ユーザー会レポート
社員が”つい”使いたくなる仕掛けが重要!サラヤ流カオナビ導入から浸透までのアプローチ
2023年4月14日
こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。
5月26日(木)、ユーザー会「マナベル」を開催しました。今回は「カオナビにおける社内コミュニケーション活性化戦略」をテーマに、家庭用・業務用の洗浄剤や消毒剤の開発製造〜販売、食品開発・レストラン事業と幅広く手掛けるサラヤ株式会社様がご登壇。30名以上もの参加者にご出席いただきました。ありがとうございました!
「マナベル」とは?
「マナベル」はカオナビを使いこなしているユーザー様をお招きし、実践例を直接学んでもらうセミナーです。さまざまな業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビ導入の経緯」「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁とその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見です。
カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!
ご登壇者紹介
先浜 敬 様
サラヤ株式会社
総務人事本部 人事部 人事管理課 課長
カオナビってほんとに役立つの? 半信半疑ではじまった導入
※ここからは、実際に先浜様にお話いただいた講演内容です!
私は、2018年にサラヤに人事として入社しました。それまでの人事労務業務や人事システム保守業務経験を活かし、さまざまな案件に関わる中で、担当することになったのが導入したばかりのカオナビでした。
当時、カオナビに対する社内のイメージは「なんでもできるシステム」という、とてもざっくりとしたもの。システム担当として自ら名乗りをあげたものの、タレントマネジメントシステムをいかに社内で活用するのか、最初は模索している状況でした。
とはいえ、活用イメージが曖昧でも、経営陣に説明して施策を進めていかなければなりません。そこで、ひとまず、『社員間コミュニケーションの活性化』『考課シートのWEB化』『タレントマネジメント機能の推進』という3つの柱を立てたんです。
まずはカオナビの利用率向上から!実施した2つのアプローチ
計画を立てたはいいものの、じゃあどうやって社員にカオナビを使ってもらうのか。そこで思いついたのが、カオナビを「検索ツール」として利用してもらうことです。
当時、弊社では社員情報の検索にグループウェアを利用していました。ところが、登録されている情報が間違っていたり内容が古かったりと、決して使い勝手が良いとはいえませんでした。
カオナビに顔写真を登録してもらい、社員情報を充実させれば、便利な社員検索ツールになるはず。ただ、検索の役割だけでは利用率アップには足りないだろうなとも感じましたので、あわせて社内で利用するクラウド系システムのログイン導線をカオナビに集約させました。
人事部には、「システムにログインできません」といったいろいろな問い合わせが社員から届きます。業務システムのアカウント情報やURLをカオナビに登録し、カオナビを見てくださいとご案内することで、カオナビに「入り口」としての役割を持たせたのです。
社員間コミュニケーションの活性化に役立った4つの施策とは?
1つ目の柱である社員間のコミュニケーション活性化では、「顔写真付き組織図」「自己アピールシート」「アンケート機能」「性格診断テスト」の4つの施策を組み合わせました。また、登録率・利用率を定点観測し、KPIにすると共に、コラムの形式で社内ポータルで告知し、カオナビの利用率向上を図りました。
以降では、4つの施策についてそれぞれ具体的に紹介していきます。
施策1:「上手な写真の撮り方コラム」で顔写真登録率アップ!
弊社では、もともとグループ全体で2000人を超える社員の組織図を、エクセルで管理していました。
そこで、顔写真付きでかつ社員情報が確認できる「シナプスツリー」を使い、社員の顔や情報と合わせて組織を把握できるようにしました。名前と顔が一致するためとても評判がよく、活用されている機能の一つです。
とはいえ、最初はなかなか顔写真を提供してもらえませんでした。そこで、カオナビ上で上手な写真の撮り方の情報を発信したんです。『カオナビコラム』と題し、小顔に見える撮り方などを伝えるとともに、社内のデザイン部に依頼し、プロのカメラマンを手配して撮影会も企画しました。
こうした施策が、顔写真の撮影のハードルを下げることにつながり、パートアルバイトを含めた全社員では70%、フルタイムの正社員でいえば、ほぼ100%の写真登録率となりました。
施策2:遊び心のある自己アピールシートで会話のきっかけを作る
次に「自己アピールシート」の活用です。自己アピールシートは、社員コミュニケーションのきっかけとなるよう、自由に書き込みできる設定にしています。
はじめは、異動希望などの想定で考えていたのですが、真面目な目的だけでは機能自体を使ってもらえないという懸念がありました。いろいろ考えた結果、もう少し気軽に使えるようにと、お互いの共通点を知ったり、職場以外の意外な一面を発見したりといった、遊びの要素を取り入れました。
自己アピールシートでは、「担当業務」のほか、「出身校」「出身学部」「学生時代のサークル」や「趣味の写真」「SNSリンク」なども記入できます。あえて業務と切り離した情報を盛り込むことで、自然と会話が生まれる仕組みになっていると思います。
施策3:アンケート機能を使って感謝の気持ちを送り合う
社内表彰や福利厚生の施策では、「アンケート機能」を活用しています。
たとえば、社員間で感謝の気持ちを伝えあう「サンキューしよう(賞)」では、プロファイルブックから気持ちを伝えたい社員を選択し、コメントを入力。人事で集計と加工をしたのち、それぞれの社員ページにメッセージを表示させる流れとなっています。
施策4:「エニアグラム」で、気軽に楽しく相互理解をサポート
職場の社員同士、「こんな人なのか」「意外な一面」といった相互理解をサポートしているのが性格診断テストの「エニアグラム」です。もともとは適性診断を別途利用する予定でしたが、カオナビ導入後にエニアグラム機能がリリースされ、使ってみたところ社内で好評となり、定着しました。
また、カオナビコラムでエニアグラムについては定期的に発信しています。当社は中途入社も多いため、継続的に発信することがカオナビの定着に役立ちます。
部門から要望を受けて、結果を集計しグラフ化することも。「楽しいツール」という見せ方で、部署・社員間コミュニケーション活性化に貢献しています。
考課シートのWEB化で情報共有がスムーズに!
コミュニケーション活性化の次に取り組んだのが、考課シートのWEB化です。弊社では以前、エクセルで考課シートを作成していました。しかし、それでは考課シートを完成させることが目的となりがちであり、期中面談を人事側で把握できないといった課題がありました。
カオナビを活用した考課シートのWEB化は、全体的な工数削減はもちろん、情報共有もスムーズにできるようになりました。「期中振り返り」などの中間フローも、進捗確認ができるため、より密な考課運用が可能となっています。
そしてもう一つ、考課運用で役立っているのが「シャッフルフェイス」です。サラヤでは3次評価・4次評価に相対評価を導入しているため、評価分布を一目で分かるシャッフルフェイスが非常に好評です。
とくに考課者が多い部署や、役員向けにシャッフルフェイスを組み合わせ、評価分布を開示しています。
現場からも「カオナビで運用したい」という要望をもらう
そしていま現在取り組んでいるのが現場のタレントマネジメント推進です。
というのも、考課シートのWEB化を実施した後、各部門からカオナビに関する要望が届くようになりました。弊社には、研究から販売まで多様な部門があり、考課制度では人事主導の評価だけでなく部門ごとのスキルチェックシートを利用していました。そのスキルチェックシートも、エクセルではなくカオナビで運用したいというのが現場の要望でした。
これに対して、各現場で管理者を任命し、カオナビでの作成から運用まで一連の流れを私がレクチャーすることにしました。教える負担はありますが、現場が使い方を覚えれば、運用が回り、もっとカオナビを活用してもらえるメリットがあります。活用されればデータも増えて新たな施策に役立つかもしれません。サイクルを回すことを意識しています。
ワクチンの接種日管理でもカオナビを活用することで、さらに浸透が加速!
カオナビを浸透させるため、とにかく社員に使ってもらう仕組みづくりを意識していましたね。それから、何か社内イベントがあれば、カオナビでできますと提案していました。
たとえば、2021年に行ったワクチンの職域接種。社員の接種日の管理のため予約管理システムを検討しましたが、職域接種のスピード感を重視した結果、カオナビで接種のシフト管理を行うことに。「ボイスノート」を活用して希望日を集計し「プロファイルブック」で接種日を告知する流れにしました。
予診票もカオナビ上で管理できるようにし、社員やその家族、取引先含めて約1500名の接種日管理に活用できました。
また、「スマートレビュー」の数式機能を活用し、取引先商品を社員が購入するページも作成。カオナビ上で商品点数に合わせて合計金額が表示され、注文書の作成が可能なため、営業部門の支援につながっています。
正直、導入当初はタレントマネジメントシステムの活用について、私自身「何ができるのか?」と疑問に思う気持ちがあったんです。けれど、さまざまな取り組みを行ったところ、人事から現場への情報発信・施策実行のスピードが向上したと感じています。それから、やはり現場ですね。現場のマネージャーがカオナビを活用することで、マネジメント力アップにつながっていると思います。
【Q&A】「カオナビコラムで発信している内容は?」皆さまからの質問と回答を一挙ご紹介!
質疑応答の時間では、参加者の皆さまからの質問に回答していただきました。たくさんの質問から、一部を抜粋して紹介します!
Q)カオナビの利用率を促進するため、定点観測をされているとのことですが、どんな数値をみているのでしょうか?
A)顔写真の登録、自己アピールシートの記入、その2点の完了率をチェックしています。中途入社の方は、社員証の写真を予め登録したり、カオナビの説明の時間を設けて、そのタイミングで自己アピールシートの入力をお願いしたりすることをしています。
Q)カオナビ上のコラムでは、どのような内容を発信されていますか?
A)基本的には、機能の使い方がメインですね。「こうしたらプロファイルブックの検索が簡単だよ」といった感じです。考課制度や職域接種など、社内イベントのときは、必要な内容をカオナビコラムで発信しています。
Q)カオナビを導入し社内に浸透するまで、どれくらいの時間がかかりましたか?
A)正直、最初の1年は実感があまりありませんでした。浸透した、と思えたのは他部門の方と違う業務でやり取りするときに「カオナビっていいよね」という言葉を頻繁に聞くようになってからです。2年半ぐらいかかったのではないでしょうか。アンケートや写真登録など、地道なお願いを通じて利用率がじわじわと上がった感じですね。
Q)カオナビのどんな部分が社内で好評でしょうか?
A)当社では組織構成が複雑なところもあり、「どの部署のだれだれさん」が顔写真でわかるのがカオナビの人気ポイントです。検索で顔写真が出てきて、それに付随してプライベートな部分も知れるので、コミュニケーションが取りやすくなったという反応を頂きます。
【参加者の声】「登壇者に直接質問できる」がセミナー参加者最大のメリット!
- 講演&ユーザートークどちらとも、弊社でも上手いこと取り入れられるのではないかと思った。事例や考え方など、諸々ひっくるめてとても有用な情報収集ができました。
- 当社はこれから本格的に導入を進めて行く段階ですが、それに先駆けて、キャリアのある企業様から導入にあたって苦労された点や充実度、満足度、更にはこの先の展開などが聞けた事により、イメージがし易くなりました。
- コミュニケーション活性のためにカオナビをどのように使用したら良いのか、他社様の事例を聞くことができ、早速実践できると感じました。
- 実際に運用を開始したところの話が大変ためになりました。
- 人事は普段、外に出ることがなく、他社の人事の方と情報交換できる機会がないため、いろいろなお話を伺えてよかったです。
カオナビの利用率を向上させるための様々な工夫を凝らした施策に、運用イメージがついたという声が聞かれました。また、人事同士の情報交換が有益であったという感想もいただきました。
マナベルのようにリアルタイムで開催するセミナーは、登壇者に質問できるのが醍醐味。「ユーザーさんに直接質問したい!」という目的でも、ぜひ参加していただけると嬉しいです!
セミナー動画を公開しました
下記より当日のセミナーの様子をご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
【セミナー動画】カオナビにおける社内コミュニケーション活性化戦略
※カオナビキャンパスオンラインのアカウントが必要です(アカウント発行はこちらから)
あとがき
新たなシステムを導入した際、「社内への浸透」が課題となるユーザー様が多い印象です。そんな中、今回のユーザー会では、使う社員の視点に立ち、利用するハードルを下げるのはもちろん、つい使いたくなるような楽しめるさまざまな仕掛けをご紹介いただきました。
今後もカオナビのユーザー会では、機能の使い方に限らず、今回の社内浸透のように様々なテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「人事施策とセットでカオナビの使い方を教えて欲しい」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!
「過去のユーザー会が気になる!」という方は、ぜひカオナビキャンパスオンラインものぞいてみてくださいね。
また、カスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!
それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!