ユーザー会レポート
人事にもっと挑戦を。従業員を想ってとにかく動く、コロナ禍の一休CHROの姿
2021年4月7日
こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。
3/4(木)、株式会社一休 執行役員 CHRO 管理本部長の植村様をゲストにお招きし、ユーザー会「マナベル」を開催しました。ご参加いただいた皆さま、誠にありがとうございました!
本記事はセミナーレポート前編。「人事にもっと挑戦を。従業員を想ってとにかく動く、コロナ禍の一休CHROの姿」と題し、コロナ禍の在宅勤務移行における、一休様の施策を中心にお届けします。
「マナベル」とは?
「マナベル」シリーズは、ユーザー様から直接学べるユーザー会。各回さまざまな業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビ導入のご経緯」「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁とその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見のセミナーです。
カオナビではそのほかにも、ご導入目的別に運用のポイントを解説するセミナー形式や、ユーザー様同士で活用方法や操作についてディスカッションするミートアップ形式のイベントも開催しています。
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ご登壇者・モデレーター紹介
ご登壇者
株式会社一休
執行役員CHRO管理本部長
植村 弘子 様
モデレーター
株式会社 カオナビ
取締役副社長 COO
佐藤 寛之
導入から約4年。いまやカオナビは“従業員検索エンジン”?!
植村様にカオナビにご来社いただき、弊社佐藤との対談形式でお届けした本セミナー。まずはご導入初期から現在に至るまでの、カオナビの使い方の変化について伺いました。
佐藤:
植村さんがCHROに就かれて、1年ほどでカオナビをご導入いただいたんですよね。
植村様:
そうですね。今では従業員数は350人ほどになりましたが、当時はちょうど会社もグッと成長していたタイミング。100人を超えてきたあたりから、だんだん本当に顔と名前が一致しなくなり、これは人間の記憶力の限界だ、と感じ導入を決めました。
植村様:
カオナビの使い方についてまとめてみましたが、今ではパソコンを開くと当たり前のようにカオナビを立ち上げて、検索エンジンのように使っています。
「あ、あの人どうしよう?」「あのチームどうしよう?」「これどうしたらいいかな?」と眺める、確認する、検索する。なんでもいつでもカオナビをチェックしてそこから考え始めるんです。
あとはダッシュボードで組織の可視化をしたり、評価で使っていたり。社員のグルーピングはまさにタレントマネジメントに関わる部分ですね。
まずは眺めて、グルーピングして、たとえば今子育てしている社員が何人いるのか、このあとの配置はどうしようかな?とか、今度復帰してくる仲間たちのことを考えたりするときにも使っていますね。
使っていて感じるのは、毎年使い方が少しずつ変わってきている、ということ。
使い始めた当初は、従業員検索や時間短縮に効果を感じていたのですが、データが蓄積されてきたことで、それをどう活用していくか、という次のフェーズに入ってきたんじゃないか、と感じています。人事や経営陣がデータを使った先に目を向けるようになったかな、と。
全員出社の社風から一転、在宅勤務へ
急遽リモートワークを開始された一休様。当時、具体的にどのように判断し、どんな働き方をされていたのかをお話しいただきました。
佐藤:
一休様では新型コロナウイルスの流行を受けてリモートワークを開始されたのですよね。どのように編成して、今はどうなっているのか、ご紹介いただけますか?
植村様:
はい。一休はもともと全員出社という社風でした。営業が多い会社であること、少数精鋭で常にリーンな組織でいるというのを意識してきたこともあって、コミュニケーションを大事にしてスピードを上げるというのが会社の特徴だったんです。もちろんリモートワークについても議論はしてきましたけれども、今回のコロナ流行前はまだ実施していませんでした。
2020年2月ごろにダイヤモンドプリンセス号のニュースが出てきた時、まずは一部職種を在宅勤務に切り替えましょう、となりました。職種ごとにカテゴリーを3つに分けて、最初にエンジニアやデザイナーの人たちから切り替えることを全社に発表をして開始。同年3月からは、コールセンターのような、本当に出社しなければ難しいと判断した数名以外は、ほぼ全員在宅勤務に切り替えました。
人事ももっとトライしていい。在宅勤務中の施策の数々
続いての話題は、コロナ禍での働き方の変化に伴う従業員のケアについて。誰もが先が見えず不安を抱えていたなか、植村様が先陣を切って取り組まれたさまざまな施策について、ご紹介いただきました。
佐藤:
コロナ禍の在宅勤務への切り替え当時を振り返って、大事にしてこられたことを教えていただけますか?
植村様:
はい。うちは事業が宿泊とレストラン関連なので、4~5月は本当にもう何もできない…という感じでした。社員のみなさんは不安になるなんて当たり前ですよね。そこで、とにかく「従業員が心身ともに健康であること」を第一に掲げていました。
世界中のどこの会社様もきっと悩まれて、工夫をされてきたのだろうと思います。私たちも全く同じで、経営からのメッセージ発信を丁寧にやっていこう、と意識していましたね。コミュニケーションの参考にしたのは、ニュージーランドの首相なんです…。
佐藤:
あの方ですか!どんなところをご参考にされたのでしょうか。
植村様:
丁寧ながらもフレンドリーなコミュニケーションスタイルですかね。うちは350人くらいの規模感で本当に良いメンバーが揃っているので、このメンバーには、こういうコミュニケーションのほうが合ってるんじゃないかなと思っていたんです。
植村様:
それで毎週、オフィスの様子を歩きながら動画を撮ったり、赤坂のこと忘れてない?とオフィス近辺のお店の様子を撮ったり、「全国のみなさんお元気ですか?(P)」で、全国のいろいろなチームのzoom会議に人事メンバーが参加して声をかけて回ったり。「自分だけじゃないんだ」「みんなでがんばろう」と感じてもらえたらと、いろんなチームの人に「コロナ奮闘記」を書いてもらって発信したりもしました。とにかく、やれそうなことはなんでもやってきましたね。
佐藤:
いろいろやってこられてますね。リモートワークをするようになって、働くこと自体は効率的になったという声が多いんです。でも、「ちょっといいですか?」「ランチいきません?」といった、感情に寄り添うような行動が急に遮断された気がします。
そんな、オフィスに出社していた時は自然にできていたものをどう担保していくのか、が意外とすごく大事ですよね。皆さん、「とはいえ仕事だしな。どこまでやれば従業員の皆さんのところに届くんだろう?」と考えていらっしゃると思うんです。一休様の場合は、どういう経緯でやってみよう、となったのでしょうか?
植村様:
社員のみんなが喜んでくれそうなことを探してやった、という感じですね。久しぶりに一休のオフィスを見たら、ちょっと笑ってくれるかな?赤坂の風景を届けたら喜んでくれそうだな、と。
だれも何が良いかなんてわからなくて、教えてくれる人がいたら教えてほしい、くらいの時期。だから、「答えがないときに答えを求めない」ことを大事にしました。失敗も何もないんだから、とりあえず真似でもなんでもやってみたらいいんじゃない?という感じでやってきましたね。
佐藤:
それは大事ですよね。タレントマネジメントもそうですが、VUCAの時代といわれるように、今って答えがないことが多いですよね。変化に富んでいて不確実。だからこそ、試行錯誤してみてダメだったら改善する、といったスタンスはHRに関わる人間として大事にしたいですね。
植村様:
そうですね。なんとなく「人事は間違っちゃいけない」という感じはありますよね。でも、人と組織が変化しているのに、なぜ人事がトライしちゃいけないの?って思うんです。挑戦して、違うと思えば変えればいいし、また挑戦すればいいんじゃないかな。
― ここまで、コロナ禍でのリモートワーク導入に伴う、植村様の数々の施策をご紹介しました。レポート後編では、このような状況下でカオナビをどのように使い、どんな変化があったのかをお届けします。