ユーザー会レポート

より有意義な1on1にするためには?サイバーエージェント曽山氏が語る離職率を下げる1on1のコツ

2025年2月27日

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。

2024年11月26日(火)、サイバーエージェントCHO曽山哲人さまをお招きし、ユーザー会「マナベル」を開催。「1on1のノウハウ」をテーマに、お話いただきました。

ご参加できなかった皆さまにも知見を取り入れていただけるよう、当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!

※掲載内容はすべてユーザー会当日時点の情報です。

「プロからマナベル」とは?

「プロからマナベル」はある分野の専門家をお招きし、人事業務の最新トピックやカオナビの実践例を解説していただくセミナーです。

カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザーさま同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!

サポートサイト『セミナー・ユーザー会』

ご登壇者紹介

曽山 哲人 様

株式会社サイバーエージェント
常務執行役員 CHO

上智大学文学部英文学科卒。株式会社伊勢丹での就業経験を経て、1999年に当時社員20名程度だった株式会社サイバーエージェントに入社。インターネット広告事業部門の営業統括を経験後、2005年人事本部長に就任。現在は常務執行役員CHOとして人事全般を統括する。ビジネス系YouTuber「人事部長ソヤマン」としてSNSで情報発信するほか、『若手育成の教科書』『クリエイティブ人事』『強みを活かす』など多数の著作も出版。
※ご登壇当時の情報です。

よい目標とは、自走につながる目標のこと

※ここからは実際に曽山さまにお話しいただいたセミナー内容です!

実は当社サイバーエージェントは、私が人事に就任した当初は離職率が20%を超えている状態でした。その改善のためにいくつか取り組みをしてきたのですが、特に改善に寄与したのが月1回の面談、つまり1on1だったと捉えています。

そこで今回は、当社が培ってきた1on1のノウハウを「良い目標」「良い面談」「良いフィードバック」の3つを主題にお話できればと思います。

まず、ひとつみなさんに質問です。「良い目標」とはなんでしょうか。

面談をするのは、目標達成のためです。仕事をしていると、目標達成という目的と行動がズレてしまうことがあります。そのズレを補正するためにするのが面談だと私は考えています。そのため、目標が良いものではないと、面談の意味自体が薄くなってしまいます。

そして当社では、良い目標とは自走目標だと定義しています。メンバーが勝手に走って結果を出してくれれば、これほど良いことはないはずです。

では、自走してもらうためにはどうすれば良いのか。当社で上司と部下が目標をすり合わせるために使っているのがこちらです。

まず最初に個人が情熱を持ってやれるのはどのようなことかを棚卸しをし、その上で組織に貢献するために必要なものを洗い出します。そして、その2つの要素が入ったものを目標とする、というものです。

必ず期待とセットで面談に臨む

続いて、本題である面談のお話をできればと思います。「良い面談」とは何だと思いますか。みなさん少し、同じテーブルの人と話したりzoomのチャットに書き込んだりしてみてください。

ではここでチャットの意見をいくつか紹介します。「納得してやるべきことが明確になる面談」「傾聴、和やかな雰囲気づくりが出来ている面談」「相手を知ることができた面談」などさまざまな意見が上がっています。おそらくテーブルでもいろいろな意見が出たのではないでしょうか。

ということは、人によって良い面談の定義は違っていて、上司の思う良い面談と部下が期待している面談はおそらくズレている、と言えると思います。このズレの補正のためには、上司から面談の目的を明確に部下に伝えることが重要です。そして上司が部下に目的を伝えるためには、人事が会社として面談の目的やそこでやるべきことを決めて、それを上司たちに伝えなくてはならないわけです。

当社では、面談は期待とセットだと上司たちに伝えています。

もちろん、時には叱ることもあると思います。それでも、たとえば最後の一言だけは期待を伝えるなど、期待という要素を入れることが大切なんです。

そして叱り方も重要です。特に昨今は、ハラスメントになってしまうのではと上司たちも怖がっています。ではみなさん、自分の叱る時の工夫について、先ほどと同じようにチャットや同じテーブルの方同士でシェアしてみてください。

「良い点をフィードバックしてから改善点を伝える」「行為を叱る」「再発防止のための行動を相手と考える」などが挙がりましたが、叱り方のバリエーションは多いに越したことはないので、自分がしていないものがあれば、メモしておくことをオススメします。

さて、当社では「率直に伝えて言い分を聞く」ことを大切にしています。率直に伝えることが特に重要で、もし何か叱ることがあれば、その日に話すテーマはそれだけにしています。なぜかというと、複数の話題があるとブレてしまうからです。また、本人の言い分を聞くことも同じくらい重要です。それこそが誠実さであり、相手に期待していると示すことにもなります。

そしてうまく叱るためには、伝えたいことをあらかじめ書き出しておくことも大切です。こうすることで、きちんと相手に伝えることができます。私の使っているフレームワークを紹介しますので、よかったらみなさんも使ってみてください。

フィードバックは褒めから入る

続いて、3つ目のテーマである「良いフィードバック」についてお話します。その前に、みなさん自身で考えてみて、意見を聞かせてください。

「次のアクションが明確」「モチベーションアップにつながる」などさまざまな意見が挙がっているようですが、僕の考える良いフィードバックとは「育成につながるもの」です。

「feedback is gift」という言葉もありますが、この言葉の通り、フィードバックはプレゼントです。きちんとそれがプレゼントになっているか、本人に良い影響を与えるものであるかを確認することが非常に重要だと思います。

当社では、育成につながる前向きなフィードバックをするために、このようなツールを使ってフィードバック内容を考えています。

まず褒めポイントから入ることで、言う方の気持ちも場の空気もかなりポジティブになります。そして期待を込めて改善点を書き、それを伝えていきます。また、このフィードバックを書いたメモも本人に渡すのもおすすめです。それによって、本人の意識にも残りやすくなるからです。

さて、3つのテーマについてすべてお話したところで、私からのお話は終わりにしたいと思います。ご清聴ありがとうございました。

【Q&A】

参加者からのご質問にも丁寧にお答えいただきました。

Q)Z世代との1on1で気をつけていることはありますか。

A)意図的に相手に興味を持つことを意識しています。仕事やパッションについてまず聞いて、本人が楽しく話せることを深掘りした後に、本当に聞きたいことを尋ねることが多いです。

Q)やりがいを感じていないネガティブな社員に対し、どのようにアプローチすれば良いですか。

A)パッションとそのルーツを聞くしかないと思います。仕事以外、学生時代のことでも良いので、とにかく楽しかったこととその理由を聞いてみる。それと、なぜこの会社に入ったのかを尋ねますね。こうしたケースは互いの期待値のズレによって生じていることが多いので、そこをコントロールします。

あとは、簡単なことでも良いので、とにかく結果を出してもらって、達成したら褒めることを繰り返して成功体験を積んでもらうのも有効かもしれません。

交流会パート

参加者の皆さまの企業規模・人事歴に分かれて曽山さまを交え交流いただきました。


参加者の声

聴講するだけのセミナーではなく、参加型のセミナーだったので、とても楽しく自分の今の状況を振り返りながら参加することができました。

1on1の進め方について迷いがある状態だったので、参考になり且つ取り入れて試してみやすい具体的な話がきけたのが良かったです。また、すでに取り組んでいる部分もありそういった点では励みにもなりました。

期待を言葉にして表すことと、面談をなるべくシンプルにすること大切であるという話が勉強になりました。

上司側へ面談のハードルを下げるための配慮をすべきということが今まで意識をしたことがない視点だったので印象的だった。

ユーザー会を終えて

今回のユーザー会は、参加者の皆さま同士での対話の機会も多く、活気あふれるユーザー会でした。1on1の効果を最大化するためのノウハウについて、具体例も交えながらお話いただきました!

カオナビのユーザー会では機能の使い方に限らず、さまざまなテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「いま取り組もうとしている○○の人事施策について相談」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、X(旧Twitter)も運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!

それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!


今回の資料はカオナビキャンパスオンラインでご確認いただけます。
>>https://www.kaonavi-campus.jp/s/details/manaberu-20241126-MCJUBARUISIBHI7AHLMEGRYYYNKE
※閲覧にはアカウントの発行が必要です。


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2025.02.27