ユーザー会レポート

教育機関さま向けユーザー会を開催!同業種の方で集まり考えるタレントマネジメント

2023年11月22日

ユーザー会

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。

2023年8月8日(火)、教育機関様向けユーザー会「教育機関における課題とカオナビの運用法」を開催しました。本ユーザー会では、学校法人立教学院の佐伯美佳氏が、カオナビ導入に至った背景や活用法をご紹介くださりました。またそれだけでなく、参加いただいた方々のグループディスカッションや交流会も行い、ユーザーさま同士でも教育機関ならではの課題や解決策をお話しいただきました。

ご参加できなかった皆さまにもこの知見を取り入れていただけるよう、当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!

※掲載内容はすべてユーザー会当日時点の情報です。

今回のユーザー会は、教育機関さまに限定し、現在導入いただいている学校法人さまだけでなく、カオナビの導入を考えている学校法人さまにも参加いただいての賑やかなユーザー会となりました。

【学校立教学院様ご登壇】カオナビで進める立教HRのDX化

まずはカオナビユーザーさまである、学校法人立教学院 人事部人事課 担当課長の佐伯美佳さまにご登壇いただきました。

ご登壇者紹介

佐伯 美佳 様
学校法人立教学院
人事部人事課 担当課長JCBで人材開発及び労務を担当。
立教学院入職後は、立教大学の学生支援に10年ほど従事。
人事課へ異動し、職員採用・育成、雇用管理と人事評価の業務に携わる。

※ここからは実際に立教学院さまにお話しいただいたセミナー内容です!

‐紙からの脱却。カオナビ導入の背景

当時は、人事におけるほとんどの業務が紙ベースで行われていました。そのため、承認者が別のキャンパスにいて承認に時間がかかるといった事態が頻発。また、紙で保管しておく収納場所に限界が見え始めていました。それだけでなく、定型業務に時間がかかってしまい、非定型業務である企画業務などに取り組む時間が取れず、新しいことへのチャレンジが阻害されていました。

そんな状況ではあったものの、コロナ以前はDXへの温度感は決して高くなく、「紙を廃止したいよね」「もっと効率化できるといいよね」という声はときどき上がるものの、積極的にシステム化する動きはありませんでした。

そんな頃に、コロナウイルスの流行が始まりました。

在宅勤務の実施や行政でもペーパーレスが進んだことを背景に、法人全体としてDXへ大きく動き始めることとなりました。その取り組みの甲斐あって、現在は稟議決裁や人事関連の申請もシステム化しました。そしてそのDX化の流れで、2022年にカオナビを導入しました。
カオナビを検討したきっかけは職員の声でした。

カオナビの導入以前は、ExcelやWordで評価シートを提出してもらっていました。メールでの提出だったため、送信先を間違えてしまったり、別の人の評価シートを送ってしまったりといった誤送信の危険性が常にありました。かつ、取りまとめをする所属長の負担が大きすぎることも問題でした。こうした状況に対して、職員から運用方法変更を求める声が上がりはじめました。そこで、タレントマネジメントツールを使った評価のシステム化を検討し始めたのです。

各ツールの担当者から話を聞くのはもちろんのこと、お試し利用も行いつつ、3社を比較検討しました。選定時の基準は以下となります。

  1. 評価シートの見た目が、ExcelやWordと大きく変わらず、かつ使いやすいこと
  2. 自分たちが使いたい機能が過不足なく揃っているか
  3. 導入企業の規模や実績
  4. 費用

なかでも、職員の方々にスムーズに受け入れてもらえるよう、見た目や使いやすさを重視しました。

導入の意思決定には、すでにカオナビを導入されていた、立命館大学さまの事例紹介も大きく関わりました。立命館大学さまが登壇されているカオナビのセミナーを視聴するだけでなく、契約を決める際には、立命館大学さまに訪問し、実際に画面を見ながら活用方法を教えていただきました。

‐3つのカオナビ活用方法をご紹介!

1.人事評価
1つ目は導入のきっかけでもある人事評価のペーパーレス化に取り組みました。
これまでのメール提出に比べて、ワンクリックで送信ができて工数削減に繋がりました。

導入以前は、部長たちが評価シートの取りまとめやファイル名変更などを行っていました。その工数をごっそり削減できたために、すごく喜んでいただけました。導入してすぐに、直接感謝の言葉をもらえたほどです。

また、それまで320人分の評価シートを印刷して行っていた人事評価委員会も、会議の時期に閲覧権限を付与することで、ペーパーレスで実施できるようになりました。

2.研修計画・受講報告書の蓄積
2つ目は、研修計画及び受講報告書のペーパーレス化です。

導入前は、4月に各課長宛にメールで部下の研修受講履歴を送信し、それを用いてその年度の研修計画を立てていました。

カオナビの導入後は、研修履歴をカオナビに記録して常時閲覧可能な状態に。一方でこれにより、これまで人事が示していた受講するべき研修を自ら調べなくてはいけないという変化もありました。これには反発もありましたが、自分や部下のキャリアを意識して能動的に取り組むきっかけ作りになり、結果的にプラスの影響が大きかったです。

また、受講報告もスマートレビューでシステム化しています。過去の研修をいつでも振り返れるようになり、こちらもキャリア自律に寄与しています。

3.異動・配置計画や面談への活用
最後に、異動・配置計画や面談時の活用です。

従来は、全メンバーの名前と所属が記載された一覧表を見ながら、人事部長や各部の部長が話し合い、適材適所の検討をしていました。現在は、シナプスツリーを活用し、柔軟にシミュレーションなどを行いながら話し合っています。
今後はさらにバージョンアップをし、プロファイルブックにスキル情報を加えるなど、多彩な情報を加味した上で検討する状態を作る予定です。

‐部署の垣根のないコミュニケーションを目指して

まだまだ紙ベースで業務を行っている領域も多いですが、全教職員と関わる部署である人事がDXを進めていくことで、全学的なDXをさらに進めることができるはずだと考えています。さらなるDX化に向けてこれからも取り組んでいきたいです。

また、カオナビも活用してはいるものの、まだ自分や自分の部下の情報しか見れないなど、限定的な使用となっています。今後は一人ひとりが全員の画面を見れるようにし、部署の垣根のないコミュニケーションを実現できればと思います。

100法人あれば100通り。学校法人さまの事例紹介

続いて、公共・医療グループ・カスタマーサクセス担当の仲俣より、今回参加が叶わなかった地方の学校法人さまの活用事例を紹介しました。

事例①評価業務の効率化

紙やExcelを使用しており、情報が散在しているという課題から、カオナビ導入に踏み切った学校法人さまの事例です。

評価シートをカオナビで再現。社員情報の一元化・見える化を実施されています。効率化が実現したのはもちろんのこと、異動時にはシャッフルフェイスの分析機能を使用し、役職や男女比などのバランスを加味した配置が実現できているとのこと。

また、上司や先輩の経歴および過去の実績も、プロファイルブックにて公開。職場内で目指すロールモデルを見つけたり、自身のキャリアプランの参考にできたりと、職員の方々のモチベーション向上にも繋がっているそうです。

事例②効率化によりできた時間で評価を分析

360度評価にかかっていた時間を、210時間以上削減できたという事例です。

被評価者と評価者を紐付けて、全対象者に一斉にメール配信をすることで、工数を大幅に削減。かつ、閲覧権限を柔軟に使い分けることで匿名性も確保できたとのこと。

さらに削減できた時間を使って、評価結果をカオナビ上で分析されているそうです。それにより判明した、達成しやすい目標の傾向を活かし、フィードバックの質向上に繋げていただいています。

事例③人材データベースの可視化

続いては、人事情報の散在により、的確な人材配置やマネジメントが進められていないという課題があった学校法人さまです。

カオナビ導入以後、配属先・評価・異動履歴をカオナビのプロファイルブックで一元管理することに。配置シミュレーション機能も活用いただきました。

役職や年齢などの任意の情報をもとにしたマトリックス上で、顔写真を見ながらの配置が実現できました。顔写真を見ながら配置を決めることで、職員の人柄も考慮されやすくなったそうです。それにより、定量面と定性面の双方を基にした配置が行われるようになりました。

さらに抽出したデータに基づく自由度の高いデータ分析により、戦略的な人事計画が可能になったとのことです。

【エデュース様ご登壇】学校職員評価制度の実質化のために

カオナビメンバーからの紹介のあとは、今回特別にお越しいただいた、カオナビのアカデミークラウドを共同開発パートナーであり、人事領域のコンサルティングも行われている株式会社エデュースさまがご登壇。

大庭さまより、人事のみなさまの関心も高い評価制度についてお話しいただきました。

※ここからは実際にエデュースさまにお話しいただいたセミナー内容です!

弊社が学校法人さまを対象に、2021年に実施したアンケートによると、評価制度を導入している法人さまは45.8%でした。それが一年後の2022年には72.2%と大幅に増加。学校法人さまの、評価制度への注目度の高さが伺えます。目標管理制度を使っている学校法人さまが一番多いものの、360度評価など新たな取り組みをしている学校法人さまも増えてきています。

本日はよく耳にする、評価制度運用の課題および提案したい改善策をお伝えいたします。

課題①学校方針と評価制度の接続ができていない

これにより、一人ひとりが目標を達成しても学校としての事業が達成できないリスクを抱えている学校法人さまから相談をいただくことがあります。例えば、「個人の能力伸長に関する目標設定がされている場合」などがこのケースに当たります。

そこで課別目標設定シートの利用を提案しました。このシートの利用者はそれぞれの課の課長。学校の方針から課の目標を落とし込み、それを踏まえて目標の分配をする仕組みです。

課員一人ひとりの目標は、課長が分配したトップダウンの目標と自ら設定するボトムアップからの目標から構成されます。課別目標シートを利用する際には課長全員が集まり、法人の目標から落とし込んだ、それぞれの課でやるべきことを共有するワークショップを実施することもあります。これにより相互理解が進み、組織としての結束が強くなるという副効果も期待できます。

課題②評価者により評価の結果が異なり、不公平感がある

こうしたケースでまず取り組むべきなのが、評価根拠を整理すること。

面談記録シートを活用し、評価の根拠を記録します。そしてそれを持ち寄ることで、人によって評価の甘辛が発生していないかを検証します。このような、評価について検証できるプロセスを持つことが、属人性の高い評価を防ぐことに繋がります。

課題③目標設定が不明瞭

「〇〇になるよう努力します」や「〇〇を心がけます」といった、定量的に評価しづらい目標設定が多くなっているという事例です。

この場合は、目標の精度を上げるための取り組みが必要になります。エデュースでよく活用しているのは「SMARTの法則」というフレームワークです。こうした共通言語を作ることで、目標の精度を上げていくことができます。そのほか、見本となる目標を取り上げて、目標設定を標準化するワークショップも行っています。

最後にまとめとして、評価制度を運用する上で大事にしている考え方について。

評価は制度が2割、運用8割と言われています。この言葉にもあるように、大事なのは制度をきちんと運用することです。一方で、仕事上の目的や目標、成果はスポーツのように判定がわかりやすいものではありません。そのため、評価者も評価される側も一体となって制度を作り上げていくことが大事だと考えます。とはいえ、難しいことも多くあるかと思います。当社ではさまざまなフェーズの法人さまを支援させていただいているため、もしお悩み等ございましたら、この後の懇親会でお気軽にご相談ください。

他校の取り組みが知れる!グループごとに意見交換会

休憩を挟んで後半は、グループに分かれての意見交換会を実施しました。

ここでは参加者さま同士が交流を気軽にいただくことを目的に、カオナビ運用について知りたいこと・気になること・悩んでいることなどをざっくばらんに会話いただきました。

例えばこんなお話が挙がりました。
・自分たちもDX化が求められている。どんな流れで取り組んでますか?
・目標管理、人事考課をシステム化して紙運用をやめたいけど、何から進めたらよいか…
・職員のスキル、資格管理もやっていきたいけど、カオナビのどの機能使ってる?

教育機関さまでもDX推進によりシステム運用は進んでいるものの、まだまだ仕掛かり中のため、各法人さまがどんな流れで取り組みをされているのか、ご興味をおもちいただいた参加者さまが多いようでした。

少し早くカオナビを利用している参加者さまからはこんなお話も。
・カオナビをどんどん使っていこう!と考えているが、例えば目標管理以外のどんなシーンで職員さまはカオナビを利用してますか?
・顔写真が更新されていない職員がいるが、案内など工夫されてますか?
・人事異動の検討もカオナビを使ってやっている。
・キャンパスが離れて(例.人事課は〇号館、学生課は▲号館など)いるため、カオナビで職員の情報がパッと見れたり、様々な運用がシステムで行える点は役立っている。

これからも各法人さまのカオナビ活用を支援してまいります。

ユーザー会を終えて

カオナビとしてはじめて教育機関さまを対象としたユーザー会を開催いたしました。
お忙しい中多くの参加者さまにお集まりいただきました。
昨今、DX推進が一般的な取り組みになる中、“教育機関様ならではの課題って?”また“その課題に対してどんな取り組みをしているの?”など、同業界ならではの議論が飛び交う様子が印象的でした。今後もぜひ各社さまの目指すタレントマネジメント実現に向けていただければこのような場を活用いただければ幸いです。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました!

カオナビのユーザー会では機能の使い方に限らず、さまざまなテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「いま取り組もうとしている○○の人事施策について相談したい」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!

それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!

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2023.11.22