エキサイト株式会社は、Web検索、ニュース、辞書、翻訳などのサービスを提供するポータルサイトを運営している。1997年にスタートしたポータルサービスの原点「エキサイト」をはじめ、女性のための情報サイト「ウーマンエキサイト」など、人々の生活に欠かせないさまざまなコンテンツを展開。近年はNTT東日本、NTT西日本が提供する光回線卸モデルを採用したインターネット接続サービス「エキサイト光」の提供を開始した。またインドネシア、フィリピン、台湾へ進出し海外事業の強化も図っている。今回はカオナビ導入の背景と今後の展開について、経営企画室・室長の細辻享子氏と人事・総務セクションの高橋直美氏に話を伺った。
人事評価制度とカオナビの導入について
人事評価制度の精緻化と人材マネジメントに、社員情報のデータベース化は必須。公平性を保つためにも重要なプロセスだった
エキサイトでは公平かつ社員が納得できる人事評価制度の導入を進める中で、経歴やスキルといった社員情報のデータベース化が急務となっていた。その新たなステップとして、書類とエクセルで管理していた社員のデータをクラウド上で一元管理できるカオナビの導入を決定した。
「ここ数年、第1ステップとして評価制度の“見える化”を進めてきました。当社はITベンチャー特有の自由な社風であり、社員はルールに縛られる事なくのびのびと業務に当たっています。そんな中での人事評価制度のルール化は多少の混乱を招きましたが、やはり誰もが納得できる基準を明確にすることは、社員にも会社にとっても重要なプロセスだったと思います。
しかし、すべてのデータを書類とエクセルで管理することに無理が生じてきたため、人材データベースの構築が急務となりました。弊社の社員数は200人ちょっとなので、データベースに頼らずとも“あの人はこういうことが得意だ”と感覚的に判断できる部分もありましたが、それでは全ての社員にとって公平な制度とは言えません。
そして、社員が今後どのようにキャリアアップしていきたいか、そのためにどんなサポートをするべきか。これは人事として考えなければならない非常に重要なポイントです。社員それぞれの特性をきちんと理解・把握した上でのキャリアサポートを実現するためにも、データベース化は必須でした」
カオナビの選定理由について
求めていたのは基礎データの構築がしっかりできるシンプルなシステム。それ以外の複雑な機能はいらない
カオナビの導入理由は「必要最低限の機能がそろっていて、使いやすい」という実にシンプルなものだった。
「人事部では、例えば社員の出身大学を知りたいときや中途採用で入社した社員の前職を知りたいときなど、その人の人事に付随する基本情報をクリックひとつで出せるようにしたいと思っていました。いちいち履歴書や紙のファイルをめくりながら探すのは時間のロスですし、もうそういう時代ではありません。蓄積したデータを細かく分析できるサービスもありますが、分析の手法にはある意味人それぞれクセがあって、欲しい情報や用途も会社によって違います。当社はまず基礎データの構築がきちんとできればいいという発想だったので複雑な機能は必要なく、最低限の機能がそろっていて簡単に使えるシステムがベストでした。
カオナビは非常にシンプルなので、社長をはじめ会社のトップ陣にも好評です。会議で何かを決める際にも、カオナビで社員の顔写真を見ながら進める場面が増えてきました。」
今後の展開について
これまでに培ったノウハウを活かした多角的な事業を展開。海外での人材育成やマネジメントも視野に入れ、さらなる成長を目指す
ポータルサイトの運営だけでなく、近年は光インターネット接続サービスの提供や海外事業の強化など多角的に事業を展開。人事においては今まで以上に新卒を積極的に採用するなど、企業として新たなステージを迎えている。気になる今後の展開と、カオナビの活用について聞いた。
「多角化と言っても全く関連のない事業ではなく、我々がこれまでベースとしてきたものや、培ったノウハウを活かした事業展開です。インターネット事業は日本では飽和状態ですが、インドネシアのような人口が多い海外の都市の場合これからどのように発展していくのか、現在とは違った発展があるのではないかというのを見越してビジネスを進めています。海外展開はここ数年のことなので、国内限定のインターネット事業からどうやって海外での人材育成やマネジメントにシフトしていくのか、という課題も見えてきました。今後は、また別のタレントマネジメントが必要になる可能性もあります。例えば社内で英語ができる人間を探したいときなど、ワンクリックで情報が得られるデータベースがあるのは強みになりますし、カオナビを活用する場面はこれからもっと多くなると考えています。
人事としては、今後は社員ひとり一人の希望と会社側の希望をうまくマッチングさせて、異動やキャリアアップに役立てていきたいと思っています。アンケート機能などを活用すれば、これまで人事には届いていなかったかもしれない社員の声がダイレクトに聞けますし、紙のアンケートとは違い集計も効率的にできます。カオナビは自由度が高く使い方次第で色々なことができるので、有効に活用していきたいです」
- 設立
- 1990年
- 事業内容
- インターネット情報サービス
- 資本金
- 3,237百万円