株式会社インプレスホールディングスを持株会社とするインプレスグループは、IT、音楽、デザイン、山岳・自然、モバイルサービスのセグメントにおける専門的・先進的な知識・情報を、その時々にふさわしい手段で発信するメディアグループだ。20 年以上の歴史を持つ PC 解説書の草分け「できるシリーズ」をはじめとする書籍・雑誌の出版事業や、デジタル総合ニュースサービス「Impress Watch」等のコンシューマ向けメディア事業、企業向け IT 関連メディアのビジネスメディア事業を展開。さらに、紙メディア、デジタルメディア、リアルメディアの相互連携を深め、より付加価値の高いメディア開発に取り組んでいる。コンテンツを取り巻く環境が急速に変化する中、各セグメントをリードする真の専門メディアグループとして新たなビジネスを生み出し続けている。
今回は、カオナビ導入の背景とインプレスグループの人事戦略について、グループ人事部部長・佐々木一幸氏に話を伺った。
インプレスグループの人事戦略について
社員が納得するまで時間をかけてコミュニケーションを図る。
人事部任せではなく、経営者が積極的にコミットするマネジメントの理想形
インプレスグループでは、手軽にリッチコンテンツが楽しめる時代に総合的なメディアビジネスを展開していくには、社員一人ひとりの成長とチャレンジが不可欠だと考えている。これまでも出版業界でいち早く電子出版の分野に進出するなど、常に新しいことにチャレンジする社風を貫いてきた。株式会社インプレスホールディングス代表取締役社長の関本彰大氏は「人が価値を生み出す」という理念のもと、自ら人事制度と真剣に向き合い、時代にマッチした人事戦略をつくり上げてきたという。
「インプレスグループ各社では 2015 年の1 月から人事制度の見直しを進めてきましたが、社長をはじめとする経営陣が納得するまで何度も新しい制度についてのミーティングを重ねました。新制度の社員向け説明会ではなぜ人事制度を新しくするのかを社長自身が説明します。さらに、説明会だけでは理解度が足りない部分もあるため、その後個別に質問ができる機会を設けます。基本的には人事部が対応しますが、社長自ら面談をして質問に答えることもあります。とにかく社員がきちんと納得するまで対話に時間をかける、というスタンスです。経営者がコミットした人事制度なので、例えば何かしら不具合が生じたときでも対応が人事部任せになることはありません。人事の立場からす ると非常にやりやすいです」
人事制度の改定について
結果に関わらず“何か新しいチャレンジをしたか”に目を向ける加点評価をスタート。
個々の経験値を高め、より成長できる職場環境を目指す
同社では 2015 年 1 月から“成長”と“チャレンジ”をキーワードに、人事制度の改定を進めてきた。なぜ今、改定が必要だったのか?その理由と具体的な評価制度について聞いた。
「当社に限ったことではないと思いますが、伝統的な部分も大切にしつつどんどん新しいことにチャレンジしていかなければ、未来を切り拓くことはできません。当社ではそこをいち早く見据えて、社員のチャレンジを後押ししてきました。我々は人が何かを作り出すことで価値を生み出していく会社です。そのためには個々の能力と経験値を高め常に成長していく必要があるので、より大胆なチャレンジができる環境をつくるため、そして社内に新しい風が吹くような変化を促すために人事制度の改定を行いました。具体的には通常業務の業績はもちろん評価しますが、“結果に関わらず何か新しいことにチャレンジしたかどうか”を加点評価する制度をスタートしました。チャレンジしなかったからマイナスというのはなしにして、例えばチャレンジしたけど失敗した場合はプラス1ポイント。チャレンジしてなおかつ結果も出した場合はプラス2ポイント、のようなイメージです。結果だけでなくチャレンジのプロセスや経験値を含めた能力がどれだけ伸びたかが、評価の核となります。
また、これは今回の改定に限ったことではありませんが、評価項目の点数を単に足し算するという算術的なやり方ではなく、仕事への取り組み方も含めて全体を見て評価します。その結果を本人との対話を通してフィードバックしながら、悩みを聞いたり課題を伝えるなど双方向のコミュニケーションを図る。そういったことの積み重ねが本来の人材マネジメントだと思っています」
選定理由
社員の顔と名前が瞬時に検索でき、必要な情報が一目瞭然で分かること。
紙ベースで行っていた評価制度もカオナビで効率化。
人事制度の改定に伴い、社員ひとり一人の経験や能力を会社が一元管理できるシステムの導入を決定。
「カオナビを導入することによって、今後、会社として新しいビジネスにチャレンジしていくときに、誰がどんな経歴なのかを瞬時に、簡単に検索することができる。欲しい情報が一目瞭然というのがポイントですね。経営者自らが新規事業を始める際に、社内の優秀な人材を探せる、まさにこのようなタレントマネジメントのツールを求めていました。さらに、当社の評価制度の運用がより効率化できることや、数年後にまた人事制度を改定したとしても柔軟に対応できることなどが導入の理由です。社長をはじめ経営陣が『人』を大事にしているからこそ、カオナビのような仕組みが必要だという結果になったのだと思います」
- 設立
- 1992年4月1日
- 資本金
- 53億4102万円