クライアント第一主義を経営理念とし、人事労務管理業務やコンサルティングを提供する社労士事務所、汐留社会保険労務士法人。同法人では多様なクライアントの要望に応えるべくさまざまなSaaSツールを取り扱っており、中でもカオナビは、商材としても、自社の業務効率化ツールとしても大いに活用しているSaaSだといいます。同法人で役員を務める社会保険労務士、新井将司(まさし)様に、紹介パートナー、ユーザー双方の立場から見たカオナビの魅力についてお聞きしました。
*本記事の掲載内容は全て取材時(2022年6月8日)の情報となります
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「自社利用だけではもったいない」。提案の幅を広げるツールとして取り扱いをスタート
社労士というと、漠然とITとは距離がある業界だと感じていたのですが、貴法人では多数のSaaS取り扱われていると伺いました。カオナビはどこで見知ってくださったのでしょうか。
私たちが携わる人事労務管理業務は事務処理の占める割合が非常に高く、もともとデジタル化による効率化が期待できる領域です。そのため、SaaS・パッケージソフト等のデジタルツールは以前から積極的に取り扱っていましたが、給与明細の電子化が進み、マイナンバー制度が始まった2015年以降はより一層協業を強化し、現在では10社あまりのベンダーと協業しています。導入障壁が比較的低いSaaSツールのニーズは年々高まっていて、最近では「SaaS活用込みの提案に対応していない社労士から乗り換えたい」と私たちにお声がけをいただくことも増えています。
ただ、カオナビとはユーザーとして出合いました。自社内でスキル管理などに使えるツールを探しているときに展示会で見かけ、直感的なユーザーインターフェース(UI)やスキルに限らずさまざまな情報を収集していけそうな柔軟性の高さに魅力を感じました。ベンダーや情報システム部の手を借りず、人事部自身で設計ができるという簡便性にも惹かれ、2020年初頭から利用しています。
当社で活用している機能は、主に評価運用機能(スマートレビュー)とスキル管理(プロファイルブック)の2つ。しかし、カオナビには、軸を自由に変えられるマトリクス表示機能や申請機能、アンケート機能など、他にも機能がたくさんあるんですよね。しかも、1つの機能でも設定次第でさまざまな使い方ができます。
限られた機能を自社だけで使っているのはもったいない。顧客提案の幅を広げるためにも、商材として活用していこう、ということで、紹介パートナー契約を結んだのです。
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システムの柔軟性を活かし、社労士だからこそできる活用法を提案
「使うばかりではもったいないから、ビジネスにも活用しよう」というのは斬新な考え方ですね。どんな案件で、カオナビをご提案いただいているのですか。
扱う案件の多くは、顧問契約に基づいて顧客のお悩みやニーズを定期的・中長期的に解決するスタイルで進めています。そのため、「よし、今日はこのツールを提案しよう」と構えていくことはなく、普段の顧問業務の中で出てきた悩みをお聞きしていく中で、最適なツールのひとつとして話題に出るケースがほとんどです。
カオナビはCMなどで既にご存知の方も多く、「名前はよく聞くけど、実際どうなの?」と先方から聞かれることもあります。ベンダーに直接聞くとすぐに営業をかけられそう、という心理もあるようで、気軽に聞きやすい面もあるのかもしれません。
私たちの主な顧客層、社員数数十名ほどの小規模企業にとって、カオナビは割高なのでは? という意見も聞かれますが、私は必ずしもそうだとは思いません。というのも、カオナビは1機能だけ使っても、複数機能使っても同じという料金体系。活用用途を複数提案差し上げると、「これなら元が取れるね」とおっしゃる企業様もけっこう多いのです。なにせ、提案している当社が「元を取る」ために活用法を模索していますから、説得力には自信があります(笑)。自社で使っているからこそ「こんな使い方もできますよ」「この機能なら他サービスのほうがいいですね」などと率直なコメントができますし、それが信頼獲得にも生きているように思います。
よくご提案する使い道は、評価運用への活用です。労務管理と比較し、評価は企業による制度の個別性が高いので、フォームや権限設計の簡便性や柔軟性に優れたカオナビが最も活きる業務領域だと感じています。
とはいえ、労務領域にもカオナビが活躍する場面はあります。各種申請機能(ワークフロー)で情報収集や申請受付への対応ができますし、他システムと連携させれば、休職期間、健康診断受診結果や残業時間といった情報の蓄積も可能です。さらに、社会保険の適用可否判定や離職理由分析など、蓄積した情報を用いたタレントマネジメントシステムとしての応用的な使い方もできます。
ただ、労務関係のデータとなると単に蓄積するだけでは不十分で、適法性を担保したデータの残し方についてもご案内が不可欠です。項目を自由に設定できる柔軟性を活かして、高年齢者・障害者雇用状況報告や過重労働者の抽出、中途採用比率の公表など、管轄省庁へのデータ提示がしやすい残し方なども併せてご提案しています。人的資本経営への取り組みとしてこうした情報の蓄積は必要不可欠になっており、その流れは加速しています。このレベルまでケアできるのは、社労士ならではの強みかもしれません。顧客の皆さんも “プロのお墨付き”を受け、安心してご活用いただけているようです。
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カオナビで評価制度を“具現化”。制度提案にとどまらず、運用後のフォローも可能に
自社の強みをとカオナビの特色を掛け合わせて付加価値を提供されているんですね。人材管理システムが数ある中で、ご評価くださっているのはどんな側面でしょうか。
やはり「誰にとっても使いやすいUI」と「設計の柔軟性」は、どの顧客からも反応が良いですね。また、知名度が高く、業界内での老舗・トップシェア企業である点も安心感につながるようで、扱いやすいなと感じています。
また、個人的には、人事評価制度という形のないものを具現化してくれる存在としても、とても頼りにしています。
評価制度を刷新する際、制度の完成度以上にその成否を左右するのが、組織内での浸透や継続的な運用といった明文化の難しい要素です。とはいえ、社員の皆さんの理解度や、面談の実施実績のモニタリングまではなかなか実施が難しく、制度の提案はできても、運用後の支援が思うようにできないケースも少なくありませんでした。
カオナビは目に見えるかたちで評価運用フローを組める上、進捗管理もしやすいので「いつ、誰が、何をするか」が明確になります。これで、評価者が締め切りまでに面談を実施しているか、フィードバック面談が忘れられていないか、といったアフターフォローのやりやすさが飛躍的に向上しました。
それ以上に効果が大きかったのが、「提案内容の理解度の向上」です。
提案書をつくるとき、私はカオナビでの運用を前提に評価制度を設計します。なぜなら、カオナビの設計画面がそのまま制度運用フローの図解になり、制度の概要だけでなく「人事部はいつ、誰に、何をすべきか」といった具体的なご理解にも役立つからです。自分自身の考えもまとめやすいので、提案書作成の効率も上がりました。
アフターフォローの実現性と制度理解度が向上したことで、運用後のご支援も含めた評価支援サービスのパッケージ化が実現できました。カオナビが、人事コンサルティング領域に本格的に手を広げるきっかけにもなったのです。
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専門性とツールの活用アイデアを組み合わせ、人事労務のトータルサポートを実現したい
ビジネス領域拡大にもお役立ていただいていたとは! カオナビとの協業にメリットも感じていただけているようで、ビジネスパートナーとしてうれしい限りです。
そうですね。その他にも、カオナビさんのほうから人事労務コンサルティングの案件をご紹介いただくことがあったり、セミナーに登壇することで多くの企業様の接点を持てたりと、副次的効果としてビジネスの機会も増えました。私たちの持つ専門性とカオナビさんの持つ幅広い顧客接点、お互いを補完し、シナジーを発揮できるのも協業の大きな魅力です。いいことしかない、というと言い過ぎかもしれませんが(笑)、これも率直な所感です。
その他にメリットとして感じているのは、サポートの厚さです。デモや提案書の作成といった一般的な商談サポートはもちろんのこと、当社の事業とカオナビとを掛け合わせた新しいソリューションを顧客に提供したい!といった少し踏み込んだ相談についても、気軽に応じてもらえる点も魅力に感じています。
また、対ユーザーのサポートも手厚いですよね。導入時だけでなく運用後も担当がついて活用方法の相談に乗ってくれたり、問い合わせのレスポンスが早かったりと、顧客に導入いただいたあともストレスなく使っていただけそうなので安心して提案ができます。
ここ数年、コロナ禍でリモートワークが浸透したり、改正電帳法(電子帳簿保存法)が施行になったりと、デジタル化の勢いは増しています。SaaSと言っても情報感度の高い顧客にしか通じなかったものが、最近では年齢層の高い経営者もSaaSの存在を認知し始めている状況です。カオナビのようなツールは今後よりニーズが高まっていくだろうと感じています。
私たちは人事労務管理のプロ集団として、グループ企業の知見も生かした「ワンストップでの人事労務トータルサポート」を目指しています。タレントマネジメントシステムとして知られるカオナビですが、タレントマネジメント以外にも、労務領域を含めて活用できるシーンがたくさんあります。トータルサポートというからには、日々の業務に使うツールについても、ニーズに合った詳しいご提案を差し上げたいと常々考えています。
カオナビはユーザーとしても活用しているSaaSです。自社活用して見つけたアイデアを提案に活かすのは当然ながら、今後は導入いただいた顧客企業から活用アイデアをいただくこともあるかもしれません。こうした好循環を回すことで、社労士ならではのきめ細かなご提案・サポートを磨き上げていきたいと思います。
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