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株式会社ビックカメラ

3カ月のトライアル運用で見えた、タレントマネジメントシステムに求めるべきこととは?

2024.10.09
課題
  • 商品に対する専門知識を持つ社員の情報を管理するため、情報の一元化が急務だった
  • フィードバック面談の記録により、異動後も育成方針を引き継げる環境を構築する必要があった
活用法
  • 個人目標の設定・進捗管理や1on1面談のデータ管理
  • 細やかな社員情報の集約・一元化された情報をもとにした施策の検討
効果
  • 人事評価の効率化と「ビックカメラマイスター制度」選考の精度向上
  • 社員情報の一元管理・蓄積による、納得度の高い評価の実現
  1. 「“こだわり”の専門店の集合体」実現のため、社員情報の一元管理が急務
  2. トライアル運用で感じた使いやすさ。現場社員の視点からみた直感的な操作性が決め手に
  3. 評価の効率化・精度向上を実感。今後は検索や分析も
  4. 優秀な人財が埋もれないように、個人の頑張りをデータで可視化していく

大手家電量販店として全国に店舗展開するビックカメラ様は、近年非家電製品の取り扱いも増やすなど、企業理念にもある「進化し続ける“こだわり”の専門店の集合体」の実現を目指し、人事制度改革に取り組んでいます。
カオナビの導入経緯やトライアル導入での所感、現在の活用方法について、同社執行役員 総務人事部 副部長の帆加利祥子様と、総務人事部 課長の稲田晋様にお話を伺いました。
※本記事の掲載内容は全て取材時(2024年6月7日)現在の情報に基づいています。

「“こだわり”の専門店の集合体」実現のため、社員情報の一元管理が急務

––はじめにカオナビ導入の経緯についてお聞かせください。

稲田様:
当社は企業理念のなかで「“こだわり”の専門店の集合体」を目標に掲げています。そこで、ある商品カテゴリーにおいて専門的な商品知識や接客技術を持つ販売員に対し、その分野のスペシャリストとして任命する「くらし応援マイスター制度」を2022年9月にスタートさせました。翌年9月には対象となる商品カテゴリーを増やすなどの制度変更を行い、「ビックカメラマイスター制度」として現在運用しております。
この制度運用をはじめ、人事としては従業員が持つ高い専門知識や個性を見出し、育成することが求められていました。

しかし、これまで当社の人財情報は一部の社員が閲覧できるExcelや、時には社員個人の記憶を頼りに管理されており、社員情報の一元管理ができていない状況でした。そこで、タレントマネジメントシステムを導入して、社員情報を一元管理し、誰がいつ見ても同じ情報を確認できるようにしたいと考えたのです。

––社員情報の一元管理がシステム導入を検討したきっかけだったのですね。

稲田様:
はい。加えて、当社では従業員エンゲージメントを高める活動の一環として、人事考課を実施した後、上司と部下とのフィードバック面談を実施しています。しかし、これまで面談記録は、紙のノートでの記録などに留まり、データとして管理されていませんでした。

当社では店舗異動や部署異動が頻繁にあるため、社員の異動先の新しい上司が、過去に面談で話した社員の目標や悩みなどを把握できない状況でした。そこで、異動があってもそれまでの育成を引き継げる環境を作りたいとも考えていました。

総務人事部 課長 稲田晋様
総務人事部 課長 稲田晋様

トライアル運用で感じた使いやすさ。現場社員の視点からみた直感的な操作性が決め手に

––システム導入検討の段階では、トライアル運用(PoC)でご検討いただきましたね。

稲田様:
PoCを実施したのは、PCの画面上で、社員の基本情報や顔写真、異動履歴、評価履歴、役職履歴などがどういう見え方でまとまるのかを確認したかったためです。
また、既存の人事システムからカオナビへ情報を移行する際の手順を、管理者の立場で経験しておきたいという思いもありました。

––PoCではどういった運用を行いましたか?

稲田様:
期間としては3カ月ほどかけてじっくり検討しました。具体的な運用内容としては、社員のあらゆるデータを集約できるデータベース機能「プロファイルブック」での、各社員の基本情報や異動履歴の入力です。

加えて、業務に対するモチベーションなどの情報も社員の自己申告によって集約していきました。それらの情報がまとめられた状態で、マネージャー層の社員に確認してもらい、使用感や見え方に関する反応を伺いました。

––PoC時点では他社サービスも検討されていたと聞きました。カオナビを実際に触ってみて、他社との違いを感じたのはどのような点ですか?

稲田様:
導入の決め手ともなった使いやすさが大きな違いだったと思います。他社サービスでは分析機能が優れている一方で、各種設定が難しいという懸念がありました。サポートの方にご相談してもなかなかうまく設定できないこともあったりと、運用の懸念が払しょくしきれなかったんです。

その点、カオナビの機能はシンプルで、設定も簡単です。実際にシステムを使用する現場社員からも好意的な反応が多かったため、カオナビを導入することに決めました。

––PoCを行うなかで、貴社としてやりたいことを実現できると感じていただけたのはどのような点でしたか?

稲田様:
これまで見えていなかった販売員のスキルや専門知識、保有資格などの情報が「プロファイルブック」でまとめて確認できました。さまざまな情報を一元的に、かつ一目で分かりやすく閲覧できるのは、可能性を感じた点でしたね。

帆加利様:
過去の人財情報を蓄積し管理する目的でタレントマネジメントシステムを導入していますので、異動情報や面談の内容、個人の得意・不得意をピンポイントで検索できる点はうれしいですね。
一人一人のパフォーマンスを上げるためにも、全体の俯瞰と個人の絞り込みで使い分けがしやすい点が魅力だと感じます。

執行役員 総務人事部 副部長 帆加利祥子様
執行役員 総務人事部 副部長 帆加利祥子様

評価の効率化・精度向上を実感。今後は検索や分析も

––2023年12月にカオナビを導入いただき半年ほど経過しました。現在、主に活用している機能とその活用状況について教えてください。

稲田様:
主に活用しているのはオリジナルの評価制度を実現できる評価ワークフロー機能「スマートレビュー」と「プロファイルブック」です。「スマートレビュー」では、2024年3月より個人目標の設定・進捗管理や1on1面談のデータ管理を行っています。

また、「プロファイルブック」では、社員個人はもちろん、必要に応じて上司も閲覧できるよう、さまざまな社員情報を集約し整えている段階です。具体的には、ビックカメラの店舗内には、生活家電から日用品、PC・スマホ、AV機器、カメラといったさまざまなコーナーがありますが、それらの担当コーナー履歴や保有資格情報などを個人に紐づけて、一元管理していきたいと考えています。

––集約したそれらの情報をどんな施策に活用したいですか?

稲田様:
個人的に感動体験だったのですが、カオナビでは特定のキーワードから、そのキーワードに該当する社員を検索することができます。それを活用し、例えば、インバウンド需要の高まりから社内的にも把握したい情報である「中国語や英語を話せる社員数」を調べることもできます。「スマートレビュー」の目標申告を活用しながら、資格情報を集約することで、社員データの検索や分析にもつなげたいですね。

––カオナビを導入して得られた効果やメリットを教えてください。

稲田様:
フィードバック面談を行った評価者からは、事前にメンバーに対して伝えたい情報をカオナビに入力し、当日面談を行うことで、面談にかかる負荷の軽減につながったと意見をもらっています。
多いと1日に数十名の社員に対して面談を行う評価者もいるため、面談の内容を抜け漏れなく記録に残せる点も非常に役立っています。

「プロファイルブック」の画像イメージ。フリーワード検索で社員の絞り込みも可能(画像はビックカメラ様の従業員とは異なります)
「プロファイルブック」の画像イメージ。フリーワード検索で社員の絞り込みも可能(画像はビックカメラ様の従業員とは異なります)

優秀な人財が埋もれないように、個人の頑張りをデータで可視化していく

––今後注力したい取り組みを教えてください。

帆加利様:
当社では社員の階級ごとに研修を行っているため、学習管理機能「ラーニングライブラリ」で研修の受講履歴や進捗管理も検討していきたいです。さらに、そういった研修受講歴情報を「プロファイルブック」へ連携することで、個人の情報をより充実させていきたいと考えています。

稲田様:
まずは「スマートレビュー」における評価運用と1on1面談のデータ管理を社内に定着させていくことに注力したいです。その上で、人財情報の可視化を行いたいと考えています。

例えば、メンバーの過去の社内表彰制度での受賞歴といった、社員の情報もカオナビに登録していけたらと。優秀な人財が埋もれないように、そして個人の頑張りをみんなが承認してあげられるように、データで可視化していくのが目標です。

––最後に、カオナビに期待することを教えてください。

帆加利様:
納得度の高い評価制度の実現です。カオナビ上では、異動情報や面談のフィードバック内容、社員の強み・弱みを一元的に閲覧できますが、今後はそれらの情報を蓄積していくことが重要です。
大型店舗で一人の社員に対する評価者が複数になる場合でも、観点がぶれず納得度の高い評価を実現できるよう、今後もカオナビを活用していきます。

設立:
1978年5月
社員数:
連結 10,200名、単体 4,448名(2023年8月31日時点)
  • ※インタビューの内容は取材時のものになります。

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