導入している福利厚生、本当に従業員エンゲージメント向上に貢献していますか?
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福利厚生とは、従業員や家族の健康・生活を安定・向上させることを目的に従業員に提供する報酬・サービスの一種です。福利厚生は従業員にだけでなく、企業にとっても人材確保面やエンゲージメント向上、離職防止などの面でメリットがあります。
今回は福利厚生について、その目的や種類、人気の福利厚生や運用コストの目安などを詳しくご紹介します。
目次
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1.福利厚生とは?
福利厚生とは、企業が従業員に提供する給料・賞与以外の報酬・サービスのこと。福利は「幸福と利益」、厚生は「健康で豊かな生活」を意味します。つまり、福利厚生は従業員の幸福と利益、そして健康で豊かな生活を支援するためのサービスです。
福利厚生の種類は多岐にわたり、どのような福利厚生を提供するかは企業によってさまざま。なお、一部は法律で提供が必要とされている福利厚生もあります。
福利厚生の目的
主な目的は、従業員と家族の健康や生活を安定・向上させるため。給料や賞与のような金銭的報酬だけではカバーできないのが、健康や生活面のサポートです。従業員とその家族が健康であり、安定した生活を送れることは、従業員の生産性向上に影響します。
また、福利厚生によってプライベートやキャリアの充実にもつながると企業への満足度が向上し、従業員の貢献意欲も向上します。定着率向上は労働力の確保につながり、企業にとってもメリットです。
近年、多様な働き方や健康経営の促進も求められており、実現のためにも福利厚生を活用できます。さらに、福利厚生は求職者が着目する要素です。優秀な人材獲得のためにも充実した福利厚生を提供するのはポイントになるでしょう。
福利厚生の対象者
対象者は、すべての従業員とその家族です。2020年4月1日「パートタイム・有期雇用労働法」が施行されたことにより、正社員だけでなく、契約社員やパートタイム労働者などの非正規雇用者も対象となりました。
「パートタイム・有期雇用労働法」とは、正社員と非正規雇用の従業員の不合理な待遇差を禁止する法律のこと。同一賃金同一労働だけでなく、福利厚生の適用や長期休暇・慶弔休暇の有無なども対象となります。
非正規雇用だからと福利厚生が利用できないのは合理的でない待遇差とされたため、今一度、自社の福利厚生制度に待遇差が生じていないか、確認する必要があるでしょう。
パートタイム・有期雇用労働法とは?【わかりやすく解説】
パートタイム労働法とは、
正規社員
非正規社員
の不合理な待遇差を禁止するための法律です。
ここでは、パートタイム労働法について解説します。
1.パートタイム労働法(パートタイム・有期雇用労働法)...
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2.福利厚生の種類
福利厚生には「法定福利厚生」と「法定外福利厚生」の2種類があります。法定福利厚生とは導入が義務づけられている福利厚生で、法定外福利厚生は企業が自由に導入を決められる福利厚生です。
それぞれどういった福利厚生かを具体的にみていきましょう。
法定福利厚生
法律で導入が義務付けられている福利厚生は、下記6種類です。
種類 | 内容 | 費用負担の割合 |
健康保険 | ・公的な医療制度、「組合健保」「協会けんぽ」のいずれかに加入 ・従業員の家族も給付受けられる |
折半 |
厚生年金保険 | ・会社で働く従業員が加入できる公的年金制度 ・国民年金に上乗せされて支給される |
折半 |
介護保険 | ・介護が必要となった高齢者や家族を支えるための保険 ・40〜64歳の従業員が加入 |
折半 |
雇用保険 | ・失業給付や育児休業給付、再就職支援が受けられる制度 | 企業2/3 従業員1/3 |
労災保険(労働災害補償保険) | ・業務中・通勤中の事故や災害による怪我や業務が原因の疾病に対する補償を行う制度 ・雇用保険とセットで「労働保険」 |
全額企業 |
子ども・子育て拠出金 | ・児童手当、子育て支援事業などに充てられる税金 | 全額企業 |
法定外福利厚生
法定外福利厚生は、法律に関係なく企業が独自に導入できる福利厚生です。代表的な物には、通勤手当や住宅手当、食事補助などがあります。
法定外福利厚生の種類は多種多様であり、従業員の定着率やモチベーションアップにつながるもの、企業理念に沿ったユニークなものなど、目的にあわせて自由に設けられます。導入は義務ではないため、法定外福利厚生を設定していない企業もあります。
法定外福利厚生はコストをかけて導入するものですから、導入による生産性やエンゲージメント向上の効果を最大化しなければなりません。
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3.法定外福利厚生の具体例一覧
法定外福利厚生を導入するか、どういった内容の福利厚生を導入するかは企業が自由に決められます。法定外福利厚生には、以下のようにさまざまなカテゴリーがあります。
- 住宅・通勤
- 育児・介護
- 財産形成
- 健康・医療
- 食事
- 自己啓発・キャリア支援
- 休暇
- 文化・レクリエーション
- 慶弔・災害
- 労働環境
- ユニークな福利厚生
ここでは、カテゴリーごとに法定外福利厚生の具体例を一覧でご紹介します。
運用コスト出典:日本経済団体連合会「第64回 福利厚生費調査結果報告2019 年度(2019 年 4 月~2020 年 3 月)」
住宅・通勤
従業員の通勤や住宅にかかる費用をサポートする福利厚生です。
具体例 | ・家賃補助 ・持ち家補助(住宅ローン補助) ・社員寮、社宅 ・引越し手当 ・通勤手当 |
運用コスト | ・住宅:1万1,639円 / 従業員一人あたり ・通勤:8,669円 / 従業員一人あたり |
最近ではリモートワークの普及にともい、在宅勤務手当を支給する企業もあります。
家賃補助や在宅勤務手当は給与扱いとなるため、福利厚生費として計上できない点に注意が必要です。また、交通費補助を福利厚生とする場合、一人あたりの上限は15万円であるものの、車や自転車通勤の場合、通勤距離によって上限が変動します。
育児・介護
育児や介護にかかる費用補助や負担軽減のための福利厚生です。
具体例 | ・育児・介護休暇の拡充 ・短時間勤務制度 ・社内託児所・保育施設の設置 ・一時保育・ベビーシッター費用補助 ・認可外保育園の費用補助 ・介護補助金 など |
運用コスト | ・介護:27円 / 従業員一人あたり ・育児関連:428円 / 従業員一人あたり ・ファミリーサポート:246円 / 従業員一人あたり |
最近ではリモートワークの普及にともい、在宅勤務手当を支給する企業もあります。
育児・介護休業法により、短時間勤務制度は導入義務があります。子どもが3歳になるまで短時間勤務制度が利用でき、期間の延長も可能です。なかには、妊活費用を支援する福利厚生を導入する企業もあります。
財産形成
給与から一定額を天引きし、財産形成のための貯蓄をサポートする福利厚生です。基本の福利厚生には、主に3種類の財産形成があります。
- 財形住宅貯蓄:住宅購入費の貯蓄
- 財形年金貯蓄:年金の貯蓄
- 一般財形貯蓄:私的な貯蓄
そのほか、財産形成に関する福利厚生は下記のようにさまざまです。
具体例 | ・社内預金制度 ・社内貸付制度 ・個人年金補助 ・持ち株制度 など |
運用コスト | 1,010円 / 従業員一人あたり |
財産形成は、自分で貯金することが苦手な人に役立つ福利厚生です。財形貯蓄制度は元利550万円まで税金がかからず、節税面でもメリットがあります。また、企業によっては福利厚生の一種として金融関連セミナーや相談会を実施しているケースもみられます。
健康・医療
従業員や家族のヘルスケアサポートを目的とした福利厚生です。政府が健康経営を推進していることもあり、近年注目度が高まっているカテゴリです。
具体例 | ・社内医務室の設置 ・人間ドック費用の補助 ・インフルエンザ予防接種 ・健康診断の実施 ・スポーツジム費用の補助 ・マッサージルームの設置 ・オンラインフィットネスの受講 など |
運用コスト | 1,165円 / 従業員一人あたり |
健康診断は法定外福利厚生として診断範囲を拡充可能です。しかし、基本の健康診断は従業員に受けさせる義務があります。
また企業によっては、運動によってポイントが付与され、一定ポイントが貯まると商品やサービスなどに交換できる「運動インセンティブの付与」といったユニークな取り組みを導入しています。
食事補助
食事は、健康の源となるもの。食事面から従業員の健康をサポートする福利厚生もあります。
具体例 | ・社員食堂 ・食事サービス、デリバリー費用の補助 ・朝食や軽食の無料提供 ・提携飲食店の割引サービス など |
運用コスト | 1,729円 / 従業員一人あたり |
栄養豊富な食事を提供する社員食堂や自動販売機の24時間設置など、食事の提供方法や内容はさまざまです。自販機やセルフレジによる無人販売所の設置なら、人員コストもかからないため導入しやすいでしょう。
なお、食事補助を福利厚生とする場合、企業が補助するのは食事代の50%以下、1ヶ月の補助上限額3,500円以下のルールがあります。
自己啓発・キャリア支援
従業員の成長やスキルアップをサポートする福利厚生です。従業員は自らを高め、企業は優秀な人材を確保でき、双方がメリットを得られます。
具体例 | ・資格取得補助 ・書籍購入費の補助 ・セミナー参加費の補助 ・通信教育費用の補助 ・キャリアカウンセリングの実施 ・研修の実施 など |
運用コスト | データなし |
研修やキャリアカウンセリングは、社内で企画・実施、または外部サービスを利用します。従業員が企業から成長を支援されていると認識できれば、エンゲージメントや貢献意欲も向上するでしょう。
企業から支援されていると、従業員も積極的かつモチベーション高く自己成長を目指せます。
休暇
法定外福利厚生には、有給休暇以外で企業が独自に取り入れる休暇制度もあります。休暇制度が充実していることは、従業員のワークライフバランスの向上に有効です。
具体例 | ・夏季・冬季休暇 ・特別有給休暇 ・アニバーサリー休暇 ・リフレッシュ休暇 など |
運用コスト | データなし |
取得条件や日数に関しても法的な決まりはないため、企業が独自に設定できます。休暇の導入はコストがかからず、内容をアレンジしやすいため独自性のある福利厚生が設計しやすい点でおすすめです。
文化・レクリエーション
従業員同士のコミュニケーション活性化、リフレッシュを目的とした福利厚生です。イベントや施設利用など、内容は多種多様です。
具体例 | ・社員旅行 ・社内イベント ・社内部活動費の補助 ・懇親会費用の補助 ・ランチ費用の補助 ・飲食店・宿泊施設の割引補助 など |
運用コスト | ・2,069円 / 従業員一人あたり (内訳:施設・運営 / 743円 活動への補助 / 1,326円) |
社内外の活動は、費用が補助されることで企画しやすくなります。従業員同士のコミュニケーションが活性化され、親睦が深まることで信頼関係が構築され、組織力の強化や生産性の向上にもつながります。
慶弔・災害
慶弔は従業員やその家族の病気・ケガなど、死亡した場合、結婚した場合などに手当を支給する制度です。結婚や病気・ケガ、災害は、生きていく中で誰しもが経験する可能性があるため需要が高い福利厚生です。
具体例 | ・結婚祝い金 ・出産祝い金 ・子どもの入学祝い金 ・傷病見舞金 ・災害見舞金 ・弔慰金 ・遺族年金 ・慶弔休暇 など |
運用コスト | 514円 / 従業員一人あたり |
毎月給付するものではありませんが、1回あたりの額が大きい点に注意が必要です。たとえば、結婚祝金は2〜3万円が一般的です。ただし、慶弔見舞金は全額福利厚生費になるため、企業は節税面でメリットがあります。
職場環境
職場環境を整えることは、生産性向上につながります。職場環境を整える福利厚生も、下記のようにさまざまです。
具体例 | ・フリードリンク ・高スペックのPC貸与 ・テレワーク補助 ・フレックス制度 ・休憩個室の設置 など |
運用コスト | データなし |
テレワーク補助やフレックス制度の導入は、多様な働き方の促進にもつながります。従業員満足度やエンゲージメント、生産性に直に影響する要素であるため、従業員の要望なども聞き入れた上で導入する福利厚生を検討すると良いでしょう。
ツールや設備に関する運用コストは、導入するもののスペックやランニングコストの有無によってピンキリです。
ユニークな福利厚生
競合との差別化や企業の魅力向上、従業員の希望に柔軟に応えるため、ユニークな福利厚生を設計する企業も多くみられます。ここでは、ユニークな福利厚生の一例をご紹介します。
福利厚生名 | 内容 |
親孝行支援制度 | 介護が必要な家族を持つ従業員の介護休業を無期限化、年4回まで帰省旅費を補助 |
勉強休暇 | 自己啓発学習を行うことを目的に年1回まで5日間を限度に連続休暇が取れる |
花粉症手当 | 花粉症にかかる診察代や備品購入費を補助 |
フリービタミン制度 | ビタミン豊富なフルーツを常備 |
まかない制度 | 企業が材料費を負担し、かつ社内に設けられたキッチンを利用して自炊できる |
キッズ在宅 | 子どもの急な体調不良時に在宅勤務に変更できる |
ペットフレンドリーオフィス | ペットと一緒に出社できる |
ペット慶弔金 | ペットが亡くなった際に見舞金を支給 |
シエスタ制度 | お昼時に15〜30分の昼寝を許可 |
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4.福利厚生を充実させるメリット
福利厚生を充実させることは従業員だけでなく、企業にとっても以下のようなメリットがあります。
従業員の満足度・エンゲージメントの向上
充実した福利厚生は従業員やその家族の生活・福祉の安定・向上につながります。職場環境を整える福利厚生もあり、従業員にとって働きやすい環境を提供できるでしょう。
福利厚生は従業員の労働に対する対価の一種であるため、充実しているほど従業員の満足度や企業への貢献意欲向上につながるもの。そうした状態では従業員のモチベーションが高まり、結果として生産性向上にも有効です。
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定着率の向上
満足度やエンゲージメントが高い状態では、定着率も向上します。企業が充実した福利厚生を提供してくれることで、従業員は企業が自分たちの生活や健康に考慮してくれていると感じられ、その分企業への貢献意欲も高まるからです。
また、福利厚生は従業員のニーズや課題にも対応できるため、働きやすい環境を提供できます。従業員も働きやすいと感じる場所からかんたんに離れようとは思わないでしょう。
採用力の強化
充実した福利厚生がある企業は、働きやすい企業であるイメージが定着しやすいです。求職者のなかには働きやすさや福利厚生の充実さに着目している人もいるため、アピールポイントになるでしょう。
少子高齢化によって労働力の確保が難しくなっている現代、福利厚生を充実させることも採用力を強化する手段のひとつです。また充実した福利厚生によって高い定着率が確保できれば、企業イメージのアップによりさらなる採用力の強化につながります。
節税効果
一定条件を満たすと、法定外福利厚生にかかる費用は「福利厚生費」として経費計上できるため、法人税の節税につながります。福利厚生費として計上するには「全従業員を対象とする機会の平等性がある内容であること」「妥当な金額であること」が要件です。
福利厚生の内容によっては福利厚生費として計上できないものもあるため、節税面でも福利厚生を活用したい場合には詳細にチェックする必要があります。
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5.福利厚生の人気ランキング
労働政策研究・研修機構「企業における福利厚生施策の実態に関する調査」より、福利厚生の人気ランキングを紹介します。
- 人間ドック受診の補助
- 慶弔休暇制度
- 家賃補助、住宅手当
- 病気休暇制度(有給休暇以外)
- リフレッシュ休暇制度
- 休暇制度(GW、夏季・冬季休暇など)
- 治療と仕事の両立支援
- 慶弔見舞金制度
- 育児休業、短時間勤務制度の拡充
- 食事手当
- 短時間勤務制度
- 永年勤続表彰
- 介護休業制度の拡充
人間ドック受診の補助が1位であることからも、従業員の健康志向の高まりがうかがえます。
そして、全体的に人気なのは休暇制度です。有給休暇以外の休暇が充実しているかは、従業員からしても重要度が高いと考えられます。
従業員からニーズの高い福利厚生を導入すれば満足度やエンゲージメント、定着率の向上に有効でしょう。人気の福利厚生も参考に、自社の従業員のニーズを把握します。
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6.福利厚生費の予算の目安
日本経済団体連合会「第64回 福利厚生費調査結果の概要」によると、2019年度に企業が負担した福利厚生費は、1か月あたり10万8,517円。内訳は、法定福利厚生費で8万4,392 円、法定外福利厚生費で2万4,125円です。
法定福利厚生費は必ずかかるコストであるため、法定外福利厚生にどれだけコストをかけるかによって予算が変動します。今回のデータをもとにすると、法定外福利厚生費の予算目安は2万円ほどです。
ただし、このデータは全産業平均となるため、企業規模や従業員数、業界や法定外福利厚生の充実さによって予算の目安は変わってきます。
なお、法定外福利厚生費で最も大きな割合を占めるのが「住宅関連」、次いで「ライフサポート」です。近年の傾向では、医療・健康費用の構成割合が増えつつあります。
カテゴリ | 構成割合 |
住宅関連 | 48.2% |
ライフサポート | 22.8% |
医療・健康 | 13.2% |
文化・体育・レクリエーション | 8.6% |
慶弔関係 | 2.1% |
福利厚生代行 | 1.3% |
共済会 | 1.1% |
その他 | 2.6% |
出典:日本経済団体連合会「第64回 福利厚生費調査結果報告2019 年度(2019 年 4 月~2020 年 3 月)」
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7.福利厚生制度を導入・充実させる上での注意点
福利厚生制度を導入・充実させる際、以下のポイントに注意しましょう。
待遇差を設けない
同一労働同一賃金に則って、福利厚生にも待遇差をなくす必要があります。不合理な待遇差は「パートタイム・有期雇用労働法」によって禁止されています。
雇用形態にかかわらず、業務内容に明確な差がない場合は「正社員のみ」の条件を利用要件に含まないようにしましょう。公平性のない福利厚生は不満を生み、かえって満足度を下げてしまいます。
種類を増やせばよいわけではない
福利厚生の充実は、制度の種類を増やすこととは限りません。ユニークな福利厚生が多いと求職者の目に留まりやすい点はメリットです。
しかし、企業側で福利厚生の管理が煩雑になり、従業員が利用しにくくなってしまっては逆効果。従業員のニーズを把握したうえで利用される福利厚生を導入し、一つひとつを手厚くしていきましょう。
導入後は効果検証も行います。そして、従業員のニーズの変化に応じて柔軟に導入・廃止し、福利厚生の運用を最適化していきましょう。
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8.福利厚生代行サービスとは?
福利厚生代行サービスとは、企業の福利厚生業務を代行するサービスのこと。企業に代わって福利厚生の整備や運用に対応してくれます。
福利厚生業務を担当するのは、主に総務や労務部門です。しかし、こうした部門は慢性的な人手不足状況にあるため、社内の福利厚生を充実させる、適切に運用するところまで手が回らないケースも珍しくありません。
福利厚生は従業員の生産性や離職率にも影響する重要な要素です。代行サービスに委託すると、福利厚生業務の質向上とリソース確保が可能となります。
種類
福利厚生代行サービスには、2種類のサービス形態があります。サービスの提供内容が変わってくるため、特徴をおさえることがポイントです。
パッケージプラン
パッケージプランは、あらかじめ用意されたパッケージプランを選択する形式です。
従業員一人あたりの定額料金を支払うことで、パッケージ化されたすべての福利厚生メニューが利用できます。独自性には欠けてしまうものの、スピーディーに導入できる点がメリットです。
カフェテリアプラン
カフェテリアプランは、企業がカスタマイズした福利厚生メニューを従業員が保有するポイントを利用して自由に選択できる形式です。
導入する福利厚生の設計が必要なため導入まで時間を要します。しかし、従業員のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズできる点がメリットです。
また、ポイント付与の仕組みづくりとポイント管理のコストも発生してしまうものの、公平な仕組みであるため福利厚生の利用率向上に効果的です。
カフェテリアプランとは? 福利厚生、メリット、デメリット、導入企業
カフェテリアプランとは、仕事のあり方に大きな変化が見られるこの時代に合った福利厚生メニューのこと。新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、今注目を集めています。
1.カフェテリアプランとは?
社員...
メリット
福利厚生代行サービスの利用は、企業にとって以下のようなメリットがあります。
スピーディーに福利厚生を導入できる
一から福利厚生を設計・導入するのは、かなりの時間と手間を要します。代行サービスならパッケージ化されたもの、あるいは自社に必要なものを選択するだけで導入できるでしょう。
人手不足によって福利厚生の設計・導入に割けるリソースが不足している場合、代行サービスが役立ちます。
コスト削減につながる
代行サービスは従業員一人あたり月額数百円〜数千円程度と、自社で福利厚生を整備するよりコストを抑えられます。また、福利厚生の運用にかかる人件費も削減可能です。
業務負担が軽減できる
福利厚生業務は、総務や労務部門の担当です。福利厚生業務以外にも多岐にわたる業務を担当しているため、福利厚生業務にまで手が回らない場合も多いでしょう。
代行サービスを利用すれば福利厚生に関する手続きなども自社で行う必要がなく、担当者の業務負担が軽減できます。
幅広いサービスが提供できる
自社で福利厚生を充実させようとすると、かなりのコストがかかります。代行サービスならコストを抑えつつ、豊富なメニューからニーズに合わせた福利厚生を導入でき、従業員満足度も向上しやすくなるでしょう。
主サービスと費用
福利厚生代行サービスには、さまざまあります。ここでは、代表的なサービスをご紹介します。形態や料金、内容はサービスによってさまざまです。福利厚生は従業員にとってメリットがあることが重要であるため、従業員のニーズを満たせる福利厚生が提供できるサービスを選んでみましょう。
リロクラブ
概要
- パッケージサービス「福利厚生倶楽部」を提供
- 業界シェアNo. 1、低コストで充実した福利厚生の導入が可能
料金(従業員一人あたり)
- 100名未満:月1,000円
- 100名以上:月900円
- 1,000名以上:月800円
Benefit Station(ベネフィット・ステーション)
概要
- 導入企業数1万社以上
- 140万種類以上の豊富なサービスと充実したプランを用意
料金(従業員一人あたり)
- Netflix得々プラン:月1,850円
- Netflixプラン:月1,350円
- 学トクプラン:月1,200円
- 得々プラン:月1,000円
WELBOX
概要
- パッケージサービス「WELBOX」を提供
- 運用の仕組みの保守・メンテナンスにも対応するなどサポートが充実
料金(従業員一人あたり)
- 要問い合わせ
ライフサポート倶楽部
概要
- パッケージサービス「ライフサポート倶楽部」を提供
- 低コストで導入できる
料金(従業員一人あたり)
- 101名以上:月350〜500円
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