課題
- 人的資本の重要度が高まる一方で人材情報の活用が不十分だった
- 情報活用に必要な工程に多くの手間がかかっていた
活用法
- 通常の評価以外に、360度評価などにも機能を活用
- ワークフロー機能で社員からの情報収集を効率化
- アンケート機能で全社的なアンケートシステムの統一を実現
効果
- 1件あたり3分程度かかっていた評価シートの作成業務が数秒で済むようになった
- 全社的に人材情報に対する関心度合いが高まった
グループ全体でローン・クレジットカード事業・信用保証事業・海外事業・ベンチャーキャピタルなど、幅広く事業を展開するアイフルグループ様。その中核企業であるアイフル株式会社様は2023年からカオナビを導入いただいています。
評価機能をきっかけとして、ワークフロー機能やアンケート機能などを多岐に活用いただいており、ゆくゆくは人的資本開示の文脈でも活用を進めたいと語る、同社の人事部 人事課 課長補佐 泉裕二郎様、人事部 人事課 三枡明弘様、人事部 人事課 淺井美穂様に活用の状況と展望について伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年2月29日)現在の情報に基づいています
人的資本経営に対する開発姿勢が導入の決め手に
––はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。
泉様:近年、人的資本の重要度が高まるなかで人事業務への関心が増しています。
当社としても以前から人材情報を収集する努力はしていましたが、その情報を活用し、将来の人材戦略の設計までは着手できていませんでした。
その一因として、以前から使っていた基幹システムは、情報を取り出し、加工し、出力するといった、情報活用に必要な工程に手間がかかるという課題があったんです。そこで、情報活用に強みがあるタレントマネジメントシステムの導入を検討しはじめました。
––数あるタレントマネジメントシステムの中でカオナビを導入した理由を教えてください。
泉様:いくつか理由はあるのですが、まずカオナビは使いやすいUXを提供しており、視認性や操作性が優れていました。
機能面で言えば、配置検討機能「ポジションマッチング」は、特定の部門の特定の役職にマッチする人材を検討する際に役立ちます。
個人の主観的な感覚ではなく、要件を定義化することで客観的に適切な人材を探すことができるため、配置案の説明力が向上し、仮に配置後にうまくいかなかったとしても要因分析にもつながります。
また、ディスクロージャー数値を可視化する「カスタムガジェット」も便利です。人的資本にも関わる自社の情報を手間なく可視化できる機能が魅力的でした。
総じてカオナビの各種機能は、人的資本の文脈に対する高い関心を持って開発されている印象を受けたことも決め手となっています。
「分かりやすく使いやすい」が社内浸透の秘訣
––評価機能「スマートレビュー」の活用について教えてください。
三枡様:社員の皆さんにカオナビに慣れてもらうという目的もあり、現場での評価入力を半期ごとに実施しています。
運用を進める中でカオナビが全社的に認識され、360度評価度への活用も進んでいます。
機能導入時にはうまく使いこなせない場面もあったのですが、カオナビのサポート担当の手を借りて、ひな型をつくってもらいカスタムをしていきました。
自分たちが手を動かす中でテクニカルな悩みが発生しても、問い合わせをすれば丁寧に答えてくれたり、リモートで操作してくれたりと心強かったです。
––ワークフロー機能についてはいかがでしょうか。
泉様:データの収集と更新をワークフロー化することで、社員だけでの運用が可能になりました。人事としても内容の確認が楽になりましたし、集めた情報はデータベース機能「プロファイルブック」に集約できるため、情報活用の点でも便利です。
当社には本人の意思で異動を希望できるFA制度があるのですが、その申告にもワークフローを活用しています。申告された情報をプロファイルブックに反映させることができるため、異動希望が叶わなくても申告内容をキャリアプランやスキル情報として蓄積し、社員の将来的なキャリアに活用できます。
社員が伝えてくれた情報を人事が一読して捨てる。それでは人事担当がいる意味がありません。ワークフローによって、集めた情報を活用するという人事本来の役割を果たせる点もうれしいですね。
––アンケート機能「ボイスノート」の活用についてはいかがでしょうか。
淺井様:当社はグループ会社や部署数が多く、全従業員対象のアンケートを実施することが多いのですが、「ボイスノート」導入以前はアンケートのツールが担当者ごとにバラバラで、運用についても基幹システムにデータをインポートするものもあれば、Excelで個別に管理するものもあったりと、ルールが定まっていませんでした。
今はアンケート業務を原則すべて「ボイスノート」で一括管理しているので、効率よくアンケートを実施できています。
特にカオナビのツールは分かりやすく使いやすいため、引き継ぎする際に使い方の説明も最低限で済む点が「ボイスノート」で一括管理できるようになった大きな要因だと思っています。
カオナビは伴走してくれるという安心感があった
––導入後の効果について教えてください。
三枡様:半期に一度人事考課の目標入力・評価入力を行いますが、以前は中途入社社員の評価シート設定時に、一件ずつ役職と等級を確認し、それに対応した評価シートがあるフォルダに割り振る業務が発生していました。
それが評価機能「スマートレビュー」によって、新たに入社した社員を対象者に追加するだけで、評価シートがつくられ、被評価者が入力できる状態までを半自動化することができました。
1件あたり3分程度かかっていた作業が今では数秒で済むため、大きな業務改善になっています。
泉様:人事部に限らず、全社的に社員の人事情報に対する関心が高まりました。
カオナビにより分かりやすく、リアルタイムで情報を閲覧できる環境を整えたことで、管理職が積極的に部下の強み・弱みを把握しようとしはじめていると感じています。
––カオナビだからこそ感じられたメリットはありましたか?
淺井様:カオナビさんはシステムを一方的に提供するのではなく、ユーザーと一緒により良いものをつくっていくスタンスという印象を受けました。
カオナビさん独自のコミュニティ内ではユーザー同士のつながりも強く、システム活用に悩んだ際も他社の人事担当者の方に相談することもできます。
まさに一つのチームで人事課題に取り組んでいるイメージですね。
三枡様:導入時には開発担当の方も同席の上で要望を聞いてもらったこともありました。開発担当の方と直接打ち合わせの場を設けていただくことは難しいとは思っていましたが、二つ返事で許諾していただけたのには驚きましたね。
当社からの設計や修正の依頼に対してもレスポンスが速く、営業担当の方では判断が難しい場合は開発側も巻き込んで協議をしてもらったりと、スムーズにやりとりができました。
泉様:カオナビを契約してから3カ月でリリースしたのですが、伴走体制の手厚さ、UI・UXの分かりやすさなど、カオナビさんだからこその長所がなければ、このスピード感は実現できなかったと思います。
カオナビのサービスをフル活用して人的資本に対応したい
––カオナビを活用して、今後注力したい取り組みがあれば教えてください。
淺井様:今後の検討次第ではありますが、最終的には人事課以外の業務、例えば人事労務の手続きなどもカオナビに一本化できたらと思っています。
ツールが複数あるとユーザーである社員にとっては大変な部分もあると思いますので、人事部だけではなく現場のことも考えたシステム運用を意識したいです。
三枡様:淺井さんの言う通り、ユーザー目線に立って、より便利な活用をできるようにアップデートしていきたいですね。
人事部の業務領域は良くも悪くも聖域化していると感じます。今後はカオナビを緩衝材とすることで現場と人事の距離感を縮めていきたいです。
泉様:導入当初の目的でもあった人的資本の側面で活用を進めたいです。
最近、カオナビさんの新サービスとして他社の開示情報を一覧で確認できる「人的資本データnavi」がリリースされました。まさしく私が欲しいと思っていた機能で、今後のアップデートにも期待しています。
他社の人事動向やトレンドの変化を素早く見極めるためにも、「人的資本データnavi」で情報を集めつつ、カオナビでのデータ活用を促進していきたいと思います。
- 設立:
- 1978年2月
- 社員数:
- 単体1,059名 連結2,180名(2023年3月31日現在)
- 事業内容:
- 消費者金融事業、事業者金融事業、信用保証事業