。バーチャルオフィスが提携している税理士と顧問契約を結んで、経理業務全般をアウトソーシングできるのです。

経理請負サービスを利用すれば、専門家が会計に関する業務を一手に引き受けてくれます。決算や確定申告時に慌てることもなくなり便利でしょう。

③補助金や助成金、融資の支援

バーチャルオフィスのサービスとして高い人気があるのは、融資や補助金、助成金の支援です。バーチャルオフィスの多くは、税理士や社会保険労務士、中小企業診断士と提携しており、相談にいつでも対応してくれるサービスを提供しています。

補助金や助成金、融資について専門家からアドバイスをもらえるので、積極的に活用したいサービスです。

④WEB制作支援

バーチャルオフィスでは、WEB制作支援をサービスとして提供しているところも多くあります。昨今、起業に際して名刺の用意と同じように会社のホームぺージを用意するというのは当たり前になっています。WEB制作支援でサポートを受けるとよいでしょう。

⑤メンター制度

バーチャルオフィスでは、メンター制度を提供しているところもあります。メンター制度とは、先輩がメンターとなり、メンティと呼ばれる後輩と定期的な面談を行う制度です。業務上の問題やメンタルな悩みを聞き、後輩をサポートしてくれるのです。

バーチャルオフィスには、「法人登記の代行」「会社の経理を担うサービス」「補助金や助成金、融資の支援」「WEB制作支援」「メンター制度」といったサービスもあります

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7.バーチャルオフィスの活用方法

バーチャルオフィスを実際に活用しようとした場合、一般的には3つの活用方法が考えられます。ここでは、その3つについて解説します。

  1. 共用エリアの利用
  2. クラウドツールの利用
  3. アウトソーシングの実施

①共用エリアの利用

共用エリアには、起業家や専門家などさまざまなビジネスパーソンが集まります。ビジネス展開の幅を広げるために人脈作りは不可欠。共用エリアに集まる人と積極的なコミュニケーションを求めて、バーチャルオフィスを利用する人も増えているのです。

②クラウドツールの利用

クラウドツールを活用すれば、複数人で同時に「ファイルやフォルダの共有」「ドキュメントの編集」「タスク管理」「メッセージツールの利用」が可能です。ツールによって業務上のコミュニケーションを取りながら作業が進められます。

③アウトソーシングの実施

業務に最適な人材や業者を探せます。バーチャルオフィスが提供するアウトソーシングサービスや、オンライン上で発注できるクラウドソーシングサービスを利用すると、業務効率化や悩みの解決に役立つでしょう。

バーチャルオフィスの主な活用方法は、「共用エリアの利用」「クラウドツールの利用」「アウトソーシングの実施」の3つです

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8.バーチャルオフィスを利用する際に背負うリスク

バーチャルオフィスを利用する際、背負うリスクがあります。下記3つの視点から背負うリスクについて解説しましょう。

  1. クライアントにばれる 
  2. 口座開設などが難しい場合も
  3. 家族内のトラブル

①クライアントにばれる

クライアントがバーチャルオフィスの住所に来訪したり、ネット検索で複数の会社の企業が同一の住所を使用していると分かったりする場合があります。これにより、バーチャル住所の利用がクライアントに分かってしまうのです。

②口座開設などが難しい場合も

バーチャルオフィスを設けた法人口座が犯罪目的で使用された事件があってから、金融機関での口座開設審査がより厳格化されています。一部の住所では、金融機関での口座開設が難しいケースもあるため、事前に住所の使用歴を調べておく必要があるでしょう。

③家族内のトラブル

バーチャルオフィスを利用すれば自宅住所を使用しないで済み、家族に内緒で独立や起業、副業ができます。しかし不安定な収入や家族と過ごす時間の減少など、家族内でトラブルが生じるリスクもあるので注意が必要です。

バーチャルオフィスを利用する際のリスクは、「クライアントにばれる」「口座開設などが難しい場合も」「家族内のトラブル」の3つです