コスモシステム株式会社様(以下、コスモシステム)は、長期的なスパンで若手社員を育成していく「人財育成プログラム」を計画。しかし、将来的な若手の積極的な活用を視野に入れたこのプログラムを実際に動かしていく際に人材情報を一元化していく必要に迫られたそう。そんなコスモシステムが「カオナビ」を選んだポイントと活用方法とは?人事・総務部の、高橋章様、遠畑弘樹様、塚田武志様にお話を伺いました。
コスモシステム株式会社について
「未来のために人のために」という理念
コスモシステムは、「未来のために人のために」を基本理念として、宮城県を中心に全国各地で移動体通信基地局の建設工事から自社製造品の開発・製造、およびその設置工事を手がけています。その高い技術力は、コスモシステムを成長させる原動力だそう。
塚田武志様(以下、塚田様): 「コスモシステムは携帯電話の中継局を設計・施工する建設事業を主軸に成長してきました。電波の測定、不動産の交渉、基地局の設計・施工。このように基地局を作る際にはさまざまな業務が生じますが、弊社の強みは、これら一連のフローを一気通貫して行えるところにあります。また、基地局の建設だけでなく、自社製造品の開発、雷害対策の設計・施工からコンサルティング提案なども行っています」
人材についての考え方
会社のさらなる成長のために人材育成を戦略化した
平成2年の創業から28年。この間、「中小」企業から「中堅」企業へと成長を遂げていくなかで、「人材育成」が大きな課題として生じたそう。人材不足が深刻化する「いま」という時代において、若手を一人前に育て上げて活躍してもらうにはどうすればいいか。この問題に対処していくことが喫緊の課題だったようです。
高橋章様(以下、高橋様): 「2015年に『中小企業の皮を脱ぎ、真の中堅企業となるための人材育成プランを作りなさい』と社長から指示がありました。その背景には若い世代を戦力として育てていけなければこの時代には成長できない、という強い危機感があります」
塚田様: 「そのためには若手を積極的に活用していく必要があります。しかし現場をきちんと仕切れる技術者になるには高い技術力と専門性、そして知性や常識が必要で、10年ほどの時間をかけることになります。そこで弊社は、新入社員が入社から現場の責任者に成長していくまでの見取り図として『人財育成プログラム』を作成しました」
「10年」というスパンで若手を育成する「人財育成プログラム」
「人財育成プログラム」を有効に活用して、若手の技術者を一人前に育成すること。そのためにコスモシステムはジョブ・ローテーションによるキャリア形成を計画的に行っているそう。
塚田様: 「たとえば、施工管理者として現場を仕切るためには基地局建設に関する技術的な知見はもちろん、協力会社をリードし、クライアント企業と交渉していくコミュニケーション力が求められます。だからこそ若手の頃から様々な業務を経験し、それぞれの現場で能力を磨いて、将来の施工管理リーダーとして成長してもらう。そこで、新人の情報を管理するために『人財育成管理票』を作成し、数年前から運用しています。人財育成管理票には、異動履歴、所有資格や受講した研修の履歴などを記載しています。異動ごとに情報を的確に引き継げなければ、現場も混乱しますし、そもそも10年というスパンで育成なんてできませんから」
コスモシステムの評価制度とは?
目標の達成と取得した資格のランクで査定する「チャレンジプラン」を運用
入社から現場リーダーになるまでの10年間の成長の軌道を描いた「人財育成プログラム」。新入社員が着実に成長しているかを把握する「人財育成管理票」。綿密に練られたコスモシステムの人材マネジメントにおいて、もちろん評価制度も大切な役割を果たしているそう。
遠畑弘樹様(以下、遠畑様): 「目標管理をベースとした『チャレンジプラン』という評価制度を運用しています。たとえば、役職者の場合には、業績や改善に関する目標を評価する以外に、部下をどれくらい育てたのかという『育成責任者』としての能力・成果も評価項目に組み合わせています。『協育』という概念ですね。一方で一般社員の場合には、目標と取得した資格の種類を掛け合わせて評価します。取得を奨励している資格が全部で100種類くらいあって、資格それぞれにランクを設けているんですよ。業務に直接役立つ資格であればランクは高く、そうでないものは低い。年次ごとに取ってほしい資格もプラン化しているので、このような評価制度を運用しているんですね」
「カオナビ」の導入背景
毎年入社する新入社員。人材情報の一元化は必須だった
しかし、人財育成プログラムを推進するために人財育成管理票を作ったものの、いざ運用を始めようと意気込んだところすぐに問題に直面したそう。
塚田様: 「もともと人財育成管理票はエクセルで管理していこうと思っていました。でも、いざ回そうとしたときに、新入社員の情報をエクセルで管理することは現実的でないことに気づきました。しかも人財育成プログラムは『10年』という期間を視野に入れているので、管理する情報は毎年増えていきます。そこで、こうしたデータを一元管理できる人材マネジメントサービスはないかと考えました」
高橋様「それにデータは管理職レベルも扱う必要があるので、人材情報を簡単に共有できるものがいいなと思っていました」
「カオナビ」導入の決め手
決め手は「簡単に使えること」と項目を自由に設定できる「柔軟性」
求めたのは柔軟性と共有のしやすさ。しかし、いくつもの人材マネジメントサービスの説明を受けても事前に準備することが多く、運営のイメージまではわかない。そんなときに「カオナビ」と出会ったのだとか。
塚田様: 「項目を自由に設定したり修正したりできる柔軟さ、情報の共有のしやすさ、そしてその操作がとても簡単にできることに惹かれました。それに、今ある人材情報もCSVで保存していたら、『カオナビ』にすぐに移行できて、手間がかからない。人財育成管理票は、市場や会社の状況に合わせてマイナーチェンジを重ねていくものです。今後はもっと複雑になるかもしれない。でも、そうしたマイナーチェンジにも、柔軟性のある『カオナビ』ならストレスなく対応できる。それに『導入ディレクション』に契約して専任ディレクターの方に1年間伴走してもらいながら機能や仕様に習熟していけば人事総務の手で運営していけると確信しました」
「カオナビ」の活用方法
資格・研修・異動履歴など必要な人材情報はすべてPROFILE BOOKで管理
基地局建設が主力事業であるコスモシステムにとって社員が持っている資格や研修の受講状況など、スキル情報の管理は重要です。実際に「カオナビ」で人材情報を管理し始めてみてPROFILE BOOKとの相性の良さを実感したそう。
塚田様: 「資格や研修の管理は人材育成を行っていく上で欠かせません。そのため、PROFILE BOOKには所有資格や研修履歴はもちろん入力しています。さらにOJTに関する記録や、社員が今後どんなキャリアを積んでいきたいかを記載する『キャリアプランシート』の情報も『カオナビ』で管理しています。このように育成に必要な人材情報が過去の履歴も含めて『カオナビ』で一元管理できています。異動の際にもスムーズに情報を引き継げるので、育成の主役である現場のマネジメント層からもとても評判がいいですよ」
評価の進捗状況が細かくわかって評価運用も効率化
くわえて、それまでエクセルで行っていた評価運用もずいぶん効率化したのだとか。SMART REVIEW(評価運用機能)のなかでも特に進捗管理がとても役立っているそう。
高橋様: 「『カオナビ』導入前から社長には『現場の評価者が正しく評価をしているか把握するためにも、進捗管理をもっときめ細かくやらなければならない』と指摘されてはいました。とはいえエクセルで運用していた頃は、評価を行っていない評価者に対して『確認してください』とメールで個別にアラートを出す程度のアクションしかおこせていませんでした。今はSMART REVIEWによって、どの評価者がまだ評価を行っていないかも一目瞭然。まだ評価を行っていない評価者にはまとめてすぐにアラートを飛ばすこともできます。細かく進捗管理ができるので、業務も効率化しましたよ」
研修アンケートが簡単に取れて、学びが深まる
さらにコスモシステムの特徴的な取り組みが「出勤土曜日」。これは所定労働日を仕事ではなく自己啓発の時間に充てるというものです。教材は社長自ら決めており、社会問題を扱うドキュメンタリー番組から最新のビジネス書まで多岐にわたります。ここでも「カオナビ」を活用しているそう。
塚田様: 「出勤土曜日には普段の仕事からだけでは学べない社会問題やビジネスの動向を学ぶことで、従業員に広い視野を持ったビジネスマンに育って欲しい、という社長の想いが込められています。だから受けっぱなしで終わらせてしまうのはもったいない。そこで、簡単にアンケートを取れるVOICE NOTEを使って、教材から『どんな学びを得たのか』という感想を必ず送ってもらっています。そうすることで教材への理解も深まり、研修を受ける意識や態度も変わりますから」
「導入ディレクション」について
品質は◎!専任ディレクターの丁寧な対応には「とても感謝」
コスモシステムの人材マネジメントを支える「カオナビ」。緻密に構想された「人財育成プログラム」とそれを可能にする「人財育成管理票」、そして何より本気で「若手」を育てていこう、という意思があったからこそ「カオナビ」の活用は進みました。その一方で、専任のディレクターが初期設定や使用方法などを1年間サポートする「導入ディレクション」も大きな役割を果たしたそう。
遠畑様: 「弊社の活用が進んだのは、サポート担当者の方の尽力に負うところが大きいと思っています。たとえば、目標の達成と取得予定の資格を掛け合わせて従業員を評価する評価制度。その仕組みを『カオナビ』上で再現することはさすがに難しいだろう、と正直、思っていました。でも、電話会議で仕組みを伝えるだけで、すぐに再現してくれた。事前にお渡ししていた資料と打ち合わせだけでこちらが求めているものを理解して、実際に使えるものにすぐに仕上げてくれる。そのレベルの高さに驚きの連続で、とても感謝しています。だから、この1年、導入ディレクションによって進めることのできた『カオナビ』の活用を、今後は自分たちの手でどんどん進めていきたいですね」
- 設立
- 1990年
- 資本金
- 3億円
- 従業員数
- 370名
- 事業内容
- 移動体通信基地局の建設工事を中心に、自社製造品の開発・製造、およびその設置工事などを行う。