ユーザー会レポート
テレワーク時代は心のケアが急務!?カオナビを使った対応を専門家が解説!
2021年6月23日
こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。
5/26(水)、ユーザー会「プロからマナベル」を開催しました。今回は「テレワーク時代のメンタルヘルスケア」をテーマに、労務管理のスペシャリスト「汐留社会保険労務士法人」様がご登壇。60名以上もの参加者にご出席いただきました。ありがとうございました!
「プロからマナベル」とは?
「プロからマナベル」ではある分野の専門家で、なおかつカオナビ・ユーザーでもある方をお招き。人事業務の最新トピックや、カオナビの実践例を解説してもらうセミナーです。
カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催しています。今後、開催予定のセミナーは、以下でチェックしてみてください!
ご登壇者紹介
新井 将司 様
汐留社会保険労務士法人
事業統括役員(社会保険労務士/行政書士)
浅野 育美 様
汐留社会保険労務士法人
社会保険労務士/1級ファイナンシャル・プランニング技能士
テレワークの普及で進む「孤独化」と「仕事の24時間化」
第一部・第二部の構成で行われた、今回のセミナー。まず第一部では浅野様に、従業員のメンタルヘルスケアに関する現状や、対処の流れなどを解説していただきました!
はじめに、メンタルヘルスケアの現状について。テレワークの普及が「孤独化」や「仕事の24時間化」を引き起こしていると話します。
「テレワークにより、社内のコミュニケーションが希薄となった結果生じるのが、孤独感です。さらにはオンオフの切替がうまくできず、心理的に常に仕事から離れられないといった、仕事の24時間化も問題となっています」(浅野様)
そのためテレワーク時代には、企業はより一層メンタルヘルスケアへの投資が必要だと話す、浅野様。実際、コロナ下で健康経営に取り組む企業は続々と増えているそうです。
「例えば、健康経営に取り組む企業を見える化する『健康経営優良法人』という認定制度があります。この制度が始まった当初、認定企業は223社でしたが、2年後には2503社に増加。さらに、2021年には7934社もの企業が認定されているんです」
では、メンタルの不調に対し、企業側はどう対応していけば良いのでしょうか。
浅野様は不調を発見してから面談、そして今後の対応検討から休職に至る4つのフェーズのうち、「発見〜面談フェーズ」での事前予防が大事だと話します。
予防する方法としては『コミュニケーション不足の解消』『オンオフの明確化』『在宅の業務環境の確認とサポート』の3つ。在宅だと『お昼何食べる?』といったちょっとした雑談もなくなってしまう。そのため、チャット機能を利用して気軽に雑談できるようなオンライン休憩室を作るなどの方法がありますね。また、通勤がない分、オンオフの境目があいまい。だからこそ、在宅時は原則残業を禁止したり、所定労働時間外ではメールのやりとりをしないといったルールを決めても良いかもしれません。必要であればサテライトオフィスの導入も検討するなど、できるだけ在宅での業務環境を整えることも大事です」
そして、万が一メンタル不調者を発見した場合、所属長や人事との面談の機会を設ける。もし対応が困難な場合、産業医や外部専門家への相談も検討してみてください、と予防法を解説していただきました!
体調確認から復職に向けた取り組みまで網羅!カオナビ活用術6選
続いての第二部では、実際の操作画面を映し出しながら、新井様にフェーズごとのカオナビ活用術を紹介していただきました。早速、見ていきましょう!
1.発見フェーズ)パルスサーベイで社員のコンディションをチェック!
パルスサーベイとは週・月ごとなど定期的に簡単なアンケートを実施することで、社員のコンディション変化を把握できる機能。
「現在のコンディションだけでなく変化を捉えることに特化した機能で、能動的に、従業員のメンタル不調を発見するのに最適です」(新井様)
2.発見フェーズ)シャッフルフェイスで組織状況からアプローチ
個人のコンディションからだけでなく、部署別の傾向を見つけ出し、先回りして要因を改善することも大切だと話す、新井様。そのためには、シャッフルフェイスが役立ちます。
「例えば、横軸を『所属』、縦軸を『現在の仕事にやりがいを感じる』で表示する。すると仕事にやりがいをあまり感じていないと回答している人は、どの部署に多いのか、俯瞰的に見ることができるわけです」
3.面談フェーズ)プロファイルブックに面談結果を残す
続いては面談フェーズ。まず、メンタル不調者との面談結果をプロファイルブックに残すことが大事だといいます。
「面談記録シートを作成し、『面談日』『面談者』『面談結果』『面談メモ』などを登録しておくと、不調者と面談情報を紐付けて管理できますよ」
4.面談フェーズ)スマートレビューで面談の進み具合を見える化
さらに面談フェーズでは、スマートレビューを活用する例も。
「1カ月目、2カ月目とフェーズを作り、面談後の記入や、承認が必要なフローも含めてスマートレビューで見える化する。面談の進み具合も把握しやすくなります」
5.面談フェーズ)エニアグラムで従業員を理解するための視点を増やす
エニアグラムは「行動の動機」をもとに9タイプに分類する、性格診断機能です。
「産業医の方でも性格検査などを活用している人もいます。特にエニアグラムは『行動のエネルギー源』『欲しいものを得る方法』『問題への対応の仕方』などの傾向も見ることができる。普段のその人の行動と照らし合わせながら『こういうところはあるかも』とか『逆にここは違うな』と、相手を理解する視点も増えます」
6.検討・実施フェーズ)スマートレビューで復職に向けた取り組みを可視化
最後に検討・実施フェーズでは、複職に向けた取り組みなどをスマートレビューで管理するのが良いそうです。
「トライアル出社など、復職までのステップを見える化し、人事や現場で共有していただく。復職が難しい、もしくは業務内容を変えないといけない、といった判断を行う際に役立ちます」
【Q&A】「人事から面談を持ちかけても良い?」など気になる疑問へプロが回答!
セミナーの最後には参加者の皆さまからご質問をいただき、ゲストのお二方に回答していただきました。たくさん投げかけられた質問から、一部を抜粋してお届けします!
- Q)人事から面談を持ちかけた場合「自分は深刻な状況なんだ」という意識が芽生え、退職や休職を促進させてしまう恐れもあるかもしれません。最初に、人事からアプローチしても良いものなのでしょうか?
A)はい、良いと思います。ただ、その方の事前情報をきちんと把握しておき、NGワードなど、話さないことを決めておいた方が良いですね。なかには「ここは言わないようにしてください」といった不調者との面談用にマニュアルを設定している企業さんもいますよ。
- Q)従業員のコンディションチェックの方法で、体調を聞くこと以外に何かあれば教えてください。
A)まずは始めることが大事なので、基本は人事が確認したいことを自由に聞くのが良いと思います。そして、反応を見ながら聞く内容を修正していってください。コンディションチェックを始めることで「会社として従業員の健康に気を遣っている」という姿勢を見せることにもつながりますし。
- Q)テレワーク勤務者で雑談を行う具体的な案がありましたら教えてくださいませ。
A)雑談専用のチャットを作るほか、社内コミュニケーションに使っていた掲示板を見直したり、雑談に特化したITツールを導入したりする方法があります。雑談タイムを設けても良いかもしれませんね。
【参加者の声】「自社で検討すべき課題の発見につながった」という方も
参加者からのご感想も、一部抜粋してお届けします!
- 実際に運用を想定し、設定シートサンプルを表示いただいたのでわかりやすかったです。
- 実際にカオナビパルスサーベイを使用した社員のヘルスケアについて、各フェーズごとにお話いただき分かりやすいと感じました。また、操作画面もお見せいただきましたのでより当社内でどのような活用すべきか具体的なイメージが持てました。
- カオナビの活用方法を知りたいと考えセミナーに参加しましたが、他社事例やフォーマットを見せていただいたりと、自社で活用できそうなことが見えてきて大変参考になりました。
- 業務の都合上最後まで視聴できなかったのですが、弊社でもテレワークを実施して1年ほど経過して、メンタル不調で休職した社員も出てきていたので、社員の状態を把握するためのカオナビの活用法を知ることができてよかった。
- パルスサーベイの質問等、参考になりました。リモートワーク下のメンタルヘルスについて検討すべき事項、課題が見えました。
操作画面を見ながらの解説だったため、カオナビの具体的な活用方法をイメージできたなど、わかりやすさを評価していただけたようでした。また、なかにはメンタルヘルスケアに関する情報を聞いて課題が見えてきたという声も。自社に置き換えて考える良いきっかけになったようです。いただいたご意見を踏まえ、今後のセミナーにも活かしてまいります!
セミナー動画を公開しました
下記より当日のセミナーの様子をご覧いただけます。ぜひチェックしてみてください。
【セミナー動画】<プロからマナベル>社労士が語るテレワーク時代のメンタルヘルスケアとカオナビの活用法
あとがき
テレワークによって働いている人の様子が見えにくい今。従業員の心身のケアは容易ではありません。だからこそ、コンディションを把握できるツールを使ったり、雑談の機会を意識的に設けてコミュニケーションを行ったりする必要がありそうですね。
カオナビのユーザー会では機能の使い方に限らず、今回のメンタルヘルスケアのように様々なテーマを取り扱っていく予定です。
今後のテーマもただ今頭をひねりながら考案中……ですので「この分野のプロの話が聞きたい!」「自社の取り組みを知って欲しい」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!
また、カオナビのカスタマーサクセスチームでは、Twitterも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!
それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!