ユーザー会レポート

3つの事例でわかる!カオナビで始める人的資本の情報開示

2024年1月10日

マナベル

ユーザー会

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。

2023年5月26日(金)、ユーザー会「マナベル」を開催しました。今回は、「人的資本の情報開示のポイントとカオナビを使った3つの事例」をテーマに、汐留社会保険労務士法人さまにご登壇いただきました。

ご参加できなかった皆さまにも知見を取り入れていただけるよう、当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!

※掲載内容はすべてユーザー会当日時点の情報です。

「マナベル」とは?

「マナベル」はカオナビを使いこなしているユーザー様をお招きし、実践例を直接お話いただくセミナーです。さまざまな業種のユーザー様にご登壇いただいており、「カオナビ導入の経緯」「カオナビを使ってできたこと」「ぶつかった壁とその乗り越え方」など、赤裸々なトークが必見です。
カオナビではそのほかにも、導入目的別の使い方を解説するセミナーや、ユーザー様同士で活用方法をディスカッションし合う交流イベントも開催。今後、開催予定のセミナーは、以下をチェックしてみてください!

>>今後の開催予定のセミナーを確認する

ご登壇者紹介

新井 将司 様

汐留社会保険労務士法人
事業統括役員 社会保険労務士/行政書士

印刷会社での勤務を経て、2011年に汐留社会保険労務士事務所(現法人)に企業コンサルタントとして転職する。2014年に同法人役員に就任。IPO準備、M&A、組織再編支援などを得意とし200社以上のコンサルティングを経験する傍ら、事業統括役員として現法人の事業戦略を担っている。

※ご登壇当時の情報です。

他社と比較しない。自社に合ったやり方で進める人的資本の情報開示

※ここからは実際に新井様にお話しいただいたセミナー内容です!

弊社はこれまで少しずつではありますが、人的資本経営に取り組んできました。それに際して、意識していることが次の3つです。

・他社と比較しない
・自社に合ったやり方を選ぶ
・既に持っている情報を活用する

人的資本については多くの基準やガイドラインが発表されています。しかし、社員35名と小規模の弊社では、すべての項目を可視化や検討していくリソースがありません。そのため、自社に必要なことから優先して取り組むと決めています。

また、新しい取り組みをはじめると、どうしても時間がかかってしまいます。そこで、まずはいま蓄積できている情報を活用しつつ、スモールスタートで行うことを意識しております。

【事例1】組織状況の可視化

ではここから、弊社のカオナビでの具体的な事例を紹介させていただきます。

1つ目は、組織状況の可視化と分析です。組織状態のなかでも、働く環境の基礎的な部分である衛生要因を重点的に確認しています。

まず、勤続年数および役職別の平均残業時間です。ハイパフォーマーが多くの残業をすることなく成果を上げている一方で、入社間もないメンバーや若手は残業が多い傾向にあるとわかりました。さらにデータを取って何が原因かを探り、個別にケアしていかなくてはと考えています。

続いて、勤続年数別・退職人数推移のグラフについて。
これにより勤続3年未満の社員の退職が減少傾向にあることが確認できました。こちらはオンボーディングを強化した結果だと考えています。反対に、中堅社員の退職が目立つようになってきています。これに対して、別の施策を打つ必要も感じているところです。

最後に、少し特殊な事例として、健康意識と残業時間数の相関のグラフを紹介します。

これは健康意識が高ければ高いほど、残業時間が少ないのではと思いついて作ってみたものですが、相関は特にありませんでした。

健康意識調査は、ボイスノートを使って実施しているのですが、ボイスノートで集めた回答も、カスタ厶ガジェットを活用することでさまざまな切り口で見ることができることをお伝えしたく、このグラフを紹介しました。

【事例2】スキルの可視化

続いて、スキルの可視化事例をご紹介します。弊社ではスキルを、知識・技術・応用力・特性の4つと定義しています。

しかしこれらは数値化が難しいため、最低限持つべき能力を示す基礎能力と、特性や応用力を示すプラスアビリティの2つをポイント化することで可視化を進めています。

まず、勤続年数別の基礎能力の分布のグラフです。勤続年数が長いほど、基礎能力も上昇しています。

プラスアビリティに関しても、同じグラフを作成しました。中途採用を積極的に行っていることもあって、勤続年数が短くともプラスアビリティが高い傾向が見て取れます。

また、基礎能力とプラスアビリティの相関関係も可視化しています。このグラフでは、職位が高いメンバーほど基礎能力もプラスアビリティも高く優秀であることが非常に綺麗に現れました。

【事例3】企業文化・価値観の浸透度の可視化

企業文化・価値観の浸透度の可視化は、まさにチャレンジの途中です。弊社で大切にしている、知識の共有や還元、新しいチャレンジ、社内貢献の3つの観点から可視化を進めています。

まず、知識の共有度合いを知るために、案件のサポート件数を可視化しました。すると、職位が低いメンバーの方がサポート件数が多いという意外な結果となりました。サポートを若手のオンボーディングとして取り入れている影響もあるかと思います。しかしそれを加味しても、職位が高いメンバーのサポート件数も増えてほしいところ。そのための施策を検討している真っ最中です。

チャレンジについては、基礎能力値と新規営業件数の2軸でグラフを作成。こちらでは、基礎能力が高いメンバーほど新規営業件数が多いという結果に。我々としても、この結果は非常にポジティブに受け止めています。

続いて、社内貢献についてです。弊社では、独自の役割分担制度を設けています。その役割の分担数と、職位・資格をポイント化した数値を比較して、相関を検証しました。

これにより、若手層が社内貢献に積極的に取り組んでいることがわかりました。非常によい結果だと感じています。一方、中間層の数値に対しては、もう少し伸びてほしいと感じているのが正直なところです。社内貢献を能動的に行えるような組織風土を醸成することが、課題のひとつだと認識しております。

カスタムガジェットを活用する際の2つのポイント

ここまで多くの事例をご紹介してきましたが、最後に、カスタムガジェットを使う際のポイントを2点共有いたします。

1点目は、詳細条件の絞り込みや検索を組み合わせること。こうして余分なデータを除外したり切り口を増やしたりすることによって、より的確なデータを用いた分析が可能になるため、非常におすすめです。

2点目は、現状のデータを俯瞰的に見るために散布図が非常に役立つこと。また、数値では測れない定性的なものでも工夫して数値換算することで、見える化が可能になります。

実は本日紹介した取り組みは、カオナビのもくもく会で、ヒントをいただいたことで進められたものも多いです。今後とも、みなさまと意見交換をしながらカオナビの活用を進めていきたいと考えています。

【Q&A】社員のスキルや経験を探せる仕組みはどうやって構築してる?

参加者からのご質問にもお答えいただきました。

Q)全社員が、他の社員の持つスキルや経験を探せる仕組みを構築したいと考えています。そのような取り組みはされていますか。

A)保有資格や業務経験の情報収集は行っております。業務経験については、「〇〇業界での就業規則作成経験」と業界や領域まで落とし込み、具体的な情報を収集しています。ただ、メンテナンスしきれていないデータも存在するのが現状です。この点についても引き続き取り組みが必要だと感じています。

Q)弊社はカオナビでのデータ収集や集めたデータの可視化をスモールスタートで進めていますが、理念に即した取り組みができているかは疑問です。貴社ではいかがでしょうか。

A)スモールスタートは、弊社でも非常に意識しています。また理念に即した行動についても、現場の肌感としてはチャレンジできており、社員の満足度も上がっていると感じています。ただ実際に組織状態を可視化すると、感覚と一致していることもあれば、逆に感覚に反して改善が必要なこともありました。いまはその改善点に向き合うことが優先事項だと捉えています。それに取り組みつつ、さらなる組織状態の可視化と分析を進めていくつもりです。

ユーザー会を終えて

今回も、オフライン・オンラインともにさまざまな企業の人事の方が集っての賑やかなユーザー会でした。新機能として登場したカスタムガジェットを活用いただき、人的資本情報の可視化について実際のグラフをお見せいただきながら、わかりやすくお話いただきました!
みなさまも、早速自社の人事制度や組織人事戦略へ活かしていただけると幸いです。

カオナビのユーザー会では機能の使い方に限らず、さまざまなテーマを取り扱っていく予定です。「カオナビに集めたデータを採用や経営に活かす方法が知りたい!」「いま取り組もうとしている○○の人事施策について相談」など、ぜひお気軽にご意見をお寄せくださいませ!

また、カスタマーサクセスチームでは、Xも運営中。セミナー情報や便利な活用テクニックなどを定期的につぶやいていますので、チェックしていただけると嬉しいです!

それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!


今回のセミナー動画や資料はカオナビキャンパスオンラインでご確認いただけます。
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