ユーザー会レポート
鉄道会社さま限定交流会!九州旅客鉄道株式会社さまが実践する現場社員へのカオナビ浸透の工夫とは?
2025年2月20日

こんにちは!カオナビ カスタマーサクセスグループ ユーザー会担当です。
2024年12月19日(木)、大阪にて鉄道会社さま限定の業界特化型交流会を開催しました。当日は参加企業さまの中から、九州旅客鉄道株式会社さまにご登壇いただき、カオナビ活用についてお話いただきました。
皆さまにも知見を取り入れていただけるよう、当日の内容をまとめましたので、ぜひご一読ください!
※掲載内容はすべてユーザー会当日時点の情報です。
【九州旅客鉄道株式会社さまご登壇】細やかな工夫が成し遂げる、社内でのスムーズなカオナビ活用
ご登壇者紹介
林 浩一 様
九州旅客鉄道株式会社
人事部人事課 担当課長
2001年、九州旅客鉄道株式会社に新卒入社。運輸・運転系統の業務や、乗務員の勤怠管理システムなどの運輸・運転系統のシステム開発・運用に従事。2023年4月より人事部人事課に異動。タレントマネジメントシステム導入や約30年前に自社開発した基幹システムの人事・給与分野のパッケージ化などに従事している。
※ご登壇当時の情報です。
眞鍋 一利 様
九州旅客鉄道株式会社
人事部人事課 主査
2007年、九州旅客鉄道株式会社に新卒入社。運輸・運転系統の業務、人事業務及びシステム関係業務に携わる。2022年10月より人事給与システムの強化のため人事部に異動。カオナビの導入ほか、人事給与システムのパッケージ化、人事業務のスマート化に取り組んでいる。
※ご登壇当時の情報です。
※ここからは実際に林さま、眞鍋さまにお話しいただいたセミナー内容です!
現場社員にカオナビを活用してもらうための「3つの工夫」とは?
当社は、7,576名の社員を抱える鉄道会社です。彼らのうち6割が、運転士や車掌、駅員など鉄道事業の現場の社員。オフィスワーカーではない彼ら約4,500名に、どのようにカオナビを活用してもらうかが、当社のカオナビ運用の鍵となってきました。
当社がカオナビを導入した目的は、社員の経験やキャリア、教育歴、保有資格、希望などの情報を“見える化”し、社員の活躍や成長につなげることです。具体的には、以下の4点です。
また、制度改正に伴う評価項目変更に、コストを抑えつつ対応したいという実務的なニーズもありました。そして他のツールも検討した上で、UIや操作性のよさ、運用負荷の軽さが決め手となり2023年よりカオナビを導入しました。
工夫①:カオナビの呼び名を「人材みえーる」に変更
導入にあたって、社員へより浸透させるためにまず行った工夫が、カオナビの呼び名を変えることです。横文字だと分かりにくい、とっつきにくいと感じる人のために、社内ではわかりやすさを追求して「人材みえーる」とも呼んでいます。
続いて、当社のカオナビの活用の全体像を紹介します。
まず、もともと使用していた基幹システム内の情報を入れて一定の土台を作ったところで、顔写真や自己紹介の文章などを追加できるようにしました。また、人事評価にカオナビを使用することとし、社員が必ずログインする機会を年に2回作っています。また、年に1度の転勤希望調査もカオナビに統合しました。
工夫②:各機能名も独自の呼び名を採用
ここで活用における2つ目の工夫を紹介させてください。
それは、カオナビ公式の機能名ではなく、社内専用の呼び名を利用していることです。オプションを活用し、システム上でもその名前で表示されるようにしています。
というのも、「スマートレビュー」などの名前は、たとえば60歳の運転士にはとっつきにくいと感じられると考えたからです。こうして、社員ができるだけ違和感を持たないような設計をしています。
そして社員には、まず顔写真を入れてもらうよう依頼しています。
工夫③:アイコンを動物にすることであえて違和感を出す
ここで、3つ目の工夫をしています。写真を入れていない社員については、生年月日による動物占いの結果に応じた動物のアイコンを表示する仕組みを作っています。
自分のアイコンが動物だと違和感を感じて、顔写真の追加につながるのではと思っての取り組みです。実際に本社系の人はほとんどが顔写真を登録してくれており、この作戦は成功したかなと思っているので、よろしければご参考ください。
また、社員に入れてほしいシートは「★」をつけて一目でわかるようにしています。
評価からコミュニケーションの記録まで。幅広い場面でカオナビを活用
また閲覧権限の付与についてはできるだけ簡略化。人事権を持つ者は全社員のすべての情報を見れる設定としている点が、特徴的かなと思います。
社員とのコミュニケーションの記録もカオナビでデータ管理しています。管理者にも「日々のなんてことない雑談でもいいから入れてください」と声かけをしています。
こちらは非常にマメに入力してくれている現場のとある社員の例ですが、こうした形で日々の記録を取っています。
この蓄積によって、評価者が不在の時の出来事であっても評価者がそれを知ることができます。そしてこれが、より適切な評価につながっています。また異動時にも、過去の動向がすぐに確認ができるので役立つかなと考えています。
続いて、カオナビの導入理由でもあった人事評価について紹介します。
いわゆる業績目標に対して振り返りをして評価をしていくよくある仕組みですが、当社では、現場の社員も含めて、ある人の一次評価者が誰で二次評価者が誰かを明確に人事部が把握していません。指示しているのは、直属の上司が一次評価者に、その上司が二次評価になるということだけです。
そこでカオナビでも、被評価者に評価者の名前を入力してもらう欄を設けています。
運用として大丈夫なのかという不安は少しありましたが、これに関する問い合わせはほとんどなく、スムーズに運用できています。
また、シート内に評価面談の進め方を記載したり、評価するべき人数が多い評価者に向けて、評価の一括入力機能を用意したりといった工夫も行っています。
社内公募でも、スマートレビューを活用しています。応募者への面接の際も、志望動機のほか、本人の基本情報や職歴を見ながら面接ができるため、「とても便利だ」との声が面接官から上がっています。
社内の異動検討や人材発掘には、シャッフルフェイスでの横軸を勤続年数、縦軸を転勤希望とした2軸分析を活用。こうして、さまざまな場面でカオナビを活用しています。
社員がカオナビを使いたくなる環境を作る工夫
続いて、社内でカオナビを展開するにあたっての工夫についてご紹介します。
おそらくほかの鉄道企業さんでも、現場社員への導入がとてもハードルが高いのではないかと思います。当社はもともとタブレットを乗務員に配布していたため、その分スムーズではありましたが、とはいえ色々と工夫を凝らしてきました。
まず顔写真について。抵抗を示す社員も多いので、写真が嫌ならイラストでもいいけど、顔写真があった方がよく見えるよといった伝え方をしています。
またマニュアルについてもできるだけ簡略化。現場の社員が最低限使うための内容をA4の紙1枚にまとめています。またそのなかで、「情報が入っていないと損をするかもしれない」と伝えることで、社員の情報入力を促進しています。
またログインの促進のため、人事評価や社内公募の受付をカオナビのみに設定したり、乗務員に配布するタブレットには、カオナビへのショートカットを用意したりといった工夫もしています。
こうしたカオナビの活用の結果、人事部や異動担当者から「すごく使いやすい」という声が出ているのはもちろん、一般社員からも好感触で、約7600人中3800人が何らかのプロフィール情報を、2000名ほどが文章も含めた自己紹介を記載してくれています。
今後の展望としては、カオナビさんの別プロダクトである労務関係システム「ロウムメイト」を活用し、労務情報のデジタル化に取り組みたいと考えています。また、現在はプロファイルブックで行っているスキル管理のアビリティマネージャー機能への移行、基幹システムとの連携の検討、人事データ分析などにも取り組んでいく方針です。
【Q&A】
参加者からのご質問にも丁寧にお答えいただきました。
Q)現場社員からの抵抗があったか、そういった人とどのようにコミュニケーションを取っていったか教えていただきたいです。
A)一番よくあった反応が「人事評価でどんな文章を入れればいいかわからない」というものでした。打開策としては、例文を提示しました。例文を10個用意し、「このなかからどれか入れていただければOKです」というふうにハードルを下げる運用をしました。
Q)コミュニケーション記録を入力してもらえるように工夫した点があれば教えてください。
A)活用する場面や方法を現場の管理者に粘り強く伝えていきました。特に、評価者がいつもいるわけではないので、「その人にきちんと伝えて正当に評価してもらうためだ」ということは意識的に伝えました。
ユーザー交流会
休憩を挟んで後半は、グループに分かれて交流会を行いました。自社でのカオナビの活用方法や現在抱えている課題など、ざっくばらんにお話いただきました。
・現業社員のカオナビの展開について(端末をお持ちでない方にどう利用してもらうか)
・カオナビの情報公開範囲
・カオナビ上での人材の可視化・発掘
・基幹システムとの棲み分け
など、業界特有の課題感も交えつつ活発な意見交換がみられました。
人事制度や評価の仕組みなど、人事業務全般に関する幅広い情報交換も行われ、大変充実した場となりました。
また、これからカオナビのご導入を検討されている企業さまからは、
・評価目的でカオナビを導入しようかと考えていたが、情報をオープンにすることで社員同士の信頼関係醸成にも役立ちそう。
・カオナビを使うことで今まで目立たなかった社員に対し、スポットライトを当てて活性化させたい。
といったお声もいただきました。
ユーザー会を終えて
今回は、鉄道会社のみなさまにお集まりいただき、業界特化型交流会を開催いたしました。同じ業界内だからこそ、分かり合えるポイントやできるアドバイスも多く、非常に密度の濃いユーザー会だったと感じております!
カオナビでは業界固有の課題を解決していくべく、これからもこのようなユーザー会の開催を継続してまいります。
それでは、今後もカオナビをどうぞよろしくお願いいたします!